不動産競売流通協会インタビュー!競売不動産取扱主任者とは?
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競売不動産取扱主任者資格を運営されている、一般社団法人不動産競売流通協会の代表理事 青山一広さんにインタビューを行いました。

競売不動産取扱主任者に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
競売不動産取扱主任者とはどのような資格なのでしょうか?
競売不動産取扱主任者は、競売不動産を適切に扱うために必要な「民事執行法」の知識を体系的に学ぶことを目的として設立された資格です。
競売不動産は、一般的な不動産取引とは大きく性質が異なります。
通常の売買が売主と買主の合意にもとづくものであるのに対し、競売はあくまで「債権回収」を目的とした特殊な手続きです。
その根拠となるのは宅地建物取引で扱う法律ではなく、民事執行法という分野になります。
この民事執行法は、金融機関にとっては債権回収の場面で用いられる一方、実際に競売物件を買う側となる不動産業者や一般消費者にとっては、日常的に触れる機会がほとんどありません。
そのため、競売に関する法律をきちんと学ぶ「きっかけの場」がありませんでした。
そこで、不動産を扱うことを前提に法律面から競売を学べる試験を用意することで、不動産業者にとっては勉強する機会となり、金融機関にとっても債権回収の仕組みを法律的に深く理解できる。
双方にとって意義のある資格として、この試験は生まれました。
宅地建物取引士(宅建)とは何が違うのでしょうか?
同じ不動産に関する資格である宅地建物取引士(宅建)とは、学べる法律の領域が大きく異なります。
宅建が不動産取引全般を対象とするのに対し、競売不動産取扱主任者は民事執行法を中心とした「競売」という専門分野に特化している点が最大の違いです。
実際に、合格者のおよそ8割は宅建の有資格者です。
競売不動産取扱主任者は、宅建を取得した方が次のステップとして学ぶ「スキルアップの資格」として位置づけられています。
宅建で不動産取引の基礎を身につけた方に、競売物件も含めた幅広い取引を扱えるプロフェッショナルを目指してもらう。それがこの資格に込められた狙いです。
なお、競売不動産取扱主任者証(主任者証)の発行には、宅建の登録が条件となります。
競売試験のみに合格されている方もいらっしゃいますが、その多くは宅建を取得したうえで登録し、主任者証を活用されています。
どのような方が受験されることが多いのでしょうか?
受験者の内訳は、およそ半分が不動産業に従事されている方です。
そのほか、金融機関にお勤めの方や、その他の職種の方が受験されています。
年齢層は平均で45歳程度、比率としては男性の受験者が多い傾向にあります。
宅建を取得したうえで、業務の幅を広げるために受験される不動産業の方が中心となっています。
資格を取得するメリットを教えてください
取得のメリットは、受験される方の職種によって少しずつ異なります。
金融機関や債権回収会社にお勤めの方にとっては、学んだ知識がそのまま実務に直結します。
競売の場面ではトラブルが起こることも少なくありませんが、あらかじめ正しい知識を身につけておくことで、そうしたトラブルを未然に防ぐ力につながります。
不動産業者にとっては、自ら競売物件を仕入れる際に役立つのはもちろん、消費者から競売について問い合わせを受けた際に、「どのように手続きを進めていくのか」をよどみなく説明できるようになります。
的確に説明できることは、お客様からの信頼感につながり、結果として成約にも結びつきやすくなります。
実際に、協会の会員の方からも「主任者証をお客様に見せながら競売の話をすると、説得力が違う」という声が届いています。
資格を持っていることが、専門家としての信頼の裏付けになっているのです。
試験の内容について教えてください
試験は年1回の実施で、50問の4肢択一、試験時間は2時間という構成です。
この形式は宅建試験の立て付けにほぼ準拠しており、出題の枠組みそのものは宅建に近いものとなっています。
一方で合格率は、近年おおむね33〜35%程度で推移しています。
宅建の合格率が15〜18%程度であることと比べると、高めの水準といえます。
- 試験実施:年1回
- 出題形式:50問・4肢択一
- 試験時間:2時間
- 合格率:おおむね33〜35%程度
※試験の詳細については、一般社団法人不動産競売流通協会の公式情報をご確認ください。
独学でも合格できるのでしょうか?
