個人の財務状況や将来設計に基づき、包括的な財務計画を立案するファイナンシャルプランナー(以後FP)。

急速な高齢化によって需要が伸びている職種です。

これからFPを目指す方で次のような悩み・疑問を抱えている人は多いのではないでしょうか。

「きついと言われるFPの仕事。自分がやっていけるのか不安。」

「FPは大変と言われるが、どんな点がきついのか?」

「FPに向いている人ってどんな人?」

このコラムでは、以下の項目について解説していきます。

  • FPの仕事がきつい理由
  • FPになるメリット
  • FPのやりがい
  • FPに向いている人の特徴

FPに興味のある方、FP資格でキャリアアップを考えている方は参考にしていただければ幸いです。

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ファイナンシャルプランナーの仕事がきつい5つの理由

ファイナンシャルプランナーの仕事がきつい理由は、金融・税法・年金制度・各種保険・不動産・住宅ローンなどの幅広い専門知識が必要となる仕事だからです。

そのため、一般的には精神面・体力面ともにきついと言われています。

FPの仕事がきつい理由は以下の5つ。

  • 金融商品を売り続けなくてはいけない
  • 営業のノルマがきつい
  • 顧客との信頼を築く必要がある
  • 最新の金融情報を収集する必要がある
  • 独立のハードルが高い

金融商品を売り続けなくてはいけない

日本のFPは相談業務だけなく、金融商品を売り続けなくてはいけないため、きついと感じる人が多いのです。

欧米諸国では、FPは弁護士や公認会計士のように社会的地位の高い専門家で、「人生設計のサポーター」としてなくてはならない存在。

そのため資産運用の相談業務で、十分な収入を得ることが可能なのです。

それに対して日本では、FPに相談する文化がなく、相談業務のみで利益を出すことは難しい状況です。

顧客のライフプランに適した、生命保険・投資信託・不動産などの金融商品を紹介、販売することで得られる仲介手数料が大きな収入源となっています。

日本のFP生命保険や医療保険など保険に関するサポートがメイン
欧米のFP資産戦略や資産配分のアドバイス・サポートに重点を置く

なおFPが取り扱う金融商品には以下のようなものがあります。

銀行業界で働くFP投資信託・保険商品(貯蓄型保険)など
保険業界で働くFP生命保険・医療保険・年金保険・損害保険・投資型積立保険などの保険商品
不動産業界で働くFP物件・賃貸契約・住宅ローン・不動産投資信託(REIT)など
証券会社で働くFP株・投資信託など

日本においては、金融商品の販売もFPの重要な仕事ですので、FPは高い営業能力はもちろん、保険や投資に関する最新の知識を身につけることが必要です。

営業のノルマがきつい

先にも述べたように、FPの仕事は営業がメインです。

新規顧客を増やし、既存顧客からの信頼を得続けるには、次のような営業方法を展開し、雇用先あるいは自身で定めた営業ノルマを達成し続ける必要があります

そのため、自ら営業して新規顧客を開拓しなくてはなりません。

企業に属して働く場合も、独立企業した場合も同様に積極的な営業が必須です。

  • 直接営業・・・顧客のニーズに基づき、財務プランや商品・サービスの紹介を訪問して対面で行います。
  • 紹介営業・・・既存の顧客との信頼関係を構築した上で、新しい顧客を紹介してもらう。
  • オンライン営業・・・個人ブログ・SNS・コーポレートサイトでFPとしてのスキルの高さ・実績内容等をアピールする。

