臨床心理士を目指して、専門学校でも資格取得を目指せるのか悩んでいる方は少なくありません。

心理学を学べる専門学校を選びたい一方で、卒業後に本当に資格が取れるのか不安な方も多いのではないでしょうか。

結論からいえば、臨床心理士を目指せる心理学の専門学校はあるものの、専門学校のみで資格を取得することはできません。

そのため、基本的には大学院への進学が必要となります。

なお、臨床心理士を目指す方におすすめの専門学校は、後半の見出しで詳しく解説しています。

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臨床心理士資格は専門学校のみで取得できる?

臨床心理士資格は、専門学校卒業のみでは取得できません。

原則として、指定大学院(第1種・第2種)または専門職大学院を修了する必要があります。

資格取得までの流れは「大学院修了→資格試験合格→資格登録」が基本となります。

そのため、まずは大学院への進学資格を得ることが入り口となるでしょう。

また、臨床心理士の試験受験は、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 第1種指定大学院の修了
  • 第2種指定大学院の修了
  • 専門職大学院の修了
  • 諸外国の大学院で同等以上の教育を受ける
  • 医師免許の取得

※参考:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会

大学院への進学が原則必要ですが、大学院への進学には「4年制大学の卒業(学士取得)」が求められるケースが多くなっています。

一方で、大学を卒業していなくても大学院の受験資格を得られる例外的なルートもあります。

例えば「文部科学大臣が指定する専修学校専門課程の修了者」が該当します。

また、「大学院による個別の入学資格審査で認められた者(原則22歳以上)」も例外ルートのひとつといえるでしょう。

※参考:「大学院への入学資格について」文部科学省

なお、大学院の入学資格審査では、以下のような点が総合的に判断されます。

  • 専修学校・各種学校課程の修了などの学修歴
  • 社会での実務経験や取得した資格
  • 大学の科目等履修生として修得した単位
  • 旧制諸学校で修了した課程の内容

※参考:「個別の入学資格審査について」文部科学省

ただし、例外ルートの場合も「4年制大学卒業と同等の学力」を客観的に証明することが求められます。

つまり、誰でも簡単に大学院へ進めるわけではありません。

専門学校から臨床心理士を目指す3つのルート

専門学校から臨床心理士を目指す場合、進学ルートは1つではありません。

状況や目的に合わせて、複数のルートから選ぶことになります。

専門学校から臨床心理士を目指す主なルートは、以下の3つです。

  • 専門学校を卒業後に大学に入学する
  • 大学に編入する制度を利用する
  • 大卒資格を取得できる専門学校に入る

それぞれのルートで、必要な期間や費用に違いが出てきます。

特に効率(時間・費用)を重視するなら、「③大卒資格を取得できる専門学校に入る」ルートが向いているでしょう。

なぜなら、大学に入り直す必要がなく、最短4年で大学院の受験資格を取得できるためです。

①専門学校を卒業後に大学に入学する

1つ目のルートは、専門学校卒業後に大学へ進学し、その後大学院へ進む方法です。

このルートでは、一度大学に入り直して学士を取得することになります。

また、入学形態は1年次からの一般入試となります。

編入ではなく通常の大学受験が必要になる点に注意しましょう。

期間としては、専門学校(2〜4年)に加えて大学4年間が必要となるため、合計で6〜8年程度かかります。

あわせて学費負担も大きくなりがちな点はデメリットといえるでしょう。

一方、メリットとして、専門学校と大学の両方で心理学をじっくり学べる点が挙げられます。

学問的な理解を深めたい方には、適しているルートといえます。

ただし、専門学校在学中から大学受験の準備が必要になる点も押さえておきましょう。

②大学に編入する制度を利用する

2つ目のルートは、大学編入制度を利用する方法です。

編入後2〜3年で大学を卒業できるため、1年次入学よりも在学期間を短縮可能です。

また、経済的な負担も抑えやすい点はメリットといえるでしょう。

そのうえで、文部科学省が定める編入制度の主な条件は、以下のとおりです。

高等学校卒業や高卒認定試験合格者など、大学入学資格を有する者は、1.修業年限が2年以上、2.総授業時数が1,700単位時間(62単位)以上の要件を満たす課程を修了すると、大学に編入学することができます。

※引用:「専修学校から大学への編入学」文部科学省

つまり、専門学校から大学編入を希望する場合の条件は、以下のように整理できます。

  • 修業年限が2年以上かつ総授業時数1,700時間以上の課程を修了している
  • または62単位以上の専門学校を卒業している(卒業見込みを含む)

