CFP認定者となるためには、まずは日本FP協会が実施するCFP資格審査試験に合格しなければなりません。
では、CFP試験はどのような内容で、難易度はどの程度なのでしょうか。

今回は、CFP試験の試験日や内容、課目別の合格率・難易度をご紹介していきます。
受験をお考えの方は、ぜひチェックしてみて下さい。

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【2024年】CFP試験の試験日程

2024年のCFP試験は、第1回が6月9日(日)と16日(日)に実施されます。第2回はまだ発表されていません。

それぞれ日曜日に行われ、3課目ずつ2日間の日程です。

※参考:CFP®資格審査試験

CFP試験のスケジュール・時間割

試験は1課目120分ずつ行われます。

スケジュールは各日程例年同様で、以下のようになっています。

日付試験時間(各120分)試験課目
1日目9:30~11:30金融資産運用設計
12:30~14:30不動産運用設計
15:30~17:30ライフプランニング・
リタイアメントプランニング
2日目9:30~11:30リスクと保険
12:30~14:30タックスプランニング
15:30~17:30相続・事業承継設計

※参考:CFP®資格審査試験 | 日本FP協会

CFP試験の合格率

CFP試験の全課目の合格率は、年度ごとに異なりますが約6〜8%です。

また、6課目を全課目一括で受験する人の割合は少なく、各回150名〜300名ほどに留まっています。
全課目一括受験での一発合格者は、各回10〜30名ほどで、合格率は約5〜10%ほどです。

以上を見るとかなり難易度の高い試験のように感じますが、CFP試験の各課目の合格率は30%〜40%ほどであり、一つ一つの課目の合格率はそう低いものではありません。

2023年度第1回CFP試験の合格率

課目名合格率受験者数合格者数
金融資産運用設計30.7%3,615名1,111名
不動産運用設計35.8%2,575名921名
ライフプランニング・
リタイアメントプランニング
35.6%2,722名970名
リスクと保険31.8%3,216名1,024名
タックスプランニング39.0%2,923名1,141名
相続・事業継承設計31.4%3,329名1,045名

※参考:2023年度第1回CFP®資格審査試験結果 | 日本FP協会
※参考:試験問題・模範解答・合格ライン | 日本FP協会

2023年度第2回CFP試験の合格率

課目名合格率受験者数合格者数
金融資産運用設計33.4%3,166名1,056名
不動産運用設計38.1%2,509名955名
ライフプランニング・
リタイアメントプランニング
35.4%2,530名895名
リスクと保険35.3%3,126名1,104名
タックスプランニング35.6%2,590名923名
相続・事業継承設計34.3%3,051名1,048名

※参考:2023年度第2回CFP®資格審査試験結果 | 日本FP協会

CFP試験の難易度

CFP試験の難易度は、FP技能検定1級と同じレベルといわれており、他の難関資格の合格率と比べても、難易度が非常に高いことがわかります。

もちろん、受験者はAFP認定者であることを考えると一定の難易度のある試験ではあります。

ですが、受験者の多くが数課目ごと複数回にわけて受験をしており、自分に合った受験スタイルで望めば、着実に合格していける試験だと言えます。

CFP試験の難易度ランキング(他資格)

順位資格名合格率
1位社労士6~7%
2位CFP(一括受験)5~10%
3位FP1級(学科試験合格率×実技試験合格率)7~18%
4位宅建士15~17%
5位CFP(6課目平均)36.3%

CFP試験は、全課目一括受験を一発合格する場合は社労士と同じくらいの難易度の高い試験ですが、6課目の平均合格率をみると難易度はそこまで高くありません。

そのため、複数回に分けて受験する場合はほかの試験と比べて難易度は低い試験になります。

6課目別難易度ランキング

順位課目一覧平均合格率
1位金融資産運用設計34.4%
2位不動産運用設計35.5%
3位ライフプランニング・
リタイアメントプランニング
36.8%
4位相続・事業継承設計37.3%
5位リスクと保険37.5%
6位タックスプランニング37.8%

※平均合格率は過去2018年~2021年度までに実施された試験の合格率から算出
※小数点第2位以下切り捨て

【第1回・第二回】CFP試験の合格点

CFP試験の合格点を第1回、第二回それぞれ解説します。

CFP試験第1回の合格点は、27問~31問以上でした。CFP試験第2回の合格点は、26問~30問でした。

近年の合格ラインは、50問中27〜33問(100点満点中54〜66点)の間にあります。

課目名第1回の合格点第2回の合格点
金融資産運用設計27問以上/50問26問以上/50問
不動産運用設計31問以上/50問30問以上/50問
ライフプランニング・
リタイアメントプランニング
27問以上/50問29問以上/50問
リスクと保険27問以上/50問30問以上/50問
タックスプランニング31問以上/50問27問以上/50問
相続・事業継承設計27問以上/50問27問以上/50問

6課目別の試験内容と合格対策

過去実施されたCFP試験の6課目のうち、最も合格率が低いのは「金融資産運用設計」であり、ついで「不動産運用設計」が挙げられます。

その他の課目については、おおよそ受験日程順に合格率が高くなる傾向にあると言われています。

しかし、個々の難易度は個人が従事している業務との関連性、内容の得意不得意、受験回の出題内容により異なるため、油断せずに学習を進めることが大切です。

金融資産運用設計

金融資産運用設計は、実際のコンサルティング、経済表や金融政策、個別商品の内容や損益計算などが出題されます。

6課目の中でも合格率・合格点共に低いことが多く、他の課目と比較して難易度が高く感じられるかもしれません。

時事問題と計算問題が多く、基礎理論に加え情報をきちんと理解していることが必要になります。
また、計算問題により時間が足りず、全体的に焦ってしまう傾向があるため、過去問を多く解き慣れておくことが重要です。