FPは、常にさまざまな方法で営業をかけながら、金融商品(保険や投資信託など)を売り続ける仕事とも言えます。

顧客との信頼を築く必要がある

投資信託・株式・保険・不動産などの金融商品を売るには、顧客との信頼関係を築く必要があります

顧客の人生設計に必要と思われる金融商品を紹介する場合でも、顧客からの信頼がない場合は単なる売り込みと思われ、嫌われてしまうこともあるでしょう。

顧客の資産管理・運用を左右する金融商品の営業を成功させるには、顧客の元へ足を運び、じっくり話を聞くことです。

目標やニーズを聞き、顧客の利益を最優先に考えている姿勢を見せることで信頼を得られるでしょう。

金融・税制などの高度な専門知識と合わせて、傾聴力・コミュニケーション能力の高さもFPには求められます

最新の金融情報を収集する必要がある

金融商品を販売するためには、新しく開発、販売された金融商品の情報を収集し、提案する必要があります

FPとしてのスキルの高さ・情報収集力の高さをアピールするためにも、最新の金融情報を把握しておかなくてはなりません。

常日頃から市場動向・トレンドをチェックし、投資商品や保険プランなどの知識をアップデートし続けることが求められます。

顧客に最適なアドバイスをするために、法律・規制等の変更や税制改正にも注意を払う必要があるため、FPの仕事は日常的な勉強が必要となるでしょう

独立のハードルが高い

FPは資格取得者が多く、司法書士や社会保険労務士などと違い独占業務がありません。

そのため、独占業務がないFPは、独立して生計を立てるのはハードルが高いのです。

FPでの実務経験がない方、営業能力に自信がない方は、企業に就職して企業内FPとして働く方が安定した収入が見込めます。

独立したFPが稼ぎにくい理由、独立のハードルが高い理由として以下の2点が挙げられます。

  • 収入源の確保が難しい
  • 個人の力での集客が難しい

収入源の確保が難しい

独立したFPは、顧客との繋がりがないため、いきなり収入源を確保するのは難しいでしょう

独立系FPの主な収入源は以下のとおり。

  • 生命保険・損害保険など金融商品の販売による手数料
  • 投資・保険・財産管理などのライフプランニングの相談料
  • 資産運用セミナーやWEBメディアへの寄稿で得られる講演料・執筆料

これらの収入源の確保には、金融資産・税金・相続などに関する豊富な専門知識が必要なのはもちろん、高い営業力・コミュニケーション能力・人脈が必須となります。

個人の力での集客が難しい

企業とは違い、個人の力で集客するのは難しく、独立のハードルが高くなります

FPとしてのスキルの高さ、自分の得意分野を多くの人に知ってもらうためには、自分に合った集客方法を見つけることです。

次のような集客方法があります。

  • 友人・知人への直接営業
  • 紹介営業
  • SNS
  • ホームページ
  • WEBセミナー

あらかじめ顧客獲得のための集客方法を考えておくことと、人脈の確保が独立成功のカギです。

きついだけじゃない!ファイナンシャルプランナーになるメリット3選

前章でFPがきつい理由を解説しましたが、FPになるメリットもあります。

専門的な知識を向上させることでキャリアアップに繋がったり、顧客のライフプランニングをサポートすることで得られる自己有用感が実感できたり、FPとして働くメリット、やりがいは多いです

ここではFPになる以下3つのメリットについて解説します。

  • 役立つ業界が多い
  • 売り上げ次第では自由度が高い仕事
  • 仕事以外に日常生活にも役立つ

役立つ業界が多い

FPは役立つ業界が多く汎用性が高い資格です

FPは、以下のお金に関する専門的な知識が求められる業界で役に立ちます。

  • 金融業界
  • 保険業界
  • 不動産業界
  • 税理士
  • コンサルティング業界

また上記の業種への就職・転職にも有利に働く可能性が高いのです

特に実務経験がある場合は、専門知識+業界理解があると見なされ、採用されやすいでしょう。

FPになることで以下の能力が養われ、転職・就職市場での価値も上がります。

  • 顧客対応力
  • コミュニケーション能力
  • 営業力
  • 分析能力
  • 金融商品や投資戦略に関する知識
  • 各業界の法律・規制・倫理規定の理解

売り上げ次第では自由度が高い仕事

FPは成果主義の仕事のため、売り上げが取れていれば、自由度は高くワークライフバランスが取れる仕事です。

インセンティブを設けている会社が多く、業績や顧客獲得に応じてボーナス・手当が支給されることがあります

また営業成績や新規顧客数によっては、インセンティブが増額されることも。

ただ、売り上げが取れない場合は、顧客との面談時間(営業を伴う)や金融・投資商品の勉強時間を多くとることもあるので、残業時間が多くなることも考えられます。

ファイナンシャルプランナーの年収は?

