本稿では、将来ビジネスで成功したい!という方にアメリカのMBAの現実についてご紹介していきます。

皆さんはMBAについてどういうイメージをお持ちですか?高給取り、頭脳明晰といったイメージがあるのではないでしょうか。

実際にMBAホルダーの有名人といえば、AppleCEOのティム・クックや楽天の三木谷社長のようにビジネス界での成功者がいますね。

三木谷社長は名門ハーバードビジネススクールのMBA、ティム・クックはフクアビジネススクール(Duke大学)をトップ10の成績で卒業しています。

これはほんの一例ですが、実業界の成功者はアメリカのMBAホルダーが多く占めています

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アメリカのMBAはMBA留学の第一候補

アメリカはMBA発祥の地で、学校数が圧倒的に多いので選択肢が広いのが特徴です。

日本人の多くはアメリカ英語で英語を習っているので、学校数でも言語の面でも第一候補として検討すべき留学先とになります。

日本でも知名度が高い有名校としては東部ではハーバード大学、西部ではスタンフォード大学が代表的です。

アメリカでMBAを取得することは幅広い就職機会と収入アップの可能性もあり、実利価値の面からも台地候補だといえるでしょう。

例えば、講師や学生の質に加え、米国のトップビジネススクールでは、世界で最も優れた人的ネットワークと国内外企業とのコネクションを得ることが可能です。

管理職や起業家志望の人にとっては、成功するために必要なリーダーシップスキルを身につけるのに役立ちます。

MBAでは2年間かけて経営学の基礎から応用を学ぶ

MBAプログラムでは、企業採用担当者が求めるようなスキルが学べます

MBAのカリキュラムは、学生が実際のビジネスで使用することができるスキルを取得し、活用することができるように設計されています。

企業がどのように機能するかを学ぶことに重点を置いた課題やプロジェクトが多くあるのです。

通常、2年制MBAの1年目はファイナンス、マーケティング、ストラテジーといった経営学における一般的なマネジメントの基礎を学びます

その後、2年目からは、ある分野や業界をより深く掘り下げる選択科目を履修します。

一例をあげますと、例えばコーネルの場合では、キャリアパスに応じた選択科目から選ぶことができ、コンサルティング、投資、ベンチャーキャピタルといったより専門性の高いコースが受講可能です。

さらに法学部や工学部など、他の学部のコースからも幅広く選択もできます。

MBAと同時に他の学位取得を狙うDual Degree プログラムに登録する人も少なくありません。

MBAではケーススタディに数多く取り組み、発言の質で評価される

MBAの授業の特徴は座学よりもケーススタディ(ケースとも呼ばれる)を中心とした講義が行われることです。

成績は、発言の積極性や質で評価されます。授業を理解していても、発言がないと、理解していない、意見を持っていないと見なされるので、実際の海外とのビジネスの場と近い緊張感の高い授業と言えるでしょう。

多くのビジネススクールが、MBAの学生にリーダーシップの観点からビジネス上の問題を分析し、解決策を講じる方法を教えるために、ケーススタディを使用しています。

ケーススタディでは、実際の企業や(日本企業のケースもあります)や架空のビジネスシナリオが記されたケースが学生に提示され、授業でいかに経営上の課題を解決していくか、経営者目線で討議します。

ケースはMBAの授業でも華の部分なので、ここで存在感を示せるかが成績に大きく影響するのです。

学生同士のグループワークも多いので、良い発言を継続的にできれば、優秀な学生グループに誘われる機会も持つことができるでしょう。

学生同士のワークショップも優秀な学生と組めるかどうかでプロジェクトの成否、結果的には成績に関わりますので、ケースは十分に準備をして臨むことが重要となってきます。

当然ながら、アメリカMBAでのケースの討議は英語になるので、流暢にコミュニケーションできる人が有利です。

素晴らしい内容でも英語が通じないと説得力を与えるのは難しくなります。そうした意味でも、分析力だけではなく、プレゼンテーション力、コミュニケーション力が試されるのがケースの授業です。

