筑波大学の総合型選抜は、アドミッションセンター入試・研究型人材入試・国際科学オリンピック特別入試の3種類です。

アドミッションセンター入試は、AC入試とも呼ばれます。

2026年度は3入試を合わせて志願349名・合格38名で、このうち志願343名・合格36名がAC入試でした。

AC入試は書類と面接で選ぶ自己推薦型で、出願資格に研究や大会の実績の条件を設けていません。

一方、研究型人材入試と国際科学オリンピック特別入試は、科学コンテストや研究の実績を出願の要件としている入試です。

本記事では、筑波大学の総合型選抜3種類の違いと学類ごとの倍率、出願条件と選抜方法を解説します。

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筑波大学の総合型選抜(旧AO入試)の基本情報

筑波大学の総合型選抜は3つの入試の総称で、名前の似た「総合選抜」とは別の入試です。

総合選抜は一般選抜の前期日程にある選抜区分で、文系と理系Ⅰ〜Ⅲの4つに分かれています。

大学入学共通テストと個別学力検査等の得点で合格者を決めるため、書類と面接が中心の総合型選抜とは試験の中身が違います。

3種類の総合型選抜と実施学群・学類、学類ごとの倍率、日程についての解説です。

3種類の総合型選抜

筑波大学の総合型選抜は、次の3種類です。

  • アドミッションセンター入試:8つの学類・専門学群で実施する自己推薦型の入試
  • 研究型人材入試:医学類が研究者を目指す人を対象に行う入試
  • 国際科学オリンピック特別入試:3学類が科学オリンピックの成績を出願要件とする入試

AC入試では、これまでの取り組みとこれからやりたいことを自己推薦書で示します。

その自己推薦書をもとに、面接・口述試験で多面的に評価する仕組みです。

研究型人材入試は、自ら見つけた自然科学の課題に継続して取り組んで得た成果を評価します。

国際科学オリンピック特別入試の対象は、科学オリンピックの日本代表や代表選考で一定の成績を収めた人です。

国際バカロレア特別入試などは大学が「グローバル選抜」に分類しているため、ここには含めていません。

実施している学群・学類

筑波大学の総合型選抜を実施しているのは、5つの学群の9学類と、体育専門学群です。

  • 人文・文化学群 人文学類:AC入試
  • 人文・文化学群 比較文化学類:AC入試
  • 人文・文化学群 日本語・日本文化学類:AC入試
  • 生命環境学群 生物学類:AC入試
  • 理工学群 化学類:国際科学オリンピック特別入試
  • 情報学群 情報科学類:AC入試と国際科学オリンピック特別入試
  • 情報学群 情報メディア創成学類:AC入試と国際科学オリンピック特別入試
  • 情報学群 知識情報・図書館学類:AC入試
  • 医学群 医学類:研究型人材入試
  • 体育専門学群:AC入試

2027年度の募集人員はAC入試が合計42名で、研究型人材入試と国際科学オリンピック特別入試は若干名です。

社会・国際学群と人間学群、芸術専門学群では、3種類とも実施していません。

学類ごとの倍率

筑波大学の総合型選抜で2026年度に倍率が最も高かったのは、AC入試の生物学類です。

生物学類は志願33名・合格2名で、倍率は16.5倍でした。

次いで高いのは日本語・日本文化学類の16.0倍で、志願32名・合格2名です。

倍率を算出できた入試のうち最も低いのは、国際科学オリンピック特別入試の情報科学類の1.0倍(志願1名・合格1名)です。

入試(2026年度)学群・学類志願者数合格者数倍率
AC入試人文学類33名4名8.3倍
AC入試比較文化学類47名5名9.4倍
AC入試日本語・日本文化学類32名2名16.0倍
AC入試生物学類33名2名16.5倍
AC入試情報科学類49名7名7.0倍
AC入試情報メディア創成学類28名3名9.3倍
AC入試知識情報・図書館学類27名5名5.4倍
AC入試体育専門学群94名8名11.8倍
研究型人材入試医学類3名0名―
国際科学オリンピック特別入試化学類2名1名2.0倍
国際科学オリンピック特別入試情報科学類1名1名1.0倍
国際科学オリンピック特別入試情報メディア創成学類0名0名―

