ファイナンシャルプランナー2級試験(2級FP技能士検定)は、実務に関わるレベルの知識を得ることができる試験です。
受検者も多く、人気の国家資格の一つとなっています。
今回は、そんなファイナンシャルプランナー2級はどのような試験なのか、受検(受験)資格はあるのか、試験の範囲や日程などについても詳しくご紹介していきます。
受検をお考えの方は、この機会にぜひ一度チェックしておきましょう。
目次
ファイナンシャルプランナー2級試験とは?
ファイナンシャルプランナー2級の正式名称は「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」。
これは試験に合格した人しかその名称を用いることができない「名称独占資格」です。
ファイナンシャルプランナー3級は入門編となり、私生活にも役立つレベル。
2級以上となると、実務に関わるレベルの知識を有していると見なされ、仕事でのキャリアアップや実務に繋がります。
ファイナンシャルプランナーの試験は、科目合格制。
学科と実技両方同日に受検することも、別の日に受検することも可能です。
学科もしくは実技の片方に合格すると、FP技能士の一部合格となります。
一部合格は試験日の翌翌年度末まで有効で、それまでにもう一つの試験に合格することで、FP技能士試験の完全合格となるのです。
実施団体は日本FP協会ときんざい(金融財政事情研究会)の2団体であり、それぞれの申し込み先によって、実技試験の内容、受検会場、合格証書の形式などに違いがあります。
とは言え、学科試験の内容は全く同じであり、合格すれば同じ「FP技能士」という国家資格が得られることは変わりありません。
受検資格は?いきなりファイナンシャルプランナー2級から受けられる?
ファイナンシャルプランナー2級の受験には、受検資格が設けられています。
全くの初心者である場合は、いきなり受検をすることはできません。
ファイナンシャルプランナー2級の受検資格は以下のいずれかに該当する人です。
ファイナンシャルプランナー2級の受検資格
- 3級ファイナンシャルプランニング技能検定合格者(FP3級に合格した人)
- 2年以上の実務経験者
- AFP認定研修の受講修了者
- 金融渉外技能審査3級合格者(2001年に終了した試験です)
AFP認定研修は費用と手間が若干かかるため、初心者からファイナンシャルプランナー2級の合格を目指す場合は、まずは3級を取得すると良いでしょう。
ファイナンシャルプランナー2級試験の概要(日程・費用)
受検日 | 年3回(5月・9月・翌1月) ・5月試験:第4日曜 ・9月試験:第2日曜 ・1月試験:第4日曜 |
受検申請期限 | 試験日の約2ヶ月前 ・5月試験:3月中旬~3月下旬 ・9月試験:7月上旬~7月下旬 ・1月試験:11月中旬~11月下旬 |
合格発表日 | 試験日の約1ヶ月半後 ・5月試験:6月下旬 ・9月試験:10月下旬 ・1月試験:3月上旬 |
受検手数料 | 8,700円 (学科4,200円+実技4,500円、2022年5月試験まで) 11,700円 (学科5,700円+実技6,000円、2022年9月試験から) |
法令基準日 | ・5月試験:前年10月1日時点 ・9月試験:4月1日時点 ・1月試験:前年10月1日時点 |
※参考:試験日程
試験は年に3回(5月、9月、翌1月)。
試験日は例年、5月と翌1月試験は第4日曜日、9月試験は第2日曜日に行われています。
学科試験は午前中、実技試験は午後です。
受検申込期間は試験日の約2ヶ月前になり、申し込み方法は「郵送」か「インターネット」で、日本FP協会かきんざいのどちらか自分が受検する団体へ申し込みをします。
日本FP協会で郵送申し込みを希望する場合、受検申請書を入手する必要があるため、期間に余裕を持って手続きを進めるようにしましょう。
受験料は、2022年5月試験までが学科試験が4,200円、実技試験が4,500円の計8,700円です。
2022年9月試験からは学科試験が5,700円、実技試験が6,000円の計11,700円となります。
受検する団体で受検料の差はありません。
ファイナンシャルプランナー試験は、試験日によって、いつの時点の法令に基づき出題されるかが決まっています。
法令基準日は、5月試験の場合は前年の10月1日時点、9月試験は当年4月1日時点、翌1月試験は前年10月1日時点(当年度10月1日)です。
