臨床工学技士を目指せる大学は私立大学がほとんどのなか、受験資格を得られる国公立大学も存在します。

学費の安さやネームバリューといった国公立大学ならではのメリットもあることから、受験を検討している方もいるでしょう。

当コラムでは、臨床工学技士を目指せる国公立大学について、各校の特徴や難易度などを詳しく解説します。

大学選びのポイントなども併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

臨床工学技士を目指せる国公立大学一覧

2025年6月現在、臨床工学技士を目指せる国公立大学は、下記の3校です。

• 大分大学：臨床医工学コース
• 神戸大学：臨床工学部
• 公立小松大学：保健医療学部 臨床工学部

上記3校は、大学・短期大学・専門学校の受験、進学情報「マナビジョン」の掲載情報を参考にご紹介しています。

ここからは、各校公式サイトと「マナビジョン」掲載のデータを参考に、各大学のカリキュラム内容や偏差値など詳細について解説していきます。

大分大学

大分大学の臨床医工学コースでは、次世代を担う医療技術者・研究者の育成を目指すカリキュラムが開講されています。

医学科と同等レベルの医学教育・医用工学の先進領域の知識が融合した講義内容はゲノム医療やAI、情報工学など多岐にわたるもの。

卒業後は医療系の専門職や研究職へ進む学生も多いです。

国公立大学で初めて臨床工学技士試験の受験資格を得られる教育機関として認定された学校でもあります。

大分大学の臨床医工学コースの偏差値は、53〜74ほど。

医療系コースとしてはまずまずの難易度です。

極めて入学難易度が高いというわけではありませんが、受験対策は怠らずに行う必要があるでしょう。

参考：大分大学｜臨床医工学コース

神戸大学

神戸大学は、開校100年超を誇る国内屈指の大規模総合大学です。

付属病院と連携し、実践的な知識を深められる点が神戸大学で臨床工学を学ぶメリット。

実習制度も導入されており、基礎から応用まで余すところなく学習できるでしょう。

国際的に活躍できる医療人材の育成を目指した「英語アドバンスコース」も設置されており、医療知識と同時に英語力の鍛錬も可能。

国際医療分野に関心がある場合は受験を検討してみてください。

神戸大学医学部の偏差値は61〜78ほどで、難関大学のひとつといえます。

入学は容易ではありませんが、在学できればハイレベルな学習体験を通して高度医療人材として活躍できる力が身につくでしょう。

参考：神戸大学 医学研究科・医学部

公立小松大学

公立小松大学の臨床工学科では、定員30名の少人数制によるきめ細やかなカリキュラムを開講中です。

最新医療機器を導入した実習環境で実践的な学びを提供し、地域医療に貢献する医療人材の育成を目指しています。

公立小松大学は卒業生の資格取得率が高いことで知られ、2024年度卒業生の臨床工学技士試験合格率は全国平均を大きく上回る96.8%を記録。

明確な資格取得実績を誇る大学を希望する方には特におすすめの学校といえるでしょう。

臨床工学科の偏差値は53〜58ほどと、医療系学部の中ではかなり入学しやすい数値であることも特徴です。

資格取得率や就職率に実績のある大学のため、アカデミックな研究よりは実践的な技術の習得に比重を置きたい方向けといえます。

参考：公立小松大学｜保健医療学部 臨床工学科

国公立大学で臨床工学技士を目指すメリット　

国公立大学で臨床工学技士を目指すメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

• 学費が安い
• 質の高い教育と研究環境
• 就職に有利な場合がある

学費が安い

国公立大学で学習する最大のメリットは、私立大学と比較して学費が安いことです。

根本の学費を抑えることができれば、奨学金の借り入れを減らして卒業後の経済的負担を軽減できるでしょう。

医学系の学部は高価な機器や実習予算などが加算され、ただでさえ他学部よりも学費がかさみがちです。

臨床工学技士を目指せる国公立大学は現状で西日本の3校しかありませんが、学習予算面の負担を少しでも減らしたい場合は有効な選択肢といえるでしょう。

質の高い教育と研究環境

歴史と実績に裏打ちされた質の高い教育と研究環境を得られることは、国公立大学の強みといえます。

国公立大学は公的組織が運営する機関であり、営利ではなく教育が最大の目的とされていることは言うまでもありません。

私立と比較すると学費は控えめな一方、講師や研究施設の水準はキャンパスの立地を問わず高い傾向があります。

学習段階で最新機器に触れる・大学附属の病院でプロからスキルを学ぶといった実践教育を受ける機会も多くあるでしょう。

就職に有利な場合がある

国公立大学を卒業した場合、大学のブランド力や教育の質の高さによって就職時有利になる場合があります。

特に、地元の研究機関や大規模な病院などでは「あの大学の卒業生」と選考段階からある程度の信頼を得られる可能性があるでしょう。

もちろん最終的には学生個人の能力によって判断されることにはなりますが、国公立大学のネームバリューは初期ステータスとして有効なカードです。

「国や自治体が公的に運営している教育機関」に対する信頼感は、持っていて損はありません。

大学を選ぶ際のポイント　

臨床工学技士を目指して大学を選ぶ際のポイントは以下の3点です。

• カリキュラム内容の確認
• 国家試験合格率とサポート体制
• 卒業後の進路実績

カリキュラム内容の確認

類似の学科でも学習内容は学校によって異なるため、カリキュラムの内容は必ず確認しましょう。

AIやゲノム医療、医療マネジメントなど、学習したい専門分野に特化した講義が受講可能か・実習制度があるかなどが焦点となります。

国家試験合格率とサポート体制

卒業生の国家試験合格率や、資格取得へのサポート体制が整っているかどうかは重要です。

大学によっては、少人数制の指導や試験対策講座を提供している場合もあります。

卒業後の進路実績

卒業生の進路実績についても確認しておくとよいでしょう。

医療機関や企業、研究機関など、どのような進路に強みがあるかは大学によって違います。

自身のキャリアプランを踏まえ、マッチ度の高い大学を選ぶとよいでしょう。

卒業生の採用実績がある企業や機関に自分も志望する場合、「あの大学の人か」と採用側の心象がよくなる可能性もあります。

まとめ

当コラムで紹介した「臨床工学技士を目指せる国公立大学」は、以下の3校です。

• 大分大学
• 神戸大学
• 公立小松大学

いずれも優秀なカリキュラムを提供している大学ばかりで、特に公立小松大学は全国平均を大きく上回る資格合格率を誇ります。

国公立大学は私立と比較して学費が安い一方、学習内容の質の高さやネームバリューの高さが魅力的です。

入学難易度や履修可能な内容はそれぞれ異なるため、キャリアパスに合わせて最適な学校を選ぶとよいでしょう。