IELTSのスコアをTOEICやTOEFL®に換算するとどのくらいになるのか、気になる受験者もいると思います。

そこでこの記事では、IELTSのスコアを他の英語試験の点数に換算するとどのくらいになるのかを解説します。

今の自分の英語力で取れるIELTSスコアを知るために、ぜひ参考にしてみてください。

CEFR/IELTS/TOEFL/TOEIC/英検のスコア換算表

IELTSのスコアをCEFR、TOEFL®、TOEIC®、英検のスコアに換算すると下の通りです。

IELTSCEFRTOEFL iBT®TOEIC®英検
9.0C2120
8.5C2115~119  
8.0C1110~114
7.5C1102~109970~990
7.0C194~101870~9701級
6.5B279~93820~8701級
6.0B260~78740~820準1級
5.5B246~59600~740準1級
5.0B135~45550~6002級
4.5B132~34500~5502級
4.0B131450~490準2級

図の中で登場するCEFRとは、Common European Framework of Reference for Languagesの略で、直訳で「ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳されます。

言語の習得状況を評価するためのもので、A1〜C2の6段階で評価されます。

C2は通訳・翻訳ができるレベルと言われ、非常に高い語学力を指します。

日本人に馴染みのあるTOEIC®や英検とIELTSを比較すると、TOEIC®の満点990点がIELTSでは7.5となり、英検1級は6.5から7.0に換算されます。

上の図にまとめてあるように、IELTSの満点9.0は、英検やTOEIC®には換算できないほどの難易度となっていることが分かります。

特定の試験への慣れもあるので、試験に対する勉強をすることで達成できるスコアも上下します。

IELTS/TOEFL®/TOEIC®/英検の試験科目、テスト形式、特徴の違いを比較

前の章ではIELTSのスコアを他の試験に換算しましたが、実際はスピーキング試験の有無などを含め試験ごとに違いがあり、互換性がない場合もあります。

そこで、IELTSとTOEFL iBT®、TOEIC®、英検の試験科目とテスト形式をまとめました。

試験名

区分

試験内容

テスト形式

IELTS

アカデミック

L/R/W/S

ペーパー/コンピューター

ジェネラル

L/R/W/S

ペーパー/コンピューター

TOEFL iBT®

 

L/R/W/S

コンピューター

TOEIC®

TOEIC® Listening & Reading Test

L/R

ペーパー

TOEIC® Speaking & Writing Tests

W/S

コンピューター

TOEIC® Speaking Test

S

コンピューター

TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests

L/R

ペーパー

TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests

W/S

コンピューター

英検

5級〜1級

L/R/W/S

ペーパー

このように、英語の試験と一口に言っても、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能をはかるものから、TOEIC®のようにリスニングとリーディング力のみの試験もあります。

ペーパーやコンピューターなど受験方法が異なる場合もあるので、違いをしっかりと抑えてどの試験を受けるか決める必要があります。

IELTSとTOEFL®の違い

IELTSとTOEFL®の主な違いは、下の通りです。

  • IELTSは試験形態を選べる・TOEFL®はコンピューターのみ
  • IELTSはイギリス英語・TOEFL®はアメリカ英語
  • IELTSのスピーキングは面接官と1対1・TOEFLは録音

IELTSはペーパー試験とコンピューター試験から選ぶことができます。パソコンでタイピングをするのが苦手な人や、逆に紙上で文章を読むのが得意な人はペーパー試験を選ぶことができます。

一方でTOEFL®はコンピューター試験のみとなっており、リスニングからスピーキングまで全てパソコン上で行われます。

リスニングに関しては、IELTSではイギリス英語の音声が登場します。

日本の英語教育に慣れている場合は、やや聞き取りづらいと感じるかもしれません。

TOEFL®は主にアメリカ留学の際に用いられる試験のため、アメリカ英語中心のテストとなっています。

スピーキングに関してはIELTSは面接官と1対1で実施される一方、TOEFL®ではコンピューターに向かって話し録音を元に評価されるといった違いがあります。

IELTSとTOEFL®、どっちが難しい?

試験への慣れによって体感的な難易度は変わりますが、TOEFL®の方が難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。

その理由は、TOEFL®のスピーキングでは聞いた内容をまとめて話すといった要約力が求められるからです。

さらにTOEFL®ではコンピューター上でスピーキング試験が行われるので、実際に人と話している感覚とは異なりやりづらいと感じることもあります。

一方で、IELTSのライティングは採点基準が厳しいことで知られています。

TOEFL®では多少のミスは寛容に採点してくれる一方、IELTSではライティングでスコアを大きく落としてしまう受験者も少なくありません。

関連コラム:IELTSのスコア別難易度と目標スコアをとるためには?

TOEIC®を換算して同じレベルなら、IELTSやTOEFL®ですぐに該当するスコアを取れるのか?

