近畿大学医学部は昭和49年に開設された歴史の深い大学です。

スモール・グループ教育制度と呼ばれる少人数制の指導により、教員と生徒の間では深い信頼関係が築かれています。

そのような近畿大学の特徴に魅力を感じ「他学部を卒業したけれど、近畿大学を再受験して医師を目指したい」と目標を抱く方もいるでしょう。

しかし、近畿大学は関西圏でも知名度が高く毎年多くの受験者が集まるため、再受験ではハードルが高いと感じてしまうかもしれません。

本コラムでは近畿大学医学部が再受験に対してどの程度寛容なのか、詳しく解説します。

近畿大学医学部に再受験で合格を目指すためのポイントも紹介しているため、再受験を検討している方はぜひ最後までご覧ください。

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近畿大学医学部は再受験に寛容なのか

結論からお伝えすると、近畿大学医学部は再受験に対して「比較的寛容」だと判断できます。

寛容度が高い大学は「とても寛容」、次に「比較的寛容」「厳しい」と3つのレベルに分けた場合、近畿大学医学部は中間に分類されます。

このレベル分けは22歳以上の受験者数や合格率によって判断されますが、近畿大学医学部は22歳以上の受験者数が多いのが特徴です。

合格率も比較的高い点から比較的寛容であると考えられます。

近畿大学医学部が再受験に寛容といえる理由①

近畿大学医学部が比較的寛容だといえる点は、年齢別の合格者数を見て読み取ることができます。

以下のデータを確認してみましょう。

〇近畿大学医学部:年齢別合格者数

年度現役生(18歳)19歳20歳21歳22歳以上
H3056名108名57名26名25名
H2949名89名64名24名43名
H2846名115名51名28名48名
H2760名118名69名38名64名
参考:文部科学省|緊急調査結果速報

上記のデータは、平成27年から平成30年までの近畿大学医学部の合格者数を年齢別でまとめたものです。

現役生より既卒1年目の方が合格者が多いことがわかります。

また、20歳や21歳、22歳以上と年齢が高くなるにつれて合格者は減少する傾向にありますが、近畿大学医学部では概ね20名台から60名台で推移しています。

22歳以上の合格者も比較的多い点から、近畿大学医学部は再受験しやすい大学といえるでしょう。

近畿大学医学部が再受験に寛容といえる理由②

近畿大学医学部が再受験に対して寛容だといえる理由は合格者数だけではありません。

再受験に対して寛容かどうかは年度ごとの合格率を見ても判断できます。以下のデータを見ていきましょう。

〇近畿大学医学部:22歳以上の受験者数と合格率

年度受験者数合格率
H30892名2.8%
H291029名4.2%
H281114名4.3%
H271096名5.8%
参考:文部科学省|緊急調査結果速報

上記は平成27年から平成30年までの近畿大学医学部の22歳以上の受験者数と合格率をまとめたものです。

平成30年は892名の受験者数に対して合格者は25名と、合格率が2.8%で3%を下回っています。

しかし、平成27年から平成29年は4~5%台で推移しており、悲観的になるような数値ではありません。

私立大学でさらに知名度の高い近畿大学でこの水準であれば、比較的寛容だと判断できるでしょう。

近畿大学医学部の入試情報

近畿大学医学部を再受験する際は偏差値や直近の倍率をチェックしたうえで、受験対策を練るのが得策です。

以下では、近畿大学医学部の入試情報について紹介します。

偏差値62.5-65
倍率(2024年度)【前期】
・志願倍率:8.29倍
・実質倍率:7.79倍

【後期】
・志願倍率:14.41倍
・実質倍率:12.03倍
試験科目(一般入試・前期・一次試験)理科200、数学100、英語100【計400】
試験科目(一般入試・前期・二次試験)小論文、面接
試験科目(一般入試・後期・一次試験)理科200、数学100、英語100【計400】
試験科目(一般入試・後期・二次試験)小論文、面接
試験科目(共通テスト利用方式・前期・一次試験)英語100、数学200、理科200【計500】
試験科目(共通テスト利用方式・前期・二次試験)小論文、面接
試験科目(共通テスト利用方式・中期・一次試験)英語100、国語もしくは数学100、理科200【計400】
試験科目(共通テスト利用方式・中期・二次試験)小論文、面接
試験科目(共通テスト利用方式・後期・一次試験)外国語100、国語・数学・理科より2科目200【計300】
試験科目(共通テスト利用方式・後期・二次試験)小論文、面接
参考:令和6年度 近畿大学 一般入学試験結果・前期(A日程)
参考:令和6年度 近畿大学 一般入学試験結果・後期
参考:令和7年度 入学試験要項

近畿大学医学部の偏差値は62.5~65と、全国の医学部の中では平均的な数値です。

ただし、知名度が高く人気の大学ということもあり、倍率は志願倍率と実質倍率が共に高くなっています。

偏差値だけにとらわれず十分な受験対策を講じる必要があるでしょう。

近畿大学医学部に再受験で合格するポイント

再受験に対し比較的寛容な近畿大学医学部ですが、その評価に甘んじることなく着実な合格を目指すことが大切です。

以下では、近畿大学医学部に再受験で合格するポイントを3つ紹介します。

一般入試は過去の傾向をおさえる

基本的に共通テスト利用方式より一般入試の方が募集人員が多く、再受験の場合も一般入試を選択する方が多くなるでしょう。

一般入試は近畿大学独自でテスト問題を作成しているため、過去の傾向をおさえて対策を練る必要があります。

最低でも5年、スケジュールに余裕があれば10年程さかのぼって過去問題をこなすようにしましょう。

また、近畿大学は入試に関する情報を積極的に発信しています。

入会費や年会費無料で入会できる「近パス」に登録すれば過去問題や解答例を無料でダウンロードできるため、こちらも活用してみましょう。

時間配分に注意する

一般入試の場合、数学と英語は各60分で理科は120分です。

90分や120分と時間を設けている大学が多い中、近畿大学医学部の一般入試は試験時間が短く設定されています。

そのため、時間配分を考えて問題を解いていかなければ、時間オーバーとなってしまうかもしれません。

過去問題に取り組む際は時間を計測し、手際よく解けるようスピードも意識していきましょう。

面接だけではなく小論文対策も行う

どの大学も基本的に面接がありますが、小論文の有無は大学によって異なります。

近畿大学医学部の場合は小論文試験があるため、面接以外に小論文対策を行う必要があります。

小論文は二次試験で実施され、制限時間は40分です。医療に関する問題が出題されることはほぼ必至といえるでしょう。

医療関連のテーマは幅広いため、どのような問題にも答えられるように対策を行うのがポイントです。

近畿大学医学部の再受験まとめ

本コラムでは近畿大学医学部の再受験の寛容性について解説しました。近畿大学医学部は再受験に対して比較的寛容です。

しかしながら、知名度が高い大学ということもあり、倍率はほかの大学に比べるとやや高めです。

一般入試の再受験で医学部に合格するためには、過去問題の傾向をおさえるのが鍵となるでしょう。

予備校通いで対策を練るのが得策ですが、仕事と両立している場合、時間を割くことが難しいかもしれません。

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関連コラム:医学部の再受験に寛容な私立・国公立大学は?社会人におすすめの大学や判断ポイントも解説

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