IELTSに申し込み、準備を続けてきた受験者にとって、最も重要な試験当日。

つい緊張して「忘れ物をしてしまった…!」なんてことが無いように気をつけたいですね。

また、IELTSの試験では持ち込みが禁止されている物もあるので注意が必要です。

この記事では、IELTSの当日の流れと持ち物について紹介します。

IELTSの試験当日の持ち物、準備しておくこと

IELTSには複数の運営団体があり、受験をする運営団体によって持ち物が若干異なります。

ここでは、それぞれの運営団体ごとに持ち物を紹介します。

運営団体必要な持ち物
British Councilパスポート
英検協会パスポート、パスポートのカラーコピー、筆記用具
IDPパスポート
JSAFパスポート

IELTS当日の持ち物は上の通りです。全ての運営団体で本人確認のためにパスポートを持参する必要があります。

パスポートを忘れてしまった場合、例外なく受験をすることができないので注意が必要です。

また、英検協会運営の試験を受ける場合にはパスポートのカラーコピーが必要です。

他の運営団体の場合は申し込みの際にパスポートをアップロードしますが、この段階がない英検協会では保存用にコピーを提出します。

さらに英検協会が運営する試験では原則受験者が鉛筆と消しゴムを持参しますが、他の運営団体の場合はすでに会場に用意されているので持参する必要はありません。

英検協会主催の試験の筆記用具について

持参する筆記用具には、いくつか注意点があります。

まず、利用できるのは黒の鉛筆のみで、シャープペンシルやキャップ付きの鉛筆は使用できません。

消しゴムはカバーを外し、落書きなどがされていない物のみ持ち込むことができます。

水は任意で持ち込める

飲み物を試験場に持ち込みたい場合、無色透明でラベルのない容器に入った水のみ持ち込みが可能です。

お茶やジュースはラベルを剥がしていても持ち込み不可なので気をつけましょう。

その他の手荷物は試験場には持ち込めない

上で紹介したように、パスポートや筆記用具、水のみを会場に持ち込むことができます。

その他の手荷物は試験場には持ち込めません。

貴重品や携帯を含め、全て会場外の受付やロッカーに預けることになります。

スピーキングが筆記試験の直後の場合、ランチを持参する場合もあるかもしれませんが、こちらも持ち込むことはできません。

特に注意が必要なのが、腕時計です。

試験官が事前に確認しますが、腕時計をうっかり付けたまま試験を受けてしまうと、不正行為となってしまいます。

必ず試験場に入る前に外すようにしましょう。

参考書や単語帳は試験直前まで確認することができる?

参考書や単語帳を試験の直前に確認したいと思う受験者も少なくないと思います。

しかし、集合時間に合わせて会場に到着すると、基本的にすぐに荷物を預け本人確認に進みます。

荷物を預ける時点で参考書なども手放すことになります。

そのため、試験開始のギリギリまで参考書を見る、という行為はできないので’、テスト前の最終確認は集合時間の前に行いましょう。

特別な対応が必要な場合

「花粉症がひどくて目薬が必要」「骨折して松葉杖をついている」など、特別に試験に持ち込まざるを得ない物がある場合、必ず事前に運営団体に知らせる必要があります。

事前に許可を得た場合のみ、当日試験場に持ち込むことが許可されます。

試験当日の流れ

IELTS当日の流れは、下の通りです。

1,荷物を預ける

ここで、パスポートや筆記用具、水を除く全ての物を預けます。

ロッカーが用意されている場合がほとんどですが、ロッカーの鍵も持ち込むことはできないので、受付に預けます。

もし遠くから受験に来ている場合、スーツケースなどを持っているかもしれませんが、こちらも受付で預かってもらえます

2,本人確認(パスポート提示・指紋登録・写真撮影)

本人確認ではパスポートの提示をし、指紋登録を行います。

これらの本人確認を拒否することはできません。

その後の写真撮影で撮った写真は、成績証明書に使用されます。

3,試験会場へ入場

本人確認が終わると、試験会場へ入場します。

席につくと、ディスクラベルに受験者の情報が書かれています。

間違いがないことを確認し、試験官による案内を待ちます。

4,ペーパー試験とコンピューター試験の流れ

本人確認が終わって試験場に入場したら、いよいよ試験開始です。

ペーパー試験とコンピューター試験でテスト項目の順番が異なります。

ペーパー試験の場合

  1. ライティング
  2. リーディング
  3. リスニング

コンピューター試験の場合

  1. リスニング
  2. リーディング
  3. ライティング

筆記試験の3項目の間に休憩はなく、全て連続して実施されます。トイレなど体調不良など以外で試験会場を出ることはできません。

コンピューター試験の場合音量調整の時間がある

コンピューター試験では、各受験者にヘッドフォンが提供されます。

リスニング試験が始まる前に、音量を調整する時間があります。

実際にヘッドフォンを付けて流れる音声を聞き、ボリュームを調整することができます。ここでしっかりと調整しておくと、リスニング試験をスムーズに受けられます。

関連コラム:IELTSとは?試験の種類や違いは?失敗しない選び方

5,スピーキング試験について

スピーキング試験に関しては、筆記試験が行われた同日の午後に受験するのが一般的です。

しかし、英検協会運営のIELTSを受験する場合、筆記試験の翌日にスピーキングテストを受けることが可能です。

これを”2day”と呼びます。

2dayの場合、筆記テストとは別の日にスピーキングだけでに集中ができるといったメリットがある一方で、2日間緊張感を保持するのは難しいなど、受験者ごとに向き不向きがあるので、自分にあった方を選ぶようにしましょう。

