保育士実技試験の選択分野の1つに音楽があり、音楽を選択された方の多くがピアノで演奏します。

試験の対策や準備にあたり、
「どのような楽譜を選べばいい?」
「合格基準はどうなっているんだろう?」
などと悩まれる方も多いでしょう。

このコラムでは、保育士試験のピアノ(音楽)実技試験の楽譜の選び方や過去の課題曲、合格基準のほか、その他のよくある疑問について解説します。ぜひ参考にしてください。

関連コラム:保育士実技試験の実技はどれがいい?合格率や落ちる人の特徴、不合格理由も解説

保育士試験 ピアノ(音楽)実技の内容

音楽の実技試験では、指定された2曲の課題曲を幼児に歌って聴かせることを想定して弾き歌いします。
課題曲は毎年異なり、2026年度試験の課題は「うれしいひなまつり」と「山の音楽家」の2曲が課されます。

使用楽器は、ピアノ(グランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノのいずれか) もしくはアコースティックギターから、好きな楽器を選びます。

ギターも選択肢に入ってはいるものの、幼稚園の先生はピアノを弾きながら幼児と歌うイメージもあるからか、例年ピアノを選択する受験生が多くなっています。

歌う範囲は1番のみで、2番を覚える必要はありません。

元の楽譜のキーでは歌いづらい場合は移調も認められています。

必要であれば移調に合わせた楽譜を用意しましょう。

求められている能力は、保育士に必要な伴奏の技術や歌唱力だけではなく、豊かな音楽的表現力です。

試験に臨むときは、意識して演奏しましょう。

なお、ギターを選ぶ場合は手持ちの楽器を持参する必要があるため、当日にトラブルが起きないよう弦の調子や調律をしっかりメンテナンスしてから持参しましょう。

保育士試験 ピアノ(音楽)実技の流れや注意点

試験当日は、受験票に記載されているガイダンス開始時刻までに受験会場へ到着しましょう。

入場開始時間は、ガイダンス開始の30分前からです。当日の経路や交通状況に不安があれば、早めに到着しておくと良いでしょう。

実技試験の開始時刻は、試験当日までわかりません。場合によっては夕方まで試験にかかる可能性もあるため、スケジュールには余裕を持っておくと安心です。

試験科目で音楽を選択した場合でも、試験会場内では音や声を出して練習することはできないため注意しましょう。

楽器を持ち込むときは音を出さず、楽譜を読み込んだり、頭の中でどのように表現するか考えて過ごすのがおすすめです。

持ち込む楽譜も、紙のみと指定があります。スマホやタブレットの楽譜は持ち込めないため、普段の練習時にデータの楽譜を利用している場合は事前に印刷しておきましょう。

しかし、紙の楽譜や冊子の楽譜は演奏中に意図せずめくれてしまう可能性があります。

厚紙に貼り付ける・クリップで冊子を押さえるなどの対策をしておけば、安心して試験に臨めるでしょう。

保育士試験 ピアノ(音楽)実技の楽譜は持ち込みした方が良い?おすすめの選び方とは

楽譜は持ち込みした方が良い?

