「臨床心理士になりたいけれど、何から手をつければいいのかわからない」といった悩みを抱えている方は少なくありません。

大学の専攻や現在の職業によって、最適なルートは異なります。

臨床心理士になるには、原則として日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院または専門職大学院を修了後、同協会が実施する資格試験に合格しなければなりません。

本コラムでは、学歴や現在の状況に応じた最短ルートと、試験合格までの具体的な流れを解説します。

臨床心理士に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

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臨床心理士になるには「日本臨床心理士資格認定協会」の試験の合格が必要

臨床心理士になるには「日本臨床心理士資格認定協会」の試験の合格が必要

臨床心理士になるには、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する資格試験に合格し、同協会への登録を行うことが必須条件です。

ただし、資格試験には受験資格が設けられており、誰でも受験できるわけではありません。

受験資格は複数ありますが、日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院(修士課程)または専門職大学院の修了などが条件となっています。

自分に受験資格があるかどうかを確認することが、最初のステップといえるでしょう。

試験は年に一度、二段階の選抜方式で実施されます。

マークシートや論述による「一次試験(筆記)」を通過した者だけが、口述による「二次試験(面接)」へ進めます。

臨床心理士の資格取得までの4ステップ

臨床心理士になるまでの最短ルートは、4年制大学を卒業後に2年間の指定大学院を修了するルートです。

主なステップは、以下の通りです。

  • ①大学で心理学を学び、「指定大学院」への進学準備をする
  • ②指定大学院または専門職大学院へ進学・修了する
  • ③資格試験(一次・二次試験)に合格する
  • ④資格登録手続きを行う

①大学で心理学を学び「指定大学院」への進学準備をする

臨床心理士になるためには、まず大学で心理学を学び、指定大学院への進学準備を始めましょう。

臨床心理士の受験資格は大学の専攻に左右されないため、他学部出身者でも挑戦可能です。

実際に、工学部や経済学部出身の臨床心理士もいます。

ただし、「大学院」については厳格なルールがあります。

心理学部・心理学科などの出身者は学部のうちに基礎知識を学べるため、指定大学院への進学がを他学部出身者に比べて有利でしょう。

大学(学部・専攻)を選ぶ際は、以下の2つのポイントを確認すると良いでしょう。

  • 「臨床心理学」を学べるカリキュラムが整っているか
  • 指定大学院への進学実績が豊富かどうか

②指定大学院・専門職大学院へ進学・修了する

臨床心理士資格試験の受験資格は、日本臨床心理士資格認定協会が認めた特定の大学院(指定大学院または専門職大学院)の修了が必須条件となっています。

大学院の種類によって受験資格の要件が異なるため、進学先の選定に注意が必要です。

指定大学院入試は、心理学専門知識・英語・研究計画書・面接が課される難関です。

募集人数が10名前後など倍率が高い大学院も多く、中には複数校の院試に挑戦する人もいます。

心理学の知識がほぼゼロの状態からスタートする場合は、予備校に通うなど1年以上の対策をすることも珍しくありません。

指定大学院(第1種・第2種)・専門職大学院の一覧は、日本臨床心理士資格認定協会公式サイト内「臨床心理士受験資格に関する指定大学院・専門職大学院一覧」より確認できます。

