「コミュニケーション技術の科目ってどう勉強すればいいかな?」
「キャリアップのためにしっかり学んでおきたい」

そんなふうに感じていませんか?

「コミュニケーション技術」をしっかり勉強すれば、介護福祉士試験の合格の可能性が高くなるだけではなく、介護実務にとても役立ちます。

この記事では、「コミュニケーション技術」の重要性や勉強法について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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介護福祉士国家試験「コミュニケーション技術」科目とは?

「コミュニケーション技術」は、基本を大切にして勉強すれば確実に得点を獲得できる科目です。

そもそもコミュニケーションは、介護現場において必要不可欠なので、「コミュニケーション技術」で学んだ知識や技術は、介護実務で生かせるといえます。

介護実務と関連があるので、日頃の業務を思い出しながら勉強すれば理解がしやすいです。

また、利用者とのコミュニケーションだけではなく、チームのコミュニケーションとして記録・報告・会議についても学べます。

令和7年度の介護福祉士国家試験における問題数は6問で、「人間関係とコミュニケーション」の4問とあわせて10問で、一つの科目群になっています。

また、「コミュニケーション技術」で学ぶ内容は、相談支援技術と深いかかわりがあります。

そのため、ケアマネージャーや施設の相談員、障害福祉分野の相談支援専門員などの職種へのステップアップを考えている受験生にとっては、とても大切な科目です。

「コミュニケーション技術」の勉強法

「コミュニケーション技術」で高得点を獲得する方法は、基本的な内容から一つひとつ勉強していくことです。

なぜなら、基本的な用語の理解や基本のコミュニケーション技法を踏まえた事例問題などが出題されるからです。

介護実務と関連があるので、勉強しなくても正答にたどりつける問題があるかもしれませんが、全てがそのような問題ばかりではありません。

しっかりと勉強しないと間違ってしまう問題や、わからない問題も出題されるので、出題範囲や出題傾向を把握し、基本的な箇所を覚え、理解することが大切です。

ただ、限られた時間の中での試験勉強なので、効果的・効率的に勉強するといった工夫も必要です。

出題範囲を把握し勉強する

下表は、介護福祉士試験の主催団体である公益財団法人社会福祉振興・試験センターが公表している「コミュニケーション技術」の出題基準です。


コミュニケーション技術の出題基準
大項目 中項目 小項目(例示)
1 介護を必要とする人とのコミュニケーション 1)介護を必要とする人とのコミュニケーションの目的 ・信頼関係の構築
・共感的理解
2)コミュニケーションの実際 ・話を聴く技術
・感情を察する技術
・意欲を引き出す技術
・意向の表出を支援する技術
・納得と同意を得る技術
2 介護場面における家族とのコミュニケーション 1)家族とのコミュニケーションの目的 ・信頼に基づく協力関係の構築
・家族の意向の表出と気持ちの理解
2)家族とのコミュニケーションの実際 ・情報共有
・話を聴く技術
・本人と家族の意向を調整する技術
3 障害の特性に応じたコミュニケーション 1)障害の特性に応じたコミュニケーションの実際 ・視覚障害のある人とのコミュニケーション
・聴覚・言語障害のある人とのコミュニケーション
・認知・知的障害のある人とのコミュニケーション
・精神障害のある人とのコミュニケーション
4 介護におけるチームのコミュニケーション 1)チームのコミュニケーションの目的 ・介護職チーム内のコミュニケーション
・多職種チームとのコミュニケーション
・情報発信と共有
2)チームのコミュニケーションの実際 ・報告・連絡・相談の意義と目的、方法、留意点
・説明の技術(資料作成、プレゼンテーションなど)
・会議の意義と目的、種類、方法、留意点
・介護記録の意義と目的、種類、方法、留意点
・情報の活用と管理(ICTの活用・記録の管理の留意点など)

過去の介護福祉士試験の「コミュニケーション技術」で出題された問題を確認すると、出題基準を網羅するように満遍なく出題されていました。

例外としては、「3.介護におけるチームのコミュニケーション」の「3)会議」は出題されていない年もありましたが、その他の項目は満遍なく出題されています。

まずは、基本的な項目から勉強し、しっかり理解したうえで、その他のコミュニケーション技法や利用者の特性にあわせたコミュニケーションなどを勉強する方法が、効果的な勉強法といえます。

