貸金業務取扱主任者試験に初めてかつ独学でチャレンジする人の中には、どのテキストを選んだら良いかすらわからない人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、テキストなど教材選びに悩んでいる人のために、おすすめ教材や選び方などをご紹介します。

貸金業務取扱主任者の勉強におすすめのテキスト3選

最初に、おすすめのテキストとして以下の3つを紹介しましょう。

  1. 貸金業務取扱主任者 合格教本
  2. 貸金業務取扱主任者 合格テキスト
  3. 国家資格 貸金業務取扱主任者資格試験 受験教本 第1巻 貸金業法および関係法令

1. 貸金業務取扱主任者 合格教本

貸金業務取扱主任者試験対策に人気の「貸金業務取扱主任者 合格教本」シリーズです。

全部で336ページと分厚すぎないボリュームのため、本試験までに何度も読み返せそうです。

図表やイラストもふんだんに使われているため、初めて法律を勉強する人にも向いているのも大きなメリットでしょう。

おすすめなポイント

  • 図表やイラストがふんだんに使われているため、理解の手助けになる
  • 演習問題も収録されているため、知識の定着度をその場で確かめられる

微妙な点

  • 人によっては1ページに情報を詰め込みすぎに感じるかもしれない

併せて使うと効果的な問題集

筆者の田村誠氏が手掛けた「らくらく突破 貸金業務取扱主任者 ○×問題+過去問題集」では、一問ずつの〇×形式での問題演習と本試験の過去問演習ができます。

〇×問題は隙間時間での学習にも効果的です。

2. 貸金業務取扱主任者 合格テキスト

公認会計士や税理士など、難関資格の予備校としても有名なTACが出版しているテキストです。

先ほど紹介した「貸金業務取扱主任者 合格教本」と同様、図をふんだんに使っています語呂合わせも紹介されているので、どうしても覚えられないという人は有効活用しましょう。

また、項目ごとの重要度も明記されています。
試験直前になったら重要度の高い項目から優先的に復習するなど、学習を効率的に進めるための手助けになるでしょう。

おすすめなポイント

  • 語呂合わせも紹介されているので、知識の定着に役立つ
  • 項目ごとの重要度も明記されているため、優先順位を意識して学習できる

微妙な点

  • 412ページとやや厚めなのでモチベーションの維持が課題

併せて使うと効果的な問題集

同じくTACが出版している「貸金業務取扱主任者 過去問題集」とセットで使いましょう。

3. 国家資格 貸金業務取扱主任者資格試験 受験教本 貸金業法および関係法令(第1巻~第4巻)

ファイナンシャル・プランニング技能士検定など金融関連のさまざまな試験を主宰している一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)が出版しているテキストです。4分冊になっていて、貸金業務取扱主任者試験の受験にあたって必要な知識を網羅的に身に着けられます

また「確認問題のあとに解説」という構成となっているため、必要な知識を丸暗記するのではなく、理解したうえで覚えることが可能です。「出題項目の分布状況」および「試験問題を解くテクニック」など、試験勉強を効率的に進めるための情報も豊富に収録されています。

おすすめなポイント

  • まず問題を解くという構成のため、理解した上で覚える習慣が身に着く
  • 試験勉強を効率的に進めるための情報も豊富

微妙な点

  • 4分冊になっているためボリュームが多め

併せて使うと効果的な問題集

同じくきんざいから出版されている「貸金主任者試験 分野別 精選過去問解説集」を使いましょう。

テキストとあわせて活用したい問題集・参考書3選

次に、テキストとあわせて活用したい問題集・参考書として以下の3つを紹介します。

1.らくらく突破 貸金業務取扱主任者 ○×問題+過去問題集

これまでに貸金業務取扱主任者試験で出題された過去問の選択肢を元にした〇×問題と本試験問題が収載されている問題集です。解説は「貸金業務取扱主任者 合格教本」の著者である田村誠氏が担当しています。

本試験を受験する際に使う際、〇×問題から始めたことで、実際の本試験問題を解く際も「この選択肢は正しいか、正しくないか」を冷静に考える習慣がついたという声があります。

ただし、何度か繰り返していると問題と選択肢の対応を覚えてしまうため、どこかのタイミングで4択問題を中心にした演習に切り替えたほうが良いかもしれません。

おすすめなポイント

  • 〇×問題が基本になるため、初心者でも取り組みやすい
  • 実際の本試験問題を解く際も「この選択肢は正しいか、正しくないか」を冷静に考える習慣がついた

微妙な点

  • 何度も繰り返し解いていると問題と選択肢の対応を覚えてしまう

併せて使うと効果的なテキスト

同じく田村誠氏が手掛けている「貸金業務取扱主任者 合格教本」をおすすめします。

2.貸金業務取扱主任者 過去問題集

大手資格試験予備校のTACから出版されている問題集です。過去5回分の過去問題および解答・解説が収録されています。

残念ながら単元ごとに分かれていないため、学習を始めた時点ではあまり出番がないかもしれません。年度ごとの演習の意味合いが強い問題集であるため、本試験が近くなってきたら着手すると良いでしょう。

