FPは、顧客のお金に関する悩みにアドバイスをし、顧客の夢や目標をサポートする「お金の専門家」。
お金に悩む人が多い昨今、FP試験は人気の資格となっています。

とはいえ、実際に試験を受けるとなると、「難易度」や「合格率」が気になる方が多いのではないでしょうか。
また、FP試験は3級2級1級とあるため、それぞれ難易度が異なります。

そこで今回は、FP試験の合格率や難易度をひとまとめにし、他の資格試験と比較したコラムをご用意しました。

このコラムをみれば、FP試験の合格率や難易度がすべて分かるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

FP1級・2級・3級試験の難易度の違い

FP1級・2級・3級は試験難易度に違いがあり、合格率はFP3級が40%〜80%、FP2級が20%〜60%、FP1級が7%〜18%です。

合格率一桁という国家資格も少なくない中、FPの難易度は比較的易しいと言えるかもしれません。

事実、FP資格はコツコツ着実に勉強すれば、高い確率で取得できる資格です。

FP試験の合格率一覧と推移

FP3級の難易度は?合格率の一覧と推移

2024年1月のFP3級の合格率は、FP協会は学科が83.14%、実技が86.56%で、きんざいは学科が46.40%、実技が48.61%と高いことから、難易度は低いと言えます。

一般的に、3級の合格率は、学科が約40%〜80%、実技が約40%〜90%です。

FPとしての基礎が問われる入門的な試験であるため、例年合格率は高くなっています。

しかし、FP3級を取得するには、学科と実技いずれも合格する必要があるので、本当の意味での合格率は「40%〜80%」と考えられます。

FP協会学科合格率実技合格率
2024年1月83.14%86.56%
2023年9月74.78%77.67%
2023年5月88.25%86.83%
2023年1月85.25%88.34%
2022年9月80.78%84.44%
2022年5月83.37%90.33%
2022年1月87.01%90.75%
※参考:日本FP協会 FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ
きんざい学科合格率実技合格率
2024年5月52.55%47.74%
2024年1月46.40%48.61%
2023年9月62.29%57.87%
2023年5月54.13%59.80%
2023年1月56.00%50.95%
2022年9月43.41%49.46%
2022年5月83.37%52.22%
※参考:一般社団法人 金融財政事情研修会 ニュースより
※きんざいの実技合格率は実技2種類の平均

※関連コラム:ファイナンシャルプランナー3級の難易度と合格率を解説!本当に簡単?

FP2級の難易度は?合格率の一覧と推移

2024年1月のFP2級の合格率は、FP協会は学科が39.00%、実技が61.12%で、きんざいは学科が13.27%、実技が41.52%と3級よりも難易度が少し上がっています。

FP2級の合格率は、学科が約13%〜60%、実技が約40%〜70%です。

3級同様、FP2級になるには学科と実技、どちらも合格しなければならないので、「20%〜60%」が実質的な合格率だと言えるでしょう。

FP協会学科合格率実技合格率
2024年5月59.29%54.29%
2024年1月39.00%61.12%
2023年9月53.54%52.02%
2023年5月48.82%58.61%
2023年1月56.12%59.53%
2022年9月42.16%56.55%
2022年5月49.20%62.11%
※参考:日本FP協会 FP技能士の取得者数 及び 試験結果データより
きんざい学科合格率実技合格率
2024年5月29.70%45.17%
2024年1月13.27%41.52%
2023年9月22.75%40.80%
2023年5月17.51%39.49%
2023年1月29.07%35.14%
2022年9月15.75%38.05%
2022年5月22.11%32.80%
参考:一般社団法人 金融財政事情研修会 ニュースより
※きんざいの実技合格率は実技4種類の平均

関連コラム:ファイナンシャルプランナー2級の難易度と合格率を解説!3級と違う3つの要素

FP1級の難易度は?合格率の一覧と推移

FPの中で最も難しいFP1級の合格率は7%〜18%と、国家資格の中でも難易度が高い資格です。

2023年1月のFP1級の合格率は、FP協会は実技が99.0%でした。きんざいは、学科が10.38%、実技が86.07%でした。

FP1級の学科試験は、きんざいのみで実施しています。

したがって、きんざいの学科に合格してから、「きんざい」か「FP協会」で実技を受験するというルートで試験を受けます。

ところでFP1級の表を見て、実技の合格率の高さに驚いた方も多いのではないでしょうか。
これは実技試験の内容は、実務経験があれば答えられる範囲であることに加え、学科合格者だけが実技を受けているためだと考えられます。

