海外MBAに興味はあるが、費用が高いのではと思っていませんか?

確かにトップ校の総費用は、諸費用を含めると概算で2000万円位かかると言われています。

しかし、MBAを取得することで、よりレベルの高い仕事に就き収入アップの機会が見込めるため、生涯年収を上げることで、最終的には費用に見合うだけの価値があると言えるでしょう。

MBA留学に実際のところ、どれくらい費用がかかるのか、またその投資が見合うのか、利用可能な奨学金や資金が足りない場合の代替手段も解説していきます

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海外MBAの学費は2年間で800万円〜2000万円

MBAプログラムの年間授業料は、公立校の800万円程度から私立トップ校の2000万円以上と幅があります

しかし、実際にMBAを取得するのにかかる費用は授業料よりも多くなることに注意が必要となります。

住居費、食事代、交通費、通信費、教科書代など、必要経費に加え生活費もかかってくるからです。

海外MBAの学費は国内MBAと比較して高額です。私立トップ校の学費が相対的に高いこと、さらに円安トレンドの影響も受けると費用が変動的に上昇することから高額になります。

加えて、留学中の機会損失コストがあります。このコストは、仕事を辞めた場合に失われる給与と仕事の機会のことです。

たとえば、年収600万円の人が留学のために退職した場合、2年間の機会費用は1200万円です。

これに対し、国内MBAで在職しながら学習する場合はこの機会損失コストはカウントされません。

これらの理由から海外MBAはかなりの高額投資への覚悟が必要となります

アメリカMBAの相場は1300〜2000万円

アメリカMBA費用の相場は、ランキングのトップ〜中堅で学費に幅があります

トップ校だと15万ドル前後、中堅で13万ドルが大体の目安と言えます。

大学学費総額学費 / 円換算ランク修了期間
Stanford Graduate School of Business$147,7681965万円トップ2年
Penn (Wharton) $161,8102152万円トップ2年
MIT (SLoan) $154,3362052万円トップ2年
Harvard Business School $146,8801953万円トップ2年
Columbia Business School $160,9442140万円トップ2年
Michigan (Ross) $142,0961889万円上位2年
Duke (Fuqua) $140,0001862万円上位2年
Indiana (Kelley) $102,9071368万円中堅2年
U. of North Carolina $132,5941763万円中堅2年
Virginia (Darden) $143,5001908万円中堅2年

※1USD=133円、1EUR=135円で計算(2022年8月時点)

その他海外MBAの相場は800〜1400万円

アメリカのMBAは2年間ですが、ヨーロッパのMBAプログラムの特徴は期間が短いことです。通常1年間ですので、1年分の学費しか払わないで済むのは大きなコストメリットです。

下記にヨーロッパトップ校の学費の例を挙げました。

ロンドンビジネススクール、INSEAD、IESEの1年間の授業料は、アメリカで最も高いMBAであるウォートンよりも高く設定されています。それでも総費用はアメリカMBAより安くなっています

大学学費 / 年学費 / 円換算学費総額修了期間
HEC Paris(フランス)€80,0001080万円1620万円1年半
London Business School(英国)£87,9001400万円1750万円最短15か月
IE Business School(スペイン)€72,200974万円974万円1年
INSEAD(フランス)€87,0001170万円1170万円10か月
IESE Business School(スペイン)€85,0841140万円1140万円最短15か月
Esade Business School(スペイン)€72,000970万円970万円1年
Oxford (Said)(英国)£59,490960万円960万円1年
Cambridge (Judge) (英国)£57,000920万円920万円1年
Imperial College Business School(英国)£53,500860万円860万円1年
SDA Bocconi(イタリア)€59,000790万円790万円13か月

※1USD=133円、1EUR=135円で計算(2022年8月時点)