解答・解説は非常に詳しく書いてあるので、知識の抜け・漏れがあった場合の復習にも役立ちそうです。

おすすめなポイント

  • 解答・解説はかなり詳しい

微妙な点

  • 分野別に問題が分かれているわけではないので、初心者がいきなり取り組むにはハードルが高い

併せて使うと効果的なテキスト

TACから出版されている「貸金業務取扱主任者 合格テキスト」と併用しましょう。

3.貸金主任者試験 分野別 精選過去問解説集

きんざいから出版されている問題集です。分野別に分かれているため、学習の進捗に合わせて問題演習ができます

すべての過去問が収録されているのは過去3年分のみ(2022年の場合は2019年~2021年)ですが、それ以前の問題に関しては重要度の高いものを抜粋して掲載済みです。難易度の高い問題に関しては、短時間でも問題を解くためのポイントや参照条文を掲載するなど、復習しやすい工夫もなされています。

おすすめなポイント

  • 短時間でも問題を解くためのポイントや参照条文を掲載するなど、復習しやすい工夫がなされている
  • 分野別に分かれているため、学習の進捗に合わせた問題演習が可能

微妙な点

  • 全過去問が収録されているのは3年分のみであるため、それ以上の演習をするなら別途問題集が必要

併せて使うと効果的なテキスト

きんざいから出版されている「国家資格 貸金業務取扱主任者資格試験 受験教本」シリーズを使いましょう。

貸金業務取扱主任者のテキストの選び

テキストをどのように選べば良いのかの基準を解説します。

  1. 最新版のものを選ぶ
  2. 図表が豊富に使われているものを選ぶ
  3. 分厚すぎないものを選ぶ

最新版のものを選ぶ

テキストを購入する際は、出版年月日を必ず確かめましょう。できるだけ現在に近い日付になっているものを選んでください。毎年行われる貸金業務取扱主任者試験は、出題根拠となる法令の基準日が明確に定められているためです。
参照:日本貸金業協会「出題根拠となる法令の基準日」

つまり、出題根拠となる法令の基準日に応じて作られたテキストでないと、試験で問われる正しい知識が得られません。安いからと中古のテキストを買うのはやめましょう

図表が豊富に使われているものを選ぶ

テキストを選ぶ際は、図を豊富に使っているものを選びましょう。

貸金業務取扱主任者試験においては、民法を中心に法律の知識を問う問題がたくさん出題されます。図があれば、以下の点が視覚的に整理されるため、知識も定着しやすくなります。

  • 誰が誰に対して権利義務関係があるか
  • 対抗要件の具備などの事実関係
  • 事実関係の流れ

最初はテキストの図を見るだけで十分ですが、慣れてきたら自分でも図を書いてみると良いでしょう。

分厚すぎないものを選ぶ

人によって好みはありますが、テキストはあまり分厚くないほうが良いでしょう。

重要なのは、テキストで習得した知識を使って問題演習を重ね、本試験で合格点を取ることです。厚いテキストを読破することではありません。問題を解くために必要十分な知識が収録されていて、かつ、何度も読み返せる厚さのテキストを選びましょう。

貸金業務取扱主任者のテキスト・問題集・参考書の違い

貸金業務取扱主任者試験にチャレンジする際は、テキスト、問題集、参考書を揃えて勉強する人が多いでしょう。違いを簡単にまとめると以下のようになります。

  • テキスト:試験問題を解くために必要な知識を収載した書籍
  • 問題集:知識を定着するための演習に必要な問題集を収載した書籍
  • 参考書:学習を効率的に進めるために参考とする書籍

これだと分かりにくいので、小中学生時代に学校で使った本になぞらえてみましょう。

  • テキスト=教科書
  • 問題集=ドリル
  • 参考書=資料集

といったところです。勉強は知識を身に着け、問題演習を重ねる以上、テキストと問題集は必須です。一方、参考書は最初から買わずに、必要になったら買い足してもかまいません。

まとめ

貸金業務取扱主任者試験に合格するには、自分に合ったテキスト等を選ぶのが重要です。

そして、漫然と読むのではなく「インプット→アウトプット」の要領で、適宜問題演習をしていきましょう。この繰り返しにより、理解しながら覚えるプロセスを無理なく実践できます。