既にTOEICのスコアを持っている人は、換算表を見たときに、該当するスコアをIELTSやTOEFL®ですぐに取れると思うかもしれません。

試験に対応するための勉強を全くしなければ、該当するスコアを取るのは難しいと言えます。

その理由は、上で紹介したようにそれぞれの試験が異なる特徴を持つからです。

例えばIELTSのリーディングでは、TRUE・FALSE・NOTGIVENから回答を選ぶ問題があります。

正誤問題には慣れていても、NOTGIVEN(どちらにも当てはまらない)が出てくると迷ってしまうかもしれません。このような各試験独自の問題については、慣れて練習することでカバーできるようになっていきます。

そのため、換算して同じレベルのスコアをすぐに取れるとは考えず、必ず受験する試験に対応した勉強や準備が必要です。

どの試験を受験するべきか?

ここまで各試験の違いを紹介しましたが、受験をする試験は必ず目的を考慮して選びましょう。

いくら同じレベルのスコアを保持していても、提出先が認める試験でなければ受理してもらえない可能性があるからです。

ここでは各試験ごとにどのような用途があるのかを紹介します。

IELTS

IELTSはアメリカ以外の英語圏への大学進学や移住・就職に使えます。

オーストラリアやイギリス、カナダなどで幅広く採用されており、世界で10,000以上の教育機関が認めている試験です。

そのため英語になりますが専用の教材やサポートも充実しており、準備を進めやすい試験だとも言えます。

海外大学進学の場合はIELTSアカデミック、移住や就職の場合はジェネラルを受験します。

教育機関や政府が求めるスコアが必要になりますが、大学進学の場合OA6.0前後、大学院の場合OA6.5以上必要になることが多いです。

例えば毎年多くの留学生が入学するオーストラリアQLDのクイーンズランド大学の場合、OA6.5(ライティング6.0)以上が最低ラインとして定められています。

TOEFL®

TOEFL®はアメリカ国内の留学や大学進学目的に用いられます。

近年ではカナダやオーストラリアでもTOEFL®を採用している教育機関がありますが、未だTOEFL®は主にアメリカで使われていると考えて良いでしょう。

大学進学の場合は80点以上、大学院やMBA留学であれば100点以上が目安となっています。

TOEFL®は教育機関への提出を目的にしているため、試験内で小論文を書くなど、英語の知識だけでなく英語を「使えるか」を試されます。

TOEIC®

TOEIC®は、日本国内の就職や進学目的に使われます。スコアは高ければ高いほど良いと言われますが、新卒で就職なら600点以上、昇進で使うなら700点以上は目指したいと言われています。

800点以上を取得すれば英語を使って働く環境でも採用されるチャンスが上がるでしょう。

また、近年では社内での昇進や海外転勤の条件としている企業も増えてきています。

国内で知名度が高まる一方で、海外ではTOEIC®を採用している教育機関や企業は非常に限られます。

英検

英検もTOEIC®と同様に日本国内で知名度が高く、級を言えば多くの人が英語のレベルをイメージできるのではないでしょうか。

英検の主な活用法は、国内の受験や進学の際です。英検は国内の高校や大学で公式な試験として認められており、入試における試験免除や内申点の加点が可能なことがあります。

高校や大学によって異なりますが、準1級から1級を保持していると入試の際に優遇される可能性が上がります。

TOEFL®とIELTSで悩んだらどっちがおすすめか?

留学や大学出願のために英語試験を受ける際に、教育機関がTOEFL®とIELTSどちらも受け入れている場合があります。

その場合、どちらを受けようか迷ってしまうかもしれません。

その場合は両方対策をしてみてより得意な方を選びましょう。

どちらも国際的に認められている試験なので、取得して損をすることはありません。

どちらの試験も有効期限が2年という点には注意しましょう。

もう一つの選び方としては、アメリカを中心に活動をするのか、イギリスやオーストラリアに住むのかを基準に決める方法があります。

例えばアメリカに将来住みたいと考えている場合、TOEFL®が必要になる可能性が高いため、機会があるうちにTOEFL®の試験に慣れておくと本当に必要になった時にスムーズに試験への準備を進めることができます。

逆にアメリカ以外の国で活動をすることを視野に入れている場合、IELTSに慣れておくと良いでしょう。

関連コラム:IELTSの目標別スコアの目安と必要な勉強時間

この記事の著者



 

橋本志保

高校卒業後、オーストラリアのGriffith大学に進学。国際観光学とホスピタリティを学び学位を取得し、卒業。
大学卒業後は外資系旅行会社に勤め、海外からのクライアントとの会話など、ビジネス英語を使う経験をする。
2021年にIELTS8.0を達成。
現在はカナダに移住し、英語学習のコーチング、翻訳や執筆業にも従事。

 

 


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