医学部の再受験に寛容な私立・国公立大学は?社会人におすすめの大学や判断ポイントも解説
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「学びなおし」が注目されはじめた現代では、社会人になって「やはり医学部に入りたい!」と再受験を考える人も少なくありません。
このコラムでは再受験にオススメの大学やその見抜き方、そして再受験における注意点を紹介します。
医学部入学への熱意を叶えるために、再受験のポイントを理解して志望校選びを行いましょう。
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私立医学部の再受験に寛容な大学
私立医学部それぞれの再受験への寛容度は以下の通りです。
大学名 | |
とても寛容 | 川崎医科大学、岩手医科大学、久留米大学、東北医科薬科大学、帝京大学、金沢医科大学、福岡大学、東海大学、北里大学 |
比較的寛容 | 近畿大学、関西医科大学、聖マリアンナ医科大学、獨協医科大学、国際医療福祉大学、藤田保健衛生大学、大阪医科大学、愛知医科大学 |
厳しい | 東京女子医科大学、杏林大学、日本大学、埼玉医科大学、兵庫医科大学、日本医科大学、産業医科大学、東邦大学、東京医科大学、東京慈恵会医科大学、昭和大学、自治医科大学、慶応義塾大学、順天堂大学 |
国公立医学部と同様、「とても寛容」にカテゴライズされているは22歳以上の合格者が合格者総数に対して10%以上を占める私立医学部です。
その中でも川崎医科大学は、再受験者にとって特別寛容な医学部をもっているといえます。
受験者は浪人生や再受験者が大半を占めているため、合格枠を浪人生と再受験者とで取り合っているような状況です。
学習習慣を絶やさず継続している現役生との椅子取りゲームにはなりづらいため、再受験者が合格を狙いやすいと考えられます。
「とても寛容」カテゴリに属する私立医学部には、受験者層に同様の特徴をもつ大学がみられます。
「厳しい」カテゴリに属する私立医学部は、国公立医学部に比べてさらに再受験者に厳しい受験となるでしょう。
国公立医学部と異なるのは、再受験者からの合格者が単に少ないだけではなく、再受験者が一定以上チャレンジしていながらも合格を勝ち取れていない点にあります。
自治医科大学、慶応義塾大学、順天堂大学については一定数の再受験者がいるものの、合格者の大半は現役生と一浪生で占められています。
この3大学においては再受験者の合格者が圧倒的に少ない傾向が続いているため、特別な事情がない限りは受験を避けたほうが無難でしょう。
国公立医学部の再受験に寛容な大学
国公立医学部それぞれの再受験への寛容度は以下の通りです。
大学名 | |
とても寛容 | 滋賀医科大学、九州大学、島根大学、熊本大学、信州大学、長崎大学、新潟大学、富山大学、福井大学、琉球大学、山形大学 |
比較的寛容 | 香川大学、山梨大学、奈良県立医科大学、鳥取大学、高知大学、金沢大学、札幌医科大学三重大学、大分大学、横浜市立大学、名古屋市立大学、京都府立医科大学、山口大学、宮崎大学、和歌山県立医科大学、鹿児島大学、岐阜大学、岡山大学、徳島大学 |
厳しい | 広島大学、旭川医科大学、福島県立医科大学、東京医科歯科大学、愛媛大学、大阪市立大学、東京大学、京都大学、秋田大学、筑波大学、弘前大学、群馬大学、東北大学、大阪大学、北海道大学、名古屋大学、神戸大学、千葉大学、浜松医科大学、佐賀大学 |
「とても寛容」にカテゴライズされているは、22歳以上の合格者が合格者総数に対して10%以上を占める国公立医学部です。
いずれも合格者が100名以上のため、1大学あたり10名以上の再受験者が合格をつかんでいる計算になります。
再受験者率が最も高いのが滋賀医科大学ですが、再受験者がなんと20%以上というデータが公表されています。
この数値からも、同大学医学部は受験者へ広く門戸が開かれていることが理解できます。
年齢にかかわらず、いつからでもチャレンジできる医学部がこのカテゴリに属しています。
一方で「厳しい」にカテゴライズされたのは、合格者に対して再受験者率が5.0%未満となっている国公立医学部です。
旧帝大をはじめとし、最難関に位置付けられた国公立医学部がズラリと並んでいます。
その背景には、医学部の再受験では難易度の高い大学を避けるという傾向が関係していると考えられます。
「とても寛容」カテゴリの長崎大学や熊本大学は、再受験者数が100名近くまで達している一方、「厳しい」カテゴリの京都大学や東北大学では50名未満です。
自分の学力に見合った医学部へ受験者が流れていることがわかります。
受験生活から離れた期間のある再受験者にとっては、このような最難関医学部は避けるほうが得策といえます。
私立医学部の再受験がおすすめな理由とは?
