IELTS受験までの限られた時間を無駄にせず対策を進めるためにも、参考書の選び方は非常に重要です。

どの参考書が良いかは一概には言い切れず、ご自身のレベルや伸ばしたいスキルに見合った教材を選ぶのがポイントです。

スコア6~7.5の留学のために必要なスコアを目指す人向けにおすすめの参考書・問題集を厳選しました。

スコアが伸び悩んでいる人のために弱点克服用のセクション別おすすめ参考書も紹介しています。

IELTSの勉強のための参考書・問題集の選び方

ここでは、IELTSの勉強のための参考書・問題集の選び方を解説します。

IELTSは4技能全てをはかる試験のため、学習内容も幅広く参考書の選び方に悩んでしまう受験者も多いことでしょう

英語版・日本語版で選ぶ

IELTSには、国内で出版され解説が日本語で書かれているものと、海外から輸入する英語の教材があります

英語のみで書かれている参考書は、翻訳を挟まないため、英語で読んで英語で理解する癖がつくというメリットがあります。

一方で、ある程度のリーディングスキルがないと内容が理解できなかったり、妥協の要因となってしまうでしょう。

日本語版は、英語力に自信がない受験者や、初めてIELTSを受ける方におすすめです。

日本語で試験の特徴を理解することで、効率的に対策を進めることができます。

伸ばしたいスキルで選ぶ

IELTSの参考書を選ぶときは、伸ばしたいスキルで選ぶのも大切です。

例えばライティングのスコアが伸び悩んでいる場合、ライティングに特化した参考書を追加しましょう。

せっかく他の技能でハイスコアを取得しても、1つの技能で点数を大きく落としてしまうとOAスコアも落ちてしまいます。

苦手なスキルを知り、集中して伸ばすと良いでしょう。

アカデミック・ジェネラル共通の参考書や問題集・単語帳でもいいのか?

アカデミックとジェネラル試験は、リーディングとライティングの試験内容が異なります

そのため、リスニングとスピーキング対策に関しては共通の参考書や問題集を用いて問題ありません。

一方で、リーディングとライティングに関しては、受験する試験専用の参考書や問題集を使いましょう。

注意したい点は、アカデミック用かジェネラル用か記載されていない参考書の多くは、アカデミックに特化しているということ。

ジェネラルを受験するのにアカデミックの教材で勉強してしまうと、本番に見たことのないような問題が出てびっくりしてしまうなんて状況に陥ってしまいます。

そのため、ジェネラルを受ける受験者は特に注意が必要です。

単語はカバーする範囲が広いので、共通のもので学習して問題ありません。

関連コラム:IELTSとは?試験の種類や違いは?失敗しない選び方

TOEIC®・TOEFL®・英検の参考書や問題集でも大丈夫?

TOEIC®やTOEFL®の教材を英語力を伸ばすために活用するのならば良いですがIELTSでハイスコアを目指す目的ならば、必ずIELTSの参考書や問題集を使いましょう