スピーキング試験にもパスポートが必要

筆記試験前に本人確認を行いますが、スピーキング試験の直前にもパスポートを提示します。

そのため、特に2dayで受験をする人は必ずパスポートを忘れないようにしましょう。

また、スピーキング試験は事前に時間指定されるため、筆記試験との間に時間がある場合は外出することも可能です。

ずっと試験場で待つ必要は無いので、近くのカフェなどを事前にチェックしておくと便利です。

試験当日の注意事項

ここでは、試験当日の注意点を紹介します。

IELTSの試験前にぜひ参考にしてください。

服装は基本的に自由、英字がプリントされてないかチェック

IELTSの試験で服装に規定はありません

スピーキング試験は面接官と1対1で行われますが、服装がスコアに反映されることは無いため、畏まった服装でなくて大丈夫です。

ただ、大きく英語の文字が印刷されたシャツなどは、不正行為に当たってしまう可能性があります。

シンプルで文字の印刷が無いものを選ぶのが無難でしょう。

また、最近では新型コロナウイルス感染拡大の影響で、小まめな換気が行われています。

試験場が寒くなったり暑くなったりするため、温度調整のしやすい服装がおすすめです。

試験前のトイレは早めに

試験会場によって異なりますが、トイレの数が限られていることも少なくありません。

そのため、集合時間の直前はトイレが混雑することもあります。

集合時間に余裕を持って会場に足を運び、トイレを早めに済ますようにしましょう。

当日の遅刻は厳禁

IELTSは、国際的に認められている英語力の証明です。

そのためセキュリティには厳しく、遅刻をした場合に後から試験場に入るといった行為はできません

必ず集合時間に間に合うように試験会場に向かいましょう。

早く行きすぎない

遅刻が厳禁だからといって、早く行き過ぎると会場に入れません。

IELTSのセキュリティが理由で建物内にすら入れない場合があり、外で待つことになってしまうこともあります。

暑い夏や寒い冬は体調に影響が出てしまう可能性もあるので、早く行きすぎず集合時間の10分前くらいに着くようにしましょう。

当日の試験日変更やキャンセルは不可

IELTSの運営団体は、それぞれ試験日の変更やキャンセルに関して期限を設けています。

英検協会やIDPの場合は筆記試験の5日前と定められています。

期限を過ぎての変更やキャンセルはできないため、気をつけましょう。

日程を間違えた!試験を受けられなかったことで次回以降の試験で不利になることはある?

万が一日程を間違えたり、遅刻をして試験を受けられなかった場合、残念ながら試験日の変更などはできませんが、次回以降の試験で不利になることはありません。

もう一度試験の申し込みをし、別の日に受験をすることができます。

受験ができなくなるのは、不正行為をしてしまった場合です。

他の受験者の解答を書き写す行為やカンニング行為は不正行為にあたるので、絶対にしないようにしましょう。

関連コラム:【受験団体別】IELTSの日程と申込み手順まとめ

明日は試験!!試験直前には何を勉強したらいい?

試験の前日は、勉強を頑張りすぎるのではなく、しっかりと休んで万全の状態を作ることを優先しましょう。

試験のためにできることは、英語のラジオなどを聞いて耳をならしたり、洋画を観るなど、いわゆる「英語脳」に切り替えることです。

慌てて参考書や単語帳を見ても頭に入らず焦ってしまうだけなので、暗記をしようとするのは避けましょう。

また、試験当日の朝は、刺激物は食べずに、吸収の良い食事を摂りましょう。

紹介したように、筆記試験の各テストの間に休憩時間はありません。トイレに行く回数が多いほど、試験の解答時間を削ることになってしまいます。

自分のパフォーマンスを出し切るためにできること

IELTSの試験だけに限ったことではありませんが、試験場に着くと、周りの人が自分より英語ができる人だという錯覚に陥ることがあります。

ここで自信を無くしてしまうと、試験中に集中できず、今までの成果を出し切ることができなくなってしまいます。

特にリスニング試験では、周りの人が文字を書くタイミングに惑わされてしまうことがあります。

IELTSには引っかけ問題も含まれているので、多くの人が書いたタイミングが正解だとは限りません。

IELTSを過去に5回以上受けた筆者は、周りの人を無視して自分の英語力を信じたときに、今までで最高のスコアを取得することができました。

自分が正しいと思う回答を選ぶことが後悔のない試験の受け方です。

この記事の著者



 

橋本志保

高校卒業後、オーストラリアのGriffith大学に進学。国際観光学とホスピタリティを学び学位を取得し、卒業。
大学卒業後は外資系旅行会社に勤め、海外からのクライアントとの会話など、ビジネス英語を使う経験をする。
2021年にIELTS8.0を達成。
現在はカナダに移住し、英語学習のコーチング、翻訳や執筆業にも従事。

 

 


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