税理士試験を独学で突破したいけれど、「どのテキストを選べばいいのか分からない……」と悩む方は多いのではないでしょうか。

税理士試験は科目ごとに必要な知識量や学び方が異なるため、最適な教材選びが合否を左右します。

本記事では、税理士試験の独学におすすめのテキストを科目別に紹介し、失敗しない選び方のポイントも解説。「独学でも合格を目指せる教材が知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

税理士試験の独学におすすめのテキスト11選

税理士試験の勉強を独学で進めるうえで、最も重要なのことが「どのテキストを選ぶか」です。

科目ごとに求められる知識の性質が大きく異なるため、相性の悪い教材を選んでしまうと理解が進まず、勉強の効率が一気に落ちてしまいます。

ここでは、各科目の特徴に合った“独学向け”の良書を厳選し、11冊を紹介します。

• 簿記論
• 財務諸表論
• 所得税法
• 法人税法
• 相続税法
• 消費税法
• 酒税法
• 国税徴収法
• 住民税
• 事業税
• 固定資産税

専門性と読みやすさを兼ね備えたテキストばかりなので、最適な一冊を見つける参考にしてください。

簿記論の独学におすすめのテキスト

「みんなが欲しかった！税理士 簿記論の教科書＆問題集」は、全4巻で、およそ2か月で簿記論の範囲を一巡できるよう設計された教科書＆問題集一体型シリーズです。

難しい論点もシンプルな文章と図解で理解しやすく、例題で本試験の出題イメージもつかめます。

問題集は教科書と連動し、基礎から応用へ段階的に演習できるため、学んだ内容をすぐに実戦力へつなげられるでしょう。

学習時間の目安が示されているほか、問題集と答案用紙は分冊式で使いやすく、PDFで何度も印刷可能。財務諸表論への対応リンクも掲載されており、関連科目を効率的に学べるのも大きな特徴です。

財務諸表論の独学におすすめのテキスト

「財務諸表論 完全無欠の総まとめ（税理士受験シリーズ）」は、資格の学校TACが培ってきた合格ノウハウを凝縮した、財務諸表論の要点整理テキストです。

TAC教材をベースに重要ポイントをコンパクトにまとめており、試験での重要度を3段階で明示しているため、学習計画を立てやすい構成になっています。

各項目には「学習のポイント」と例題があり、初学者でも効率的に理解を深められる工夫が満載。項目ごとの学習度チェックで進捗管理もしやすく、赤シートを使えば重要語句を隠して暗記も可能です。

持ち運びしやすいサイズで、スキマ時間の学習にも最適な一冊となっています。

所得税法の独学におすすめのテキスト

「図解 所得税法「超」入門」は、所得税の考え方と全体像を“とっつきやすく・短時間で”理解できるテキストです。

令和7年度税制改正（「103万円の壁」見直し、基礎控除・特定親族特別控除など）に完全対応し、これから学ぶ学生から実務家まで幅広い読者に向けてやさしく解説。

豊富な図表と具体例により、基本知識はもちろん、実務で押さえておくべき制度やNISA・エンジェル税制といった優遇措置まで直感的に理解できます。

所得税の仕組みを基礎からしっかりつかみたい方に最適の超入門書です。

法人税法の独学におすすめのテキスト

『税理士試験教科書 法人税法Ⅰ〜Ⅱ』は、ネットスクール株式会社が手がける法人税法の基礎学習に最適な教科書シリーズ。

初学者も効率よく段階的に力を伸ばせるよう、基礎編・応用編の2部構成となっています。

税額計算や租税公課、減価償却・寄附金・給与・交際費など、本試験で頻出の重要論点を体系的に学べる構成となっており、導入から応用へスムーズに進めるための土台づくりに最適です。

各テーマの冒頭には要点を整理し、本文では図表を使いながら理解を深められるよう工夫。さらに設例と問題集の該当ページが示されているため、すぐに演習へ取り組め、学習効果を高められます。

相続税法の独学におすすめのテキスト

「税理士 相続税法 理論サブノート」は、相続税法の理論対策に特化した受験生必携の一冊です。

試験で頻出する重要項目のみを体系的に整理し、赤シートで効率よく暗記できる構成を採用。重要語句の暗記→文章化→暗唱へと進む学習ステップが明確で、基礎から応用まで無理なく身につきます。

