中小企業診断士のダブルライセンスの中でも、多く取得されている資格がファイナンシャルプランナー(FP)です。

そのメリットは一体どのようなものなのでしょうか。

今回のコラムでは、中小企業診断士とFPとのダブルライセンス取得のメリットを具体的に解説しますのでぜひご覧ください。

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中小企業診断士とのダブルライセンスで多いのがFP

中小企業診断協会令和3年版のアンケートによれば、中小企業診断士以外の保有資格として一番取得されている資格はファイナンシャルプランナー(FP)。

二番目は情報処理技術者、三番目は販売士でした。

21.7%の方がFP資格を中小企業診断士とのダブルライセンスとして取得しているという結果でした。

このコラムでは、中小企業診断士とFPのダブルライセンスについて見ていきます。

なお、その他中小企業診断士とマッチするダブルライセンスに関しては以下のコラムでまとめてありますので、合わせてご覧ください。

※関連コラム:中小企業診断士のダブルライセンスにおすすめの資格を紹介

中小企業診断士とFPの資格の関連性

次に、中小企業診断士とFPの関連性について解説いたします。

そもそも中小企業診断士とは、企業の経営コンサルを行う職業です。会社の経営についてのアドバイスや経営状況の確認を行います。

一方、FPとは個人の資産運用やライフプランニングをサポートする職業です。

このように、顧客が企業なのか、個人なのかという規模の点で違いはありますが、顧客に対してコンサルティングを行う、アドバイスを行うという本筋では共通しているといえます。

したがって、中小企業診断士とFPには業務の上での考え方や働き方、職業適性という観点で関連性があるといえます。

また、FPは3級~1級までの3種類に区分けされているところ、中小企業診断士とのダブルライセンスとしては、2級以上の取得で相乗効果が生まれるといえます。

もちろん、FP3級の取得でもメリットはありますが、3級は資産運用、相続の基礎部分のみに終始しているため、やや不足していることは否めません。

一方2級以上であれば応用度の高い問題が出題されるため、2級以上を取得していれば、資産運用やリスク管理、相続・事業承継等の知識も十分なレベルがあると保障されるため、顧客からの信用も得やすいといえます。

以上より、中小企業診断士とのダブルライセンスとしてのFPは2級以上を目標に取得を目指すのが良いでしょう。

中小企業診断士とFPのダブルライセンスのメリット

次に、具体的に中小企業診断士とFPのダブルライセンス取得のメリットについて解説していきます。

①クライアントからの信用増加

まず、中小企業診断士の資格に加え、ファイナンシャルプランナーの資格も有していると、それだけ様々な知識があることが証明されます。

したがって、クライアントからみれば、中小企業診断士資格単一の人よりも、ファイナンシャルプランナーのダブルライセンスを取得している人の方が頼りがいがあると感じ、信用が増します。

そのため、ダブルライセンス取得の方がクライアントからのより厚い信用を獲得し、業務の安定化や新規顧客獲得につながりやすくなるといえます。

②業務範囲の拡大

中小企業診断士資格に加え、FPのダブルライセンスを取得していると、当然、FPの業務についても扱うことができます。

そのため、中小企業の経営コンサルティングを行いつつ、会社に勤めている会社員の方々を顧客として、個人の資産運用やローンの相談業務についてもアドバイスを行うことができるようになります。

今までよりも取り扱うことができる業務の範囲が拡大するといえます。

③キャリアアップに繋がる

ダブルライセンスであればそれだけ他の業務の知識を持ち合わせているため、それだけ付加価値があります。

そのため、中小企業診断士として企業内で勤務する場合、会社内でのキャリアアップにつながり、より高い収入を得やすくなるといえます。

企業勤めの中小企業診断士の場合にも、FPのダブルライセンス取得のメリットはあるといえます。

④独立や転職に有利

FPのダブルライセンス取得により個人の資産運用のコンサルティング業務を扱うことができるため、それだけ他の中小企業診断士との差別化を図ることができ、競合を避けることができます。

そのため、独立するときや転職するときに自分の強みを活かした活動をすることができます。よって、独立開業する際や、転職をする際に大変有利になるといえます。

  以上のように、多くのメリットを中小企業診断士とFPのダブルライセンスによって得ることができます。

中小企業診断士を取得した人にとってFPを取得する難しさは?

