【介護福祉士国家試験】「こころとからだのしくみ」の基本情報と勉強法
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介護福祉士「『こころとからだのしくみ』は、どうやって勉強するのだろう?」と思っている受験生はいませんか?
この記事では、「こころとからだのしくみ」の重要性や勉強法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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介護福祉士国家試験「こころとからだのしくみ」科目とは?
「こころとからだのしくみ」は、科目名の通り「心」と「体」について学ぶ科目です。
「心」では、「人間は何を思い、何を欲し、何に苦しむのか」や、日々の動作で心がどのように感じているのかを学びます。
「体」では、人間の体の構造や機能がどのようになっているのか、日々の動作で体の一つひとつがどのように動いているのかを学びます。
「心」と「体」についての理解は、介護職が利用者を理解するために欠かすことはできません。
なぜなら、多くの利用者が抱えている「心」や「体」の問題を、支援・介助することが介護職の仕事であるからです。
また、「こころとからだのしくみ」の理解は、介護実践に役立つだけではなく、介護の専門性を問われる介護福祉士試験においても、介護技術の根拠となります。
そのため、しっかりと勉強し理解することで他の科目も理解しやすくなり、試験合格の可能性が高くなります。
なお、令和7年度の介護福祉士国家試験における問題数は12問で、他の科目と比べて平均的な問題数です。
「こころとからだのしくみ」の勉強法
まずは試験問題を把握し、介護福祉士試験に有効な戦略・戦術で試験勉強をすることが重要です。
「こころとからだのしくみ」の勉強法としては、試験問題の範囲や傾向を把握した勉強と、他の科目と関連させた勉強がとても有効です。
試験問題の範囲と傾向を把握する
介護福祉士試験の他の科目についても言えることですが、試験問題の範囲と傾向を把握して勉強する必要があります。
なぜなら、やみくもに勉強しても、間違った方法で勉強したり、到達点やゴールがわからない状態で勉強したりすることになるからです。
下表は、介護福祉士試験の主催団体である公益財団法人社会福祉振興・試験センターが公表している「こころとからだのしくみ」の出題基準です。
| 出題基準(こころとからだのしくみ) | ||
| 大項目 | 中項目 | 小項目(例示) |
| 1 こころとからだのしくみⅠ | 1)健康の概念 | ・WHOの定義 |
| ア こころのしくみの理解 | 2)人間の欲求の基本的理解 | ・基本的欲求 ・社会的欲求 |
| 3)自己概念と尊厳 | ・自己概念に影響する要因 ・自立への意欲と自己概念 ・自己実現と生きがい |
|
| 4)こころのしくみの理解 | ・脳とこころのしくみの関係 ・学習・記憶・思考のしくみ ・感情のしくみ ・意欲・動機づけのしくみ ・適応と適応規制 |
|
| イ からだのしくみの理解 | 1)からだのしくみの理解 | ・からだのつくりの理解(身体各部の名称) ・人体の構造と機能 ・細胞・組織・器官・器官系 |
| 2)生命を維持するしくみ | ・恒常性(ホメオスタシス) ・自律神経系 ・生命を維持する徴候の観察(体温、脈拍、呼吸、血圧など) |
|
| 2 こころとからだのしくみⅡ | 1)移動に関連したこころとからだのしくみ | ・移動の意味 ・基本的な姿勢・体位保持のしくみ ・座位保持のしくみ ・立位保持のしくみ ・歩行のしくみ ・重心移動、バランス |
| ア 移動に関連したこころとからだのしくみ | 2)機能の低下・障害が移動に及ぼす影響 | ・移動に関連する機能の低下・障害の原因 ・機能の低下・障害が及ぼす移動への影響(廃用症候群、骨折、褥瘡など) |
| 3)移動に関するこころとからだの変化の気づきと医療職などとの連携 | ・移動に関する観察のポイント | |
| イ 身じたくに関連したこころとからだのしくみ | 1)身じたくに関連したこころとからだのしくみ | ・身じたくの意味 ・顔を清潔に保つしくみ ・口腔を清潔に保つしくみ ・毛髪を清潔に保つしくみ ・衣服着脱をするしくみ |