問題傾向を把握し勉強する

「コミュニケーション技術」は、

  • 知識を問う問題
  • 事例をもとに適切な対応を問う問題

の2つの出題傾向があるので、それに対応した勉強が必要です。

知識問題の解答力を上げる

知識を問う問題の解答力を上げるには、「コミュニケーション技術」の科目の基本的理解が必要です。

英単語や漢字のような単純な暗記ではなく、その内容を理解し覚えることが大切です。

知識を問う問題としては、コミュニケーション技法や利用者の特性にあわせたコミュニケーション、用語などの他に、チームのコミュニケーションとして適切な記録・報告・会議の理解が問われます。

下記は過去に出題された実際の試験問題です。

利用者とのコミュニケーションにおいて逆転移が起きている事例に該当するものとして、最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 自分が利用者を嫌いなのに、利用者が自分を嫌っていると思い込む。
2 亡くなった祖母と似ている利用者に、無意識に頻繁に関わる。
3 利用者に対する不満を直接ぶつけずに、机を強くたたいて発散する。
4 敬意を抱いている利用者の口癖を、自分もまねて用いる。
5 利用者に対する嫌悪の感情を抑え、過剰に優しく利用者に接する。

(解答は2)

この問題は、「逆転移」という用語を知っていないと解けない問題です。

ちなみに「逆転移」とは、援助者が過去に特定の人に対して抱いていた感情を、無意識に利用者へ向けることをいいます。

一見難しそうに見える「逆転移」は一般的なテキストに記載されている用語なので、奇問や難問ではありません。

まずは、テキストに記載されている基本的なことから、しっかりと内容を理解し勉強することが大切です。

事例問題の解答力を上げる

事例をもとに適切な対応を問う問題の解答力を上げるには、基本を理解した上で問題集を解くことが必要です。

基本を理解せずに問題集を解くと、なぜ当たっているかはずれているかということや、解答の解説文の内容をしっかりと理解できない危険性があります。

事例問題としては、実際の介護・支援の場面を想定した問題が出題されます。

下記は過去に出題された実際の試験問題です。

次の事例を読んで,問題 31,問題 32 について答えなさい。

〔事 例〕
Jさん(20 歳、男性)は、中度の知的障害を伴う自閉症(autism)があり、 2 か月前から就労継続支援B型事業所を利用している。Jさんは,日常生活に関することは自分の感情を伝えることができるが、他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解は苦手である。また、社会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しい。ある日、事業所で作業中にJさんが興奮して他の利用者を叩たたいた。介護福祉職は二人を引き離し、Jさんを個室に連れて行って対応した。作業終了後、同居している家族にJさんの出来事を伝えた。家族はJさんに、「どうしてそんなことをするの。いつもだめなことばかりして」とイライラした口調で叱った。

問題 Jさんを個室に連れて行ったときの,介護福祉職のJさんに対する最初の言葉かけとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

1 「人を叩たたくのは許されません」
2 「相手の気持ちを想像しましょう」
3 「自分のしたことを反省しましょう」
4 「ここで話をしましょう」
5 「なぜ叩たたいてしまったのですか」

(解答は4)

この問題は、自閉症の方へのコミュニケーションの理解が問われる問題です。

自閉症の障害特性を踏まえたコミュニケーションの理解が必要であり、この問題の場面では、利用者に対して抽象的ではなく具体的に伝えることが必要です。

また、事例の中の「他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解は苦手」、「社会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しい」との説明もヒントとなります。

まずは、テキストに記載されているコミュニケーション技法や、利用者の特性にあわせたコミュニケーションなどの基本的な内容を理解してから、問題集を解くようにしましょう。

「人間関係とコミュニケーション」と関連させて勉強する

「人間関係とコミュニケーション」は、「コミュニケーション技術」ととても関連性のある科目なので、関連させて勉強した方が効率的です。

なぜなら、「人間関係とコミュニケーション」は、コミュニケーションを学べるだけではなく、その対象となる「人間」についても学べる科目だからです。

例えるなら、「人間関係とコミュニケーション」が基本だとしたら、「コミュニケーション技術」は実践といえます。

そのため、「人間関係とコミュニケーション」を勉強し終えてから、「コミュニケーション技術」を勉強した方が効率的に勉強できます。

関連コラム:【介護福祉士国家試験】「人間関係とコミュニケーション」の基本情報と勉強法

関連コラム:【科目別】介護福祉士国家試験問題の出題傾向と勉強の優先度

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この記事の監修者 遠藤 愛 講師

遠藤 愛 講師

全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。

現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。

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