また、重要度を★で示しているため、どこから覚えるべきか一目で判断可能です。

携帯しやすいB6サイズに加え、巻末には出題分析表や過去問題も収録し、試験傾向の把握にも役立ちます。スキマ時間でも体系的な理論学習が進む、合格力を高めるための頼れるテキストです。　

消費税法の独学におすすめのテキスト

「みんなが欲しかった！税理士 消費税法の教科書＆問題集(1)〜(3)」は、TAC税理士講座による“基礎からひとりで学べる”教科書一体型シリーズです。

取引分類、課税標準、仕入税額控除、納税義務などの重要論点を分冊で体系的に学習でき、わかりやすい文章と図解、例題で本試験の出題イメージもつかめます。

問題集は教科書と連動し、重要度つきの問題を段階的に解くことで理解を実践に結びつけられる構成。答案用紙は取り外し可能でWeb配布もあり、繰り返し演習しやすい点も魅力です。

インプットからアウトプットまで効率的に進めたい受験生に適した一冊といえるでしょう。

酒税法の独学におすすめのテキスト

「図解 酒税」は、「初学者でもわかる」をコンセプトに、複雑な酒税法と関連法令を図表・チャートを豊富に用いて体系的に学べるテキストです。

酒類の判定や税率・課税標準といった重要ポイントをイメージしながら理解でき、丸暗記に頼らず実務にも試験にも活かせる構成が特徴となっています。

税理士試験の酒税法対策としてはもちろん、日々の税務実務にも役立つ内容。発泡酒・新ジャンルの定義改正、酒税法および刑法等の関連法令・通達などの最新の法改正にも対応しています。

さらに付録として「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達（様式編）」を追加し、より実務的な理解を深められる充実の一冊です。

国税徴収法の独学におすすめのテキスト

「税理士試験教科書 国税徴収法」は、税理士試験の合格実績に定評のあるネットスクールが、独学者のために開発した入門・基礎テキストです。

最新の法令・出題傾向をふまえ国税徴収法の範囲を網羅し、初学者でも理解しやすい平易な文章と豊富なイラストで、場面をイメージしながら学べる構成となっています。

通常は講義の“余談”で語られる補足知識も脚注・側注で丁寧に解説し、独学で生じがちな疑問をその場で解消できる工夫が満載。

また、猶予制度から差押え・換価へと、実際の相談対応を想定した順序で学習できるため、実務感覚も自然と身につきます。

さらに国税通則法の基礎（期間・期限・消滅時効・民法の考え方）も扱い、他科目にも役立つ知識を得られる一冊です。

住民税の独学におすすめのテキスト

「税理士受験シリーズ45 住民税 理論マスター」は、資格試験対策に強いTAC出版が手がけた住民税の理論問題対策に特化した一冊です。

住民税の基本構造を条文に基づき体系的に整理し、合格答案に不可欠なポイントをテーマ別に収録。

暗記しやすい構成で、初学者から受験経験者まで効率よく学習を進められます。

さらに、2026年試験に対応した税制改正を反映し、昭和56年度（第31回）から令和7年度（第7回）までの本試験問題を掲載しているため、長期的な出題傾向の把握にも最適。

最新の試験傾向に沿った解説で、住民税理論を確実に得点源へとつなげたい受験生におすすめの理論マスター書です。

事業税の独学におすすめのテキスト

「税理士受験対策シリーズ 税理士 事業税 理論サブノート」は、資格の大原が手がける、事業税の理論問題対策に特化した受験生必携のテキストです。

膨大な条文から重要項目を体系的に整理し、出題頻度の高い暗記部分を厳選して収録。条文体系に沿ってグループ化されているため、個別理論の暗記から全体構造の理解まで効率よく身につきます。

