日々の業務において、AIツールを活用し生産性を高めたいと考えている方は非常に多いでしょう。しかしながら、生成AIサービスは種類が多く、忙しさからツールの選定に時間を割けていないかもしれません。特に**Claude（クロード）**をはじめとするChatGPT以外のAIツールについて知りたいものの、それぞれの違いが分からず使いこなせていない事例もあります。

この解説記事は、具体的な活用イメージを持てず、結局いつものやり方に戻ってしまうという課題を解決します。目的別に厳選した10種類の生成AIサービスについて詳しく解説しますので、業務効率化につながる具体的なAIツールについてぜひキャッチアップしてください。この記事を最後まで読むことで、目的業務に応じた適切なAIサービスをスムーズに導入・活用できるようになります。

ChatGPTだけじゃない！業務効率化におすすめの生成AIツール【タスク別10選】

現在、多岐にわたる業務に対応できる高性能な生成AIサービスが利用可能です。ここでは、リサーチ、資料作成、会議記録といった具体的なタスクに分けて、特におすすめのAIツールを10種類ご紹介します。

実際におすすめのAIを使いながら解説しているYoutube動画もありますので、より具体的に活用方法を確認したい方は、ぜひご覧ください。

【情報収集・リサーチ・要約】最新情報や複雑なナレッジを素早く活用するAIツール

情報収集は、多くのビジネスパーソンにとって時間のかかる作業の一つです。AI搭載のツールを使えば、リアルタイムの情報検索や複雑な文書のナレッジ化を効率的に進められます。

Perplexity：最新かつ信頼できる情報源から検索・要約

Perplexity（パープレキシティ）は、AIを搭載した新しい検索エンジンです。リアルタイムで情報を検索する際に利用するサービスです。

GoogleやYahoo!といった従来の検索エンジンと同様に、検索を行うとAIが自動的に情報をリサーチします。情報検索に加えて要約も実行しますので、検索結果を分かりやすい文章で確認できる点が大きな特徴です。

このツールは、最新の情報を基に検索する仕組みです。また、信頼できるソースから情報を見つけてくるため、最新かつ信頼性の高い情報を得たい場合に最適なツールでしょう。検索結果の出力時には、参照元が明記されるため、情報が間違っていないか確認できる仕組みです。

GenSpark：複数ソースから深層研究を行い、ファクトチェックも可能

GenSpark（ジェンスパーク）は、情報収集、要約、そして資料作成の領域で非常によく利用されている生成AIサービスです。特に研究とコンテンツ作成に特化しているサービスとして知られています。

GenSparkは、複数のソースから検索を実行します。このサービスは非常に多機能で、他の多くのツールとは異なり、AIスライドやAIシートといった多様な機能が備わっている点が強みです。

さらに、GenSparkはファクトチェック機能も備えています。生成されたコンテンツの内容について、事実が正しいかどうかを確認できるのです。また、深層研究機能を利用すれば、詳細なリサーチを行うことも可能です。機能が豊富で、多角的なリサーチをしたい場合に適しています。

NotebookLM：パーソナルデータやPDFをナレッジ化し、チャットベースで質問

NotebookLM（ノートブックLM）は、Google社が提供する便利なAIツールです。文章、PDF、テキストファイルなど、多様なファイルをアップロードできます。

このツールは、アップロードしたデータに対して検索を行い、その内容を基に回答を生成します。自分のパーソナルなデータや、まだナレッジ化されていない社内資料などをアップロードして利用できるのが大きな利点です。

アップロードしたファイル（ソース）は、ナレッジとして扱われます。例えば、PDFについて質問を投げかけると、AIはそのナレッジを基に回答を作成します。回答時には、どのPDFのどの文章を参照したかというソースガイドが表示されるので、根拠を確認できます。

NotebookLMは、チャットベースでの質問応答以外にも多彩な機能を持っています。例えば、このナレッジの内容を基に、人物（男女2人）のポッドキャストのような動画を自動で作成できます。また、ナレッジの内容を構造化し、視覚的に把握しやすいマインドマップを自動生成する機能も搭載されています。このマインドマップ機能により、複雑な項目を整理して見ることができます。さまざまな角度から情報をキャッチアップしたい場合に役立つツールでしょう。

【資料作成・企画】企画書やプレゼン資料の作成時間を大幅短縮するAIツール

企画書やプレゼン資料の作成は、業務の中でも特に時間がかかりがちです。AIツールを活用すれば、デザインや構成の作成を自動化し、大幅に時間を短縮できます。

GenSpark：PowerPoint形式で編集可能なスライドを自動作成

GenSparkは、スライド作成においても高い利便性を持っています。例えば、「GenSparkについて紹介するスライドを作成して」と指示するだけで、資料を自動で作成します。

