弘前大学の総合型選抜は、大学入学共通テストを課さない総合型選抜Ⅰと、課す総合型選抜Ⅱの2方式です。

総合型選抜Ⅰは人文社会科学部・教育学部・理工学部・農学生命科学部で実施します。

総合型選抜Ⅱを実施するのは、教育学部と医学部です。

2027年度の募集人員は総合型選抜Ⅰが270人で、総合型選抜Ⅱは166人です。

2026年度は2方式あわせて志願791名に対し、合格者は443名でした。

どちらも教科・科目の個別学力試験は行わず、学部ごとの試験と個人面接で判定し、総合型選抜Ⅱは共通テストも合わせます。

本記事では、弘前大学の総合型選抜の2方式・学科ごとの倍率・出願条件・選抜方法・過去問を解説します。

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弘前大学の総合型選抜(旧AO入試)の基本情報

弘前大学の総合型選抜(旧AO入試)の基本情報

弘前大学の総合型選抜は共通テストの有無で2方式に分かれ、どちらも教科・科目の個別学力試験は行いません。

2方式の違い・実施学部・学科ごとの倍率・日程を紹介します。

総合型選抜Ⅰと総合型選抜Ⅱの2方式

弘前大学の総合型選抜は、大学入学共通テストを課すかどうかで次の2方式に分かれます。

  • 総合型選抜Ⅰ:共通テストを課さない方式で、2027年度は270人を募集
  • 総合型選抜Ⅱ:共通テストを課す方式で、2027年度は166人を募集

総合型選抜Ⅰは、小論文・講義後のレポート・実技のいずれかと個人面接で判定する方式です。

総合型選抜Ⅱでは、集団討論・総合論述・小論文のいずれかと個人面接に、共通テストの得点を加えます。

出願書類も採点するのは、総合型選抜Ⅰの人文社会科学部と、総合型選抜Ⅱの教育学部・医学部保健学科です。

総合型選抜Ⅰで合格した人も共通テストを受験する必要がありますが、成績は合否に影響しません。

人文社会科学部文化創生課程の国際バカロレア枠で合格した人は、共通テストを受けなくてもかまいません。

実施している学部

弘前大学の総合型選抜を実施するのは次の5学部で、学部・課程ごとに方式が決まっています。

  • 人文社会科学部(文化創生課程・社会経営課程):総合型選抜Ⅰ
  • 教育学部(中学校コース音楽専修・美術専修・保健体育専修):総合型選抜Ⅰ
  • 教育学部(小学校コース・特別支援教育専攻・養護教諭養成課程):総合型選抜Ⅱ
  • 医学部(医学科、保健学科の看護学・放射線技術科学・検査技術科学・理学療法学・作業療法学専攻):総合型選抜Ⅱ
  • 理工学部(数物科学・物質創成化学・地球環境防災・電子情報工・機械科学・自然エネルギー学科):総合型選抜Ⅰ
  • 農学生命科学部(生物・分子生命科学・食料資源・国際園芸農・地域環境工学科):総合型選抜Ⅰ