なお、条件を満たしていない専門学校は編入自体ができません。

そのため、進学予定の専門学校が要件を満たしているか、学校へ事前に確認しておきましょう。

また、すべての大学が編入を受け入れているわけではない点にも注意が必要です。

③大卒資格を取得できる専門学校に入る

3つ目のルートは、大卒資格を取得できる専門学校に進学し、大学院への入学資格を得る方法です。

大学に行かなくても大学院進学ができる点が、このルートの大きな特徴でしょう。

大卒資格を取得できる専門学校には、大きく分けて2種類があります。

  • 学士と同等の扱いとなる「高度専門士」を取得できる専門学校
  • 学士(大卒資格)が取得できる「大学併修制度」がある専門学校

いずれのケースでも、卒業後はそのまま臨床心理士の指定大学院の入試に挑戦できます。

「高度専門士」は、修業年限4年以上で文部科学大臣が認めた課程を修了すると付与されます。

また、制度上は大学卒業者と同等として扱われ、大学院の受験資格が得られる仕組みです。

※参考:「高度専門士制度について」文部科学省

ただし、すべての4年制専門学校が対象になるわけではありません。

そのため、入学前に「文部科学大臣指定専修学校専門課程一覧」に含まれているかを必ず確認しておきましょう。

一方、「大学併修制度(ダブルスクール)」では、専門学校に通いながら提携する通信制大学などに同時に在籍します。

そして、卒業時には「学士(大卒資格)」を取得できる仕組みです。

通常なら専門学校+大学で6年かかる進路ですが、このルートなら4年で大学院受験資格を得られる点も大きな魅力でしょう。

臨床心理士を目指せる心理学の専門学校

臨床心理士を目指せる心理学の専門学校

臨床心理士を目指す方におすすめの、心理学を学べる専門学校は以下のとおりです。

  • 大阪医療技術学園専門学校
  • 心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校

両校はいずれも「大学併修制度」を導入している点が共通しています。

また、専門学校に通いながら提携する大学にも同時に在籍することで、卒業時に「学士(大卒資格)」を取得できる仕組みです。

ここからは、それぞれの学校の特徴を順番に紹介します。

大阪医療技術学園専門学校

大阪医療技術学園専門学校では、専門学校で心理学を学びながら大学卒業資格の取得を目指せます。

また、大手前大学通信教育部と連携している点が大きな特徴です。

そのため、専門学校での学びを活かしながら、学士(大卒資格)の取得を効率的に進められるでしょう。

医療心理科では、まず専門学校で3年間通学して心理学を学びます。

そして、卒業後の1年間で通信課程を履修することで大学卒業資格を取得できる流れです。

なお、卒業後の1年間はオンライン中心の学習となるため、通学の必要はありません。

そのため、働きながら大卒資格の取得を目指せる点もメリットといえるでしょう。

カリキュラムでは、以下のように幅広い心理学分野を学べます。

  • 臨床心理学
  • 学習・言語心理学
  • 発達心理学
  • 社会・集団・家族心理学
  • 教育・学校心理学
学科名医療心理科
修業年限3年+1年制
大学卒業資格の取り方大手前大学の通信課程と併修
主なカリキュラム臨床心理学/学習・言語心理学/発達心理学/社会・集団・家族心理学/教育・学校心理学 など
学費1年次計1,085,000円/2年次以降985,000円〜

※出典:大阪医療技術学園専門学校 医療心理科

心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校

「心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校」も、臨床心理士を目指す方の選択肢になります。

なお、本校は学校法人たちばな学園が運営しています。

社会福祉学科 心理学コースでは、東京福祉大学心理学部心理学科の卒業資格を取得できる仕組みです。

また、専門学校の授業と並行して大学のカリキュラムも履修することで、両校を同時に卒業できます。

カリキュラムでは、心理分野と福祉分野を組み合わせて学べる点が特徴です。

例えば、以下のような科目が用意されています。

  • 心理学入門
  • 臨床心理学概論
  • 児童心理学
  • 心理学統計法
  • 社会福祉原論

また、心理学と福祉の両分野を学べることで、卒業後の進路の幅も広がりやすいでしょう。

学科名社会福祉学科 心理学コース
修業年限4年制
大学卒業資格の取り方東京福祉大学心理学部心理学科と併修
主なカリキュラム社会福祉原論/心理学入門/心理学統計法/臨床心理学概論/児童心理学 など
学費1年次997,900円/2年次1,011,300円/3年次1,011,300円/4年次980,900円

※出典:心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校 社会福祉学科

公認心理師と臨床心理士を両方目指せる専門学校はある?

公認心理師と臨床心理士の両方を目指せる専門学校は限られているものの、対応している学校も一部存在します。

例えば、「心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校」の社会福祉学科 心理学コースが代表例として挙げられます。

本コースでは、学士を取得できるだけではなく、公認心理師の受験資格に必要な「大学における指定科目」も履修可能。

そのため、公認心理師になるために通常必要となる「大学への進学」を経ずに、卒業後の大学院進学を目指せる点がメリットです。

なお、公認心理師と臨床心理士の両方を視野に入れている場合は、対応カリキュラムの有無を必ず確認しましょう。

臨床心理士の専門学校の学費目安

臨床心理士を目指せる心理学系の専門学校の学費は、初年度で約100万円前後が目安です。

また、4年間の総額は、約400万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

学費の内訳としては、入学金・授業料・教科書代・実習費用などが挙げられます。

なお、大学併修制度を利用する場合は、その費用が別途かかる点にも注意が必要です。

一方、学費負担を軽減する方法も用意されています。

例えば、奨学金制度・教育ローン・学費の分割納入制度などを設けている専門学校もあります。

気になる学校がある場合は、入学前に支援制度の有無を確認しておきましょう。

まとめ

臨床心理士を目指せる心理学の専門学校はありますが、専門学校卒業のみでは資格を取得できません。

そのため、資格取得には大学院の修了が必須となります。

また、専門学校卒業後に、大学進学・大学編入・大学併修などのルートで大卒資格を得る必要があります。

効率を重視するなら、最短4年で大学院受験資格が得られる「大卒資格を取得できる専門学校」がおすすめです。

なお、学費や履修できる科目は学校ごとに異なります。

目指す資格や進路に合うかを比較したうえで、自分に合った学校を選んでいきましょう。

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