社会福祉士資格は、国家資格の一種。社会福祉士という職業自体は公務員ではありません。

ただし、社会福祉士の資格を活かして公務員になっている方はたくさんいます。

本記事では、社会福祉士が公務員に採用された際の仕事内容や、公務員のメリット・デメリットを解説します。

公務員として働く際の気になるポイントにも回答していますので、気になる方はぜひ最後までチェックしてみてください。

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公務員として働いたらどんな仕事がある?

社会福祉士を活かして公務員になる場合、地方公務員の福祉職として採用されるケースが多いようです。

仕事内容は、主に福祉関係の仕事に従事することになりますが、業務内容は所属先によって異なります。

都道府県職員は福祉施設や児童相談所など多岐に渡る

都道府県や政令市などの場合、福祉事務所や児童相談所、婦人相談所などで指導・相談員としての仕事に従事することになります。

ほかにも行政が運営している保健所や公立病院、公立福祉施設なども福祉職の対象になります。

関連コラム:社会福祉士とは?仕事内容や相談業務の流れや将来性についても解説

市区町村職員は住民と直接関わる窓口に

市区町村役所でも福祉に準ずる仕事に就くことになります。

市区町村役所は地域住民の直接の窓口になるので、生活困窮者、高齢、児童、障害をお持ちの方の面談や訪問に従事することになります。

ほかにも、自治体が地域包括支援センターを直接運営している場合にも福祉職の範囲に含まれます。

このように、社会福祉士は公務員としての勤め先ができ、福祉職として多くの活躍が期待されます。

公務員になるメリット

では、公務員になった際のメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

安定した収入と福利厚生

既に広く認知されていますが、公務員は安定した収入と福利厚生が大きな魅力です。

福祉職として相談者の相談に適切に対応するには、まず自分の生活が安定しなければなりたちません。

その点公務員は、「働き先が無くなる」といった心配がほぼ無く、また一定の基準に則った福利厚生が整っています。

「令和2年度社会福祉士就労状況調査結果報告書」によると、社会福祉士の年収は403万円となっています。(※1)

一方、公務員の場合はどこに勤め先などで変動はあるものの、平均年収500万円との計算もあり、高い水準に位置することがわかります。(※2)

社会的信用が高くなる

公務員は社会的信用が高く、さまざまな場面で有利にはたらきます。

身近な例を挙げると、車やマイホームを購入などのローンを組むときです。

ローン契約するには、銀行などの金融機関の信頼を得て初めて契約することができます。

公務員は信頼性は高く、ほとんどの場合、審査で有利にはたらきます。

社会的信用があることでライフプランを立てやすくなり、こちらも大きなメリットといえます。

公務員になるデメリット

デメリットは次のとおりです。

業務内容を選べないことも

市区町村役所に勤めた場合は、ほとんどのケースで定期的な異動が伴うことになります。

福祉職であっても例外ではなく、数年ごとに定期的な異動があり、福祉職の範囲内(高齢・児童・障害など)に数年ごとに所属される可能性があります。

そのため、1つの分野に特化することは難しく「この分野の専門として働きたい」と希望している人には向かない可能性も。

場合によっては、方針や採用のされ方によっては福祉職以外の課にも異動する可能性があるので注意が必要です。

残業が多い課に配属される可能性が高い

福祉に関連する課は残業が多い傾向のところが多く、相応の覚悟が必要です。

日中は相談者の対応や訪問などに従事し、閉庁した夕方以降に残っている事務作業や記録の記入をこなす、といった流れで取り組むことになるので、必然的に残業が多くなってしまうところもあるようです。

地域や配属先によっては、夕方以降に地域の福祉専門職との勉強会の開催や出席する場合もあります。

できるだけ定時で上がりたい、私生活とのバランスを重視したいという方は向いていない可能性があるで注意しましょう。

福祉職として公務員になるには

公務員になるには公務員試験に合格しなければならず、そのための対策は必須といっていいでしょう。

公務員試験は避けては通れない

社会福祉士の資格枠での応募であっても試験があることに変わりはありません。

というのも、公務員には国家公務員法および地方公務員法により、

“公平な基準により能力を試験し、適任と認められたものを選抜すること”

と定められており、学力試験、作文、面接などが実施されます。

そのため、たとえ一般以外の募集枠であっても、公務員になるためには試験に合格しなければなりません。

試験対策は必須!計画的に進める必要がある

公務員試験の学習範囲は広く、闇雲に学習すればいいわけではありません。

受験する自治体によっても内容もさまざまなことから、どのような試験内容であっても対応できるよう試験対策は必須といえます。

試験内容は主に次のとおりです。

  • 教養択一(基礎能力)試験
  • 専門択一試験
  • 小論文試験
  • 面接試験

上記のような多様な試験内容を独学のみで挑戦するのは効率面などを考えるとおすすめしません。「本気で公務員を目指したい」という方は自分に合った公務員対策講座を検討してみましょう。

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社会福祉士の公務員に関するよくある質問

社会福祉士は公務員?

社会福祉士資格は、国家資格の一種。しかし、社会福祉士という職業自体は公務員ではありません

なお、主に地方公務員には「福祉職」という分類が存在しています。

例えば東京都の福祉保健局採用では、I類Bにて

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 保育士
  • 児童指導員
  • 児童自立支援専門員

のうち、いずれかの資格が必須となっています。

社会福祉士=公務員というわけではなく、福祉職として公務員になる場合に社会福祉士等の資格が必要になるということですね。

前述の通り、社会福祉士の資格枠での応募であっても、公務員試験は避けては通れません。

公務員として働くために社会福祉士資格の取得を目指しているのであれば、公務員試験についても対策を行なう必要があります。

福祉職公務員とは?

福祉職公務員とは、公的な福祉施設などに勤務し、国民の健康の維持・増進や家庭的な問題における対応等の仕事を行う職業

福祉職公務員には行政職にはない仕事もあり、一定のスキルが必要とされることも少なくありません。

具体的には公的な福祉施設や保健施設、児童相談所などに勤務して、相談業務や生活支援などを行います。また国家公務員の福祉職の場合は、福祉関連の仕組み作りや人材育成なども業務の一つです。

公務員試験では「福祉職」という区分になり、行政職とは別途募集が行われています。

福祉職公務員として働きたいという方は、事前に希望自治体の試験情報をチェックしておきましょう。

社会福祉士公務員の年収は?

大前提として、前述の通り社会福祉士という資格自体は国家資格ではありますが、必ず公務員として働くわけではありません。

そして、国家公務員福祉職の年収について人事院に問い合わせたところ「いわゆる”年収”については公表していない」旨の回答を頂きました。

そこで、ここでは参考までに

  • 社会福祉士の平均年収
  • 地方公務員の平均年収
  • 国家公務員福祉職の平均給与月額

について記述していきます。

まず社会福祉士の平均年収についてですが、約403万円となっています。そして、地方公務員の平均年収は約659万円。国家公務員福祉職の平均給与月額は388,577円です。

以上の数字から、社会福祉士公務員の年収についてもおよそ推測がつくのではないでしょうか。

社会福祉士公務員の合格率は?

前述の通り、社会福祉士という資格はそれ自体が国家資格ではありますが、公務員ではありません。

ここでは参考までに、

  • 東京都1類B(福祉A)(いわゆる福祉職)

の合格率について、記述します。

東京都1類B(福祉A)の令和4年度の1次試験受験者数は80人。最終合格者数は45人で、倍率は1.8倍となっています。なお、令和3年度の1次試験受験者数は61人。最終合格者数は39人で、倍率は1.6倍でした。

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