医学部のうち心理支援科学科は、2027年度も総合型選抜で募集しません。

学科ごとの倍率

最も高いのは養護教諭養成課程の3.7倍(志願26名・合格7名)、最も低いのは物質創成化学科などの1.0倍です。

表は2026年度の区分で、技術専修は2027年度に募集を停止し、特別支援教育専攻は総合型選抜Ⅱへ移ります。

物質創成化学科は志願13名・合格13名で、志願者全員が合格しました。

技術専修も、志願1名・合格1名の1.0倍でした。

方式全体の倍率は、総合型選抜Ⅰが志願450名・合格271名の1.7倍でした。

総合型選抜Ⅱは志願341名・合格172名の2.0倍で、Ⅰより高くなっています。

以下は2026年度の弘前大学の総合型選抜の方式・学科ごとの実績です。

方式学部・学科(2026年度)志願者数合格者数倍率
総合型選抜Ⅰ人文社会科学部 文化創生課程78名35名2.2倍
総合型選抜Ⅰ人文社会科学部 社会経営課程81名46名1.8倍
総合型選抜Ⅰ教育学部 中学校コース 音楽専修4名3名1.3倍
総合型選抜Ⅰ教育学部 中学校コース 美術専修7名4名1.8倍
総合型選抜Ⅰ教育学部 中学校コース 保健体育専修14名8名1.8倍
総合型選抜Ⅰ教育学部 中学校コース 技術専修1名1名1.0倍
総合型選抜Ⅰ教育学部 特別支援教育専攻10名3名3.3倍
総合型選抜Ⅰ理工学部 数物科学科25名22名1.1倍
総合型選抜Ⅰ理工学部 物質創成化学科13名13名1.0倍
総合型選抜Ⅰ理工学部 地球環境防災学科35名20名1.8倍
総合型選抜Ⅰ理工学部 電子情報工学科22名17名1.3倍
総合型選抜Ⅰ理工学部 機械科学科22名20名1.1倍
総合型選抜Ⅰ理工学部 自然エネルギー学科11名8名1.4倍
総合型選抜Ⅰ農学生命科学部 生物学科35名12名2.9倍
総合型選抜Ⅰ農学生命科学部 分子生命科学科21名13名1.6倍
総合型選抜Ⅰ農学生命科学部 食料資源学科36名21名1.7倍
総合型選抜Ⅰ農学生命科学部 国際園芸農学科20名15名1.3倍
総合型選抜Ⅰ農学生命科学部 地域環境工学科15名10名1.5倍
総合型選抜Ⅱ教育学部 小学校コース40名25名1.6倍
総合型選抜Ⅱ教育学部 養護教諭養成課程26名7名3.7倍
総合型選抜Ⅱ医学部 医学科 青森県内枠63名27名2.3倍
総合型選抜Ⅱ医学部 医学科 北海道・東北枠31名15名2.1倍
総合型選抜Ⅱ医学部 保健学科 看護学専攻63名32名2.0倍
総合型選抜Ⅱ医学部 保健学科 放射線技術科学専攻57名25名2.3倍
総合型選抜Ⅱ医学部 保健学科 検査技術科学専攻37名24名1.5倍
総合型選抜Ⅱ医学部 保健学科 理学療法学専攻16名10名1.6倍
総合型選抜Ⅱ医学部 保健学科 作業療法学専攻8名7名1.1倍

試験日と出願期間

弘前大学の総合型選抜は2方式とも、インターネット出願登録の期間が2026年9月21日〜10月1日です。

出願書類は9月24日〜10月1日に受け付け、試験は10月31日と11月1日に行います。

2027年度入試の試験日は、学部ごとに次のとおりです。

方式学部・学科(2027年度入試)試験日(2026年)
総合型選抜Ⅰ人文社会科学部 文化創生課程10月31日
総合型選抜Ⅰ人文社会科学部 社会経営課程11月1日
総合型選抜Ⅰ教育学部 音楽専修・美術専修10月31日
総合型選抜Ⅰ教育学部 保健体育専修10月31日・11月1日
総合型選抜Ⅰ理工学部10月31日
総合型選抜Ⅰ農学生命科学部11月1日
総合型選抜Ⅱ教育学部(小学校コース・特別支援教育専攻・養護教諭養成課程)、医学部 医学科・保健学科10月31日・11月1日

