介護福祉士を取得して経験を重ねたら、次のステップとしてケアマネジャー(介護支援専門員)を目指す方も多くいます。

しかし介護福祉士とケアマネジャーの業務内容は異なります。

今回は介護福祉士とケアマネジャーの兼務で業務をする場合と、ケアマネジャーに転職する場合のメリット・デメリットを紹介していきます。

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介護福祉士からのステップアップ

まずはじめに介護福祉士からケアマネジャーを目指す方はどれくらいいるのでしょうか。

第24回試験の合格者構成比率を見てみると、介護福祉士が60.7%とずば抜けて多く、半数以上を占めているのがわかります。

次いで多いのが看護師・准看護師ですが、16.8%と差がついているのをみても一目瞭然です。

仕事の違いを見ても、介護福祉士は身体を使って現場で介護を提供しています。

ケアマネジャーの仕事内容を見るとケアプランの作成が主になりますので、直接介護を提供することではありません。

また介護福祉士からケアマネジャーへステップアップすることで、

  • 多職種を上手にまとめるコミュニケーション能力
  • 利用者の現状を見定めるアセスメント能力

といった力が強く求められます。

関連コラム:ケアマネジャーとは?仕事内容や役割、働く場所について詳しく紹介!

「ケアマネジャーと介護業務を兼務」するのと「ケアマネジャーに転職」するのはどちらがよい?

それでは、介護福祉士とケアマネジャーを兼務して業務を行う場合とケアマネジャーへ完全に転職する場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。

介護福祉士と兼務で働く場合のメリット

ケアマネージャーと介護福祉士を兼務で働く場合のメリットについて見ていきましょう。

メリット1 情報収集を自分でできる

ケアマネジャーとしての仕事はケアプランを立てることです。

通常だとケアマネジャーはケアには入らず、各専門職から状態報告を受けて必要な情報を整理し、必要な支援を受けられるように調整していきます。

ケアマネジャーは最低でも月に1回会って状態確認が必要ですが、お風呂に入っている様子や着替えている様子、排泄行動の様子などは全て報告になります。

ケアプランを考えるときに必要なのが「情報」です。

介護福祉士としてケアを行っていると、実際に自分の目で利用者を見ることができます。

その分正確な情報を得ることができるでしょう

メリット2 夜勤手当がもらえる

施設だと夜勤をすることもあり得ます。

夜勤をすれば夜勤手当が給与に上乗せされるため、収入は増加しやすいです。

2020年の介護施設夜勤実態調査結果では入所施設での正規職員平均夜勤手当額は1回あたり6632円となっています。

さきほどの情報を得ることができることと繋がりますが、夜間の利用者の状態を間近に見られるのはアセスメントする上で、とても大切な情報源になります。

介護業務にやりがいを感じながら、ケアマネジャーの仕事を覚えることもできます。

関連コラム:ケアマネジャーの年収はどれくらい?介護職からの給料アップについて解説

介護福祉士と兼務で働く場合のデメリット

続いて、介護福祉士と兼務で働く場合のデメリットについて見ていきましょう。

デメリット1 業務量が増える

介護福祉士として現場に出ながらケアマネジャーの仕事をする最大のデメリットとしては、業務量が増えることです。

介護福祉士として働いているときには、利用者のケアを中心に行います。

しかしケアマネジャーと兼務となると、ケアプランの作成という業務が入ってきます。

ケアプランの作成にはアセスメントをし、計画を立て、実際に行われた援助を再びアセスメントするという作業が必要になります。

また介護度が変更になったり、利用者の入退所などがあった場合には担当者会議などを行わなければ行けません。

介護の仕事はただでさえ多忙な上に、ケアマネジャーの仕事が入ってきます。

兼務する場合にはしっかりと上司と相談し、体調を崩さないように気をつけましょう。

兼務でもケアマネジャーの仕事を時間内でさせてもらえるようにし、業務を終えることができる環境が整えば、スキルアップできるいい経験になるでしょう。

ケアマネジャーへ転職するメリット

ケアマネージャーへ転職するメリットは2つあります。

メリット1 夜勤をせずに収入がアップする可能性がある

ケアマネジャーに転職すると、目に見えてうれしいのは給与が上がることです。

ケアマネジャーの平均月収は約21万円なのに対し、介護福祉士の給与は平均月収は約18万円です。

ケアマネジャーは基礎資格(受験資格に該当する国家資格)が必要なため、その上級資格として位置づけられています。

介護福祉士は処遇改善などで賃金アップが図られていると言えども、十分な金額ではないでしょう。

メリット2 タイムマネジメントができる

ケアマネジャーは自分で一日のスケジュールを組むことになります。

時間に縛られることなく、自分の裁量で動けるようになるのでタイムマネジメント力を養うこともできるでしょう。

自分が抱える仕事量やリズムなどを調節できるので、自分にあった働き方ができるのも魅力の一つです。

しかし利用者が増えてくるとタイムマネジメント力が一層必要になり、一歩間違えれば疲弊するため注意が必要です。

ケアマネジャーへ転職するデメリット

ケアマネージャーに転職デメリットについても2つあります。

デメリット1 介護現場から離れてしまう

利用者の直接的なケアとは少し離れてしまいます。

前項でも話したように、ケアマネジャーはケアプランを作成するのが主な仕事です。

ゆっくり関わって介護をしたい、やりがいを感じたい方には少しさみしい気持ちになるでしょう。

ケアをするのは実際に現場に出ているヘルパーさんや訪問看護師さんになります。

事務仕事も増えてくるので、介護業務をしっかりおこないたいという方にはデメリットとなりえます。

デメリット2 夜勤手当が多い場合は総支給額が下がる可能性がある

ケアマネジャーの仕事には夜勤がありません。

そのため、これまで夜勤回数を多くこなしていた方は総支給額が下がってしまう可能性があります。


関連コラム:介護福祉士とは?仕事内容、働く場所、なり方を紹介

まとめ

以上、介護福祉士がケアマネ資格を取得してステップアップを目指す場合「介護福祉士と兼務」と「ケアマネとして転職」どちらが良いかを見てきました。

それぞれメリット・デメリットがある中、結論としては以下のようにまとめることができます。

兼務転職
メリット・情報収拾を自分でできる
・夜勤手当がもらえる
・夜勤をせずに収入がアップする可能性
・タイムマネジメントができる
デメリット・業務量が増える・介護現場から離れてしまう
・夜勤手当が多い場合は総支給額が下がる可能性がある

何を重視するかは個々人の価値観や置かれた状況などによって異なります。自分の場合のメリット・デメリットを考慮して結論を下しましょう。

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この記事の「監修者」遠藤 愛 講師


遠藤 愛 講師


全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。

現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。

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