中堅校の相場は3割ほど安くなる|さらに費用を抑える裏技とは

上位校ほど高額で、中堅校になると相場が安くなる傾向にあります。

上記の表でご確認いただける通り、アメリカMBAでは中堅校の学費はトップ校より3割程度安くなっています。

また、学費が最も高いウォートン($161,810)と比較的安いインディアナ($102,907)を比較すると、その差は日本円で700万円ほどです。

とはいえ、卒業までに2000万近くかかると言う点に大きな差はありません。

そこで注目いただきたいのは、公立の大学では学費はかなり抑えられるという点です。

アメリカの例で見てみましょう。中堅校クラスを狙うなら州立校も狙い目でしょう。

大学学費総額学費 / 円換算ランク修了期間
Florida $61,260814万円中堅2年
Michigan State$54,850729万円中堅2年
Minnesota $54,000718万円中堅2年

さらに、学費を抑える裏技としては、夏季休暇期間もクラスを受講し、卒業を早めるというワザもあります。

この場合、提供される授業は限られるので参加したい授業がないかもしれませんが、2年のプログラムを1.5年で修了できる場合があります。

また、期間の短いヨーロッパMBAも総コストを抑えるには魅力的な選択と言えるでしょう。

オンラインMBAならさらに安い

QS Global RankingのオンラインMBAのトップ3校の例を下記に挙げ、海外のオンラインMBAの費用についてみていきましょう。

オンラインではヨーロッパMBAが優勢です。IEとImperialはキャンパス留学でも上位にランクインしています。

ウォーリックの場合、2年間の学費は約3万5,000ポンドで、日本円に直すと約580万円です。

このようにトップレベルの学校でも、オンラインで学ぶ場合は、実際に留学する場合の約半分の費用となっています

講師や他の学生と実体験で学んだり、人脈形成するという、MBA留学で得られるメリットは失われますが、オンラインMBAのコストメリットは大きいと言えます。

理由としては、キャンパス内の費用や部屋代、食事代を節約することができること、また、ほとんどの場合、退職せずに参加できるので、機会損失を少なくすることができるからです。

デメリットとしてはヨーロッパMBA留学が1年程度で修了可能なのに対し、やや時間がかかるということに留意してください。

しかし6-700万円でMBAを取得できるのは大きな魅力と言えます。

大学学費/年学費 / 円換算ランク修了期間
IE Business School (スペイン)$50,000675万円117か月
Imperial College Business School (英国))£42,600680万円221か月
Warwick (英国)£35,650575万円32年

学費以外にかかる費用(準備費・テキスト代・生活費)

ここまではMBAプログラムの「学費」について見てきました。次に学費以外にかかる費用について確認していきます。

実際にMBAを取得するのにかかる費用は授業料よりも多くなります。

なぜなら、部屋代、食事代、交通費といった生活費に加えて、教科書代や準備費などもかかるからです。さらに、渡航費も必要になります。

留学準備費は100万円程度

TOEFL iBT®は一回当たり235ドル、GMATは一回当たり250ドル掛かります。スコアメークのため複数回受けることになるので、4〜5回受けるとして30万円ぐらいかかります。

