志望理由書の締めとは、本文で述べた志望理由を1つにまとめ、入学への意思を最後にもう一度伝える部分です。

採点者が最後に目を通す箇所のため、ここでの印象が読み手の評価に残りやすくなります。

ところが、本文の繰り返しやありふれた言葉で締めてしまうと、せっかくの熱意が伝わりにくくなりがちです。

本記事では、志望理由書の締め方に入れるべき要素と、やりがちなNG例を例文付きで解説します。

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志望理由書は締め方で印象が決まる

志望理由書は締め方で印象が決まる

本文でどれだけ説得力のある志望理由を述べても、締めが弱ければ「結局この受験生は何を伝えたかったのか」がぼやけてしまいます。

志望理由書を読む採点者にとって、締めの一文は最後に目に入る部分です。

採点者は多くの志望理由書に目を通すため、似通った締めばかりが続くと、それぞれの印象は薄れがちです。

反対に、締めで進学への意思をはっきり示せれば、本文の内容がより強く印象に残るでしょう。

総合型選抜では、学力だけでなく志望理由書から読み取れる熱意や本気度も評価の対象になります。

締めで進学への意思や学ぶ姿勢がどう伝わるかは、合否の判断材料の1つです。

それにもかかわらず、締めを軽く考えてしまう受験生は少なくありません。

本文の内容をもう一度なぞるだけで終えたり、決まり文句で締めくくったりするケースがよく見られます。

これでは本文で築いた説得力を、最後で自分から弱めてしまいかねません。

締めは本文の付け足しではなく、志望理由を1つにまとめて意思を伝える仕上げの場面です。

何を盛り込み、どのような締め方を避けるべきかを押さえれば、本文で築いた説得力を最後まで保ったまま締めくくれるでしょう。

志望理由書の締め方に入れるべき要素

説得力のある締めをつくるために押さえたい要素は、大きく3つです。

要点のまとめ直し、入学後の学び、将来の目標という順で組み立てると、締めの流れが整います。

ここでは、それぞれの書き方を例文とともに見ていきます。

これまでの内容を一文でまとめ直す

締めの書き出しでは、本文で伝えた志望理由のなかから、最も伝えたい主張だけを一文に絞り込みます。

本文をそのまま写すと締めが間延びし、読み手に同じ話の繰り返しという印象を与えます。

そこで、本文と同じ内容でも言い回しを変え、自分が一番訴えたい点を凝縮して示すことが大切です。

例えば、本文で地域医療への関心と看護の学びを述べた場合、締めの一文は次のように整理できます。

例文:地域に根ざした看護を学び、住み慣れた場所で安心して暮らせる医療を支えたいという思いが、私の志望の中心にあります。

このように一文で主張を言い切ると、締め全体の方向性がはっきりします。

入学後に学びたいことを具体的に書く

締めの説得力を高めるには、入学後に何を学びたいのかを具体的に書きましょう。

「貴学で多くのことを学びたい」といった漠然とした表現では、どの大学にも当てはまり、志望度が伝わりません。

履修したい科目、参加したいゼミ、関心のある研究テーマなど、その大学だからこそ取り組める内容まで踏み込むと効果的です。

2つの書き方を比べてみます。

漠然とした例:貴学に入学後は、専門知識をしっかり学んでいきたいと考えています。

具体的な例:貴学の地域社会学ゼミで、過疎地域の暮らしを現地調査を通して学び、卒業研究として地域再生の事例を分析したいと考えています。

具体的な学びを示すほど、その大学で学ぶ姿が採点者に伝わります。

将来の目標と志望大学を結びつけて締めくくる

締めの最後は、学んだことを将来どう活かしたいかという目標で結ぶと効果的です。

将来像を先に描き、その実現のために志望大学での学びが欠かせないという流れにすると、志望理由に一貫性が生まれます。

将来の目標、大学で身につけたい力、入学への意思、という順番でつなげると読み手に伝わりやすくなります。

例文:将来は地元で子どもの学習支援に携わり、教育の格差を減らす活動を続けたいと考えています。

そのためには、貴学の教育学部で学習支援の理論と実践の両方を学ぶことが欠かせません。

貴学で学んだ力を活かし、地域の教育を支える存在になりたいと強く願っています。

目標と大学での学びが一本の線でつながると、進学への意思がより明確に伝わります。

志望理由書の締め方でやりがちなNG例

正しい締め方を押さえたら、次は避けたい失敗例も確認しておきましょう。

ここでは、受験生がやってしまいがちな3つのNGパターンを、修正例とあわせて紹介します。

本文と関係ない話で締めてしまう

締めでよくある失敗の1つが、本文とつながらない話題を持ち出してしまうことです。

本文で学びへの意欲を述べていたのに、締めで急に部活動の思い出や家族への感謝を語り始めると、話の筋がぼやけます。

締めはあくまで志望理由を締めくくる場所のため、本文の主張に話を戻すことが大切です。

NG例:高校時代は部活動に打ち込み、仲間と過ごした3年間はかけがえのないものでした。

これからも何事にも全力で取り組みたいと思います。

修正例:高校時代に培った最後までやり抜く姿勢を、貴学での探究活動にも活かし、関心のある環境問題の研究に取り組みたいと考えています。

本文の流れに沿って締めると、最後まで一貫した志望理由書になります。

締めの文章が長くなりすぎる

あれもこれもと盛り込みすぎて、締めが必要以上に長くなる失敗もよく見られます。

伝えたいことが多いほど締めも長くしたくなりますが、要素を詰め込むほど一文ごとの主張はぼやけがちです。

締めは本文の分量とのバランスをとり、要点だけに絞って短くまとめると読みやすくなります。

冗長な例:私は将来、医療の現場で多くの人を支えたいと考えており、そのために貴学で看護を学びたいと思っていて、さらにボランティア活動にも積極的に参加し、地域貢献にも力を入れたいと考えています。

整理した例:将来は看護師として地域医療を支えたいと考えています。

その実現のために、貴学で看護の専門知識と実践力を身につけたいです。

短くても主張が明確な締めのほうが、熱意がまっすぐ伝わります。

ありきたりな言葉で終わらせてしまう

「精一杯頑張ります」「よろしくお願いします」といった定型句だけで締めると、誰の志望理由書にも見えてしまいます。

こうした言葉は丁寧ではあるものの、その人ならではの熱意や具体性が抜け落ちています。

締めには、自分の経験や志望大学で学びたい内容を盛り込み、自分にしか書けない言葉を選ぶことが効果的です。

ありきたりな例:貴学で精一杯頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします。

書き直した例:貴学の探究プログラムで、高校から続けてきた地域防災の研究をさらに深め、災害に強いまちづくりに貢献できる人になりたいです。

具体的な言葉で締めるほど、ほかの受験生との違いがはっきりと伝わります。

まとめ

志望理由書の締めは、本文で述べた志望理由を1つにまとめ、入学への意思を最後にもう一度伝える大切な部分です。

要点のまとめ直し、入学後に学びたいこと、将来の目標と大学のつながり、という3つの要素を順に盛り込むと、説得力のある締めになります。

一方で、本文と関係ない話や長すぎる文章、ありきたりな言葉は、それまでの印象を弱めてしまいます。

紹介した例文を参考に、自分だけの経験と言葉で締めくくりを仕上げてみてください。

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