学科試験(きんざい)合格率
2024年5月16.95%
2023年9月13.00%
2023年5月3.51%
2023年1月10.38%
2022年9月12.28%
2022年5月9.39%
※2020年5月は中止
実技試験(きんざい)合格率
2024年6月82.67%
2023年9月80.10%
2023年1月86.07%
2022年6月85.98%
2022年2月85.88%
2021年9月85.16%
参考:一般社団法人 金融財政事情研修会 ニュース
実技試験(FP協会)合格率
2023年9月96.2%
2022年9月99.0%
2021年9月93.8%
2020年9月97.7%
参考:日本FP協会 FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ

関連コラム:FP1級の難易度・合格率は?他の国家資格と比較しながら難しさを解説

FPの難易度ランキング【合格率】

FP3級の合格率は40%~80%と他の国家試験と比べて高水準のため、難易度は低いでしょう。

下記の表は、有名な国家資格とFP1級・2級・3級の合格率を比較したものです。

1位中小企業診断士(1次試験合格率×2次試験合格率)3~8%
2位社労士6~7%
3位簿記1級8~14%
4位FP1級(学科試験合格率×実技試験合格率)7~18%
5位行政書士11~15%
6位宅建士15~17%
7位管理業務主任者20~23%
8位簿記2級15~30%
9位FP2級20~60%
10位簿記3級40~50%
11位FP3級40~80%

FP2級も合格率は高く、比較的簡単な国家資格だとされる宅建士よりも、高い合格率を誇ります。

とは言え、FP2級は決して簡単な試験ではありません。

生活に関わるお金や保険が試験内容なせいか、理解しやすく、それが合格率の高さに現れていると考えられます。

FP1級はFPの中で最も難しい試験ですが、難関資格として有名な中小企業診断士や社労士などと比べると、難易度は低めです。

合格率の近さから言えば、簿記1級と行政書士と同じくらいのレベルと言えるでしょうか。

ただし、実際のところ、FP1級は簿記1級と行政書士よりも難しいかもしれません。

簿記1級と行政書士には受験資格がなく、誰でも受験可能です。

これに対し、FP1級には「FP2級に合格していること」などの受検資格があります。

一定以上の学力と知識を持つ人(受検資格を満たした人)しかFP1級を受験していないため、実際には合格率以上に難易度が高いと考えたほうが良いでしょう。

FPの難易度ランキング【勉強時間】

FP3級の勉強時間は30~100時間と、他の試験と比べて勉強時間が短い試験です。

合格率同様、有名な国家資格とFP1級・2級・3級の勉強時間を以下に記載しています。

1位FP3級30~100時間
2位簿記3級60~120時間
3位FP2級150~300時間
4位簿記2級200~350時間
5位管理業務主任者300時間
6位宅建士300~400時間
7位FP1級450~600時間
8位簿記1級500~700時間
9位行政書士600~1000時間
10位社労士1000時間
11位中小企業診断士1000時間

FP3級は仮に、100時間勉強してFP3級に合格すると考えると、1日に2時間勉強するペースで、100時間÷2時間=50。

つまり、FP3級は50日程度で合格できると計算できます。

FP2級になると勉強時間はグッと増え、150〜300時間程度が必要になります。

一般的には管理業務主任者と簿記2級の方が難易度は高いと言われていますが、勉強時間の長さから言えばさほど変わりません。

1日に2時間勉強すると想定すると、3ヶ月〜5ヶ月でFP2級は合格できるでしょう。

FP1級に合格するためには、450〜600時間を勉強しなければなりません。

勉強時間だけみると、簿記1級とほぼ同じで、宅建士よりも多くの時間が必要となります。
1日に2時間の勉強するペースで、6ヶ月〜10ヶ月の勉強期間が必要です。

ただし、上記の勉強時間はあくまでも「目安」。
仕事と勉強の両立は想像以上に難しいですし、思っているよりも勉強期間が長引くことも十分に考えられるので、計画的に勉強を進めることが大事です。

まとめ

FP試験は級が異なると、難易度や合格率が変わることがわかりました。
初めてFP資格を勉強する人は3級から始めましょう。

FP試験は、簡単に合格できるわけではありません
特にFP1級とFP2級は難易度が高いため、腰を据えて勉強しなければ合格は覚束ないでしょう。

独学でも取得する方もいますが、それは正しい勉強計画のもと、正確な知識を取り入れ、勉強を毎日続けられる人です。

「これまで独学で資格を取得した経験がない」「仕事が忙しくてまとまった勉強時間を取れない」「FPの業務経験がない」といった方は、通信講座の利用を検討してみてはいかがでしょうか。