保育士試験ピアノ(音楽)実技では、練習時に使用していた楽譜を本番でもそのまま使用するとよいでしょう。

練習で使っていた楽譜であれば、自分なりに書き込んだ注意点や演奏のポイントを本番中も確認することができます。

試験会場は、ただでさえ緊張する場所です。気をつけていても、普段ミスしない場所でもミスする可能性があります。

普段使っている楽譜を使用すれば、自分が間違えやすいポイントに注意ができ、落ち着いて演奏できるでしょう。

不慣れな場所に使い慣れたアイテムを持ち込めるという点で、リラックス面のメリットも捨てがたいものがあります。

ただし、試験で演奏を求められる範囲は各曲の「一番部分のみ」です。

市販の楽譜を練習で使って持ち込む場合、指定外の二番や三番まで勢いで演奏してしまわないよう注意しましょう。

楽譜のおすすめの選び方とは

試験では市販の楽譜も使用できますが、自分の演奏レベルに対してある程度リラックスして演奏できる難易度のものを選びましょう。

保育士試験ピアノ(音楽)実技では、演奏だけでなく歌う必要があるからです。

弾き歌いは、ピアノ演奏のみの場合と比べて難易度が上がります。ピアノの技術に自信がある方でも、ミスする可能性を否定できません。

同じ曲でも、楽譜によって派手な編曲がされている楽譜もあれば、簡易的に編曲されている楽譜もあります。

楽譜が簡易的で曲調が単調になるときは、歌で盛り上げるのがおすすめです。幼児と一緒に歌うシーンを想定して、弾き歌いしやすい楽譜を選びましょう。

保育士試験 ピアノ(音楽)実技の課題曲はいつ発表される?過去の課題曲も紹介

課題曲の発表時期については公表されていませんが、2026年度試験の課題曲は既に発表されています。

例年のスケジュールでは、全国保育士養成協議会のホームページにて「実技試験(前期)概要」の公開と同時に発表されていると考えられます。

保育士試験ピアノ(音楽)実技の課題曲は前期試験・後期試験ともに、同じ課題曲が使用されています。

受験年度の課題曲を早めに知りたい場合は、こまめに全国保育士養成協議会のホームページをチェックしておきましょう。

参考:保育士試験を受ける方へ|一般社団法人全国保育士養成協議会

過去の課題曲を紹介

過去5年の課題曲は以下の通りです。特に決まった出題傾向はありませんが、幼児が歌いやすい童謡が選ばれています。

  • 令和8年度(2026年度)
    1. うれしいひなまつり
    2. 山の音楽家
  • 令和7年度(2025年度)
    1. ハッピー・バースデー・トゥ・ユー
    2. 証城寺の狸囃子
  • 令和6年度(2024年度)
    1.夕焼け小焼け
    2.いるかはザンブラコ
  • 令和5年度(2023年度)
    1.幸せなら手をたたこう
    2.やぎさんゆうびん
  • 令和4年度(2022年度)
    1.小鳥のうた
    2.びわ

なお課題曲の練習用に楽譜を買うのであれば、幼児向けの曲がたくさん掲載されている楽譜集がおすすめ。

試験に合格して実務に臨むことになっても長く使えます。

保育士試験 ピアノ(音楽)実技の合格基準とは?

保育士試験、ピアノ(音楽)実技の合格基準として、50点満点中30点以上得点する必要があります。

明確な採点基準は公開されていませんが、試験では豊かな表現力が見られています。表情や歌い方、演奏時の雰囲気は、重要なポイントになるでしょう。

練習時には家族や友人に見てもらったり、演奏の様子を録画したりして自分の姿を客観的に確認してみましょう。

人前で歌う練習や表情管理の練習ができ、当日の緊張が抑えられます。

保育士試験 ピアノ(音楽)実技で落ちた人の特徴とは?

保育士試験のピアノ(音楽)試験で落ちた人の特徴として、以下が挙げられます。

  • 緊張で上手く弾けなかった
  • 練習不足だった
  • 試験会場が寒く、指が上手く動かなかった
  • 歌うときの表現が乏しかった

試験会場では、緊張から練習でできていた内容もできなくなる可能性があります。

試験で求められる豊かな表現力や歌い方は、練習なしでは身につけられません。試験当日に緊張や環境で焦らないよう、しっかり練習して試験に備えましょう。

また、試験概要では以下の3つを明確な採点対象外としています。

  • 全体を通して伴奏しないで歌だけを歌った。
  • 全体を通して歌を歌わないで伴奏だけを弾いた。
  • 歌と同じ単旋律のみを弾きながら歌を歌った。

上記に該当する場合、無事に演奏が終了しても、不合格となるため注意しましょう。

保育士試験 ピアノ(音楽)実技のよくある疑問|片手でも大丈夫?弾き直ししても良い?

ここでは、保育士試験のピアノ(音楽)実技のよくある疑問に回答します。

ピアノは片手演奏でも大丈夫?

保育士試験のピアノ(音楽)実技は、片手ではなく両手で演奏しましょう。

試験概要でも、伴奏用の楽譜には市販の楽譜を用意するか、編曲した楽譜の持参が指示されています。楽譜に合わせて演奏すれば、おのずと両手での演奏になるでしょう。

片手演奏が不可と明記されているわけではありませんが、歌と同じ単旋律のみの演奏が不可である点からも、片手のみの奏法は想定されていない可能性が高いです。

初心者も練習時から両手での演奏に慣れておけば、本番で演奏するときに焦りません。

間違えたら弾き直ししても良い?

試験時に曲の始めを弾き間違えた場合、弾き直しても即不合格とはならないと考えられます。

弾き直しは不合格になるという情報もありますが、中には弾き直して合格できた方もいます。

試験会場は普段の練習場所とは雰囲気が違い、間違えてしまう可能性もあります。弾き直すときは、試験官に弾き直したい旨を一言伝えて許可をもらいましょう。

しばらく弾いたあとに間違えてしまったら、そのまま続行するのがおすすめです。「間違えたらすぐ弾き直し」とは考えず、状況に合わせて判断しましょう。

保育の現場では、想定外の出来事など日常茶飯事です。

弾き間違えたことに焦らず対応できれば、不測の事態にも慌てない冷静さを重要な適性として評価してもらえる可能性もあります。

【保育士試験】ピアノ(音楽)実技についてまとめ

保育士試験のピアノ(音楽)実技は、情報が少なく不安になる方も多いでしょう。しかし、事前にしっかりと対策すれば合格は決して難しくありません。

課題曲がわかったら、自分に合った楽譜を選び、練習を重ねましょう。

弾き歌いは楽器演奏のみの場合よりも難易度が高いため、自分の演奏技術で確実に完走できるレベルの楽譜を選ぶことが大切です。

保育士試験で求められるのは、プロのような演奏技術や歌唱力ではありません。幼児と一緒に楽しむ能力や、総合的な表現力が見られています。

ピアノが苦手だからと諦めず、自分らしく楽しんで演奏することを心がけましょう。

その他、保育士試験の日程や時間割などの概要については以下のコラムで解説しています。あわせて参考にしてください。