中小企業診断士の1次試験のうち、「経済学・経済政策」科目については、合格率が比較的高い科目にも関わらず、学生時代は専攻外だった人や、仕事上馴染みのない人などは、どう攻略したらよいものか迷っていることだと思います。

このコラムでは、「経済学・経済政策」の概要と出題傾向、合格点を獲得するための勉強法のポイントをご紹介します。

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中小企業診断士試験における経済学・経済政策の概要

経済学・経済政策は、中小企業診断士の1次試験の科目のひとつですが、以下のような特徴を持っています。

経済学・経済政策とは

この科目は、大きくマクロ経済(日本や国際単位の経済動向)と、ミクロ経済(消費者と企業の間の経済)にテーマ分類されます

【マクロ経済】

⑴国民経済計算の基本的概念

⑵主要経済指標の読み方

⑶財政政策と金融政策

⑷国際収支と為替相場

⑸主要経済理論

【ミクロ経済】

⑹市場メカニズム

⑺市場と組織の経済学

⑻消費者行動と需要曲線

⑼企業行動と供給曲線

⑽産業組織と競争促進

マクロ経済は国全体や世界での経済動向です。

ミクロ経済は消費者と企業との経済活動と言えます。

これらの経済動向のうち、特にマクロ経済の動向は、一企業でどうこう出来るものではありません。

企業の今後の行く末に大きく影響を与える事柄ですが、「コントロールは出来ない」という特徴を持っています。

そのため、中小企業診断士がその動きを早くキャッチし、コンサルティング先企業にいち早く対処方法をアドバイス出来るようになる必要があるため、この科目は存在しています。

難解だが合格率は高め

経済学・経済政策の過去の合格率を見ると、例年20%台の傾向で安定的に高い合格率で推移していました。

しかし、『中小企業診断士試験 過去の試験結果・統計資料』によると、令和4年度の合格率は10.5%でした。

年度合格率
令和4年度10.5%
令和3年度21.1%
令和2年度23.5%
令和元年度25.8%
平成30年度26.4%
平成29年度23.4%

経済学・経済政策は多くの人に難しい科目と認識されていますが、テーマがはっきりしているため難しくても対策は立てやすい科目でもあると言えるでしょう。

また、どちらかというと実際のコンサルティング活動を始めた際に役に立つ知識です。

二次試験の事例問題では、経済状況は前提条件として提示されるため、二次試験対策としては意識する必要はありません。

出題形式と配点

経済学・経済政策は、以下の仕様で出題されます。

・初日の最初の科目

・時間数は60分

択一マークシート形式(四肢または五肢択一式)で実施。

・問題数が少ない→ケアレスミスが命取り

最近は21~23問と特に少ない傾向にあります。

1問当たり約4.4点になります。

初日の最初の科目ということもあり、実力がある人でも、焦ってミスが多いと足切りの可能性も出てきます。

出題の傾向

出題の傾向としては、以下のような問題が出される傾向になっています。

・ベーシックな理論を問う問題

主要な経済理論をグラフや数式を使った演算問題や、グラフの読み取りが多いのが特徴的です。

・経済のトレンド(動向)を問う問題

冒頭の2~5問に集中しているのが、経済動向に関するトレンドな内容の出題です。

ここでまず受験者にショックを与えるような意図があるような気がします。

・経済政策内容を問う問題

国の経済政策の中身や計算方法など、知識があれば解ける問題ですが、範囲が広く細かく問われることが特徴です。

経済・経済政策の勉強法

難解なのに意外に合格率が高い経済学・経済政策には以下のような攻略法があります。

①ベーシック理論の理解で70点を目指す

受験生にとって最も難解なのが主要な経済理論です。まずは、出題頻度の高いテーマからじっくりと学習することが必要です。

経済政策と絡めて応用的に出題することも多く、しっかりした理解が必要です。

テキストだけでなく、YouTubeなどの動画素材から「聞きながら学ぶ」方法も有効です。

②アウトプット中心の学習法

理論の学習には手作業が重要です。頭で理解するだけでなく、必ず自分の手で作図し、その理論を体感しながら理解していきましょう

そうすると、「腑に落ちる」という状態になります。

そして、一つの理論の一通りの理解が済んだら(完璧でなくてOK)、解説付きの過去問題を解いて見ましょう。

その際、作図や計算過程の記述など、手作業をしっかり記録に残しながら、問題にチャレンジしましょう。ミスや理解不足のポイントが見えてきます。

③経済・政策動向のトレンドは日本経済新聞で掴む

経済・政策動向は日経新聞から視覚でインプットする方法が有効です。分かりやすいグラフや用語の解説記事を利用します。

日経新聞は毎日じっくり読むことが理想ですが、仕事をしながらチャレンジする多くの受験生には難しいものです。

出題テーマに関する記事を発見したら切り取って日付を記入し、一旦テーマ別のフォルダに入れておき、時間がある時にじっくり理解する方法がおすすめです。

日経新聞は毎日読むことをおすすめしますが、コストも掛かります。そんな方には、図書館に収蔵されている縮刷版がおすすめです。

1ヶ月単位に圧縮された本になっているため、時間が無い受験生にもおすすめです。

また、日経電子版の無料会員になると、1ヶ月10記事まで無料でダウンロードも出来ます。勉強も経済的に出来ますね。

まとめ

中小企業診断士の経済学・経済政策は、一見とっつきにくい科目に思えますが、合格率が高く、対策次第では1次試験合格に向けて大いに貢献してくれる科目であることがお分かりいただけたと思います。

ぜひ効率よく学習して1次試験を突破しましょう。

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