他のAIツール（例えばClaude）もスライド作成は可能です。しかし、GenSparkの優れている点は、HTML形式ではなくPowerPoint形式でスライドを作成する点です。そのため、作成されたスライドをそのままダウンロードし、PowerPointで細かく編集・修正できるのです。

作成されたスライドはデザイン性も高く、非常に良い仕上がりになります。作成途中の資料でも、共有やダウンロードが可能です。

Claude：自然な日本語文章生成とWebスライド（HTML形式）の作成

Claude（クロード）は、Anthropic社が開発した高性能な対話型AIサービスです。普段利用するChatGPTと似たサービスですが、いくつかの異なる点があります。

最大の特長は、日本語の文章が非常に自然である点です。そのため、自然な文章を生成したい場合、多くのユーザーがChatGPTではなくClaudeを選択する傾向があります。

さらに、ClaudeはWebスライドの作成にも利用できます。簡単なプロンプト（例：「以下の内容についてウェブスライドをアーティファクトで作成してください」）を与えるだけで、スライドを作成可能です。

ここでいう「アーティファクト」とは、AIが生成したコンテンツをチャットインターフェース内で直接表示するClaude独自の機能です。Claudeによって作成された資料は、実際にはHTMLとCSSといったWeb技術で作られています。高品質な資料を一発で手軽に作成できるため、資料作成の効率を上げたい方に非常に便利でしょう。

Mapify：テキストから情報を整理し、視覚的に分かりやすいマインドマップを生成

Mapify（マッピファイ）は、AIマインドマップを生成するサービスです。テキストを貼り付け、マインドマップを生成するよう指示するだけで、テキストの情報から内容を整理します。

Mapifyは、情報を視覚的に分かりやすいマインドマップ形式で表示するツールです。

例えば、ある文章を入力すると、「機能概要」「編集とエクスポート」「企画作成の効率化」といった具合に構造化して出力します。機能概要の下に「目的」「機能」「主な特徴」という枝が分かれるなど、詳細な構造化を行います。

Mapifyで作成したマインドマップは、プレゼンテーション資料作成の前の段階で、自分の理解を深めたり、情報を構造化したりするツールとして非常に有用です。情報整理が苦手な方でも、このツールを使えば効率的に情報を活用できるでしょう。

注意点として、Mapifyには無料プランがありますが、作成できるマインドマップの数に限りがあることです。無料プランの制限を超えて利用を続けたい場合は、有料プランへの切り替えが必要となります。

Napkin AI：企画内容を自動で図化（インフォグラフィック/ダイヤグラム）しビジュアル素材を生成

Napkin AI（ナプキンAI）は、資料を**図化（ビジュアル化）**してくれるサービスです。テキストを入力するだけで、自動的にインフォグラフィックやダイヤグラムを生成します。

生成されたビジュアル素材は、コラム記事のメディア素材として利用したり、スライドにそのまま組み込んだりできます。自動で図を生成し、データや情報の視覚化をサポートするツールです。

Napkin AIの画面では、「ドラフト with AI」という機能があり、プロンプトを入力すれば生成が可能です。また、ファイル（サポートされている形式）をドラッグアンドドロップして画像を作成することもできます。

テキストを貼り付けて図を作成する場合、多様なフォーマットから好きな種類を選択できます。提案書のビジュアル作成に悩んでいる方にとって、非常に便利なツールとなるでしょう。

【コミュニケーション・会議】議事録作成・要約を自動化し、ネクストアクションを明確にするAIツール

会議の文字起こしや議事録作成は、多くの時間を要する定型業務です。以下のツールは、これらの作業を自動化し、会議後のネクストアクションの抽出までサポートします。

TLDV/Tactiq：オンライン会議を録画・文字起こしし、自動で要約とアクションアイテムを抽出

TLDVとTactiq（タクティック）は、オンライン会議の文字起こしツールです。これ以外にも「Notta」といったサービスも存在しますが、ここではTLDVとTactiqをご紹介します。

これらのツールは、オンライン会議の際に自動で会議を録画します。会議が終了すると、自動的に会議の文字起こしや要約を実施します。

Zoom、Microsoft Teams、Google Meetといった主要なプラットフォームに対応しています。商談、顧客との打ち合わせ、社内会議など、あらゆる場面で活用できます。

これらのサービスを使えば、議事録を残す手間を削減し、ネクストアクションを自動で作成します。リアルタイムでの文字起こし、会議の自動要約、アクションアイテムの抽出、多言語対応といった機能が備わっています。