国税庁が実施した「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省」によると、「金融業 保険業」の平均年収は、780.9万円

ただしFPの平均年収を公表している公的な賃金調査は存在しません。

参考としてFPが就業することの多い金融保険業の平均年収を見ていきます。

月収と賞与は以下の通り。

給与月額50.79万円
年間賞与171.3万円
合計約780.9万円

日本のサラリーマンの平均年収は約458万円ですので、ファイナンシャルプランナーの推定平均年収は、サラリーマン平均年収を200万円以上も上回っています。

FPの年収には男女差がある

FPの年収は男女差が大きいのが特徴です。

男性FPの平均年収は約851万円ですが、女性FPの平均年収は約603万円と約250万円の差があります。

ただ、この数値には、銀行や保険業界などさまざまな企業や待遇で働くFPがすべて含まれています。あくまでも目安として参照ください。

いずれにせよFPとして働く業界は、他業種と比較して年収が高いと言えるでしょう

仕事以外にも日常生活に役立つ

FPの資格や実務経験は、お金に関しての知識が身につくため、仕事以外にも日常生活に役に立ちます

金銭的な不安が解消することで、将来の見通しも立てやすくなるでしょう。

FPの資格・職歴が日常生活に活かせる例は次の通りです。

資産管理FPの知識を活用して、家計・個人の資産を最適化することで、前向きなライフプランニングができます。
投資リスクの回避投資に関する専門知識があることで、適切な投資先を選択して、リスク管理しながら収益を最大化することができます。
家計の正確な税務計画税制に詳しくなることで、税金の払いすぎ、申告漏れを防ぐことで、効果的な税務計画を立てられるでしょう。
身近な人の保険選びをサポートできる金融・保険業界での知識や経験があるので、様々な保険商品のメリット・デメリットを踏まえたアドバイスができます。

投資を始めるきっかけにもなる

FPの資格取得の勉強やFPとしての実務経験は、投資をはじめ、将来の資産形成するきっかけになります

投資によって将来的な資産を増やし、今後の経済的安定を確保するためには、リスク管理による資産の保護が重要です。

FPが持つ投資に関する専門知識は、投資を始める際の不安や疑問を解消するのに役立ちます。

FPの資格・職歴が投資を始めるきっかけとなる理由は次の通りです。

  • 自分の持つ専門知識によって投資への不安・疑問を解消できる
  • 個人の資産状況・目標に応じた投資戦略を立てられる
  • 投資リスクを見越して、長期的な財務目標を計画できる

このようにFPの資格・経験は投資を始める際の自信を高め、将来の金銭的なリスクを軽減できるきっかけになるでしょう。

FPになるメリットをより詳しく知りたい方には次のコラムを参考にしてみてください。

ファイナンシャルプランナーのやりがいは3つ

様々な職種の方とかかわり、人生に必要なお金の知識を学び続けるFPの仕事は、変化や学びの多くやりがいのあるものです。

代表的なFPのやりがいは以下の3つ。

  • 相談者から頼りにされる
  • 活躍できる場面が多い
  • 自分の家族の役にも立てる

順番に解説します。

相談者から頼りにされる

身近なお金の相談者として、顧客から直接感謝されたり、頼りにされたりすることが多いのでやりがいを感じるでしょう。

FPは顧客の財務的な目標を実現するために助言・サポートをします。的確なアドバイスや金融商品を紹介することで、顧客は将来の不安を減らし、安定した財務状況を築けるのです。

常に金融市場や税制の変化をチェックして、顧客のニーズに最適なソリューションを提供する「家計の専門家」がFPです。

活躍できる場面が多い

FPは様々な分野で活躍できるため、多くの企業や人と携わることが多く、やりがいに感じられます

FPが活躍できる場面の例をいくつか挙げてみました。

銀行・証券会社・投資信託会社などの金融機関顧客に金融商品やサービスに関するアドバイスを行い、財務目標の達成をサポートします。
保険会社顧客の要望・財務目標に応じた保険商品を提案し、ライフステージごとのリスク管理を行います。
企業内コンサルタント企業・組織等の内部で、従業員の財務教育係・老後資金計画のコンサルタントとして従事します。
教育機関大学や専門学校などの教育機関でファイナンシャルプランニングに関するセミナーの講師として勤務します。

自分の家族の役にも立てる

FPで得た知識は、仕事だけでなく実生活にも役立つので、親や妻、子供などの役に立てるのもやりがいのひとつです

家族の財務計画を立てるために、適切な予算管理や投資戦略を提案できるので、家計の健全性を保つことにも繋がります。

また親子・夫婦だからこそできる保険ニーズ喚起で、最適な保険商品を選択できるでしょう。

専門知識を活かした、効率の良い退職貯蓄計画の提案・年金受給の最適化のアドバイスなど、老後の安定した生活のための提案もできます。

さらにFPであることで、相続税や遺産分割に関する計画をサポートできるので、家族間の相続トラブルも事前に回避できるのです。

ファイナンシャルプランナーに向いている人の9つの特徴

FPに向いている人の特徴は以下の9つあります。

  • 営業力がある
  • コミュニケーション能力が高い
  • 数字やデータを取り扱うのが得意
  • 勉強するのが好き
  • 仕事をするのが好き
  • 交友関係が広い
  • 体力がある
  • 仕事内容を日常生活にも活かしたい
  • ノルマが達成できる

