日々のリサーチ業務や大量の資料を読む作業に、膨大な時間を費やしていませんか。これらの作業を丸ごと効率化するAIが、Googleが提供するNotebookLMです。

NotebookLMについてはすでに耳にした方も多いでしょう。しかし、「どのように使えばいいか分からない」「うまく活用しきれていない」という方もいるはずです。

この記事を最後までご覧いただければ、NotebookLMで何ができて、どのような業務の効率化が図れるのかが明確になります。明日からの仕事が劇的に変わることは間違いありません。NotebookLMを使いこなし、業務を強力にサポートさせる方法を解説します。

なぜNotebookLMは業務効率化に役立つのか？最大の特徴を解説

ハルシネーションの心配がほぼ不要！情報源に基づく正確な回答生成の仕組み

NotebookLMの最大の強みは、あなた自身が所有するデータをアップロードし、そのアップロードした資料にのみ基づいて回答を生成する点にあります。

これは、AIが最もらしい嘘をつく「ハルシネーション」を心配する必要がほとんどないことを意味します。ビジネスの現場では情報の正確性がより一層求められますが、NotebookLMならば安心して利用できるAIサービスです。

NotebookLMは、自社独自の資料などをアップロードすると、AIがソース元から文章を検索して回答を生成する、AIの情報整理のためのツールなのです。

NotebookLMで「できること」：主な活用分野と効果

NotebookLMを活用すると、ハルシネーションの心配が少ない点に加え、様々な業務で時短を実現できます。

具体的にNotebookLMで「できること」としては、以下のような活用分野があります。

• 膨大な資料のリサーチと要点の把握。
• 企画書や報告書の叩き台の作成。
• 会議の議事録の自動化と情報整理。
• 社内専用のAIチャットボットの構築。
• 自分専用の学習AIアシスタントの作成。

これらの機能を活用することで、あなたの業務を強力にサポートし、劇的な時短が実現できるでしょう。

【結論】NotebookLM 活用事例5選：業務を劇的に時短する便利な使い方

ここからは、NotebookLMを業務で活用し、効率化するための具体的な5つの方法をご紹介します。

実際にNotebookLMを使いながら解説しているYoutube動画もありますので、より具体的に活用事例を確認したい方は、ぜひご覧ください。

活用事例1. 膨大な資料のリサーチ・要点抽出

何かリサーチ業務を行う際、大量のデータを集め、それを一つひとつ読み込んで目を通す作業に多くの時間を費やしていませんか。Google NotebookLMを使えば、これらの作業を劇的に時短できます。

複数のウェブサイトや膨大な資料を一つひとつ読む必要はありません。それらのデータをNotebookLMにすべて放り投げ、要点を書き出すようにプロンプトを渡すだけで、回答が得られます。

さまざまなソースのアップロード方法（PDF/音声/YouTube/Googleドライブ）

NotebookLMは多様な形式のファイルをソースとして受け付けます。

NotebookLMのページでノートブックを新規作成し、「ソースをアップロードする」項目からデータを追加します。アップロードできるデータ形式には、以下のものが含まれます。

• テキストファイル: PDF、TXT、マークダウンなど。
• 音声ファイル: MP3、WAVなど。
• Googleドライブ: Googleドキュメント、Googleスライド。
• ウェブ情報: ウェブサイトのリンク、YouTubeのURL。
• 直接入力: テキストの貼り付け。

また、ソースの追加と検索というメニューから、キーワードを入力してNotebookLM側で情報を自動で検索し、それをソースとして追加することも可能です。

競合分析や市場の課題抽出への応用方法

具体的なリサーチの進め方として、NotebookLMに質問を投げかけることができます。

例えば、追加したリソースに対して「オンライン英会話市場は今後どのように推移していきますか？」といった指示文を入れると、NotebookLMがすべてのリソースから情報を検索し、回答を生成します。

さらに、その長い文章を「200文字でまとめてください」といった指示で、要約させることも可能です。生成された回答には数字（例：1, 2）が付与されており、それを押すことで元の原文（引用元）を確認できるため、ハルシネーションをしていないかどうかの確認も容易でしょう。