不動産運用設計

不動産運用設計では、不動産運用に関わる権利関係、登記簿読解力、不動産売買取引の実務的知識、規制法規等などが出題範囲です。

金融資産運用設計に次いで合格率が低いですが、知識問題の難易度は標準レベルであり、時事問題も金融資産運用設計と比較すると限定的で対策が取りやすい傾向があります。

不動産運用設計の難易度を上げている要因は計算問題が多く、1問の解答に時間がかかってしまうこと、解答が次の問題を解くのに必要になるためにミスができないことです。
計算問題のうち、一定数はほぼ毎回出題されている項目のため、過去問をしっかりと理解し、すぐに計算に入れるよう訓練を重ねておきましょう。

ライフプランニング・リタイアメントプランニング

ライフプランニング・リタイアメントプランニングは、ライフプランの作成で必要となる知識が問われます。

個々の問題の難易度はそれほど高くありませんが、出題範囲が広いという特徴があります。
過去問を用いての学習に加え、時事問題については『FPジャーナル』のFP誌上講座と継続教育テストなどで対策をし、出題範囲をカバーしていくようにしましょう。

出題が広範囲の中で、法令からの出題、キャッシュフローの穴埋めや係数問題などは例年同じような問題である傾向があるため、取りこぼしのないようにしたいところです。
基礎問題を確実に得点とするために、各課目の中でも時間を確保して勉強したい課目の一つです。

リスクと保険

リスクと保険課目は、生損保商品の内容、個人・法人契約の保険税務、法人のリスクマネジメントが出題されます。

「ライフ・リタイアメントプランニング」と内容が重なっている部分もあり、出題パターンがある程度決まっているので、対策が取りやすいとも言われますが、保険系の基礎知識が少ない場合には苦手課目となる場合もあるようです。

仕訳の問題も出題されるため簿記の知識も必要となりますが、過去問を十分に解き、苦手意識を持たないようにすれば、さほど難しいものではありません。
要点を抑え、確実に合格していきたい課目の1つです。

タックス・プランニング

タックスプランニングは、食税の仕組み、10種類の所得の内容、所得駆除と税額控除などが出題されます。

6課目の中では合格率が高い傾向にあり、実生活での関わりも深い分野であるため、勉強がしやすいと感じる方もいます。
また、計算問題が中心となりますが、一つ一つが難しくはないので、過去問で十分に対策できます。

ただし、慢心は禁物です。

他の課目との関連性も高いため、苦手意識を持たないよう着実に勉強を進めていくことが大切です。

相続・事業承継設計

相続・事業承継は、法定相続分、相続放棄・承認・遺留分、相続税の計算、宅地の評価などが出題されます。

「リスクと保険」「タックス・プランニング」と共に合格率が高い部類に属する課目です。
出題範囲が比較的狭く、問題もパターン化しており、内容の論点もさほど難しくありません。

過去問の学習は必須の上で、計算問題、法改正ポイントさえ押さえておけば、勉強量が得点に繋がりやすい課目と言えるでしょう。

CFP試験の内容

CFP試験は日本FP協会が実施しています。
全6課目すべての合格をもってCFP審査試験に合格となり、その後のステップへと進んでいくことが出来ます。

試験課目

CFP試験には以下の6課目があり、そのすべてに合格しなければなりません。

  • 金融資産運用設計
  • 不動産運用設計
  • ライフプランニング・リタイアメントプランニング
  • リスクと保険
  • タックスプランニング
  • 相続・事業継承

CFP試験は課目合格制を取っており、1課目ごとに受験することができます。
AFP認定者としての資格を保持していれば合格に有効期限もないため、個人のペースで複数年かけて合格していくことが可能です。

出題形式

各課目ごとの出題数は50問、1問2点の均一配点で100点満点の試験です。

マルチプルチョイス方式(四肢択一式)で、正答だと思う番号を解答用紙にマークしていきます。

また、CFP試験は合格点が決まっている絶対評価の試験ではなく、他の受験者との点数比較により合格ラインが設定される相対評価の試験です。

受験資格

受験資格は以下の①または②の条件を満たす人に与えられます。

AFP認定
※AFP認定者は、「FP2級の合格」および「AFP認定研修の修了」の要件を満たす者

日本FP協会が認定する大学院で所定の課程の単位を取得
※課程修了後7年以内に6課目すべてに合格しない場合は失効となる

※参考:CFP認定教育プログラムを実施する大学院

試験会場

全国24地区で開催。※2024年度第1回試験より受験地を増設。

札幌、仙台、水戸、宇都宮、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、金沢、松本、静岡、名古屋、京都、大阪、松江、岡山、広島、高松、松山、福岡、熊本、那覇

例年会場は貸し会議室・学校・ホテル・企業研修所・青年会館などです。
具体的な試験会場や、試験会場と予定されている場所は試験回ごとに出願開始日に日本FP協会HP上で公開されます。

※参考:CFP®資格審査試験 | 日本FP協会

まとめ

CFP試験の内容と、課目別の合格率・難易度をみてきました。

CFP試験は6課目すべての合格が必要になり、一括での合格率が低いなど、難易度が高い印象があります。
しかし、課目ごとに受験することができ、有効期限も設定されていないために、非常に受験しやすいのも特徴です。

課目ごとの合格率はAFP認定者で30〜40%であり、難しい試験には変わりがありませんが、仕事をしながらでも時間を見つけて学習していくことが可能です。

高い知識と経験を持つことの証明として、CFP認定者を取得し、今後の活動に活かしてみてはいかがでしょうか。