ある意味、経営者としての「カリスマ」性が試される授業とも言えます。

実際のケースでAppleのSteve Jobsのカリスマ性がテーマになったこともありました。

MBA留学するにはビジネス英語力が必須

MBA留学では、日本語で考える暇はありません

日本語→英語で思考していると授業のテンポについていけないからです。特にケースなどの討議の場では反射神経も必要となるので、スピードは重要です。

GMATの基準を乗り越えて入学できた優秀な志望者ですから、日本人は読解は問題なくこなせる人が多いでしょう。

しかしながら、ヒアリングとスピーキングには苦しむことが多い傾向にあります。

教授の講義の聞き取り、世界中から集まった同期とのディスカッション、課題や研究のプレゼンを行うのに、高度なビジネス英語力が必須となります。

アメリカのMBAランキング30

QS Global MBA Rankingsによるトップ30大学についてご紹介します。

QS Quacquarelli Symondsは、世界の高等教育機関向けに情報サービスや分析を提供する企業です。

QSのランキングは、給与やROI (Return on Investment投資利益率)など、主に定量データを重視した評価のランキングを提供しています。

ランク大学難易度学費
1Stanford University スタンフォード大学トップ$147,768
2Penn (Wharton) ペンシルバニア大学トップ$161,810
3MIT (SLoan) マサチューセッツ工科大学トップ$154,336
4Harvard Business School ハーバード大学トップ$146,880
5Columbia Business School コロンビア大学トップ$160,944
6UC Berkley (Haas) カリフォルニア大学バークレー校トップ$133,096
7Chicago (Booth) シカゴ大学トップ$146,880
8Northwestern (Kellogg) ノースウェスタン大学トップ$148,275
9UCLA (Anderson) カリフォルニア大学ロサンゼルス校トップ$130,238
10Yale School of Management イェール大学トップ$144,700
11NYU (Stern) ニューヨーク大学トップ$150,964
12Michigan (Ross) ミシガン大学上位$142,096
13Duke (Fuqua) デューク大学上位$140,000
14USC (Marshall) 南カリフォルニア大学上位$127,100
15Cornell(Jhonson) コーネル大学上位$141,380
16Boston (Questrom) ボストン大学上位$110,760
17Texas (McCombs) テキサス大学上位$111,496
18Carnegie Mellon (Tepper) カーネギーメロン大学上位$145,600
19Indiana (Kelley) インディアナ大学上位$102,907
20Dartmouth (Tuck) ダートマス大学上位$152,628
21Virginia (Darden) バージニア大学中堅$143,500
22Georgia Tech (Scheller) ジョージア工科大学中堅NA 他校より低いと言われている
23Georgetown (McDonough) ジョージタウン大学中堅$120,594
24Emory (Goizueta) エモリー大学中堅$132,500
25UNC ノースカロライナ大学中堅$132,594
26Florida フロリダ州立大学中堅$61,260
27Michigan State ミシガン州立大学中堅$54,850
28Minnesota ミネソタ州立大学中堅$54,000
29Washington (Olin)ワシントン大学(セントルイス)中堅$126,300
30Washington (Foster) ワシントン大学(シアトル)中堅$112,254
出典:QS Global MBA Rankings

アメリカのMBAのトップ校の入学条件は厳しい

入学条件の学校レベル別の難易度比較をまとめました。

トップ校上位/中堅校中堅校
GMATスコア700+550~650500
GPA3.83.5~3.63.0
職務経験3年以上/社名重視3年以上1年以上
推薦状3通3通3通

上記の表の通りトップ校ではGMATスコア、大学時の成績、勤務先や職歴は重視される傾向があります。

MBAは経営学を修めることはもちろんですが、将来ビジネスに役立つネットワークを作る場という認識もあります。

日本の有名企業からの派遣であったり、オーナー企業の後継者、政治家や閣僚経験者であれば、テストスコアやGPAが最優秀でなくとも、職務経験やエッセイ等で入学要件を満たす場合もあると言えるのです。

さらに年齢条件も関係します。35歳までがハイレベル転職をしやすい年齢ですので、入学時の年齢33歳位までの方がフルタイムMBAには歓迎条件でしょう。

しかし、逆に言えば、将来大企業のCEOになるような同級生とネットワークが作れるわけですから、入学は非常に厳しいですが、リターンが大きいのもトップ校ということになります。