この機能を応用すれば、競合分析も容易に行えます。

• 自社の製品に関連する競合の情報をNotebookLMにすべてアップロードします。
• 「これらのソースに基づき、市場の課題について3つほど引用付きで回答してください」と指示します。
• 「A社やB社の機能差を表にしてください」と依頼すれば、比較表の作成も迅速に行えるでしょう。

活用事例2. 企画書・報告書の叩き台作成とアイデア出し

企画書や報告書を作成する際、構成を考えたり、過去のデータを参照したりする作業に、多くの時間を費やしてしまうのではないでしょうか。NotebookLMを活用すれば、これらの作業も大幅に時短できます。

過去のデータやフィードバックを活用したアイデア出し（壁打ち）

まずは関連情報をソースとして登録します。過去の企画書や会議の議事録、顧客のフィードバック、市場調査データなどをNotebookLMに放り投げましょう。

その後、チャット形式でAIと壁打ちをすると効果的です。例えば、「これらの情報を元に、若者向けの新サービスの企画案を3つ提案して」といったアイデア出しを依頼することで、企画の初速を速めることができます。

ソースのトーンを真似た文章の下書き依頼手順

アイデア出しが終わったら、文章の下書きを依頼すれば良いでしょう。

例えば、「ソースのフォーマルなトーンを真似て、プロジェクトの進捗報告メールのドラフトを作成して」という指示文を出すことで、文書作成の初速を一気に上げられます。

活用事例3. 会議の議事録作成の自動化と情報整理

NotebookLMの裏側ではGoogleの生成AIであるGeminiが動作しています。このため、会議の音声ファイルをアップロードするだけで、文字起こしが自動で行われ、その内容を分析できます。

会議の決定事項と未解決事項を整理するプロンプト事例

まず、NotebookLMに会議の音声データをアップロードします。アップロードが完了したら、チャットで質問できます。

指示文の例としては、「この会議の決定事項と未解決事項を整理してください」といったものが挙げられます。NotebookLMは、音声を分析・整理した上で、リストアップしてくれるでしょう。

生成された決定事項や未解決事項についても、これまでと同様に参照元（アップロードした音声データ）を確認できます。

議事録の骨子作成で工数を削減する具体的な方法

会議の決定事項や未解決事項の整理が終わったら、次のステップで議事録の骨子を作成できます。

「これらの内容を元に議事録を作成してください」というプロンプトを投入すれば、わずか数分程度で議事録の骨子を作成できます。

あとは人間が中身を確認し、調整してあげるだけで、工数を一気に削減できるのではないでしょうか。

活用事例4. 社内専用チャットボット（社内ナレッジ）の構築

複雑な社内規定、マニュアル、過去のトラブルシューティング集といったデータをNotebookLMにまとめてアップロードしておきましょう。そうすることで、必要な時に必要な情報をすぐに見つけられます。

複雑な社内規定やマニュアルを集約し社員の疑問を解消

従来は、社内マニュアルが膨大すぎて目的の情報にたどり着けないといった問題や、初歩的な質問を先輩社員にするのは気が引ける、といったケースがあったと思います。

NotebookLMを活用すれば、このツールを社内武器のような形で活用できます。

使い方は他の事例と同じです。NotebookLMを新規に立ち上げ、そこに業務マニュアルや社内規定、過去のQ&Aデータなどをすべて集約して放り投げれば良いのです。

自然言語で質問しマニュアルに沿った回答を得る方法

データがインプットされたら、あとは自然言語で質問できます。

例えば、「有給の申請方法について知りたいです」といった形で質問を投げかければ、NotebookLMがマニュアルに基づいた回答をしてくれるでしょう。

この要領で、新しく社内ポータル用のFAQを自動生成するといった使い方も可能です。

活用事例5. 自分専用の学習教材・AIアシスタントの作成

新しい分野や業務を担当することになり、できるだけ早くその知識を体系的に学びたいけれども時間がない、といった状況はありませんか。NotebookLMを使えば、効率よく知識をインプットできるようになります。