赤シート対応の2色刷りで、重要語句を隠しながら段階的に暗記できる構成も魅力。さらに重要度を★で表示し、初学者にも優先順位がわかりやすく表示されています。

巻末には、出題分析表や過去問題を収録。B6サイズのコンパクト設計で持ち運びやすく、忙しい社会人のスキマ時間の学習にも最適です。

試験傾向の把握にも役立つ、合格力を鍛える一冊といえるでしょう。

固定資産税の独学におすすめのテキスト

「税理士受験シリーズ43 固定資産税 理論マスター」は、資格予備校として高い合格実績を誇るTACが制作した、固定資産税の理論問題対策に特化したテキストです。

固定資産税の基本構造を条文に基づいて体系的に整理し、合格答案作成に欠かせない論点をテーマ別に収録。暗記しやすい構成で、初学者から経験者まで効率的に学べます。

最新の法改正に対応しつつ、昭和26年度（第1回）から令和6年度（第74回）までの本試験問題と、直近10回分の出題傾向分析も掲載。

資格予備校ならではの受験ノウハウが詰まっており、過去問対策から理論の体系理解までこの一冊で完結します。固定資産税の得点力を確実に高めたい方に必携です。

税理士試験の独学用テキストの選び方

テキスト選びで押さえるべきポイントは 以下の3つ です。

これらを意識しておくだけで、学習効率や理解の深さが大きく変わります。

• 目的に合っているか
• 法改正に対応しているか
• 対応した問題集があるか

それでは各ポイントについて解説しましょう。

目的に合っているか

まず、テキストが自分の目的に合っているかを確認することが大切です。

税理士試験は11科目から選択して受験するため、弱点補強をしたいのか、基礎から学びたいのか、特定科目の得点力を伸ばしたいのかで選ぶ教材は変わります。

また、自分の学習レベルに合わせてテキストを選ぶことも重要です。

基礎固めの段階では初歩的なテキストや入門向けの問題集が適していますし、知識の定着度を測りたい段階では応用問題集や演習書、本試験前には過去問や予想問題集が有効です。

法改正に対応しているか

テキストが法改正に対応しているかどうかも必ずチェックしましょう。

税理士試験の出題科目の関連法令は改正されることがあるため、テキストを選ぶ際は最新の法改正に対応しているかの確認をします。

独学の場合、自力で法改正の情報収集をしなくてはならないため、古いテキストを使いまわさず、必ず最新版を使用することが大切です。

誤情報を覚えるリスクを避けるためにも、改訂版を選ぶことは独学者にとって必須と言えるでしょう。

対応した問題集があるか

税理士試験を独学する際は、インプットとアウトプットをバランスよく行う必要があるため、テキストと対応した問題集があることも重要なポイント。

内容がリンクしている問題集があれば、学んだ知識をすぐに問題で確認でき、理解が定着しやすくなります。

特に初学者はテキストと問題集がセットになった教材を選ぶと、学習の流れが自然につながり効率的に進められるでしょう。

税理士試験に独学で合格することは可能？

結論からいえば、税理士試験に独学で合格することは非常に難しいと言えます。

税理士試験は国家資格の中でもトップクラスの難易度を誇り、合格までに必要な学習期間は3〜5年と長期に及びます。

また、扱う内容も高度で専門性が高く、テキストだけで理解しきることさえ難しいため、独学では途中でモチベーションを維持できなくなる可能性が高いです。

税理士試験の合格を目指すのであれば、通信講座の活用がおすすめです。

通信講座の実績あるカリキュラムを活用すれば、初学者でも迷わず学習を進められます。多くの講座には質問サポートが付属しているため、独学では解決できない疑問点をすぐに解消できるでしょう。

また、自力で法改正の情報を追う必要がなく、常に最新の内容で学習を進められるのも魅力。受験生は余計な不安を抱えることなく、知識の定着に集中できるという大きなメリットがあります。

まとめ

今回は、税理士試験の独学におすすめのテキストを紹介しました。

• 適切テキスト選びが独学成功の最重要ポイント
• 科目特性に合うテキストが効率を左右する
• 最新の法改正対応は教材選びの必須条件
• テキストと問題集の連動で定着度が向上
• 独学合格は難度が高く長期化しやすい
• 通信講座は最新情報と質問サポートが強み
• 最短合格には通信講座の活用が効果的
  

税理士試験の独学は、テキスト選び次第で学習効率も理解度も大きく変わります。

独学でも進められますが、確実に合格を目指すなら通信講座の活用も視野に入れ、最適な学習環境を整えて挑戦することが成功への近道です。