Tactiqの画面では、すべての会議情報が一箇所にまとまります。会議の内容をクリックすると、トランスクリプト（文字起こし）が表示されます。誰がどれだけ話したかというスピーカーの統計データもすべて確認できるのです。

TLDVでは、録画された動画データ自体をTLDV上で確認できます。議事録作成やサマリー作成をAIで迅速に行いたい場合に、これらのサービスが非常に役立ちます。

【開発・自動化】非エンジニアでも仕事で使えるAIアプリケーションを構築するツール

プログラミング知識がない非エンジニアでも、AIを活用したアプリケーションやワークフローを構築し、業務を自動化できる時代です。

Def（デファイ）：ノーコードでチャットボットやワークフロー自動化を実現

Def（デファイ）は、プログラミング知識がない方でもAIアプリケーションを構築できる、ノーコードのプラットフォームです。

このプラットフォームを利用すると、チャットボットや、処理を自動化したいワークフローを簡単に作成できます。AIエージェントという、AIが自律的に考えてタスクをこなすアプリケーションの構築も容易です。

日本国内でもDefの導入が進んでおり、企業がこのツールを使って社内の業務効率化を図るケースが増えています。

例えば、日報作成のワークフローを作成できます。現在の時刻を取得し、AIブロックがその日頑張ったことを文章にし、日報を作成します。最後にその日報をEメールで送信して終了するという一連の流れを自動化可能です。

このワークフローは、決まった時間になったら自動で実行されるように設定できます。非エンジニアの方でも、ブロック形式で直感的に組み合わせるだけで、アプリケーションを作れる点も魅力でしょう。

Google AI Studio：マルチモーダルAIを活用したプロトタイプ作成や動画生成

Google AI Studioは、Googleが提供するサービスの一つです。マルチモーダルAIの開発者向けのプラットフォームとして設計されています。

マルチモーダルとは、画像、音声、動画、テキストといったさまざまな種類の技術をこのサービス一つで完結できるという意味です。

Google AI Studioの大きな利点は、無料で使用できることです。最新のAIモデルであるGemini 2.5 Proも、無料で利用可能です。動画生成やアプリケーションの解説なども、この一つのサービス内で全て実行できます。

このプラットフォームでは、「チャット」「ストリーム」「ジェネレート」「ビルド」といった機能があります。チャット機能では、ChatGPTやClaudeと同じようにGeminiモデルを使った対話が可能です。

ストリーム機能を使うと、AIと会話できます。画面をシェアしながらAIと画面共有を行い、共有している画面について質問するといった使い方が可能です。

「ジェネレートメディア」では、動画生成や画像生成を実行できます。また、「ビルド」機能は、アプリケーションのプロトタイプを迅速に作成します。例えば、ストップウォッチのウェブアプリケーションを作ってほしいと自然言語で指示すると、ウェブで動くアプリケーションを構築できます。非エンジニアの方が、動くプロトタイプを作成したい場面で特に有用でしょう。

Cursor：AI搭載エディタによるコード修正・生成、ライティング支援

Cursor（カーソル）は、AIを搭載したエディタ（編集ツール）です。一般的にはエンジニアが多く利用するツールですが、文章を書いたり、プログラムを書いたりするエディタにAI機能が搭載されています。

Cursorを使うと、プログラミング時に分からない点があったり、コードを修正したい時などに非常に役立ちます。特定のコード部分の修正や、分からないことに関するコード生成も可能です。

Cursorの画面では、右側にチャット機能がついています。何か質問をしたり、「こんな機能を追加して」といった指示を自然言語で与えたりすると、コードが生成されます。

非エンジニアの方であれば、文章の校正やライティングの場面でこのツールを利用できます。

さらに重要な点として、Cursorは内部でClaudeを選択して利用できる仕組みを持っています。ClaudeのAIモデルである「Claude 4 Sonnet」などを使用できますので、Cursor上でもClaudeの高性能な日本語生成能力などを活かせるでしょう。

【汎用対話・日本語特化】日常業務で利用できる高性能な生成AIサービス

日常的な対話や文書作成において、高い性能を発揮する汎用AIサービスは業務の中核を担います。

Claude：特に日本語の自然な文章生成能力に優れた対話型AI

Claudeは、Anthropic社が開発した、高性能な対話型AIサービスです。一般的な日常業務における対話や文書生成に非常に適しています。

Claudeの最大の特徴は、日本語の文章が非常に自然である点です。自然な文章を生成したいというニーズに合致し、ChatGPTと比較しても、より人間に近い自然な表現を生成する傾向があります。

プログラミング領域においては、コード生成やデバッグの分野で特に強みを持っています。長文の要約や分析にも優れており、文書を深く理解し、要点を抽出する能力が高いでしょう。

