競売不動産取扱主任者試験の試験内容(出題形式、合格率、合格点、科目、配点)、宅建士資格を持っている場合の勉強法、不動産に関する知識を持っていない場合の勉強法、試験科目ごとの勉強法について説明います。

競売不動産取扱主任者試験に興味を持った方に、ぜひ読んで頂きたいです。

競売不動産取扱主任者試験の試験内容

競売不動産取扱主任者試験の試験内容についてご説明します。

出題形式・合格率・合格基準

出題形式は、50問の問題を4肢択一マークシート方式で答える形式で、宅建試験と同じ形式です。

合格率は、30%から35%程度が一応の目安とされています。

宅建試験(15%前後の合格率)と比べると、高めの合格率です。

合格基準は、50点満点中35点(7割)が一応の目安です。

試験科目

科目は、

  • 不動産競売手続きに関する基礎知識
  • 不動産競売の法理論と実務
  • 不動産競売を理解する前提となる法律知識
  • 競売不動産の移転、取得等に関する税金等

詳細を見てみましょう。

不動産競売手続きに関する基礎知識

具体的には、競売不動産の特徴、不動産競売の全体像、裁判所資料、公法上の規制から出題されます。

不動産競売の法理論と実務

具体的には、民事執行法の概要(申立手続、開始手続、売却手続、及びその進行、債権関係の調査、権利関係の調査、裁判手続の保全と売却条件の判断)、裁判所交付資料の理解(読み方と実務上の注意点)、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の概要から出題されます。

不動産競売を理解する前提となる法律知識

具体的には、民法、借地借家法、建物区分所有法、不動産登記法、宅地建物取引業法、民事執行法、民事訴訟法、民事保全法、建築基準法、都市計画法等から出題されます。

競売不動産の移転、取得等に関する税金等

具体的には、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、印紙税等から出題されます。

配点

配点は、

「不動産競売手続きに関する基礎知識及び、不動産競売の法理論と実務」の分野から7割(35問)程度の問題が出題。

「不動産競売を理解する前提となる法律知識及び、競売不動産の移転、取得等に関する税金等」の分野から3割(15問)程度の問題が出題されます。

不動産競売手続きに関する基礎知識
不動産競売の法理論と実務
7割程度
(35問)
不動産競売を理解する前提となる法律知識
競売不動産の移転、取得等に関する税金等
3割程度
(15問)

宅建を持っている場合の基本の勉強法

競売不動産取扱主任者試験合格に向けた勉強法ですが、「競売不動産の基礎知識」(公式テキスト)を参照しながら、過去の本試験問題から重要問題を厳選して収録した「演習問題集」を繰り返し解くのがポイントです。

宅建試験に合格している方は、宅建試験での出題と重ならない「不動産競売手続きに関する基礎知識及び、不動産競売の法理論と実務」の分野を中心に勉強することになると思います。

10月くらいまでには勉強を始めましょう。

「演習問題集」を繰り返し解く際には、公式テキストを振り返りながら、「演習問題集」で間違えた問題や自信の無い問題にチェックを入れ、その苦手な問題を繰り返し解くことで、苦手分野の補強をすべきです。

さらに、試験の前日及び試験の当日の午前中には特に苦手な分野の知識を確認して本試験を迎えることを意識して、「演習問題集」の問題にはチェックを入れておきましょう。

不動産系の知識を持っていない場合の基本の勉強法

競売不動産取扱主任者試験の合格後に登録をするには、宅建試験の合格が要件となりますので、宅建試験とのダブル受験がお勧めです。

競売不動産取扱主任者試験合格に向けた勉強法は「競売不動産の基礎知識」(公式テキスト)を参照しながら、過去の本試験問題から重要問題を厳選して収録した「演習問題集」を繰り返し解くのがポイントです。

不動産に関する知識を持っていない方は、宅建試験の勉強と並行して、宅建試験での出題と重なる「不動産競売を理解する前提となる法律知識及び、競売不動産の移転、取得等に関する税金等」の分野に特に力を入れましょう。

7月くらいまでには勉強を始めるべきです。

また、宅建試験での出題と重ならない「不動産競売手続きに関する基礎知識及び、不動産競売の法理論と実務の分野」の勉強を通して、例えば、一般債権者と差押債権者との違いや一般の売買と競売との違いについて理解が深まりますので、宅建試験の問題、特に難問とされる宅建試験の問題が解きやすくなるというメリットがあります。

「演習問題集」を繰り返し解く際には、公式テキストを振り返りながら、「演習問題集」で間違えた問題や自信の無い問題にチェックを入れます。

そして、その苦手な問題を繰り返し解くことで、苦手分野の補強をすべきです。

さらに、試験の前日及び試験の当日の午前中には特に苦手な分野の知識を確認して本試験を迎えることを意識して、「演習問題集」の問題にはチェックを入れておきましょう。

試験科目ごとの勉強法

最後に、科目ごとの勉強法の説明です。

不動産競売手続に関する基礎知識・不動産競売の法理論と実務の勉強法

宅地建物取引業法が適用されない競売不動産の特徴を把握しましょう。

そのうえで、競売不動産がどうやって出品され、どのような流れで入札から落札に至り、引き渡しが行われるかの手続の流れと、裁判所資料(物件明細書、現況調査報告書、評価書の3点セット)の理解について重点を置いて学習すべきです。

不動産競売を理解する前提となる法律知識・競売不動産の移転、取得等に関する税金等の勉強法

宅建試験での出題とほぼ重なる分野ですので、宅建試験の勉強と並行して理解を深めるべきです。

この記事の著者 横田 政直 講師

横田 政直 講師 (講師紹介はこちら

1992年 中央大学 法学部卒業
2006年 専修大学大学院修了
2001年 宅地建物取引士試験合格
2018年 行政書士試験合格
2019年 競売不動産取扱主任者試験合格
2020年 賃貸不動産経営管理士試験合格

延べ20年近くにわたり宅建の企業研修、大学の課外授業、予備校での授業、個人レッスンを通して1,000名以上の合格者をサポートしてきました。
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