総合型選抜Ⅱの受験者は、試験日とは別に2027年度の共通テストを受験する必要があります。

参考:弘前大学|募集要項・パンフレット
参考:弘前大学|入試結果データ

弘前大学の総合型選抜(旧AO入試)の出願条件

弘前大学の総合型選抜Ⅰと総合型選抜Ⅱは全学部とも、入学を確約できる人だけが出願できる専願です。

評定平均の基準は、人文社会科学部・教育学部・医学部・理工学部・農学生命科学部のどの出願要件にもありません。

それぞれ方式ごとの具体的な出願条件について解説します。

総合型選抜Ⅰの出願条件

弘前大学の総合型選抜Ⅰの主な出願要件は、卒業の時期と、志願する課程・学科への強い興味や明確な志望動機です。

人文社会・理工・農学生命科学部は教育・研究内容への強い興味、教育学部は専攻への明確な志望動機を求めます。

高等学校か中等教育学校を2021年4月以降に卒業した人と、2027年3月に卒業見込みの人が対象です。

理工学部と農学生命科学部は、高等専門学校3年次を2027年3月に修了見込みの人も出願できます。

教育学部の音楽・美術・保健体育専修では、弘前大学教育学部での勉学を強く希望することも要件です。

人文社会科学部・理工学部・農学生命科学部の一部の課程・学科には、次の枠があります。

枠(2027年度)対象と人数追加の要件
国際バカロレア枠文化創生課程(3人)国際バカロレア資格を有するか、2027年3月までに取得見込み
専門高校枠社会経営課程(8人)商業・情報に関する学科か、商業・情報を20単位以上修得した総合学科の出身で、日本商工会議所の簿記検定2級や基本情報技術者試験など指定の検定のいずれかに合格
専門高校枠電子情報工学科(4人)・機械科学科(2人)電子情報工学科は工業・商業に関する学科か総合学科、機械科学科は工業に関する学科
専門高校枠国際園芸農学科(4人)・地域環境工学科(3人)国際園芸農学科は農業・林業・水産・工業・商業・情報に関する学科、地域環境工学科は農業・工業に関する学科

どちらの枠も、出願登録の際に枠の希望を選ばなければ、要件を満たしていても枠の出願者になりません。

総合型選抜Ⅱの出願条件

弘前大学の総合型選抜Ⅱは、教育学部が共通テスト3教科3科目、医学部が6教科8科目の受験を求めます。

出願できる卒業の時期と、受験する共通テストの科目は次のとおりです。

学部・学科(2027年度)出願できる卒業の時期共通テスト
教育学部
(小学校コース・特別支援教育専攻・養護教諭養成課程)
2021年4月以降の卒業、2027年3月卒業見込み3教科3科目
(国語・英語と、地歴・公民・数学・理科から1科目)
医学部 医学科2026年3月の卒業、2027年3月卒業見込み6教科8科目
(理科は物理・化学・生物から2科目、情報Ⅰを含む)
医学部 保健学科2021年4月以降の卒業、2027年3月卒業見込み、高等専門学校3年次の修了見込み6教科8科目
(理科は物理・化学・生物から2科目、情報Ⅰを含む)

医学科は、青森県内枠が青森県、北海道・東北枠が北海道・岩手・宮城・秋田・山形・福島の高校等の出身者に限られます。

医学科の出願者は、どちらの枠でも、卒業後に青森県のキャリア形成プログラムに従って医療に従事することを確約します。

対象期間は臨床研修を含む9年間で、うち4年間は医師が不足している地域での勤務です。

教育学部小学校コースの地域志向教員枠(5人)は、青森県採用教員として教職を目指す強い意志を要件にしています。

出身高校や出身地の制限はありません。

入学後は、新設予定の「地域志向教員養成プログラム」を履修し、技術・家庭科サブコースに所属します。

技術・家庭科サブコースは、技術サブコースと家庭科サブコースを統合して新設されるコースです。

弘前大学の総合型選抜(旧AO入試)の選抜方法

弘前大学の総合型選抜Ⅰは学部ごとの試験と個人面接で判定し、総合型選抜Ⅱは共通テストの得点も合わせます。

総合型選抜Ⅰの人文社会科学部と、総合型選抜Ⅱの教育学部・医学部保健学科では、出願書類も採点の対象です。

それぞれ方式ごとの具体的な選抜方法について解説します。

総合型選抜Ⅰの選抜方法

弘前大学の総合型選抜Ⅰは、全学部で個人面接を行い、学部ごとに小論文・レポート・実技のいずれかを課します。

2027年度の試験内容と配点は次のとおりです。

学部(2027年度)試験内容配点
人文社会科学部小論文(1テーマ・800字)
個人面接(5分以内の口頭発表を含めて20分程度)
出願書類(調査書・学習計画書)
小論文200点・面接200点・書類100点の計500点
教育学部(音楽・美術・保健体育専修)実技
個人面接(美術・保健体育は口頭試問を含む)
実技300点・面接300点の計600点
理工学部45分程度の講義と60分のレポート
個人面接(15分程度、基礎学力の試問を含む)
レポート200点・面接300点の計500点
農学生命科学部小論文(800字・90分)
個人面接(20分程度、口頭試問を含む)
小論文300点・面接450点の計750点