| 2)機能の低下・障害が身じたくに及ぼす影響 | ・身じたくに関連する機能の低下・障害の原因 ・機能の低下・障害が及ぼす身じたくへの影響 ・口腔を清潔に保つことに関連する機能の低下・障害の原因 ・機能の低下・障害が及ぼす口腔を清潔に保つことへの影響(歯周病、むし歯、歯牙欠損、口腔炎、嚥下性肺炎、口臭など) |
|
| 3)身じたくに関するこころとからだの変化の気づきと医療職などとの連携 | ・身じたくに関する観察のポイント | |
| ウ 食事に関連したこころとからだのしくみ | 1)食事に関連したこころとからだのしくみ | ・食事の意味 ・からだをつくる栄養素 ・1日に必要な栄養量・水分量 ・食欲・おいしさを感じるしくみ(空腹、満腹、食欲に影響する因子、視覚・味覚・嗅覚など) ・食べるしくみ(姿勢・摂食障害、咀嚼と嚥下) ・咀嚼と嚥下のしくみ(先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期) ・消化・吸収のしくみ ・のどが渇くしくみ |
| 2)機能の低下・障害が食事に及ぼす影響 | ・食事に関連する機能の低下・障害の原因 ・機能の低下・障害が及ぼす食事への影響(誤嚥、低血糖・高血糖、食事量の低下、低栄養、脱水など) |
|
| 3)食事に関連したこころとからだの変化の気づきと医療職などとの連携 | ・食事に関する観察のポイント | |
| エ 入浴・清潔保持に関連したこころとからだのしくみ | 1)入浴・清潔保持に関連したこころとからだのしくみ | ・入浴・清潔保持の意味 ・入浴の効果と作用 ・皮膚、爪の汚れのしくみ ・頭皮の汚れのしくみ ・発汗のしくみ ・リラックス、爽快感を感じるしくみ |
| 2)機能の低下・障害が入浴・清潔保持に及ぼす影響 | ・入浴・清潔保持に関連する機能の低下・障害の原因 ・機能の低下・障害が及ぼす入浴・清潔の保持への影響(血圧の変動、ヒートショック、呼吸困難、皮膚の状態の変化など) |
|
| 3)入浴・清潔保持に関連したこころとからだの変化の気づきと医療職などとの連携 | ・入浴・清潔保持に関する観察のポイント | |
| オ 排泄に関連したこころとからだのしくみ | 1)排泄に関連したこころとからだのしくみ | ・排泄の意味 ・尿が生成されるしくみ ・排尿のしくみ(尿の性状、量、回数含む) ・便が生成されるしくみ ・排便のしくみ(便の性状、量、回数含む) ・排泄における心理 |
| 2)機能の低下・障害が排泄に及ぼす影響 | ・排泄に関連する機能の低下・障害の原因 ・機能の低下・障害が排泄に及ぼす影響(頻尿、失禁、下痢、便秘など) |
|
| 3)生活場面における排泄に関連したこころとからだの変化の気づきと医療職などとの連携 | ・排泄に関する観察のポイント | |
| カ 休息・睡眠に関連したこころとからだのしくみ | 1)休息・睡眠に関連したこころとからだのしくみ | ・休息・睡眠の意味 ・睡眠時間の変化 ・睡眠のリズム |
| 2)機能の低下・障害が休息・睡眠に及ぼす影響 | ・休息・睡眠に関連する機能の低下・障害の原因 ・機能の低下・障害が休息・睡眠に及ぼす影響(生活リズムの変化、活動性の低下、意欲の低下など) |
|
| 3)生活場面における休息・睡眠に関連したこころとからだの変化の気づきと医療職などとの連携 | ・休息・睡眠に関する観察のポイント | |
| キ 人生の最終段階のケアに関連したこころとからだのしくみ | 1)人生の最終段階に関する「死」の捉え方 | ・生物学的な死、法律的な死、臨床的な死 ・アドバンス・ケア・プランニング |
| 2)「死」に対するこころの理解 | ・「死」に対する恐怖・不安 ・「死」を受容する段階 ・家族の「死」を受容する段階 |
|
| 3)終末期から危篤状態、死後のからだの理解 | ・終末期から危篤時の身体機能の低下の特徴 ・死後の身体変化 |
|
| 4)終末期における医療職との連携 | ・終末期から危篤時に行われる医療の実際(呼吸困難時、疼痛緩和など) ・終末期から危篤期、臨終期の観察ポイント |
|
試験問題は、この出題基準にもとづいて出題されます。
この出題基準をパッと見ると、出題範囲が広く勉強するのが大変に感じるかもしれません。
しかし、「こころとからだのしくみ」の出題基準を要約すると、
- 人間の体
- 人間の心
- 各場面での心と体の仕組み
- 死における心と体の仕組み
の4つのカテゴリーに分けられ、思ったよりも出題範囲が広くないことがわかります。