AC入試全体では志願343名・合格36名で、倍率は9.5倍でした。

研究型人材入試は志願3名に対して合格者が出ませんでした。

国際科学オリンピック特別入試の情報メディア創成学類には、志願者がいませんでした。

AC入試の合格者36名は、2026年度の募集人員42名より少ない人数です。

AC入試の募集要項は、合格者にふさわしい志願者がいないと判断した場合、募集人員どおりに合格者を決めないとしています。

その人員は、個別学力検査等の募集人員で充足されます。

試験日と出願期間

筑波大学の総合型選抜は3種類とも、出願期間が2026年9月1日〜3日の3日間です。

入試(2027年度)出願期間試験日
アドミッションセンター入試2026年9月1日〜3日2026年10月7日〜19日(第2次選考)
研究型人材入試2026年9月1日〜3日2026年10月7日〜20日(第2次選考)
国際科学オリンピック特別入試2026年9月1日〜3日2026年10月7日〜15日

AC入試の第2次選考は学類ごとに日が決まっていて、最も早いのは生物学類と情報メディア創成学類の10月7日です。

最後になる体育専門学群は10月19日に行われます。

3入試ともインターネットでの出願登録が2026年8月6日に始まり、登録を済ませてから書類を提出します。

研究型人材入試は、第2次選考の合格者が2027年1月の共通テストを受け、原則その得点で最終合格が決まる入試です。

参考:筑波大学|入試日程と募集要項
参考:筑波大学|入学試験実施結果

筑波大学の総合型選抜(旧AO入試)の出願条件

筑波大学の総合型選抜は3種類とも、出願資格に評定平均値の基準がありません。

AC入試は出願資格に実績の条件がない自己推薦型で、研究型人材入試と国際科学オリンピック特別入試は実績が出願の条件です。

3種類は互いに併願できず、国際バカロレア特別入試や海外教育プログラム特別入試とも併願できません。

それぞれ入試ごとの具体的な出願条件について解説します。

アドミッションセンター入試の出願条件

筑波大学のアドミッションセンター入試に出願できるのは、高校を卒業した人と2027年3月に卒業する見込みの人などです。

AC入試は高校卒業予定者だけでなく、既卒者や高校を卒業してから何年か社会で活躍した人も対象としています。

自己推薦型の入試のため、出願に学校長の推薦は要りません。

ただし、体育専門学群に出願する人は、合格した場合に入学することを確約できることが条件です。

どの学類でも、AC入試に合格して入学手続きを済ませた人は、筑波大学と他の国公立大学の個別学力検査等の合格者になれません。

特別の事情で入学を辞退した場合は、この制限を受けません。

AC入試の出願書類の中心は、本文の様式と枚数が自由な自己推薦書と、800字以内の志願理由書です。

研究型人材入試の出願条件

筑波大学の研究型人材入試は医学類の入試で、出願には次の4つの条件を満たすことが必要です。

  • 高校の卒業か、2027年3月の卒業見込み(同等の資格を含む)
  • 高校に相当する期間の研究や科学コンテストの実績
  • 2027年度の大学入学共通テストで、大学が指定する教科・科目を受験できること
  • 英語資格・検定試験の受験(やむを得ない事情で受験できなかった場合も出願可)

実績として認められるのは、日本学生科学賞や高校生科学技術チャレンジの最終審査への選出などです。

「科学の芽」賞では、「科学の芽」賞または「科学の芽」奨励賞以上の受賞が対象になります。

数学・物理・化学・生物学の国際科学オリンピックは、日本代表か国内本選の銀賞以上が基準です。

ただし日本数学オリンピックはAAランク以上、化学グランプリは金賞以上が求められます。

国際科学オリンピックや科学の甲子園の実績で出願する場合は、理系の研究を行ったことも条件です。

学術論文の執筆・発表も対象になり、グループ研究では中心となって研究を進めた1名だけが出願できます。

英語資格・検定試験は、4技能すべてのスコアが載った合格証明書か成績証明書を提出します。

国際科学オリンピック特別入試の出願条件

筑波大学の国際科学オリンピック特別入試は、過去3年間の科学オリンピックでの成績が出願の条件です。

学類(2027年度)出願要件
理工学群 化学類過去3年間に国際化学オリンピックの日本代表に選抜、または化学グランプリの1次選考を通過して2次選考に参加
情報学群 情報科学類過去3年間に日本情報オリンピック本選でAランク
情報学群 情報メディア創成学類過去3年間に日本情報オリンピック本選でAランク

