「ほかの学部を卒業したけど、医学部に入って医師になりたい」

「社会人生活と両立しながら医学部受験に挑戦したい」

そのような方にとって重要なことは、志望する大学が再受験者に対して寛容性があるかどうかではないでしょうか。

本コラムでは、広島大学医学部に焦点をあてて、再受験に対する寛容度を検証します。

広島大学医学部に興味がある方、再受験に対する寛容性を知りたい方は、ぜひ最後まで本コラムをご覧ください。

広島大学医学部は再受験に寛容なのか

国公立大学医学部の中でも、広島大学医学部は再受験に対して「厳しい」傾向にあります。

大学が再受験に寛容であるか、厳しいかを見極めるポイントは、再受験者が多い22歳以上の合格者数や合格率です。

それぞれの数値が高ければ再受験に寛容であると判断でき、反対に低いと厳しい大学であるといえます。

広島大学医学部は再受験者の合格者数も合格率も、ほかの大学と比較するといずれの数値も低く、再受験に対して不寛容だと考えられます。

広島大学医学部が再受験に寛容といえない理由①

広島大学医学部が再受験に寛容でない理由のひとつ目は「22歳以上の合格者数が少ないこと」です。

以下のデータを見ながら解説します。

〇広島大学医学部：年齢別合格者数

年度	現役生(18歳)	19歳	20歳	21歳	22歳以上
H30	59名	45名	9名	5名	5名
H29	61名	52名	6名	2名	3名
H28	58名	40名	9名	8名	5名
H27	41名	60名	16名	2名	3名

上記のデータは、文部科学省が公表している広島大学医学部の合格者数データです。

平成27年から平成30年までの合格者数を18歳・19歳・20歳・21歳・22歳以上でまとめたものですが、18歳の現役生と19歳は概ね40名以上の多数の合格者がいますが、2浪以降はほぼ1桁で推移しています。

再受験者が集中しやすい22歳以上は3～5名と、現役生の合格者数と比較するとその差は歴然です。

このようなデータから、広島大学医学部は再受験に厳しいと判断できます。

広島大学医学部が再受験に寛容といえない理由②

広島大学医学部が再受験に寛容でない理由のふたつ目は「22歳以降の合格率が低いこと」です。

以下のデータで詳しく解説します。

〇広島大学医学部：22歳以上の受験者数と合格率

年度	受験者数	合格率
H30	54名	9.3%
H29	83名	3.6%
H28	79名	6.3%
H27	94名	3.2%

上記のデータは、文部科学省が公表している広島大学医学部の22歳以上の受験者数と合格率です。

大学側が再受験者に寛容であれば、合格率は10％を超える高い数値となっていますが、広島大学医学部の合格率はいずれも10％に届いていません。

平成30年は9.3％と、かろうじて10％に届きそうではあるものの、ほかの年は3～6％で推移している点から、決して寛容であるとはいえないでしょう。

平成30年の18歳の受験者は346名、合格者は59名と、合格率は17.1％です。

22歳以上は9.3％と大きな差があるため、再受験に対して厳しいと考えられます。

広島大学医学部の入試情報

以下では、広島大学医学部の入試情報を解説します。

偏差値や2024年の倍率、2025年の試験科目を表でまとめているので、広島大学医学部の再受験を検討している方はチェックしておきましょう。

偏差値	65～67.5
倍率（2024年度）	・志願倍率：4.41倍・実質倍率：3.63倍
試験科目（大学入学共通テスト）	国語200、地歴公民100、数学200、理科200、外国語200、情報100【計1000】
試験科目（個別学力検査等）	数学、理科、外国語、面接【計1800】

広島大学医学部の偏差値は65～67.5と、ほかの国公立大学医学部の中でも標準的な偏差値です。

ただし、再受験に対しては厳しい評価となっているため、偏差値だけを見るのではなく再受験から合格を勝ち取れる対策を練る必要があります。

試験科目は大学入学共通テストと個別学力検査等があり、バランスよく高得点を狙うことが鍵となるでしょう。

広島大学医学部に再受験で合格するポイント

広島大学医学部は再受験に厳しいと考えられますが、事前に受験対策を講じることで合格を勝ち取ることができます。

以下では、広島大学医学部に再受験で合格するためのポイントを3つ紹介します。

捨て科目を作ることはNG

広島大学医学部の個別学力検査等の選抜方法はやや特殊です。

A配点とB配点にわかれており、A配点では「理科重視型」「英語・数学重視型」があり、それぞれの得点上位者から募集人員の半分に該当する受験生が合格となります。

残りの募集人員はB配点から選出される仕組みで、B配点は理科・英語・数学の均一型の上位から合格者を選出する流れです。

ちなみに、A配点では理科重視型か英語・数学重視型かは受験生本人で選ぶことはできません。

理科が得意な方であればA配点の理科重視型が有利ですが、英語・数学重視型の配点となれば不利になってしまいます。

さらに、1科目でも得点が合格者平均の60%を下回っている場合、不合格となるため注意が必要です。

捨て科目は作らず、まんべんなく高得点を獲得できるようにしましょう。

英語は英作文対策を行う

英語は他学部と共通の問題が出題されますが、2021年からは長文が2題、英作文が2題出題されています。

2024年と同様であれば2025年の試験でも2題の英作文が出題されるでしょう。

全学部共通問題のため、医療テーマだけをおさえておけば大丈夫とはいえません。

化学や医療、社会、教育問題など、幅広いテーマから出題されるため、過去問を中心に解きながら文章作成力を鍛える必要があります。

面接はコミュニケーションを重視

面接は受験生1人に対して3人の面接官で行う個人面接です。

面接時間は5～10分程で、長くはなく終始和やかなムードで進む傾向が高いです。

しかし、広島大学医学部が面接で重視しているのがコミュニケーションスキル。

難しい質問はあまりないものの、聞かれた質問にテキパキと答えられる応用力やコミュニケーションスキルが合格を左右します。

再受験者は現役生とは異なり、社会人経験を積んできている方のため、より高いコミュニケーションスキルが合格の鍵となります。

広島大学医学部の再受験まとめ

本コラムでは広島大学医学部の再受験について解説しました。

広島大学医学部は現役生や1浪の合格者は多いですが、2浪以上や再受験になると合格者数が急激に下がるため、再受験に厳しい判断が下されていると判断できます。

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