医学部の再受験で私立医学部がおすすめな理由として、国立医学部に比べ難易度が低いことや、私立では併願が可能な点が挙げられます。
国立医学部は私立医学部と比べ比較的学費が安く、競争率が高くなる傾向にあります。また、国立医学部では共通テストが必須なため、受験科目数も増えより多くの学習時間が必要となります。
一方、私立医学部では、受験科目が選択でき、必要な科目に集中して取り組むことができます。
さらに、私立では併願受験が可能です。国立大学の受験は前期と後期の2回限りであるのに対し、私立大学は複数の大学を受験できます。
これらの理由により、私立医学部は再受験生にとっておすすめだと言えるでしょう。
社会人の医学部受験におすすめの大学はある?
再受験に寛容な大学や社会人枠などの入試ルートが存在する大学が、社会人にとっておすすめの大学だと考えられます。はじめにご紹介した再受験者に寛容な大学は、社会人にとっても寛容だと言えます。
また、一部の大学では社会人専用の入試ルートや枠を設けていることがあります。このような大学は、社会人の経験やスキルを評価してくれる可能性が高いです。
大学の公式サイトで、再受験者のデータや社会人枠の有無など最新の入試情報をチェックしてみましょう。
医学部の再受験に寛容な大学であるかどうかの判断ポイント
再受験に対して寛容な大学を紹介しましたが、毎年傾向は変化していきます。
受験のタイミングに応じて自分自身で傾向を確認するため、以下のポイントを理解しておきましょう。
・受験者に対しての再受験者率が高い
・合格者に対しての再受験者率が高い
・再受験者に関するデータを開示している
再受験への寛容度を知るコツは、再受験の先駆者たちがどのような医学部を受験しているかを知ることです。
受験者の多くが再受験であるなら、その医学部が再受験へ寛容であることが知れ渡っている証拠といえます。
また、実際に受験した再受験者が一定数の合格を勝ち取れているかも確認が必要です。
最後に、そのようなデータが開示されていることが最も信頼できるポイントになります。
3つのポイントを押さえて、志望校選びを行いましょう。
医学部再受験の人が面接で問われること
医学部受験で避けては通れないのが「面接」です。
再受験であっても同様で、事前の対策は不可欠といえるでしょう。
一般的な面接で聞かれやすいのは、医学への熱意や志望動機、そして将来像といった質問です。
再受験の場合、現役生に比べてさらに質問の幅が広がることを想定しておきましょう。
例えば以下のような質問事項が再受験者に投げかけられる可能性のあるものです。
・他の学問を学んだ理由
・職業生活で得た知見
・再受験に至った経緯
・周囲の人間の理解
このような質問は、再受験ならではの質問事項の一例です。
現役生と異なり、他の学問経験や職歴があるからこそ、面接官の質問の切り口も幅広いものとなります。
再受験を決断するまでの自分自身の思いを言語化しておくことが、面接対策で最も有効な手段です。
医学部の再受験まとめ
このコラムでは、医学部を再受験するときの志望校選びの基準や、再受験ならではの注意事項を紹介しました。
再受験を決断した人は、並々ならぬ熱意と覚悟をもっているものと思います。
その思いを受験にぶつけることができれば、再受験者を受け入れてくれる医学部は決して少なくありません。
医学部への合格を目標に、着実なステップアップに向けて第一歩を踏み出しましょう。
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この記事の監修者 山崎 敬太
筑波大学人間学群心理学類 卒業。
大学卒業後、英語講師として、難関大・医学部・看護学部・看護学校の志望者計300名以上に指導経験をもつ。
その後、小中高生向けキャリア教育事業の施設長として、生徒やご家族へ進路の相談援助を実施。
現在は医学部・看護学部・看護学校受験向けメディアのライターとしても活動中。
医学部や看護学部・看護学校の受験生に向けて、役立つ入試情報等を発信。