出願期間の前日までに要件を満たし、各オリンピック委員会が発行する賞状や成績証明書を提出できることが必要です。

情報科学類は2027年度から、未踏IT人材発掘・育成事業に採択された人が要件から外れました。

日本情報オリンピックの女性部門本選のAランクは、この入試の要件に含まれません。

参考:筑波大学|入試日程と募集要項

筑波大学の総合型選抜(旧AO入試)の選抜方法

筑波大学の総合型選抜は3種類とも、書類と面接を中心に選抜します。

AC入試と国際科学オリンピック特別入試に筆記の試験はなく、筆記があるのは研究型人材入試の適性試験だけです。

大学入学共通テストを課すのも研究型人材入試だけで、最終選考では原則として得点の基準を満たす必要があります。

それぞれ入試ごとの具体的な選抜方法について解説します。

アドミッションセンター入試の選抜方法

筑波大学のアドミッションセンター入試は、第1次選考の書類選考と、第2次選考の面接・口述試験の2段階です。

第1次選考では、自己推薦書(本文、活動経過報告書と根拠となる添付資料)と志願理由書が特に重視されます。

第2次選考は、30分程度の個別の面接・口述試験です。

面接では、自己推薦書などの内容と、志願する学群・学類で学ぶための学習適応性が問われます。

AC入試全体の評価方針は、最近2年間以上の主体的で継続的な取り組みから問題解決能力を見ることです。

2026年度は志願343名のうち、第2次選考を受験したのは69名で、志願者の約2割でした。

研究型人材入試の選抜方法

筑波大学の研究型人材入試は、書類による第1次選考、適性試験と面接・口述試験による第2次選考に分かれます。

そのあとに、大学入学共通テストによる最終選考があります。

第1次選考は、研究レポートなどから研究の成果や研究への主体性と継続性、大学で学ぶための適応性を評価する選考です。

第2次選考の適性試験は60分の筆記試験で、適応力や学習意欲、人間性などを見るものです。

面接・口述試験は30〜40分程度で、10分程度のポスターを用いたプレゼンテーションを含みます。

最終選考で合格者となるのは、大学が指定する教科・科目の総合点と数学・理科の合計点が原則8割以上の人です。

ただし第1次と第2次の選考成績が優秀な場合は、最終選考を免除することがあります。

具体的な点数や条件は、第2次選考合格者への通知で示されます。

国際科学オリンピック特別入試の選抜方法

筑波大学の国際科学オリンピック特別入試は、エントリーシートに基づく15分程度の個別面接と提出資料で合否を判定します。

エントリーシートは、志望動機や将来の目標、入学後に学びたい内容などを本人がまとめる書類です。

作成方法は、手書きとPCのどちらでも構いません。

面接で重視されるのは、明確な目標を持って学ぶ意欲や計画的に学ぶ意欲です。

志願する学類での学習に必要な適応性として、学習能力・知識・意欲も問われます。

学類ごとの方針では、化学類は計画的に学ぶ意欲を、情報系の2学類は計画的に学ぶ能力を評価します。

提出資料は出願要件を証明する書類が中心で、国際科学オリンピックに関する成績も、あれば提出の対象です。

参考:筑波大学|入試日程と募集要項
参考:筑波大学|入学試験実施結果

まとめ

筑波大学の総合型選抜は、AC入試・研究型人材入試・国際科学オリンピック特別入試の3種類です。

実績の条件がないのはAC入試だけで、ほかの2つは研究や科学オリンピックの実績が出願の条件です。

評定平均値の基準は3種類ともなく、大学入学共通テストは研究型人材入試だけが課します。

3種類は互いに併願できません。

AC入試は2026年度、第2次選考を受験したのが志願343名のうち69名で、約2割でした。

最近2年間以上の取り組みを、根拠となる資料とあわせて自己推薦書にまとめることから準備を始めてください。

出願資格や試験内容は入試の種類ごとに違うため、志望先の募集要項を筑波大学の公式サイトで確認してください。

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