進学前に必ず最新の一覧を確認しましょう。

③資格試験(一次・二次試験)に合格する

臨床心理士になるためには、大学院修了後に実施される資格試験に合格する必要があります。

試験は一次(筆記)と二次(面接)の2段階にわかれており、年1回、例年10〜11月頃に実施されます。

一次試験は、マークシート形式と論述形式が組み合わさった筆記試験です。

一次試験の合格者だけが、口述形式の二次試験に進むことができます。

一次試験に突破し、二次試験で不合格だった場合、翌年以降に再度一次試験からトライする必要があります。

④資格登録手続きを行う

臨床心理士資格試験に合格したら、資格登録手続きを行いましょう。

試験に合格しただけでは、臨床心理士を名乗ることはできません。

日本臨床心理士資格認定協会から資格認定証が交付されて、初めて「臨床心理士」として認められます。

また、5年ごとの更新制度があるなど、生涯にわたって継続的な学習が求められる資格です。

そのため、臨床心理士になってからも研修会への参加や、学会での発表、論文執筆などで研鑽を続ける必要があります。

臨床心理士の受験資格【一覧】

臨床心理士の受験資格を得るためのルートは、大きくわけて5つあります。

最も一般的なルートは、国内の指定大学院または専門職大学院を修了する方法です。

受験資格の主な区分は以下の通りです。

  • 第1種指定大学院の修了
  • 第2種指定大学院の修了
  • 専門職大学院の修了
  • 諸外国の大学院で同等以上の教育を受ける
  • 医師免許を取得する

※参考:臨床心理士資格認定事業

区分によって、それぞれ1年以上または2年以上の心理臨床経験が求められます。

臨床心理士資格取得条件として設けられた受験資格基準の詳細は、日本臨床心理士資格認定協会の公式ページで確認できます。

第1種指定大学院|修了後すぐに受験可能

第1種指定大学院の修了は、最も一般的な受験ルートです。

大学院を修了後、すぐにその年の試験を受けられるため、最短でのキャリアスタートを目指せます。

第1種指定大学院の大きな特徴は、臨床実習や専門性の高い教員からの直接指導を受けられる環境が整っている点です。

第2種と比較して大学院の数が多く、自分が専門にしたい分野(発達・精神医学・学校心理など)に合った大学院を選びやすいことも利点です。

大学院選びの選択肢を広く持てるため、希望する研究・実践分野へのアクセスがしやすいでしょう。

第2種指定大学院|修了+1年以上の実務経験が必要

第2種指定大学院を修了する場合、修了後に1年以上の心理臨床経験が求められます。

第1種大学院との最大の違いは、修了してすぐに試験を受けられない点です。

一方で、第2種は働きながらより実践的な環境で臨床経験を積める点が強みです。

現場でのリアルなケースに携わりながら学ぶため、実務スキルが身に付きやすいという声もあります。

臨床心理士の受験資格として認められる実務経験例は、以下の通りです。

  • 医療施設における心理相談員またはカウンセラーとしての勤務
  • 教育相談機関やスクールカウンセラーとしての勤務
  • 福祉施設・地域の心理相談機関における心理相談員としての勤務

なお、ボランティアや研修員としての活動は、心理臨床経験として認められません。

有給での勤務が原則となっているため、就労形態に注意が必要です。

専門職大学院|修了後すぐに受験可能(一次試験一部免除)