また、準備のための予備校費用やエッセイラィティングのネイティブ添削やコンサルティングを利用すると、おおよそ40万円くらいかかるでしょう。

渡航費は季節や国によって異なりますが、20〜30万円くらいとしますと、準備費は概算で100万円程度となります

テキスト代は20万円程度

教科書代は1冊あたり日本円で2〜3万円程度かかることもあり、多くの学生が中古やコピーなどを使用しています。

キャンパスの近くの古本屋を探してみてください。卒業生の教科書を入手できることがあります。

優秀な学生の書き込みは、学習の参考になるので中古本の方がかえって良いという意見もあります。

新品のテキストを使用する場合は、年間で20万円以上の費用を見積もっておきましょう

生活費は300万円程度

フルタイムの場合は現地生活費がかかります。先進国の都市部は東京並みの生活費がかかると考えてください。

住む場所についても安全面が高い地域は家賃も高くなります。

アメリカの場合、平均的な部屋代と食事代は年間1万ドルから2万ドル以上かかることもあります。

生活コストが安い生活圏は、セキュリティの面で不安がある地域が多いので、事前調査を怠らないようにしてください。

大学によっては、学生寮が使える場合もあるので、目指す大学で寮の使用が可能か、問い合わせしてみましょう。

シェアルームも費用を抑える手段ですが、勉強に集中するのが難しい場合もあるかもしれません。

年間の生活費のおおよその目安は下記の通りです。この他に通信費、保険料等がかかります。

  • 家賃:200万〜300万円
  • 食費:60万円(5万/月)

海外MBAで活用できる奨学金

社費も利用できず、自費での資金調達が難しい場合は、奨学金の利用も考えてみましょう。

奨学金には、公的奨学金と民間奨学金の2種類があります。

また、出資形態により、貸与型と給付型が存在し、多くの奨学金は返済義務がありますが、返済が不要の給付型奨学金制度もあります

申込条件や応募期間も決まっていますので、主な奨学金の要点について解説します。

フルブライト奨学金

「フルブライト奨学金」は、アメリカMBA留学を考えている方にはお薦めの奨学金です。

次世代の日米関係を担うリーダーとなりうる優れた人材に米国の経営大学院などの専門職系大学院(プロフェッショナル・スクール)での研究の機会を与えることを主旨としています。

アメリカの大学院修士課程・博士課程への留学が対象で、TOEFL®等の得点条件もあり条件は厳しめですが、メリットが大きい奨学金です

出資範囲授業料は1年目のみだが、渡航費、滞在費、保険料等が補填されるのが大きな魅力。
出資形態給付型
主な条件次のいずれかに該当することが条件です。a.日本企業に勤務する日本在住の者で、勤務先の経費負担により米国専門職系大学院(プロフェッショナル・スクール)に正規の学生として留学を予定し、専門職学位の取得を目指している者のうち特に優秀な者。b.社会人として培った経験・知識を専門職大学院の勉強に生かし、将来、その経験を日本社会に還元する意志のある者のうち特に優秀な者。c.日本の大学院在籍者若しくは博士号を持たない日本の若手大学教員で、大学または大学付属の研究機関で教職または研究職を担うに当たり、専門職学位を必要とする、若しくは生かす者。
リンクhttps://www.fulbright.jp/scholarship/programs/specialty.html

ロータリー奨学金

海外大学院への進学者を対象にした給付型奨学金です。旅費や授業料などの費用が給付されます。

給付額は留学する国や留学期間などを踏まえて、ロータリー財団が決定します。

出資範囲3万ドル以上
出資形態給付型
主な条件ロータリーが重点分野とする以下6分野に関するキャリアを、将来的に築くことが求められます。
平和と紛争予防・紛争解決基本的教育と識字率向上経済と地域社会の発展疾病予防と治療水と衛生母子の健康
リンクhttps://rid2780.gr.jp/exchange-and-scholarship/

伊藤国際教育交流財団奨学金

内閣府所轄の公益財団法人による奨学金。毎年日本から海外の大学等の修士課程に留学する日本人を対象に奨学金を支給しています。

書類選考に、8部も応募書類を用意しなければならないため、早めの準備がカギとなります。

出資範囲 1,500~2,000米ドル相当の円貨(約16万〜21万円)/月
出資形態 給付型
主な条件 学生交流に関する協定等に基づき、派遣先大学等が受入を許可されている。
リンク https://www.itofound.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E5%A5%A8%E5%AD%A6%E9%87%91%E5%88%B6%E5%BA%A6/1-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E5%A5%A8%E5%AD%A6%E9%87%91%E6%A6%82%E8%A6%81