TOEIC®やTOEFL®、英検も英語力をはかる試験という共通点がありますが、試験内容が大きく異なります。

特にIELTSは独自の問題形式や採点基準を設けており、これらを理解しないことにはハイスコアを達成することはできません。

初心者におすすめのIELTS対策テキスト・参考書3選

IELTSを初めて受ける受験者におすすめの教材を3つ紹介します。

IELTSにはTOEIC®や英検では見ないような問題形式が登場します。

そのため、まずはIELTSの試験内容をしっかりと理解するところから始めましょう。

セルフスタディIELTS完全攻略

出典:Amazon

「セルフスタディIELTS完全攻略」は、IELTSテストの仕組みを理解するのに役立つ参考書です。

受験の申し込みの段取りから試験当日の流れまでまとめているので、IELTS受験に必要な情報をこの1冊で知ることができます。

IELTSを複数回受験している筆者も、一番初めはこの参考書を活用しました。

また、IELTSに出題されるさまざまな形式を取り入れた練習問題が掲載されており、出題傾向について学ぶのに役立ちます。

日本人が間違えやすいポイントが日本語で解説されているのも嬉しいポイントです。

一発で合格スコアをとる勉強法

出典:Amazon

「IELTS一発で合格スコアをとる勉強法」は、全くIELTSのことが分からずに1からスタートする受験者におすすめの参考書です。

IELTSに関する解説の他、どこから手をつけ始めたら良いのかを理解することができます。

英語の総合力を伸ばすためのディクテーションのやり方なども掲載されています。

明確なプランを立てて独学でIELTSを受験したい方におすすめです。

IELTS完全対策&トリプル模試

出典:Amazon

IELTSに必須の4技能全てをカバーしている「IELTS完全対策&トリプル模試」。

本番を想定した模試が3回分含まれているので、参考書を一通り理解した後に問題を問いてみることができます。

参考書+過去問題集の代わりとしても使えます。

IELTS完全対策&トリプル模試の優れている点は、解説の豊富さです。IELTS指導経験が豊富な著者が「なぜこの答えではダメなのか」を参考書の中で解説しています。

スピーキングに関しても、模範解答が記載されているだけでなく、困ったときの切り抜け方といった当日役立つヒントも載っています。

IELTS対策におすすめの問題集

IELTSには、TOEIC®や英検のように公式の過去問題集が存在しません

IELTSの過去の問題は公式に発表されないため、手に入れることができません。

しかし、過去問題集の代わりに使える公式問題集があるので、腕試しをしてみたい、IELTSの問題形式に慣れたいという方は公式問題集を購入しましょう。

ケンブリッジ出版公式問題集

出典:Amazon

「ケンブリッジ出版公式問題集(以下公式問題集)」は、IELTSの設問を作成する団体「Cambridge English Assessment」と「ケンブリッジ大学出版局」が出版する公式問題集です。

オフィシャルから出版されているだけあり、本番の試験内容にかなり近い問題が収録されています。

アカデミック専用と、ジェネラル専用に分かれています。

冊子の中身は、リスニングからスピーキングまで4技能全ての模擬テスト4回分で構成。公式問題集は、問題から解説まで全て英語で書かれています。

そのため、英語で英語を学ぶことに抵抗のない中級者〜上級者におすすめします。

OAスコア5.0以上を目指す場合は最新バージョンを1冊、6.0以上を目標とする場合は最新版から遡って2〜3冊ほど購入して対策に使いましょう。

関連コラム:IELTSに過去問はない?問題に慣れるための公式問題集の活用法

IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集

出典:Amazon

「IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集」は、旺文社が出版するブリティッシュカウンシル公認の問題集です。

