ウォートン・ビジネス・スクール (The Wharton School of the University of Pennsylvania)は、米ペンシルバニア大学の経営大学院です。

ハーバードやスタンフォードほど日本では知名度はありませんが、この2校と並ぶアメリカの最難関MBAプログラムです。

国際的にも最も有名なビジネススクールのひとつでもあります。

MBAランキングである、Financial Times(英)では世界第1位に選ばれるなど欧米での知名度は相当高い学校です。

ウォートンのMBAについて聞いたことはあるが、難易度や実際にどんなことが学べるのかはよくわからないという方のために、今回詳しく解説していきます。

このコラムでウォートン・ビジネススクールのMBAについてわかること
  • どのくらい難易度が高いのか
  • 特徴や学費
  • 卒業後のキャリア・年収レベル
  • 入試内容

GMAT公式問題集を日本語で解説

Verbal分野が苦手な方におすすめ

回数無制限で講師に質問できる

ウォートンMBAの特徴

ウォートンは、アイビー・リーグの1校でもあるペンシルベニア大学のビジネススクールです。

ウォートンMBAは米国MBAでもっとも歴史があり、規模もハーバード・ビジネス・スクールに次いで2番目となっています。

ウォートンの第一の特徴として、ファイナンス(金融)の強みがあります。

また近年は起業分野にも注力しており、マーケティングやマネージメント分野においても実用性の高いプログラムを提供しています。

特筆すべきなのは、ウォートンではMBAにおける21の専門科目(Major)に加え、約200もの選択科目(Electives)があることです。

強みを獲得したい分野や将来的に関わりたい領域について学習でき、卒業後のキャリアアップイメージにつながる履修が可能となっています。

ご参考までに留学生におすすめのMajorとしてBusiness Analyticsがあげられます。

Business Analyticsは米国ではSTEM (Science, Technology, Engineering, and Mathematics)分野に入り、これをMajorで履修することで、卒業後米国で就職する際、ビザなしで働ける期間が長くなるなどのメリットが得られます。

ウォートン MBAで学ぶことでどのくらいキャリアアップに貢献してくれるのか

ウォートンでは学費への投資価値(ROI)に重きを置いています。

公式ホームページでも卒業後のキャリアについて詳しく情報を公開しています。

例えば卒業生の基本給の中央値は、$175,000(2023/3のレートで約2600万円)です。
さらにボーナスが契約時と年度内あわせて$60,000(2024/3のレートで約900万円)と初年度で$23,500(2023/3のレートで約3500万円)を超える破格のサラリーを手にすることを示しています。

この理由は、給与レベルの高い業界であるコンサルティングや金融に多くの卒業生が職を得ていることの結果でしょう。

職域については、コンサル/戦略やプライベート・エクイティ(PE)/ベンチャーキャピタル、投資銀行といった金融分野が目立ちます。

卒業後のキャリアアップについてコンサルや金融を目指している方には、ウォートンは圧倒的な強さを持っていると言えるでしょう。

クラスプロフィール

ウォートンの最新クラスプロフィールについてまとめました。

ウォートン・ビジネススクール MBAの受験者数は、入学者数は887人で合格率は13.8%でトップ校の合格率としては平均的です。

入学者数についてはアメリカのトップ校のハーバードMBAの入学者数が約1000人ですので、規模としては同レベルです。

学生の国籍分布は77ヶ国と多いですが、海外学生比率は35%と留学生比率は特出しているとは言えません。

一方女性比率が50%を超えているのは、アメリカのトップMBA校の中でも珍しく注目すべきポイントでしょう。

ウォートンは毎年5〜10人程度の日本人を合格させている傾向にあり、日本人でブログを書いている人も多いです。

後述のセクションに日本人ブログのリンクを記載しているので、興味ある方は参照してみてください。

年度2024
受験者数6319
入学者数877
合格率13.8%
女性比率50%
留学生比率35%
平均GPA3.6
平均年齢
平均勤続年数5
GMAT平均スコア(又は中間値)733
GRE平均スコア(又は中間値)162(Quant/Verbal共に)
TOEFL iBT スコア最低要件115

ウォートンのランキング

主な評価機関のウォートンのランキングです。

どの評価機関においてもトップランクの評価を得ていることがわかります。

評価機関順位
FT1
QS2
Forbes3

ウォートンMBAの入試内容

受験資格

応募者は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 4年制大学の学位またはそれに相当する学位

出願書類

ウォートン・ビジネススクール MBA出願に必要な書類・プロセスについてまとめました。

  • トランスクリプト(学業成績、GPA)
  • TOEFL or PTE 英語テスト結果
  • エッセイ(2個提出)
  • 推薦状 (2個提出)
  • アプリケーションフォーム(受験申込書ーオンライン申請)
  • GMAT or GRE テスト結果
  • 履歴書
  • 面接

ここでは、日本の入試ではなじみが薄いトランスクリプト(GPA)、エッセイと推薦状について解説していきます。

テストスコアの難易度については後のセクションで詳しく説明しますので、そちらを参照してください。

トランスクリプト

大学での成績(GPA)を提出します。

海外MBAでは日本と異なり偏差値方式はありません。

GPAの計算方式はこちらで解説していますのでご参照ください。

関連コラム:MBAで必要なGPAは?計算方法や国内海外の目安、足りない時の対策方法を徹底解説

エッセイ

志望動機・自己アピールを記載するもので出願において主要な評価対象となっています。

なぜMBAを志望するのか?に加え、なぜIE MBAか? 自分のキャリアにどう紐付けるか? 等々、学校側は出願者が期待するレベルに見合うか、出願者がクラスで貢献できるかを判断します。