専門職大学院を修了すると、資格試験の一次試験のうち論述(小論文)が免除されるメリットがあります。

筆記試験の負担を軽減できるため、余裕を持って試験対策に取り組めるでしょう。

専門職大学院は、研究者よりも専門職業人の養成に特化した大学院です。

通常の大学院よりも実習時間が多く設定されているため、より実践的な訓練を受けられます。

また、修士論文を書く代わりに、実際の事例に基づいたケースレポート(事例研究)を中心に学びを進める形式が一般的です。

実践力を重視したい方に向いているでしょう。

海外の指定大学院修了|修了+国内で2年以上の実務経験が必要

海外で指定大学院と同等以上の教育歴をもつ場合は、国内で2年以上の心理臨床経験を積むことで受験資格を得られます。

ただし、海外の大学院が「同等以上」と認められるかどうかは、日本臨床心理士資格認定協会への個別の確認が必要です。

進学前に必ず日本臨床心理士資格認定協会に問い合わせ、認定の見通しを確認しておきましょう。

海外ルートのメリットとしては、多様な文化的背景を持つ人々への対応力が身に付くことが挙げられます。

また、最先端の治療メソッドや研究にアクセスできる環境は、国内だけでは得難い視野の広がりをもたらしてくれます。

国際的な心理臨床の潮流を学びたい方には、選択肢のひとつとなるでしょう。

医師免許取得|2年以上の心理臨床経験が必要

医師免許を取得後、2年以上の心理臨床経験があれば、大学院を経ずに臨床心理士の受験資格を得られます。

医師としての専門知識を土台に、心理支援の資格も取得できる点が特徴です。

ただし、病院での勤務経験が自動的に経験として認められるわけではありません。

医師であっても実務経験は必須であり、心理臨床経験として認められる業務に従事していることが条件となります。

具体的な認定基準については、事前に日本臨床心理士資格認定協会に確認しておくと良いでしょう。

【状況別】今から臨床心理士を目指す方法

臨床心理士の受験資格を得るためには、年齢や現在の職業にかかわらず、指定大学院または専門職大学院の修了が必要です。

ただし、臨床心理士を目指すスタート地点によって、最適な学習環境は異なります。

主な状況ごとの臨床心理士を目指す方法の例は、以下の通りです。

  • 30〜40歳の主婦:通信制大学・夜間大学院を活用する
  • 看護師:夜間大学院や通信制大学院を活用して現職を続けながら進学する
  • 高校生:指定大学院を併設している4年制大学を選ぶ

30~40歳の主婦が臨床心理士になるには?

臨床心理士の受験資格には年齢制限がなく、30〜40代からでも十分に資格取得を目指せます。

ただし、指定大学院または専門職大学院を修了していない方は、今から進学しなければなりません。

子育てや家事と学業を両立するためには、通信制大学や夜間大学院の活用が有効な選択肢となります。

昼間の時間が確保しにくい方は、夜間や週末に授業が集中するコースを設けている大学院を探してみましょう。

とはいえ、大学院では臨床実習が必須です。

オンラインだけで完結させることは難しいため、両立には様々な調整を要することでしょう。

大学未修了の方が学習を始める場合、学習期間は最短で6年、費用は約300万円以上が目安です。

看護師が臨床心理士になるには?

臨床心理士資格を取得するためには、心理学の大学院修了が必要です。

看護師や教員、福祉系資格(精神保健福祉士や社会福祉士)の有資格者であっても、それらの実務経験は受験資格として直接認められません。

なお、公認心理師については、数年前まで看護師としての実務経験が受験資格として認められる特別措置期間が設けられていました。

そのため「看護師経験があれば心理系資格が取れる」と認識している方もいますが、臨床心理士にはそのような制度はないため、混同しないよう注意が必要です。

もちろん、臨床心理以外の現場経験は大いに強みになりますが、指定大学院への進学は必須です。

現職を続けながら臨床心理士を目指す場合は、夜間大学院や一部の通信制大学院を活用すると良いでしょう。

ただし、通信制大学の場合もスクーリングや臨床実習のために通学が必要です。

勤務シフトと授業日程を考慮し、仕事と学業を両立できるかどうかを確認することが欠かせません。

高校生から臨床心理士になるには?

高校生が最短で臨床心理士資格になるための王道ルートは、第1種指定大学院を併設している大学へ進学することです。

進路を決める際は、高校生のうちから大学の情報を積極的に収集することが重要です。

志望する大学のオープンキャンパスに参加し、心理学のカリキュラムや大学院への進学支援体制を直接確認しましょう。

筆者の場合も、高校生の頃から臨床心理士を目指しており、指定大学院を併設している大学に進学しました。

また、大学院在学中には妊娠・出産を経験しましたが、実習日程は事前にある程度把握できるため、一時保育などを活用しながら学業と両立し、留年することなく修了することができました。

このように、ライフイベントがあっても工夫次第で学び続けることは可能です。

臨床心理士のなり方に関するよくある質問

臨床心理士のなり方に関するよくある質問は、以下の通りです。

  • 臨床心理士になるには何年かかる?
  • 費用はどれくらいかかる?
  • 臨床心理士に必要なスキルは?
  • 公認心理師の資格も取るべき?

臨床心理士になるには何年かかる?

臨床心理士になるためには、一般的には最低でも6年(大学4年+指定大学院2年)かかります。

第1種指定大学院に進学すれば、修了後すぐに受験できます。

しかし、第2種指定大学院に進学した場合は、さらに1年以上の実務経験が必要です。

試験は年1回のみのため、不合格となった場合、再挑戦のチャンスは翌年以降となります。

準備期間も含めると、資格取得までに7〜8年かかるケースも珍しくありません。

費用はどれくらいかかる?