冊子の中の解説は日本語で掲載されているので、英語力に自信がない受験者でもスムーズに勉強を進めることができます。

スコア5.0以上を目指す受験者におすすめです。

問題集は4技能全てに対応しており、IELTSに関する情報、対策問題、本番形式の模擬試験の3段階で構成されています。

内容はアカデミックに主を置いているので、例えばライティングのパート1ではグラフを読み取る問題が登場。

こちらはジェネラルには出てこない問題なので、ジェネラルを受ける場合は+αで教材が必要になります。

初めてIELTSを受験する人や、まずは日本語でIELTSのことを学びたい受験者に最適の問題集です。

IELTS対策におすすめの単語帳3選

単語帳は、効率よく単語を暗記するために活用しましょう。

おすすめの単語帳は、IELTSに特化した下の3つです。

関連コラム:IELTSで必要な英単語と網羅できるおすすめ英単語帳・アプリ

実践IELTS英単語3500

出典:Amazon

IELTS対策に最もおすすめの単語帳が「実践IELTS英単語3500」です。

アカデミックモジュール用にデザインされているものの、ジェネラル用として活用しても問題ありません。

音声をダウンロードすることができるので、耳から聞いて単語を覚えることができます。

ダウンロードできる音声はイギリス英語になっているので、IELTS試験に登場するイギリス英語に慣れるという意味でも役立つでしょう。

冊子の中身はOA5.0を達成するために必須の「基本語1000」と、それ以上を目指す受験者のための「重要語2500」に分かれています。

さらに重要単語は500語ずつにレベルごと(5.5〜7.5以上)に分類されていて、達成したいOAスコアに合わせて必要な単語を集中的に覚えることができます。

IELTS必須英単語4400

出典:Amazon

「IELTS必須英単語4400」は、IELTSで必須の英単語3300と英熟語1100を収録した単語帳です。

単語は難易度別にAからDまでに分類されており、よく出る形のフレーズと一緒に学べるようにデザインされています。

文章で覚えることで記憶に残りやすいので、単語だけを暗記するのが苦手な受験生におすすめの一冊です。

音声も無料でダウンロードすることができます。

文脈で覚えるIELTS英単語

出典:Amazon

「文脈で覚えるIELTS英単語」は、実績NO.1の専門予備校アゴス・ジャパン講師によるIELTS語彙対策本です。

基礎単語1400語に加え、ライティングやスピーキングで活用できる類語3200語を収録。

単語と例文、類義語も一緒に覚えられるデザインになっているので、覚えやすいと好評の一冊です。

比較的長めの文章を読み、そこから新しい英単語を抜粋し暗記するという方法を採用しているので、リーディングのスピードを上げるためにも活用できます。

弱点克服用におすすめのセクション別問題集・教材

IELTSの参考書を選ぶときは、伸ばしたいセクションに特化した教材を選ぶのもおすすめです。

苦手なパートを徹底的に克服し、総合スコアを底上げしましょう。

リーディング用の問題集:実践IELTS技能別問題集リーディング

出典:Amazon

リーディングでスコアが伸び悩んでいる受験生におすすめの教材が「実践IELTS技能別問題集リーディング」です。

リーディングのコツを、IELTS試験対策専門家の著者が丁寧に解説した一冊です。

参考書の中身は、IELTS独自の問題形式の解き方を理解し、リーディングスコアを上げていくことに焦点をあてています。

リーディングは自己採点ができ比較的独学を進めやすいセクションですが、間違えたときになぜ間違えたかが理解できないことも。

実践IELTS技能別問題集リーディングなら、解答と合わせて日本語で解説が載っているので、知識がしっかり定着します。

IELTS8.0を達成した筆者も、リーディングに関しては日本語で解説が載っている教材を最後まで活用していました。

関連コラム:IELTSのリーディングの本番対策とレベル別勉強法

リスニング用の教材・問題集:Listening for IELTS by Collins

出典:Amazon

リスニング力を上げたい受験者におすすめの教材がCollinsによる「Listening for IELTS」です。CollinsはIELTSに特化した参考書・問題集を複数出版しており、クオリティの高さ・使いやすさは申し分ない1冊です。

音声はイギリス発音で収録されているので、試験のために耳を慣らす目的にも最適な教材となっています。

教材の中身は12ユニットと非常に充実。リスニング力を集中的に鍛えることができます。

IELTS試験を想定しデザインされており、ハイスコア達成に不可欠な「音声を聞きながら次の設問の問題文を読む」というテクニックも練習できます。

関連コラム:IELTSのリスニング対策と目標スコア別勉強法

スピーキング用の教材・問題集:Speaking for IELTS by Collins

出典:Amazon

「Speaking for IELTS」は、Collinsが出版するIELTSのスピーキング対策に特化した教材です。

冊子の中身は全て英語で記載されており、世界中のIELTS受験生が活用しています。

主要トピックに関する単語を習得し、スピーチができるように対策をするという内容になっています。

IELTSスピーキング独自の採点の特徴も学べるので、初心者から上級者までおすすめしたい1冊です。

かなり充実した内容できちんと進めるにはそれなりに時間がかかります。筆者はスピーキング対策にこの1冊を3ヶ月ほどかけて進めました。

関連コラム:IELTSのスピーキング対策と目標スコア別勉強法

ライティング用の教材・問題集:IELTSスピーキング・ライティング完全攻略」

出典:Amazon

最後に、ライティング用におすすめしたい教材が「IELTSスピーキング・ライティング完全攻略」です。

ライティングに欠かせないパラフレーズ力を強化することができる参考書です。

他にもスコアを上げるための攻略法や、豊富な実践問題が掲載されており、ライティング力を底上げできます。

スコア7.5以上の模範解答なども出てくるので、ライティングでハイスコアを目指す受験者にもおすすめの教材です。

関連コラム:IELTSライティング対策と目標スコア別勉強法

苦手な科目を克服するための教材・問題集の活用法

苦手な科目がある受験者は、克服するためにそのセクションに特化した教材と問題集を活用しましょう。

おすすめの使用方法は、勉強時間のうち苦手な科目に特化した教材に7割の時間を使い、残りの3割で他のセクションをカバーしましょう。

また、苦手な科目の教材は1冊〜2冊あると良いです。

それぞれ教材によって強み・弱みがあるので、2冊使い比較しながら対策をすると、よりしっかりと理解することができます。

まとめ

IELTS対策の参考書の選び方と、おすすめの教材を紹介しました。

参考書が全てではないものの、効率的に勉強を進めるには、やはりご自身のレベルに合った良い教材を選ぶことが重要です。

適当に教材を選び、お金も時間も無駄にしてしまっては本末転倒です。

ぜひこの記事を参考に、ご自身に適した教材を選んでくださいね。

関連コラム:【徹底解説】IELTSの勉強法と本番対策まとめ

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