次に中小企業診断士の方がFPを取得する上での試験科目の被りや難易度を解説します。

※関連コラム:ファイナンシャルプランナー試験の難易度ランキング&合格率一覧

中小企業診断士試験との試験科目の被りはあるか?

まず、中小企業診断士試験の試験科目は「経済学・経済政策」、「財務・会計」、「企業経営理論」、「運営管理」、「経営法務」、「経営情報システム」、「中小企業経営・政策」の7科目です。

一方、FP2級の試験科目は、「ライフプランニングと資金計画」、「金融資産運用」、「タックスプランニング」、「リスク管理」、「不動産」、「相続・事業承継」の6科目です。

このように比較してみると、被っている科目としては、「金融資産運用」を挙げることができます。(一部「相続・事業承継」も重複)

中小企業診断士として株式や投資信託の運用の知識を得ているため、この知識を活用してFPの「金融資産運用」科目を乗り越えやすくなっているといえます。

中小企業診断士試験には出題されない科目の割合は?

前述の通り、FP試験科目6科目のうち、「金融資産運用」の1科目のみが共通科目でした。

そのため、実際に被る科目は少なく、約80%は中小企業診断士試験では出題されない科目といえます。

そのため、新たに学ばなければならない範囲が多いのも事実です。

もっとも、中小企業診断士資格を得ている方は、財務諸表の読取能力や資産運用の計算能力をお持ちですので、FP試験科目の学習の際にも中小企業診断士としての本質的な考え方や能力を駆使できる分、よりFP2級を取得しやすいといえます。

FP2級との難易度の差は?

ここで、中小企業診断士試験とFP2級の合格率についてご紹介します。

まず中小企業診断士試験2次試験の合格率は18.9%(令和5年)でした。

一方FP2級の最終合格の合格率はFP協会に基づく実技試験の場合62.11%、金財に基づく実技試験の場合32.80%でした(両者とも2022年5月学科実技同時受験結果)。

このように、FP2級の最終合格率は中小企業診断士よりも格段に高いといえます。

そのため、中小企業診断士取得の方であれば、FP2級合格の難易度は比較的高くないといえます。

中小企業診断士のダブルライセンスとしては、FP3級では初歩的レベルであるため、2級以上の取得でより効果的な相乗効果を見込むことが可能です。

そして、2級であっても合格率は比較的高いため、チャレンジのハードルは相対的に低めであるといえそうです。

出典:https://www.j-smeca.jp/attach/test/h31/h31_2ji_toukei.pdf
https://www.jafp.or.jp/exam/syutoku/result/20190902.shtml
https://www.kinzai.or.jp/fp/news-fp/28940.html

まとめ

中小企業診断士の方がFPのダブルライセンスを取得するメリットについて解説しましたが、より多くの相乗効果、メリットを生むことがわかりました。

また、中小企業診断士の能力や考え方を駆使すれば、FP2級の取得難易度はそこまで高すぎるわけではないともいえます。

そのため、FP取得の負担は低い一方、ダブルライセンス取得のメリットは大きいといえ、チャレンジする価値は大いにあるのではないでしょうか。

今回のコラムがみなさんの参考となれば幸いです。

関連コラム:中小企業診断士とは?仕事内容や取得のメリット・なるまでの流れを詳しく解説

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2015年 国家総合職試験合格 2016年 東京大学 教育学部卒業 2022年 中小企業診断士試験合格   自身も働きながら中小企業診断士試験に合格。 その経験を元に社会人でも合格可能な、効率的で無駄のない講座を実施している。  

 

この記事の「校正」マーケティング室コンテンツチーム


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