理工学部の講義は学科ごとに行われ、レポートでは講義の理解度や論理的思考力が評価されます。

教育学部と農学生命科学部では、個人面接の得点が低いと不合格になることがあります。

総合型選抜Ⅱの選抜方法

弘前大学の総合型選抜Ⅱは、どの学部も個人面接と共通テストの得点を合わせて判定します。

面接以外の試験は教育学部が集団討論で、医学科は総合論述、保健学科は小論文を課します。

2027年度の試験内容と配点は次のとおりです。

学部・学科(2027年度)試験内容配点
教育学部(小学校コース・特別支援教育専攻・養護教諭養成課程)共通テスト、集団討論、個人面接、出願書類(志望理由書)共通テスト300点・集団討論200点・面接200点・書類50点の計750点
医学部 医学科共通テスト、個人面接(25分程度)、総合論述共通テスト950点・面接200点・総合論述200点の計1,350点
医学部 保健学科共通テスト、小論文(専攻ごとに1テーマ・800字・60分)、個人面接、出願書類(調査書・志望理由書)共通テスト950点・小論文100点・面接300点・書類100点の計1,450点

医学科は合計1,350点のうち950点を共通テストが占めます。

総合論述は、与えられた資料の内容を捉えて課題を見出し、自分の考えを論述する試験です。

小学校コースと特別支援教育専攻の集団討論は、募集要項で示された課題図書を試験当日までに読み、その内容をもとに行います。

養護教諭養成課程は、「心と体の健康」に関するテーマで討論します。

小学校コースの地域志向教員枠は独自の面接と地域志向教員志望理由書が加わり、900点満点です。

弘前大学の総合型選抜の過去問

弘前大学が公開する2026年度の総合型選抜の問題から、文化創生課程・社会経営課程・検査技術科学専攻の小論文を紹介します。

看護学・理学療法学・作業療法学専攻と農学生命科学部の小論文は、資料文や図表を読む前提の設問のため扱いません。

理工学部は講義のテーマ、教育学部は小学校コースと特別支援教育専攻の集団討論の課題図書だけを公開しています。

音楽・美術・保健体育専修の実技は問題の公開がなく、医学科の総合論述は2027年度に始まる試験です。

放射線技術科学専攻の小論文は、業務中にミスをした場合の対応や姿勢を問う設問で、大学の公開ページで確認できます。

文化創生課程の小論文

弘前大学文化創生課程の小論文の設問は、「推し活」と宗教の共通点や違いに触れて意見を述べるよう求めています。

宗教の個人的・社会的な影響も考慮し、800字以内でまとめる形式です。

文化創生課程の2026年度の設問は次のとおりです。

「推し活」をする人々は、自らの活動を宗教になぞらえて聖地巡礼や布教といった言葉で表現することがあります。
「推し活」は宗教に似ているのでしょうか。
宗教の個人的・社会的影響などを考慮しつつ、「推し活」と宗教との共通点や違いについて触れたうえで、あなたの意見を800字以内で述べなさい。

社会経営課程の小論文

弘前大学社会経営課程の小論文は、「区別」と「差別」の違いを具体的な事例をあげて論じる問題です。

どの事例で違いを示すかは受験者が選び、800字以内でまとめます。

社会経営課程の2026年度の設問は次のとおりです。

「区別」と「差別」はどのように異なるのでしょうか。
それぞれ具体的事例をあげつつ、あなたの考えを800字以内で述べなさい。

検査技術科学専攻の小論文

弘前大学検査技術科学専攻の小論文は、北東北三県の人口減少が医療の現場に起こしうる問題と解決策を問います。

引用した設問の後には、人口減少率の意味を説明する注釈と、800字の制限字数が別に添えられています。

検査技術科学専攻の2026年度の設問は次のとおりです。

北東北三県(青森、秋田、岩手)は、日本国内で特に少子高齢化による人口減少率が高い県であることが知られている。
この人口減少率の高さにより医療の現場でどのような問題が引き起こされる可能性があるかを挙げ、その解決策についてあなたの考えを述べなさい。

参考:弘前大学|過去の入試問題

まとめ

弘前大学の総合型選抜は、共通テストを課さない総合型選抜Ⅰと、課す総合型選抜Ⅱの2方式です。

人文社会科学部・教育学部・医学部・理工学部・農学生命科学部のいずれも専願で、評定平均の基準はありません。

2026年度の倍率は、教育学部養護教諭養成課程(志願26名・合格7名)の3.7倍が最も高い値でした。

最も低いのは理工学部物質創成化学科(志願13名・合格13名)などの1.0倍で、学科による差があります。

共通テストは総合型選抜Ⅱでは得点を合否判定に使い、総合型選抜Ⅰでも合格した人は受験が必要です。

出願資格や試験内容は学部・方式ごとに違うため、志望先の募集要項を弘前大学の公式サイトで確認してください。

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