法律関係の問題は法改正が影響してくるため、受検者は必ず最新のテキストを選び、法令基準日の法令を理解しておくようにしましょう。
ファイナンシャルプランナー2級の試験範囲・内容・合格点
FP協会 | きんざい | |
試験範囲 (学科) | ・ライフプランニングと資金計画 ・リスク管理 ・金融資産運用 ・タックスプランニング ・不動産 ・相続・事業承継 | 同左 |
試験範囲 (実技) | ・資産設計提案業務 | ・個人資産相談業務 ・中小事業主資産相談業務 ・生保顧客資産相談業務 ・損保顧客資産相談業務 ※どれか一つを選択 |
合格点 (学科) | 36点以上(60点満点) | 同左 |
合格点 (実技) | 60点以上(100点満点) | 30点以上(50点満点) |
出題形式 (学科) | マークシート(60問) | 同左 |
出題形式 (実技) | 記述(40問) | 記述(事例形式5題) |
試験時間 | 学科:120分 実技:90分 | 学科:120分 実技:90分 |
ファイナンシャルプランナー2級の学科試験の試験範囲は、3級と同じ6つの分野にわかれています。
学科試験はマークシート方式、実技試験は記述式です。
学科試験は日本FP協会、きんざいともに、60点満点で36点以上で合格。
実技試験の場合は、日本FP協会で100点満点中60点以上、きんざいで50点満点中30点以上が合格となり、いずれも6割の正答で合格できる、絶対評価の試験です。
実技試験では、日本FP協会は「資産設計提案業務」のみ。
きんざいでは、「個人資産相談業務」「中小事業主資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」「損保顧客資産相談業務」の4つから1つを選択し受験します。
なお、「中小事業主資産相談業務」は例年9月と翌1月試験の年2回、「損保顧客資産相談業務」は例年9月のみの年1回の試験となっています。
ファイナンシャルプランナー2級試験の受検者数推移
日本FP協会 | 受検者数 (学科) | 合格率 (学科) | 受検者数 (実技) | 合格率 (実技) |
2022年9月 | 26,265人 | 42.16% | 21,516人 | 56.55% |
2022年5月 | 27,889人 | 49.20% | 14,432人 | 62.11% |
2022年1月 | 27,889人 | 41.51% | 23,186人 | 56.33% |
2021年9月 | 26,352人 | 50.56% | 21,294人 | 60.26% |
2021年5月 | 26,799人 | 55.61% | 20,608人 | 66.67% |
2021年1月 | 26,437人 | 44.02% | 22,474人 | 71.01% |
2020年9月 | 25,117人 | 49.19% | 20,163人 | 57.37% |
きんざい | 受検者数 (学科) | 合格率 (学科) | 受検者数 (実技) | 合格率 (実技) |
2022年5月 | 34,872人 | 15.75% | 23,392人 | 38.05% |
2022年5月 | 36,863人 | 22.11% | 23,272人 | 32.80% |
2022年1月 | 41,803人 | 19.50% | 31,106人 | 45.34% |
2021年9月 | 43,499人 | 25.46% | 32,094人 | 40.03% |
2021年5月 | 44,736人 | 33.82% | 30,634人 | 44.76% |
2021年1月 | 50,865人 | 23.42% | 40,738人 | 45.58% |
2020年9月 | 63,741人 | 33.10% | 56,739人 | 38.45% |
※きんざいの実技合格率は実技4種類の平均
※2020年5月は中止
※再実施試験は除く
※参考:FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ、試験結果
きんざいは職場単位など、団体での申し込みが多いせいか、日本FP協会よりも受検者数が多くなっています。
2つの団体での合格率の差は、受検者層やモチベーションの違いによるものと言われ、問題が全く同じ学科試験でも毎回20ポイント程度の差があります。