Kira対策にもなりますので、しっかり自分の経歴の棚卸をここで行ってみてください。

 推薦状

上司など会社関係からの推薦状が望ましく、英語で作成する必要があります。

 MBAの応募書類や受験資格についてはこちらのコラムでも解説していますのでご参照ください。

関連コラム:MBA留学とは?費用や受験資格、適齢について解説

 ウォートンMBAの学費

ウォートンの公式サイトによれば、学費と教材や家賃などにかかる費用は、1年目が$124,476(2024/3のレートで約1880万円)2年目が$122,476(2024/3のレートで約1850万円)となっており、卒業までかかる費用の概算は日本円で約3730万円と推計できます。

これはハーバードと比べても同等の額です。

ウォートンやハーバードのようなアメリカの私立トップ校は総じてコストが高いので、社費留学の方におすすめの選択と言えるかもしれません。

私費留学の場合は奨学金制度もありますが、通常の受験に必要な時間に加えて奨学金取得のための労力も必要となってくるため、準備は多くかかると考えてください。

 ウォートンMBAの難易度は? 

ウォートン・ビジネススクールの入試の難易度について解説します。

GPA (学業成績)

ウォートン MBAの合格ラインの平均GPAは3.6です。

難易度はかなり高いと言ってもいいでしょう。

日本の大学生の GPAの平均が2.4〜2.8程度と言われていますので、ウォートンではかなりの優秀な成績が求められています。

これに届かない場合でもGMATなどのテストスコアやエッセイの内容でカバーできるケースもあるので、学業成績があまり良くない場合は他でカバーしていきましょう。

GMAT/GRE

いずれの試験にも優劣はありませんが合格者のGMATスコアの合格者平均が733、GREは162です。

ハーバードといったアメリカのトップ校と同等の数字であることから、最高の難易度です。

PTE / TOEFL 

ウォートンではTOEFLのスコア提出が必要であり、 合格者のTOEFL平均スコアは、115です。

この値は他校と比較してもMBAスクールの最高レベルですので、難易度も相当高いと考えていいでしょう。

TOEFLは満点が120点のテストですので、各セクションで満点レベルの実力が必要となります。

英語のコミュニケーションにほとんど不自由がないレベルの英語力が求められています。

ちなみにIELTSは受け付けていません。

代わりにPTEというテストを受け付けていますが、併願を考慮すること(PTEはIELTSほど一般的ではない)と、日本からの受験者にとってはTOEFL受験が慣れていると思われますのでこちらについて解説させていただきました。

日本でウォートンMBAについてもっと詳しく知りたいなら?

ウォートンを受験するにあたり、自分にウォートンが合っているか研究することは合格のキーともなりえます。

日本でウォートンについて情報収集できるサイトをまとめました。

Wharton MBA 在校生による日本語サイト Wharton Japan Club

https://www.wharton.jp/

ウォートンのMBA Programに在籍・卒業した日本人が中心となり作成されているサイトです。

ウォートン受験を検討されている方は、合格者の受験体験記や、受験準備にかかった期間や費用といった情報の記載もあるので参考になるでしょう。

日本語でウォートンの情報収集できるので、まずこのサイトを参照すると良いでしょう。

渡米のチャンスのある方には、このサイトからキャンパスビジットの申し込みができます。

wharton club of japan

https://www.wharton.jp/

ウォートン日本人卒業生の会です。

卒業後のネットワーキングのイメージが持てます。

会員以外にはアクセスできない情報も多いので参考程度に見ておけばよいでしょう。

the wharton school

 https://mba.wharton.upenn.edu/

ウォートンの最新の受験情報についてはこちらの公式サイトで必ず確認するようにしてください。

また受験についてのよくある質問やウェビナー、イベント情報も記載されています。

まとめ

ウォートンのMBAは、日本人受験生にとって知名度はハーバードや、スタンフォードに比べると低いかもしれません。

しかしその難易度は最高レベルであり、ランキングを見ても世界トップランクのビジネススクールであることは間違いありません。

また金融やコンサルに強い学校ですので、卒業後のキャリアアップにも十分期待できるでしょう。

海外MBA進学にあたって全ての基礎になるのは英語です。

進学の決意ができた人は、まずは英語の学習/英語テストのスコアメークに注力されることをおすすめします。

仮にMBAから他方面へ進路変更した場合でも、それが留学や転職である場合に英語スコアが高いと有利な材料として使えるので、勉強に投資した時間が無駄になりません。

また、出願前や出願中に上記の情報サイトなどでリサーチを行い、在学生や卒業生の経験から良いところを積極的に吸収しましょう。

ウォートンで過ごす2年間だけでなくその先のことも考え受験対策を十分準備して臨むことで、エッセイや面接の内容に差別化ができます。

以上を参考にウォートン合格を勝ち取ってください!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事の執筆者

斉藤りか

慶応義塾大学経済学部卒業。外資IT企業に就職後、ボストン大学経営大学院修了(MBA取得)。

帰国後、ITベンチャーや米系ハイテク企業でマーケティング・ビジネス開発に従事。

その後、アメリカ大使館等各国大使館の商務官に転じ、海外企業向けのビジネスコンサルティングに携わる。