5つ以上当てはまる人は、FPに向いていると言えるでしょう。

ファイナンシャルプランナーとして成功するためには、顧客とのコミュニケーションが何より重要です。

資産運用・保険・税金などの専門知識の習得も大切ですが、顧客の財務状況を分析し、適切なプランニングやアドバイスを行うためには、高いコミュニケーション能力が求められます

また、複雑なデータ・情報を理解し、分析する能力もFPには必須です。小さな見誤り、計算ミスが顧客に多大な損害を及ぼすことに繋がるでしょう。

FPの仕事は、複数の顧客との取引を日常業務と並行して行わなくてはなりません。

そのため心身ともにタフであることが望ましいのです。時間管理・ストレス管理もFPの仕事のうちですので、自己管理能力の高い人がFPに向いています。

ファイナンシャルプランナーに向いている人は資格を取得しよう!

FPの資格がなくても、ファイナンシャルプランニング業務を行うことは可能です。

しかし、起業系FP・独立系FPのどちらを目指すにせよ、FP資格を取得した方が、活動がしやすく、顧客獲得もしやすいでしょう

実際にFPとして活躍されている方の多くがFP資格取得者です。

ファイナンシャルプランナーの資格は以下の3種類です。

  • 国家資格:1級~3級ファイナンシャル・プランニング技能士(以下FP技能士)
  • 民間資格(日本FP協会認定):AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャルプランナー)
  • 民間資格(日本FP協会認定):CFP(サーティファイド ファイナンシャルプランナー)

1級~3級FP技能士

FP技能士は国家資格で、1級〜3級の等級があります。

FPを目指す場合、まずは3級FP技能士の合格を目指しましょう。各級の受検資格は以下の通りです。

等級受験資格
3級FP技能士FPを目指す方なら誰でも受検可能
2級FP技能士3級の合格等が必要(3級取得が条件)
実務レベルの知識を有していることが証明されます。
1級FP技能士5年以上の実務経験
学科合格率10%前後の難関資格です。

AFP・CFP

AFPとCFPは民間資格ですが、認定は国家資格FP技能士検定試験を実施している「日本FP協会」がおこなっています。

AFPは国内資格ですが、上位資格のCFPは世界27カ国・地域で通用する国際資格です。(2023年12月末現在)

それぞれの認定要件・難易度は下表を参照ください。

認定要件難易度
AFP(国内資格)以下すべて満たすこと・2級FP技能士に合格
・AFP認定研修の修了
2級FP技能士程
CFP(国際資格)以下のすべてを満たすこと・AFP認定者
・CFP®資格審査試験の合格
・CFP®エントリー研修修了
・3年以上の実務経験
1級FP技能士程

未経験からFPを目指す場合、まずは3級FP技能士の資格取得が必須となります。

FPになるための資格の種類について、より詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてみてください。

履歴書にかけるのは2級から

FPとして履歴書に書くのは2級FP技能士からが望ましいとされています

近年の3級学科試験の合格率は80%超えで、難易度が低いのです。

そのため、FPスキルの高さをアピールするためには、3級では足りないでしょう。

2級の学科試験の合格率は30%〜50%前後ですので、履歴書に書くなら2級からが無難です。

FPの基礎知識を習得し、2級以上の受験資格を得るために、まずは3級FP技能士の取得が必要です。

履歴書にFP資格として書くために、将来的には2級合格を目指しましょう

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FPは顧客の財務計画・投資・保険・相続に関する総合的なサポートを行うお金の専門家です。

営業力やコミュニケーション能力が求められ、金融市場や税制などの変化に対応するための勉強も必要なため、きついと言われることもあります。

ただ顧客の財務的な安定・ライフプラン実現の支援を行うことで、社会貢献もできるやりがいのある仕事であることは間違いありません。

また、FPの資格や職歴があることは、法律・税制・投資・保険についての専門的な知識がある証明となるため、就職・転職にも有利です。

FP資格の勉強は独学でも可能ですが、効率的な学習で短期合格を目指すなら通信講座が良いでしょう。自由な時間に学べるので、社会人・学生・子育て中などで忙しい方でも、自分のペースで学習が進められます。

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