さらに、Claudeには「アーティファクト」機能が備わっています。これは、Webスライド（HTML/CSS形式）といったAIが生成したコンテンツを、チャットインターフェース内で直接表示できる機能です。この機能により、資料作成を簡単かつ高品質に実行できるのです。

安全性も重視した設計になっていますので、機密性の高い業務や重要な文書作成において、安心して利用できるでしょう。

Google AI Studio：最新のGeminiモデルを無料で利用可能なプラットフォーム

Google AI Studioは、マルチモーダルAI開発プラットフォームであると同時に、高性能な汎用対話サービスとしても利用できます。

最大の魅力は、最新のAIモデルであるGemini 2.5 Proを無料で利用できる点です。

チャット機能を使えば、Geminiモデルによる高性能な対話が可能です。このプラットフォームは、テキスト、画像、音声、動画といった様々な技術を一つのサービスでカバーしているため、日常的な対話から高度なプロトタイプ作成まで、幅広い業務に対応します。

無料で使える業務効率AIツールとその利用範囲

業務効率化AIツールの導入を検討する際、コストは重要な要素の一つです。初期費用を抑えたい方のために、無料で利用できるツールの情報と注意点を確認しましょう。

Google AI Studioは最新モデル（Gemini 2.5 Pro）を無料で利用可能

Google AI Studioは、非常に強力なAIツールでありながら、無料で利用できる点が魅力的です。

このプラットフォームでは、Googleの最新AIモデルであるGemini 2.5 Proを使用できます。これは、非常に高性能なモデルであり、動画生成やアプリケーション開発といった高度な作業も、無料枠で試すことができます。

Gemini 2.5 Proのマルチモーダル機能により、日常的な質問応答から複雑なタスクの解決まで、費用をかけずに実行できるでしょう。まだこのサービスを使っていない方は、ぜひ試してみるべきです。

Mapifyのように無料プランに利用制限があるツールに注意

多くのAIツールは無料プランを提供していますが、利用範囲に制限が設けられていることが多いです。

例えば、Mapifyは無料プランで利用できますが、作成できるマインドマップの数に限りがあります。制限数に達してしまうと、そのアカウントではマインドマップを作成できなくなり、継続利用のためには有料プランへの切り替えが必要になります。

無料プランを利用する際には、機能制限や利用回数制限といった制約条件を事前に確認することが重要です。これにより、導入後に想定外のコストが発生する事態を避けられるでしょう。

目的業務別！最適なAIツールの選び方と導入ステップ

生成AIサービスが数多く存在する現在、業務効率化を確実に実現するためには、ツールの得意領域を理解し、具体的な活用イメージを持つことが不可欠です。

ツールごとの得意領域を理解し、業務に適用する

生成AIサービスは、ツールごとに得意な領域が異なります。

例えば、Claudeは自然な日本語文章の生成やプログラミング、長文の要約に強みがあります。Perplexityは最新かつ信頼できる情報源からの検索・要約が得意分野です。GenSparkは深層研究やファクトチェック機能を含む多機能な資料作成に優れます。

リサーチ、資料作成、会議の議事録作成、開発といったタスクに応じて、適切なツールを選びましょう。ツールの得意な領域を理解し、自分の業務に当てはめることで、効率化を最大化できます。

業務効率化につなげるための具体的な活用イメージの持ち方

AIツールを導入しても、具体的な活用イメージが持てないと、結局元のやり方に戻ってしまう可能性があります。業務効率化を成功させるためには、ツールをどのように使うかを明確にイメージすることが必要です。

例えば、会議の議事録作成であれば、TLDVやTactiqを活用し、オンライン会議の録画・文字起こし・要約を自動化することをイメージします。資料作成であれば、Claudeのアーティファクト機能やGenSparkのPowerPoint生成機能を利用し、短時間でプロトタイプ資料を作成する流れを具体化しましょう。

具体的な活用イメージを持つことで、導入障壁を下げ、スムーズに業務へ適用できるでしょう。

まとめ

この解説記事では、ChatGPTだけではなく、Claudeをはじめとする業務効率化に役立つ生成AIツール10選とその活用方法を徹底的に解説しました。

生成AIサービスを目的別に使い分けることで、リサーチや資料作成、会議の議事録作成、開発といった多様な業務を一気に効率化できます。

AIツールの活用は、生産性の向上、創造性支援、データ活用、アクセシビリティの向上に繋がる大きなメリットがあります。

今回ご紹介したClaudeやPerplexityなどの生成AIツール10選を参考に、ご自身の業務で活用できる部分を見つけてみてください。