臨床心理士になるための費用の目安は、大学の学費を含め総額400万〜800万円以上が一般的です。

ただし、費用の総額はさまざまな要因によって大きく変動します。

受験資格取得のルートや、進学先が国公立か私立か、によって変わってくるでしょう。

また、学費以外の費用として、受験料や交通費、参考書代なども必要です。

費用を抑えたい場合は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 国公立大学・大学院を選ぶ
  • 給付型・貸与型の奨学金を早めに調べて申請する

臨床心理士に必要なスキルは?

臨床心理士になるためには、知識だけでなく、人としての素質も求められます。

求められる主なスキルや資質は、以下の通りです。

  • 相談者との信頼関係を築くためのコミュニケーション力
  • 言葉の裏にある感情や行動パターンを読み取る観察力
  • 感情的にならず、冷静に状況を判断・対応できる力
  • 心理検査や面接の結果を正確に分析し、支援に結びつける論理的思考力
  • 守秘義務を守り、倫理的に行動できる誠実さ

こうした素質は、大学院での訓練や実習を通じて磨かれていきます。

最初からすべてが備わっていなくても、学ぶ姿勢と真摯な態度があれば成長できるでしょう。

公認心理師の資格も取るべき?

近年は、臨床心理士の資格に加えて、国家資格である「公認心理師」をあわせて取得するケースが増えています。

公認心理師資格は、心理職初の国家資格として2017年に誕生しました。

そのため、医療や福祉、教育などの現場での信頼性の向上を目的として、ダブルライセンスを目指す方が増加しています。

ダブルライセンスを取得するメリットは、主に以下の点です。

  • 求人の幅が広がり、就職・転職の選択肢が増える
  • 医療機関など国家資格を重視する職場での評価が高まる
  • クライアントや雇用主からの信頼が向上する

指定大学院の多くは、公認心理師の受験要件を満たすようなカリキュラムを導入しており、同時取得を目指せます。

長期的なキャリアを考慮すれば、ダブルライセンスの取得が望ましいでしょう。

まとめ

臨床心理士になるためには、受験資格を満たしたうえで年1回の資格試験に合格し、登録手続きを完了する必要があります。

日本臨床心理士資格認定協会の指定大学院または専門職大学院を修了していない方は、まず進学の準備を始めましょう。

臨床心理士を目指す際は、最短でも約6年の学習期間と計画的な準備が求められます。

受験資格には複数のルートがあり、自身の状況に応じて最適な進路を選ぶことが重要です。

また、筆者の経験上、大学院には教員経験者や新聞記者出身の方、60代で進学した方など、さまざまなバックグラウンドの人が集まっていました。

このように、指定大学院への進学さえクリアできれば、年齢やこれまでの経歴に関係なく、誰でも臨床心理士を目指すことができます。

主婦や看護師など社会人からでも挑戦できるため、学習環境の工夫が成功の鍵となります。より活躍の幅を広げたい方は、公認心理師とのダブルライセンスも検討してみましょう。

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この記事の監修者 田口 とも 講師

田口 とも 講師

九州大学教育学部を2012年に卒業後、2015年に京都教育大学大学院臨床心理学専攻を修了。大学院修了後、2016年に臨床心理士試験に合格、さらに2018年には第1回公認心理師試験に合格するなど、心理職国家資格・専門資格の双方において確かな実績を有する。

現在は私設カウンセリングルームに所属するとともに、自身のカウンセリングルームの運営にも携わり、臨床の最前線で実務経験を積みながら活動している。

1歳児の育児と妊娠を両立する中で臨床心理士試験に一発合格した経験を持ち、限られた時間の中でも無理なく学習を進めるための工夫を取り入れた指導を行っている。「忙しい」「時間がない」といった受験生の状況に寄り添い、効率的かつ実践的な学びを支援する点を強みとする。

臨床心理士・公認心理師試験の指導においては、合格に必要な要点を的確に整理し、身近な具体例を用いた記憶に残りやすい講義を行っている。

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