学びたい分野の技術書、PDF、ブログ記事などをソースとしてインプットすると、NotebookLMがまるで自分専用のAIチューターのように動作します。

全体像が把握できていない場合、「学習ロードマップを作ってほしい」といった会話形式で質問することで、効率的な学習を進められます。

難しい概念を中学/小学生でも分かるように噛み砕いて解説させる方法

NotebookLMを立ち上げ、学びたい資料をインプットします。もし学習したい資料がない場合は、ソースの追加機能にある検索ボタンから、例えば「機械学習」といったキーワードで検索し、関連するリソースを自動で集めて追加することも可能です。

ソースの追加が完了したら、以下のようなプロンプトを送信します。

「これらの資料を元に、初学者が機械学習を学ぶための学習ロードマップを作成してください」。

NotebookLMは、学習の前提や環境構築、必要なプログラミング言語の習得（Python 3など）、そして主要な学習ステップ（教師あり学習、教師なし学習など）といった形で、体系的なカリキュラムを作成してくれるでしょう。

さらに、学習を進める中で、もし難しい概念や理解しにくい部分が出てきた場合も安心です。

例えば、教科学習についてイメージができなかった場合、以下のような指示を出します。

「教科学習について、この資料の文脈に沿って、中学生でも分かるように解説して」。

もし中学生向けの説明でも難しければ、「小学生でも分かるように説明して」といった形で、概念を噛み砕いて理解したいことを伝えれば、分かりやすい説明を生成してくれるようになります。

NotebookLMを使いこなす！さらに便利な機能と応用事例

NotebookLMには、先に紹介した5つの主要な活用事例以外にも、業務や学習をサポートする便利な機能が備わっています。これらの応用事例も活用し、業務効率化をさらに進めてみましょう。

AIがソースに基づいたポッドキャストを生成「音声解説」機能

音声解説機能は、ソースに基いてAIがポッドキャストを自動で生成してくれる機能です。

まるでラジオを聴いているかのように、男性と女性の二人が解説をしてくれる動画を作成できます。視覚的な資料を読む時間がない移動中や作業中に、インプットを進めるのに非常に役立ちます。

情報の全体像と関係性を図示化「マインドマップ」機能

マインドマップ機能を使うと、リソースに基づいたマインドマップを自動で生成できます。

このマインドマップを見ることで、情報全体の構造や、一つひとつの要素の関係性を図示によって分かりやすく理解できます。特に大量の資料をインプットした場合、全体像を素早く把握するのに非常に効果的でしょう。

学習ガイドやよくある質問などを自動で作成「レポート」機能

レポート機能には、「概要説明資料」や「学習ガイド」、そして「よくある質問」など、様々な形式のメモを作成する機能が含まれます。

例えば「よくある質問」を選択すると、アップロードされた資料の内容に基づいたFAQ（よくある質問と回答）を作成してくれます。また、「学習ガイド」を選択すれば、学習用のメモを自動で作成し、知識の整理を助けてくれるでしょう。

これらの便利な機能を使いながら、ご自身の学習教材を作成し、効率よく知識を習得すると良いのです。

まとめ

本記事では、GoogleのAIであるNotebookLMを使った業務効率化の具体的な5つの方法について解説しました。

おさらいとして、ご紹介した5つの活用事例は以下の通りです。

1. 膨大な資料のリサーチと要点抽出。
2. 企画書や報告書の叩き台の作成。
3. 会議の議事録作成の自動化。
4. 社内チャットボットの構築。
5. 自分専用の学習教材・AIアシスタントの作成。

NotebookLMを活用すれば、あなたの日常業務を強力にサポートし、劇的な時短を実現できます。

特に、情報源に基づいた正確な回答生成の仕組みは、ビジネスシーンでNotebookLMを使う最大のメリットです。ハルシネーションの懸念を抑え、安心してAIを活用できる点が大きな強みでしょう。

ぜひこの機会にNotebookLMを試していただき、日々の業務効率化を実現しませんか。このAIツールが、あなたの仕事の進め方を劇的に変えるきっかけとなることを願っております。