結論から言えば、独学でも合格は十分に可能です。
ただし、より確実に、そして理解を深めながら合格を目指すのであれば、直前対策セミナーなどの教材を活用することをおすすめします。
民事執行法は、多くの方にとって普段接する機会が少ない分野です。
一般的な常識で考えると少し感覚が違う論点もあり、「そう来るのか」と戸惑う場面もあります。
もっとも、出題される分野そのものは狭いため、テキストや問題演習で慣れておけば十分に対応できます。
試験の特徴として、宅建に見られるような「ひねった罠」のような問題は含まれていません。
準備さえできていれば、30〜40分程度で解き切れる、標準的な難易度の試験です。
決して難しい試験ではなく、やるかやらないかが問われる試験だといえます。
合格に必要な学習時間の目安はどれくらいですか?
不動産に関する基礎知識をすでにお持ちの方であれば、20〜30時間程度が学習時間の目安です。
債権者・債務者といった基本用語からのスタートになる場合は、その倍程度かかることもありますが、それでも大きな負担ではありません。
宅建の学習時間の目安が約500時間とされることを考えると、競売不動産取扱主任者の学習範囲はその1割程度。
短期間での対策が可能です。たとえば、宅建試験が終わる10月以降にスタートしても、その年の受験に十分間に合う内容といえます。
競売不動産取扱主任者は今後どうなる?
目指しているのは、一般の不動産屋さんが競売について当たり前に相談に乗ってくれて、消費者が「競売物件を買いたい」と思ったときに、代行して購入をサポートしてもらえる。
そんな仕組みが根づいた状態です。そのための第一歩として、まずは不動産業に関わる方々に広く受験してもらいたいと考えています。
競売物件は、リスクをきちんと説明したうえで扱えば、通常の物件と変わりません。
むしろ相場より安く購入できるというメリットもあります。にもかかわらず、業者側が「競売は危ないからやめた方がいい」と敬遠してしまうと、せっかくの良いマーケットが普及しません。
だからこそ、正しい知識を持つ専門家を増やしていくことが重要だと考えています。
認知度という点では、受験者数はここ2年ほど増加傾向にあります。
消費者の「競売不動産を買いたい」という関心が高まれば、業者側も「勉強しなければ」という意識になり、受験者は今後も少しずつ増えていくと見込んでいます。
協会として今後注力していく取り組みはありますか?
協会の中心的な活動は、競売不動産に関する啓蒙です。
「競売物件は普通に買えるものなんですよ」ということを、一般消費者向けにセミナーを通じてお伝えしています。
あわせて、一般の宅建業者の方に対しても、「競売を普通の商品として仲介や仕入れに活用できる」という考え方を広める活動を行っています。
実際のセミナーは年間で30回を超える規模で開催しており、多くの方に参加いただいています。
競売にはリスクも伴い、決して一律に強くおすすめできるものではありません。
だからこそ、これまでと同じように、地道に、コツコツと教育活動を続けていくことを大切にしています。
これから受験を検討している方へメッセージをお願いします
まず、金融機関にお勤めの方、特に債権回収に携わる方には、ぜひ受験していただきたいと思います。
業務に必須の知識であり、法律の再確認や自信につながるはずです。
司法書士など士業の方にもおすすめです。競売不動産の購入時には抵当権の設定など、司法書士が中心となって動く場面が数多くあります。
この分野を知っておくことは、実務のうえで大きな強みになります。
そして、宅建業者の方にとっては、競売の取引に関わるのであれば、ほぼ必須の資格だといえます。
将来必ず役に立つ知識ですので、少し余力のある年に勉強してみてください。
一度取得すれば、それがそのまま自信につながります。
競売不動産取扱主任者は、学習範囲が広い試験ではありません。
きちんと勉強すれば必ず受かる試験です。だからこそ、「今年受けるぞ」と思い立った年に一生懸命取り組んで、ぜひ1回で合格を目指してください。
おわりに
今回は、一般社団法人不動産競売流通協会に、競売不動産取扱主任者資格についてお話を伺いました。
競売不動産取扱主任者は、宅建取得後のスキルアップとして、また金融機関や士業の方の実務知識として、幅広く活かせる資格です。
学習範囲が絞られており、正しく準備すれば短期間で合格を狙える点も大きな魅力といえるでしょう。
競売という専門分野に一歩踏み出したい方は、ぜひ受験を検討してみてください。
試験の詳細や申込方法については、一般社団法人不動産競売流通協会の公式サイトをご確認ください。