「各場面での心と体の仕組み」のカテゴリーについては、さらに身じたくから睡眠までの6つの項目に分かれるので多い印象を受けます。
ただ、「人間の体」と「人間の心」で学んだことを、各場面でどのようになっているかが、問われるているだけでなので、焦る必要はありません。
まず、試験問題の出題範囲を把握してから、しっかりと勉強することが大切です。
「こころとからだのしくみ」は理解と暗記が必要
「こころとからだのしくみ」の問題は、知っているか知っていないかの知識問題がすべてと、言っても言いすぎてはないでしょう。
事例問題も出題されますが、他の科目のように各場面での適切な判断を求める問題ではなく、しっかりと理解し覚えているかが問われる問題です。
下記は過去に出題された実際の試験問題です。
| Gさん(83 歳,女性)は、認知機能は正常で、日常生活は杖歩行で自立し外出もしていた。最近、外出が減ったため理由を尋ねたところ、咳やくしゃみで尿が漏れることが多いため外出を控えていると言った。 Gさんの尿失禁として、適切なものを 1 つ選びなさい。 1 機能性尿失禁 2 腹圧性尿失禁 3 溢流性尿失禁 4 反射性尿失禁 5 切迫性尿失禁 (解答は2) |
介護福祉士試験では、このような実際の介護・支援の場面を想定した事例問題が出題されます。
しかし、この問題は腹圧性尿失禁について知っていれば解答がわかる問題です。
このように事例問題は、知っているか知らないかという知識が問われるので、消去法で解答にたどりつけない問題は無いと言ってよいでしょう。
「こころとからだのしくみ」で得点を獲得していくためには、しっかりと理解しながら覚えてくことが必要です。
ただ、歴史の年表のような丸暗記ではなく、人間の「心」と「体」についての分野なので、イメージしやすく一つひとつしっかりと勉強すれば、確実に得点を獲得できます。
他の科目と関連させる
「こころとからだのしくみ」は、他の科目と関連づけることで効果的・効率的に勉強ができる科目です。
関連する科目は、「生活支援技術」「発達と老化の理解」「介護の基本」の3科目です。
これら4科目の関係性は、
| こころとからだのしくみ | 介護技術の根拠 |
| 生活支援技術 | 介護実践 |
| 発達と老化の理解 | 介護される人の加齢にともなう変化 |
| 介護の基本 | 介護するための姿勢や仕組みの理解 |
となっていて、他の科目よりも関連性が強いので、連続して勉強するといった4科目を関連させながら勉強することで、効果的・効率的に学べます。
「こころとからだのしくみ」は、「生活支援技術」「発達と老化の理解」「介護の基本」の3科目と関連づけて勉強することが効果的です。
「発達と老化の理解」も「こころとからだのしくみ」と同じように人間の機能や構造に焦点を当てている科目なので、この2科目を勉強してから、その他の2科目を勉強することをおススメします。
しかし、実務経験が豊富な方は、介護実践の科目である「生活支援技術」からの方が勉強しやすいかもしれません。
また、介護のための姿勢や仕組みに興味がある方は、「介護の基本」から勉強した方が受験勉強のスタートダッシュが良いかもしれません。
とにかく、自分にあった方法でかまいませんので、この4科目を関連させて勉強することで効果的な学びに繋がります。
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「こころとからだのしくみ」「生活支援技術」「発達と老化の理解」「介護の基本」の4科目を関連させて勉強することは、効果的だけではなくとても効率的な勉強法です。
これら4科目の問題数は合計56問で、全問題数の半数近くを占めます。
限られた時間の中での試験勉強なので、多くの受験生が短い時間で多くの試験範囲を効率的に勉強したいと思っているのではないでしょうか。
実に半分近く試験問題をこの4科目で対応できることは、試験勉強の戦略としてとても重要です。
ぜひこの4科目を関連させて勉強することをおススメします。
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この記事の監修者 遠藤 愛 講師
全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。
現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。