目立つほど高い学業成績を示せば客観的価値をアピールできますので、トップ校を目指す方は上位成績者を目指すのが早道といえるでしょう。


中堅校は入学条件が数段やさしくなる

中堅校に的を絞れば、上記の表からもわかるとおり、職歴、学業成績、テストスコアが特別に高くなくても狙っていくことはできます

この点については日本の大学入試と同じ感覚で考えてよいでしょう。

アメリカMBAにおいて、トップ校ではテストスコアや学業成績がトップ5%以上を期待されるのと比較して、中堅校では入学条件の定量的なハードルは低くなっています

ただし中堅校やオンラインMBAを狙うならよく考えて

前出のランキング表で掲載の通り、トップ校でも中堅校でも学費が大きく変わることはありません(公立は除く)が、投資還元率は、トップ校、中堅校どちらのMBAを持っているかで大きく違ってきます

即ち卒業後の給料に大きく影響してくるのです。

Financial Timesの調査によると、MBAの卒業後の給与所得トップのウオートン校(ペンシルバニア大学)では237,537ドル(日本円で約3200万円、2022/8のレート)と突出しており、中堅校のワシントン大学(Foster)では156,715ドル(日本円で約2100万円、2022/8のレート)と1000万円以上もの差がついています。

日本においては「MBA」と一括りに語られるか、ハーバードやスタンフォードのような超有名校しか一般に認識されていない傾向にありますが、外資系企業においては、志望者が「どの」MBAを持っているかを重視します。

優良企業ほどトップ校で従業員をまとめる傾向にあるので、合格ラインだからという理由で志望校を決めるのは近視眼的であり、投資回収できないリスクを抱えることになるので注意してください。

代替手段として、生活コストを各段に節約できるオンラインMBA履修も可能性はあります。

ただし、こちらにおいてもトップ校以外のMBAでは、卒業後に一流キャリアを築くことは難しいでしょう。

また、中堅校のオンラインでも、学費は500万円〜1000万円以上の費用が見込まれることから、現在のキャリアプランや、学ぶ目的などとよく照らし合わせて判断してください。

単に、「MBA」という肩書きが欲しいという目的なら、国内MBAやアジア、オーストラリアなどアメリカ以外のMBAプログラムに比較的学費の安い学校がありますので検討してみても良いかもしれません。

アメリカのMBAに関するよくある質問

アメリカのMBAについてよくある質問について答えていきます。

Q. GMAT不要のMBAはある?

あります。

GMATを受けなくてもMBAを取得することは可能です。特に経験豊富な学生や優秀な学生にはGMATを免除するMBAプログラムもありますし、全く要求しないところもあります。

しかし、大半のビジネススクールは、入学時にGREかGMATのどちらかを要求しています。

ラトガーステキサスA&Mなど、比較的人気のある名門ビジネススクールでも、試験を必要としない学校もあります。UNCを除いて、上位25校のビジネススクールでは、すべてGMATが要求されるのです。

GMATスコアは応募者の能力を客観的に測る尺度として信頼性があるからです。

さらに、GMATのスコアは、ビジネススクールのランキングにも関わってきます。毎年、ビジネススクールは様々な出版物や組織によってランキングされており、入学する学生の平均GMATスコアは、ランキングの中で大きな要素となっています。

ハーバード、スタンフォード、MIT、シカゴ大学などのトップクラスのビジネススクールの学生の平均GMATスコアは常に700以上ですが、中堅のビジネススクールでは、平均GMATスコアは600〜650程度で推移しているようです。

ビジネススクールはGMATのスコアを重視した選別を行うことで、MBAプログラムのランキングを上げることができ、より多くの優秀な志願者を集め、さらに寄付や高い評判を得ています。

Q. 社会人経験がなくてもMBAは取れる?

アメリカのMBAでは社会人経験が前提になります。

国内の大学と違って、アメリカのMBAの場合、社会人経験(実務経験)2〜3年以上が必須要件になっている場合が多くなっています。

中上位校においては3年程度の勤務経験が必要とされています。トップ校においては勤務先の企業名も重視される傾向があります。

Q. アメリカMBA留学する際に必要なGPAは?

GPA(Grade Point Average)とは、大学の成績を科目ごとにポイントで表したものです。

日本の大学の一般的な成績表からGPAへの計算例をご説明します。

A=4、B=3、C=2、D=1、不合格=0として計算します。

例えば、Aが3単位、Bが5単位、Cが4単位、Dが6単位の合計単位は18単位だったとしましょう。

この場合GPAの計算は下記の通りとなります。

(3×4+5×3+4×2+6×1)/18=2.3 (小数点第2位以下四捨五入)

ご自分のGPAを計算できましたか?