そのほか奨学金

上記3プログラム以外にもいくつか奨学金があります

それぞれ特徴がありますので、詳細は公式リンクで確認してみてください。

プログラム名公式リンク要点
IELTS奨学金IELTS奨学金 | ブリティッシュ・カウンシル (britishcouncil.jp)給付型奨学金。合格してから応募できる奨学金で、30万円の学費補助が支給され、他の奨学金と併用することも可能。
UNIQLO HBS FellowshipUNIQLO Sustainability – UNIQLO Harvard Graduate School Fellowship Programs給付型奨学金です。ハーバードビジネススクールに留学する者1名に対して、2年間で200,000ドル支給。
平和中島財団奨学金奨学金について : 平和中島財団 (hnf.jp)給付型奨学金。年間で240万円の給付が受けられます。
神山財団奨学金海外留学奨学金制度|一般財団法人神山財団 (kamiyama-f.jp)給付型奨学金。給付額の限度は、2年合計で200万円。
日本学生支援機構 海外留学支援制度海外留学支援制度(協定派遣) | JASSO給付型奨学金。月額89,000円〜148,000円が支給され、年間250万円を上限に授業料ももらえます。
一般社団法人CWAJ 海外留学大学院女子奨学金海外留学大学院女子奨学金 – 一般社団法人 CWAJ給付型奨学金。300万円支給。
本庄国際奨学金海外留学日本人大学院生奨学金 | 財団法人 本庄国際奨学財団 (hisf.or.jp)給付型奨学金。1〜2年間の間月額20万円支給。

海外MBAの費用に関するよくある質問

海外MBAの費用についてよくある質問をまとめました。

Q. 各地域のMBAの違いは?

大きくアメリカとヨーロッパのMBAを比較すると、まず期間の長短の違いがあります。

アメリカMBAは基本2年であるのに対し、ヨーロッパは1年が多い傾向です。

期間が短い分、費用が抑えられることがヨーロッパMBAのメリットといえます

また中堅校をターゲットにする場合は、公立校を狙えばアメリカにおいても費用は抑えることができます。

実際のMBA留学には学費に加えて、準備費用や生活費もかかってくるので、約2000万と言われるMBA費用の捻出が難しい場合は、オンラインMBAを検討してもいいでしょう。

Q. 費用対効果はどうなの?

MBA取得に、1000万円〜2000万円の高額な費用を払う意味はあるのでしょうか?

費用対効果を判断することは、MBAの価値を確認する一つの尺度です。

ほとんどの学校がMBA取得者の平均初任給を公開しており、これを総費用と比較することで、費用を回収するのにかかる時間を判断することができます。

PayScaleの調査によると、MBAの学位取得者の平均年収は$92,000(約1200万円)とあるので、学費とその他経費を含めても、3〜4年程度で回収できる計算になります

Q. 他にお金を用意する手段は?

MBA留学を検討するにあたって、最も大きな課題は費用の高さです。

奨学金の他にお金を用意する手段についてまとめました

  • 社費留学を利用する

社費留学は、退職することなく、卒業後の職場も確保されていることから、最も理想的なパターンです。

会社の規定によって異なりますが、学費、滞在費、旅費、テキスト代、ビザ申請費用、さらに給与も支払われます。

加えて、留学準備費用もサポートしてくれる企業もあるようです。社費留学の場合は、費用面での悩みは殆ど解消されるケースと言えます。

  • 教育ローンを利用する

銀行の教育ローンは、奨学金と異なり随時申請できるので、準備しやすい手段ですが、金利負担がデメリットになります。

全額ローン借入するのではなく、奨学金との組み合わせや、家族からの資金援助との合わせ技も、コストを抑えるために検討してみてください。

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この記事の執筆者

斉藤りか

慶応義塾大学経済学部卒業。外資IT企業に就職後、ボストン大学経営大学院修了(MBA取得)。

帰国後、ITベンチャーや米系ハイテク企業でマーケティング・ビジネス開発に従事。

その後、アメリカ大使館等各国大使館の商務官に転じ、海外企業向けのビジネスコンサルティングに携わる。