保育士試験の造形実技では、限られた時間のなかで1枚の絵を完成させる技術が求められます。

「過去問を練習しているが、当日どんな課題を出されるか不安…」
「練習方法や合格のためのポイントがわからない…」

本コラムでは、上記のようなお悩みをもつ方に向けて、造形実技の内容や効果的な練習方法などを紹介します。

不合格になる理由や、実技の流れと描き方のコツなどにも触れているので、造形実技を選択予定の方はぜひ参考にしてください。

関連コラム:保育士実技試験の実技はどれがいい?合格率や落ちる人の特徴、不合格理由も解説

保育士試験 造形(絵)実技の内容

保育士試験の造形実技では、保育における1場面を絵画で表現します。

課題は試験当日に提示されるため、練習通りの課題が出題されるとは限りません。そのため、さまざまな出題内容を想定した対策が必要です。

造形実技では、A4サイズの回答用紙内に定められた縦横19cm四方の枠内に絵を描きます。

また、45分の制限時間が設けられています。配点はほかの実技科目と同様の50点満点です。

試験当日に使用できるものは以下の通りです。

  • HB〜2Bの鉛筆またはシャープペンシル
  • 12〜24色の色鉛筆
  • 消しゴム
  • 腕時計(計算・通信の機能がないもの・アラーム音不可)

造形実技の持ち物における注意点として、「人の形をしたイラスト」が入っているものの使用は認められません。また、腕時計は使用できますが、置き時計は使用不可となっています。

造形の実技では、造形・人物描写・色遣いなどの表現力が求められます。
「上手な絵を描く」ことよりも、「伝わりやすい絵を描く」ことを心がけましょう。

以下は、造形の実技試験における注意点です。

  • マーカーペン・クレヨン・パスは使用不可
  • 摩擦熱で消える色鉛筆は使用不可
  • 水を使った表現は不可
  • 試験中に鉛筆を削る場合は試験監督の了承を得る
  • 受験者同士で用具の貸し借りは不可

保育士試験 造形実技の採点基準とは

保育士試験の造形実技では、明確な採点基準は公表されていません。

しかし、造形実技で求められる「保育の状況をイメージした造形表現(情景・人物の描写や色使いなど)ができる」を満たすことで、得点に繋がるでしょう。

造形実技は絵画の試験ではありますが、デッサンの技術などは重要視されないと言われています。

課題では条件を文章で指定されるため、内容をよく理解し、すべての条件を網羅することがポイントです。

保育士試験 造形実技の不合格理由とは

造形実技で不合格になるのは、「求められる力」を満たしていないと判断された場合でしょう。

実技試験でははっきりとした採点基準が公表されていないため、試験概要や問題文の内容をよく読み、何を求められているのかを理解することが重要です。

造形実技においては、「人物描写・情景・色遣い」の3つのポイントを求められるため、そのいずれかが不十分だと不合格になる可能性が高いでしょう。

保育士試験 造形実技で落ちた人の特徴とは

造形実技に落ちた人に多く共通しているのは、以下の点といえます。

  • 問題文の条件を網羅できていなかった
  • 時間が足らず絵が途中で終わってしまった
  • 規定の枠から絵がはみ出してしまった

造形実技では、課題の条件を正確に把握し、絵画に反映させなければなりません。

「誰が・どこで・どんな道具を使って・何をしているのか」を順序立てて理解しましょう。

絵のレベルが高くても、これらの条件を満たしていない場合は、得点に繋がりにくくなります。

また、時間切れによって絵が未完成な場合は、必要な条件を満たせていない可能性が高いです。背景の描写や彩色を含め、最後まで完成させることが望ましいでしょう。

実技試験では、すべての科目に共通して「保育士としての適性」を評価されます。

そのため、規定の枠や画材などに関するルールを守れていないと、適性面で問題があるとの判断に繋がりかねません。

保育士試験 造形実技におすすめの練習方法

造形実技を受験する際は、事前の練習が欠かせません。練習方法として、まずは以下の4つを行うのがおすすめです。

  • 模写の練習
  • 人物の練習
  • 彩色の練習
  • 時間配分の練習

ここからは、具体的な練習方法についてそれぞれ解説します。

模写の練習

合格者の作品やテキストのお手本などを参考に、絵を模写してみましょう。色遣いや人物の大きさなど、学べることがたくさんあります。

絵が全くの初心者の方でも、模写することで基本的な表現が身に付くでしょう。

人物の練習

造形実技の試験では、人物を描く練習が不可欠です。絵が苦手な方は、まず正しい人体を描けるようになるまで繰り返し練習を行いましょう。

人物が動いている場面を描く際は、関節の向きや位置を意識し、自然な人体を描けることが望ましいです。

また、課題では、複数の人物を描かなければなりません。数パターンの髪型・服装・表情などを練習し、登場人物の個性を描き分けられるようにしておきましょう。

彩色の練習

造形実技では、色鉛筆による彩色が必要です。色が混ざって濁ってしまったり、目立つ塗りムラができたりしないよう、塗る順番や塗り方などを練習しましょう。

薄い色から順に塗り、なるべく均一に塗ることを心がけると良いでしょう。

時間配分の練習

造形実技では45分間の制限時間が定められているため、適切な時間配分が重要です。人によって時間がかかるポイントは異なりますが、下書きに時間をかけすぎないのがおすすめです。

本番と同じ条件での練習を行い、自分に合った時間配分を見つけましょう。

保育士試験におすすめの色鉛筆は?

