通信制高校は総合型選抜(旧AO入試)で不利?合格するための対策を解説
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通信制高校は、総合型選抜(旧AO入試)で不利になることはありません。
大学の出願資格は学校教育法などで定められており、全日制・定時制・通信制の課程による区別が置かれていないためです。
本記事では、通信制高校から総合型選抜を受けるメリットと注意点、合格するための対策を解説します。
総合型選抜(旧AO入試)で通信制高校は不利?

総合型選抜は、通信制高校からでも受験できます。
大学受験の出願資格は学校教育法および文部科学省令で定められているためです。
文部科学省が公表している大学入学資格の要件でも、高等学校または中等教育学校を卒業した者と示されています。
全日制・定時制・通信制の課程による区別はありません。
選考方法も同様で、総合型選抜では、志望理由書などの出願書類が合否判断の中心に置かれます。
あわせて面接・小論文・プレゼンテーション・口頭試問も組み合わせて評価する方式です。
そのため、通信制高校かどうかで不利になることはありません。
通信制高校から総合型選抜で受験するメリット
通信制高校の学習スタイルは、総合型選抜の評価軸と重なる部分が多くあります。
授業時間の使い方に自由度があり、探究活動や資格取得に時間を割けるためです。
ここでは、通信制高校ならではのメリットを3つ紹介します。
学科試験なしで受験できる大学が多い
総合型選抜の多くは、教科型の学力試験を課しません。
英語・国語・数学といった科目の試験を行わず、出願書類・面接・小論文で合否を判断する方式が少なくありません。
そのため、教科学習に苦手意識がある通信制高校生でも合格を目指せます。
評価されるのは、志望理由の一貫性や活動内容の深さだからです。
ただし、すべての方式で学科試験がないわけではありません。
国公立大学を中心に、大学入学共通テストを課す方式が存在します。
私立大学でも、総合問題の形式で学力を測る大学があります。
志望校の方式によって必要な準備は大きく変わるため、募集要項で確認しておきましょう。
評定平均を高く保ちやすい
通信制高校は、評定平均を高く保ちやすい仕組みになっています。
他の生徒との比較ではなく、レポート・スクーリング・単位認定試験の到達度で成績が決まるためです。
提出物と試験を計画的にこなせば、高い評定を維持できます。
評定平均の高さは、そのまま受験できる大学の選択肢につながります。
総合型選抜では、評定平均に基準を設けている大学があるため、評定を安定させておくと、志望校を選ぶ段階で選択肢を狭めずに済むでしょう。
自由な時間を課外活動にあてられる
登校日数が少ない通信制高校では、平日の日中に使える時間を確保しやすくなります。
その時間を課外活動に投下できる点は、総合型選抜において大きな強みです。
志望学部の学問分野に関連する探究活動、地域や企業と連携したプロジェクトなどが選択肢です。
長期のボランティアや資格取得にも、継続して取り組めるでしょう。
総合型選抜で評価されるのは、活動の派手さではありません。
取り組んだ期間の長さと、そこから何を学び志望動機にどうつながったかが見られています。
毎日の登校に時間を取られない環境は、長期間の活動を続けるうえで有利に働きます。
なお、学校行事や生徒会活動が少ない通信制高校では、校内活動のエピソードを用意しにくいでしょう。
校外での活動が評価材料の中心になる前提で、早めに動き出しておきましょう。
通信制高校から総合型選抜で受験するデメリット・注意点
通信制高校から総合型選抜を受けるうえで、事前に把握しておきたい落とし穴もあります。
ここでは、注意しておきたい4つの点を紹介します。
履修科目によっては出願条件を満たせない場合がある
最も注意したいのは、履修科目が出願条件を満たさない場合があることです。
通信制高校のカリキュラムは卒業に必要な単位数を満たす形で組まれるため、数学Ⅲや専門理科を選択しないケースが出てきます。
一方で総合型選抜には、特定科目の履修単位数を出願資格に定めている大学もあります。
条件が設けられやすいのは理工系の学部です。
数学と理科は発展的な科目まで含めた合計単位数、英語は科目全体の単位数という形で基準が示されます。
志望分野が理系の場合は、高1・高2の科目選択の段階で募集要項を確認しておく必要があります。
自分から動かないと活動実績を積みにくい
通信制高校では、意識して動かないと志望理由書に書ける経験を作りにくいのがデメリットです。
全日制高校では、部活動・行事・探究の授業が活動経験になります。
通信制高校では、こうした機会が制度的に用意されていません。
自由な時間があること自体は強みですが、使い道を自分で設計しなければ強みには変換されません。
何もしないまま過ごすと、時間の余裕がそのまま実績の少なさに変わってしまいます。
参加先は、自分で探す前提で考えてください。
校外のコンテスト、大学が実施する高校生向けプログラム、地域団体の活動などが候補になります。
オンラインの探究プログラムであれば、居住地に関係なく参加できるでしょう。
学力試験が課される大学では対策が遅れやすい
学力試験を課す方式を志望する場合、対策の遅れに注意が必要です。
国公立大学の総合型選抜では、大学入学共通テストの受験が必要な方式が多くあります。