GPAの最高値は4.0です。

トップ20校では、3.5以上のGPAが必要とされています。

例えば、ハーバードビジネススクールは、3.7以上が平均GPAの合格ラインです。ただ、必ずしもGPAが基準に達していないから合格につながらない、というわけでもありません。

勤務経験やテストスコアなど他の要素でカバーできれば上位校を狙うことができます。

Q. 1年で修了できるアメリカMBAはある?

あります。トップ校でも1年制のプログラムを提供している学校があります。

1年制MBAプログラムを提供している大学の例をリストしましたので参考にしてみてください。

  • Cornell
  • Northwestern
  • USC
  • Babson College
  • Emory
  • Loyola
  • University of Notre Dame
  • Hult International Business School
  • Bryant University
  • University of Findlay
  • Tennessee State

Q. 留学する際に必要なビザは?

アメリカ留学には「F-1」ビザというビザの取得が必要になります。

ビザの取得は合格した大学から発行されるI-20という証明書が必要になります。他の必要書類は日本で揃うものですので、米国政府の公式ビザサイトをご確認ください。

渡航時期にもよりますが、アメリカの新学期は9月に始まるため、夏休みシーズンだとビザ発給が混雑する場合もあります。十分時間の余裕をとって準備されることをお薦めします。

ビザ発給が間に合わず授業初日に間に合わない、というような事態にならないように気を付けましょう。

MBA取得に意味はあるの?

MBA取得には時間も費用もかかります

また授業の課題をこなしていくのも並大抵の努力ではありません。

MBAを取得するメリットについてまとめました

1. グローバルなビジネス感覚が身につく

MBAを取得することで、様々な実務経験や視点を持つ世界中の他の学生たちと密接に接することができます。講師から学ぶだけでなく、MBAの学生は、米国内外の業界の知識を広げることができます。

2. コミュニケーション能力の向上

効果的なコミュニケーションは、プロフェッショナルが成功するために必要な基本的なスキルです。説得力のあるプレゼンテーションスキルを持つことは仕事をする上で大きな強みとなります。

コミュニケーションスキルを磨くことで、組織のさまざまなレベルの人々にコンセプトをうまく伝え、チーム全員が共通の目標に向かって協力し合えるようにすることができます。

3. プロフェッショナルなネットワークの構築

MBAを取得すると、グローバル卒業生ネットワークの一員となり、他の方法では知り合うことのできなかった尊敬できる知的プロフェッショナルと知り合うことができるようになります。

4. キャリアアップ

競争の激しい就職市場において、ハイレベルな学位を取得することは、応募者の中でも抜きんでることに役立ちます。

MBAはあらゆる業界でアピール可能な学位となり得ます。

包括的な経営学知識を持ち、それに加え厳しい授業を通して得るソフトスキル(ロジカルシンキング、問題解決力、プレゼン力など)を保有するMBA人材は、様々な取り組みに即座に着手し、会社の利益向上に貢献することができるからです。

5. 時間管理能力の向上

MBAを取得するには、厳しい授業と並行して課外活動(宿題、ワークショップ等)をこなす必要があります。

MBAを取得することで、時間を効果的に管理することができます。これは、企業にとって需要の高いスキルであるだけでなく、一生もののライフハックスキルにもなるでしょう。

まとめ

このようにMBAを持っているということは、海外企業に対して、自分が一定の学力と実務スキルを保有する人材であるという客観的な証拠になります。

就職で他の候補者より有利になることは間違いありません。

しかしMBA取得には時間と多額の投資が必要ですし、中堅校以下のMBAの場合は、望むような就職ができる保証はありません。

しかしながら、アメリカMBAに挑戦することで、日本にいては得ることのできない、留学以前には考えられなかったつながりの発見、キャリアパスの広がりを得ることができます。

自分の目的と現職のポジションとのバランスを考えてMBAへに挑戦してみましょう。

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この記事の執筆者

斉藤りか

慶応義塾大学経済学部卒業。外資IT企業に就職後、ボストン大学経営大学院修了(MBA取得)。

帰国後、ITベンチャーや米系ハイテク企業でマーケティング・ビジネス開発に従事。

その後、アメリカ大使館等各国大使館の商務官に転じ、海外企業向けのビジネスコンサルティングに携わる。