保育士試験におすすめの色鉛筆は、以下の3商品です。

  • ステッドラー 色鉛筆 ノリスクラブ 24色
  • 三菱 色鉛筆880 24色
  • ヴァンゴッホ 水彩色鉛筆 24色

それぞれ商品の特徴やおすすめの理由を紹介しますので、自身に合ったものを選びましょう。

ステッドラー 色鉛筆 ノリスクラブ 24色

「ステッドラー 色鉛筆 ノリスクラブ 24色」は、ヨーロッパの厳しい安全規格をクリアした色鉛筆です。

発色が良く、重ね塗りや濃さの調節なども行いやすいため、彩色にこだわりたい方におすすめです。

芯が折れにくいため、筆圧が強めの方にも適しています。

三菱鉛筆 色鉛筆 880 24色

三菱鉛筆 色鉛筆 880 小学生 24色」は、滑らかな描き心地と鮮やかな発色が特徴です。

スタンダードで使いやすい色味が揃っているため、さまざまな場面に対応できます。

メリハリのある色彩表現を好む方におすすめです。

ヴァンゴッホ 水彩色鉛筆 24色

ヴァンゴッホ 水彩色鉛筆 24色」は、高級水彩色鉛筆として高い知名度を誇っています。

強い力をかけなくてもきれいに彩色できるため、筆圧が弱い方や、彩色の時間を短縮したい方におすすめです。

ただし、パッケージにゴッホの肖像画が描かれているため、試験当日は中身だけを机の上に置くか、違うケースに入れて持参しましょう。

保育士試験 造形実技 書き方の流れとコツ

保育士試験の造形実技での書き方の流れは、おおまかに以下の通りです。

  • 構図を決める
  • 下書きを行う
  • 主線を描く
  • 背景を描く
  • 彩色する

スムーズに進められるよう、練習を重ねておきましょう。

ここからは、それぞれのコツやポイントについて解説します。

構図を決める

最初に、全体の構図を決めます。良い構図にするコツは、先に人物から配置していくことです。

指定された条件を満たしているか・自分が描きやすい構図になっているかを意識しながら作業を進めましょう。

下書きを行う

次に、解答用紙への下書きを行います。最初に決めた構図をもとに、アウトラインや人物のおおまかな表情などを描き込んでいきましょう。

下書きでは、肌色の色鉛筆を使うのがポイントです。

濃い色や目立つ色で下書きをすると、あとから消しゴムで消す作業が発生し、時間のロスに繋がります。

主線を描く

下書きで描いた線の上から、主線を描きます。主線には、人物や道具などの輪郭を際立たせるという重要な役割があります。

かすれたり線が重なったりしないよう、くっきり描くのがポイントです。

また、前後の重なりがある部分の表現では、余分な線を描かないよう注意しましょう。

背景を描く

続いて、背景を描きます。背景をきれいに仕上げるコツは、面積が広い部分からとりかかることです。

塗り残しがあると雑な印象を与えてしまうため、満遍なく塗りましょう。

その際、主線からはみ出すことは問題ありませんが、回答用紙の枠からはみ出さないよう、注意が必要です。

彩色する

背景などの広い部分が完成したら、人物や道具などの細かい部分を彩色します。

彩色のコツは、黒やグレーなどの暗い色をなるべく使わないことです。

また、白い部分は塗り残しと判断される場合があるため、白っぽさや明るさを表現したい部分にも薄く色を重ねておきましょう。

保育士試験 造形実技のよくある疑問|絵が下手でも大丈夫?塗り残しがあっても合格できる?など

ここでは、保育士試験の造形実技におけるよくある疑問を解説します。

絵が下手でも大丈夫?

造形実技は絵で情景を表現する力が求められるため、絵が上手な方が有利です。しかし、絵が下手な人は合格できないというわけではありません。

人物の特徴をうまく捉えて描き分け、条件にあった場面を表現できていれば、合格に近づけるでしょう。

ただし、正しい構造の人体を描けなかったり、子供と大人の判別ができなかったりする場合は、一定の画力になるまで練習が必要です。

絵は練習によって必ず上達するため、できる範囲で努力しましょう。

塗り残しがあっても合格できる?

造形の実技では、色の塗り残しがあると減点の対象になると言われています。

造形実技で求められる力として「情景・人物の描写・色遣い」と記載されていることからも、彩色の重要性が伺えるでしょう。

また、課題の条件に「枠内全体を色鉛筆で着彩すること」と記載されている場合は、すべての彩色を完成させることが必須となります。

丁寧に塗りすぎると時間が足りなくなってしまうため、同じ色の箇所はまとめて塗るなどの工夫を行いましょう。

【保育士試験】造形(絵)実技についてまとめ

このコラムでは、保育士の実技試験のうち、造形の科目について解説しました。

造形実技は試験当日に課題が発表されるため、事前の対策が要となります。練習用の動画や、実際に合格した人の作品を参考にしながら、繰り返し練習を行いましょう。

合格に近づくためには、画力そのものよりも、課題の条件に合ったわかりやすい描写を心がけることが重要です。

また、45分という限られた時間をどのように使うかもポイントとなります。試験本番と同じ条件で、時間を計測しながら練習を行うのがおすすめです。

本コラムを参考に造形実技の対策を行い、合格を目指しましょう。

その他、保育士試験の概要や日程・時間割については以下のコラムで解説しています。あわせて参考にしてください。

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