私立大学でも、総合問題や小論文で教科知識を前提とした出題がなされる場合があります。
通信制高校は授業時間数が全日制より少なく、教科学習を学校の授業だけで完結させるのは困難です。
共通テスト対策の開始が遅れると、その方式での出願自体をあきらめることになりかねません。
志望校を決めた段階で、共通テストの有無と課される教科を募集要項で確認してください。
必要な場合は、書類対策と並行して教科学習の計画を立てる必要があります。
独学が難しければ、通信教材や塾の活用も早い段階で検討しましょう。
高校の進路指導だけでは対策しきれない場合がある
校内の進路指導だけでは、総合型選抜の対策が足りない場合があります。
通信制高校は進路の幅が広く、就職や専門学校進学を選ぶ生徒も多いためです。
総合型選抜の指導経験を持つ教員が、校内に少ないケースも珍しくありません。
志望理由書・面接での受け答え・小論文は、繰り返し第三者の指摘を受けることで精度が上がります。
一人で仕上げようとしても、改善点に気づけないまま出願日を迎えてしまいます。
登校日数が少ないため、そもそも相談機会が限られる点も見逃せません。
学校の指導だけで不足する場合は、塾やオンラインの添削サービスを検討してください。
校外の対策手段は、高3の夏に探し始めると間に合わなくなるおそれがあります。
通信制高校生が総合型選抜に合格するための対策
通信制高校から総合型選抜で合格するには、逆算した準備が欠かせません。
環境と情報の差は、早く動き出すことで十分に埋められるためです。
ここでは、取り組むべき対策を時系列に沿って5つ紹介します。
高2の夏までに準備を始める
総合型選抜の準備は、高2の夏に着手するのが目安です。
一般的なスケジュールを見ると、入試の基本的な事項は5月末から7月末に発表され、出願は9月1日以降、合格発表は11月1日以降と実施要項で決まっています。
逆算すると、高3の夏には書類を完成させておく必要があります。
書類の完成までには、志望校選び・アドミッションポリシーの読み込み・活動実績作りの工程が必要です。
エントリーの受付は出願より早く始まるため、募集要項が公表されたらすぐに時期を確認しておきましょう。
志望校の募集要項で出願条件を確認する
志望校が決まったら、募集要項で出願条件を1つずつ確認しましょう。
確認すべき項目は、評定平均の下限・履修科目と単位数・欠席日数の上限です。
あわせて、英語資格のスコア要件・共通テストの要否・専願か併願可かも押さえてください。
これらの条件は、大学・学部・方式ごとにすべて異なるため、必ず大学の募集要項を確認しましょう。
欠席を減らして評定平均を上げる
評定平均と欠席日数は、出願できるかどうかを左右する要素です。
調査書に記載される欠席日数が、出願資格に直結する大学があるためです。
通信制高校の場合、スクーリングへの出席とレポート提出が評定に直結します。
提出期限の管理そのものが、評定平均の維持につながると考えてください。
提出が遅れがちな科目は、締切をカレンダーに登録しておくと管理しやすくなります。
注意したいのは、評定平均が高1から高3の1学期までの成績で算出される点です。
高3から挽回するのは難しく、早い学年ほど1科目の影響が大きくなります。
課外活動や資格取得で実績をつくる
課外活動は、志望学部との接点を基準に選びましょう。
基準は、志望学部で学ぶ内容と接点があること・半年以上継続できることの2点です。
加えて、取り組みの過程を自分の言葉で説明できるかどうかも確かめてください。
受賞歴や大会出場は必須ではありません。
課題を設定して調べ、行動し、結果を検証した過程が書ければ十分に評価対象になります。
英語資格については、英検やTOEFLのスコアを出願資格や加点条件に設定している大学があります。
志望校の要件を確認したうえで、受験時期を逆算してください。
活動中は、日付・関わった人・取り組んだ内容・気づいたことを記録に残しておきましょう。
記録があると、書類作成時に具体的なエピソードとしてそのまま使えます。
小論文と面接の練習を繰り返す
小論文と面接の準備では、本番と同じ形式で繰り返し練習する時間を確保しましょう。
小論文は志望学部の過去問を入手し、時間を計って書いてください。
書き終えたら第三者に添削を受け、指摘をもとに書き直す流れを繰り返します。
面接では、提出した志望理由書の記載内容から深掘りされます。
書類に書いた一文ごとに「なぜそう考えたのか」「具体的にどう取り組んだのか」を答えられる状態まで準備しましょう。
通信制高校では、対面で練習相手を確保しにくい事情があります。
オンラインでの模擬面接や、自分の受け答えを録画して確認する方法で補ってください。
回答を丸暗記すると、想定外の質問に対応できなくなります。
伝えたい要素を整理したうえで、自分の言葉で話す練習に重点を置きましょう。
まとめ
通信制高校は、総合型選抜で制度上の不利を受けることはありません。
学科試験なしの方式が多く、評定平均を高く保ちやすい点や時間を確保しやすい点はむしろ強みになります。
一方で、履修科目の不足や活動実績の積みにくさには注意が必要です。
高2の夏までに募集要項を確認し、活動と書類の準備を計画的に進めましょう。
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