ITパスポートは、ITの基礎知識を証明する国家資格であり、近年、転職市場で注目を集めている人気資格です。

これからITパスポート試験を目指す人の中には、「ITパスポートは転職で有利になるのか？」「未経験や事務職の転職でも優遇されたり評価されたりするのか？」と、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、ITパスポートがどのように転職に有利に働くのか、取得するメリット・デメリット、履歴書に書けるか否かについて詳しく解説します。

また、ITパスポートを転職で活かす具体的な方法についてもご紹介しますので、ITパスポートの受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ITパスポートは転職に有利？

ITパスポートの資格を取得することは、転職に有利です。

具体的な理由として以下の3点が挙げられます。

• 未経験でもIT業界を目指せる
• 事務職の転職にも役立つ
• 有資格者の求人を狙える

それでは、それぞれの項目について詳しく解説していきましょう。

未経験でもIT業界を目指せる

ITパスポートを取得すると、未経験の方でもIT業界を目指しやすいでしょう。

ITパスポートは、AI、ビッグデータなどの最新技術やアジャイルなどの新しい開発手法に関する知識、経営全般の知識、ITの知識、プロジェクトマネジメントの知識を幅広く習得できる資格です。

このため、ITパスポートは業種や職種を問わずアピールポイントになります。

特に未経験者がIT業界を目指す際には、ITパスポートの取得がIT知識やスキルの証明となり、就職活動で有利になるでしょう。

したがって、IT業界を目指す未経験者にとって、ITパスポートは有効な資格と言えます。

事務職の転職にも役立つ

ITパスポートは事務職の転職にも役立ちます。

ITパスポートの資格取得に必要な学習範囲は広く、ITの基礎知識から始まり、システムの構造やセキュリティに関する深い理解も求められます。

事務職では日常的にオフィスツールを使った書類作成や顧客情報の管理を行うため、ITパスポートの知識とスキルは極めて有用です。

特に、メールのやり取りや社内システムの運用において、適切な情報管理が求められるからです。

情報セキュリティやコンプライアンスに関する知識があることで、企業のリスクを軽減し、情報漏洩を防止するための対策が可能となるでしょう。

ITパスポートは、責任感を持って業務に取り組める証でもあり、事務職に転職する際に有利に働きます。

有資格者の求人を狙える

ITパスポートを取得していると有資格者の求人に応募できます。

かつては、ITの知識は主にIT業界や情報システム担当者に求められていましたが、現在では多くの企業がDX（デジタルトランスフォーメーション）を推進しています。

経理、人事、企画、マーケティング、営業、生産など、様々なフィールドでデジタル技術の導入が進んでおり、業務オペレーションのデジタル化や新たなビジネスモデルの創出が求められています。

そのため、数多くの企業のあらゆる職種において、ITパスポートの取得が推奨されています。

転職サイトで「ITパスポート」で検索すると、インフラエンジニア、システムエンジニア、ITコンサルタントなど、資格保有者を優遇する求人が多数見つかるはずです。

こうした求人を狙うことで、キャリアの幅を広げる良い機会となるでしょう。

ITパスポートを取得するメリット・デメリット

ITパスポートは、企業や学校でも取得が推奨される人気資格です。

ここでは、ITパスポートを取得するメリット、デメリットについて詳しく解説いたします。

ITパスポートを取得するメリット

ITパスポートは、IT基礎知識はもちろん、ビジネス全般の知識も習得できる資格です。

近年の合格率は50％前後と比較的取りやすい資格でありながら、取得後に得られるメリットは多岐にわたります。

ITパスポート取得で得られる主なメリットを3つご紹介します。

転職先の幅が広がる

ITパスポートを取得することで、転職時の業種、職種の選択肢の幅が広がるでしょう。

ITテクノロジー、経営戦略、マネジメントなど、ビジネスに必要な幅広い知識を習得できるITパスポートは、IT業界をはじめ様々な業界で需要の高い資格と言えます。

また、前述した事務職を含め、営業・Web関連職・オペレーターなど、どの職種においてもデジタル化が急速に進む中、ITパスポートはあらゆる職種で強みとなります。

転職活動でアピールになる

ITを活用しない企業がほとんどない現代において、ITパスポート資格を有することは、転職活動でアピールになるでしょう。

ITパスポートはITの基礎的な知識、スキルと、社会人としての基本的な知識が証明できる資格であり、転職市場において非常に有利です。

大学の入試優遇措置や単位認定の条件になることもあり、学校や企業の間でその有用性が広く認識されています。

特に、IT企業への転職を目指す場合、ITパスポート試験に合格したことは、IT業界への興味や関心を示す明確な証となり、採用担当者への説得材料になります。

また、仕事内容と直接関係がなくても、ITパスポート試験を取得するために行った勉強や努力は、目標達成力や自己管理能力の証明となるでしょう。

他の資格取得を目指せる

ITパスポート資格に合格することで、他の上位IT関連資格の取得も目指せるようになります。

ITストラテジスト、システムアーキテクト、応用情報技術者、基本情報技術者など、数多くのIT関連資格がありますが、その中でもITパスポートは最も難易度が低いレベル1の資格となっています。

ITパスポートの試験勉強では、ITストラテジスト、応用情報技術者、基本情報技術者といった上位資格の基礎部分を習得します。

つまり、ITパスポートに合格できるレベルの知識があれば、ワンランク上の資格取得にも役立つということです。

また、就職後も上位IT資格を取得することで、スキルアップやキャリアアップを目指せます。

ITパスポートの取得は、将来的な資格取得の土台を築くためにも、非常に有益と言えるでしょう。

ITパスポートを取得するデメリット

ITパスポートを取得することにデメリットはありません。

ただし、ITエンジニア経験者が転職活動で、ITパスポートをアピールしても、IT資格としては難易度が低いため、プラス評価を得にくい可能性があります。

それでも、取得自体がマイナスになることはないので、ITパスポート資格を持っていることに損はありません。

ITパスポートは転職で履歴書に書ける？書き方は？

ITパスポートは転職で履歴書に書くことのできる価値のある国家資格です。

ITパスポートは、難易度が低いため、履歴書に書けないのではないかと心配される方もいるかもしれません。

しかし、ITパスポートはITの基礎知識、基礎的な開発技術やプロジェクトマネジメントの知識があることを証明できる非常に有用な資格です。

そのため、幅広い業界にアピールでき、転職活動でも履歴書に書くことで有利に働く資格と言えるでしょう。

履歴書への書き方

履歴書に書く際は以下の点に留意しましょう。

• 正式名称で記入
  履歴書には「ITパスポート試験」と正式名称を記入します。

• 取得年月日
  合格証書に記載されている日付を記入します。
  試験を受けた日付や合格発表の日付を書くのは間違いです。

• 記入欄
  「免許・資格」欄に記入します。
  学歴・職歴や趣味・特技などの欄に書かないようにしましょう。

ITパスポート以外でIT系の転職に役立つ資格はある？

IT未経験からIT業界への転職を目指す場合、ITパスポート以外にも役立つ資格はあります。

ITパスポートはITの基礎知識を証明する資格ですが、さらに専門性を高めたい場合は、以下の資格も検討するとよいでしょう。

• 基本情報技術者試験
• MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）
• CCNA (Cisco Certified Network Associate)
• Linux技術者認定 LinuC（リナック）

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とされる国家資格です。

ITパスポートがITを利用する人すべてを対象としているのに対し、基本情報技術者試験はITエンジニアやプログラマを目指す人向けの内容となっています。

合格することで、より実践的なIT技術の知識があることを証明できます。

MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）

MOS（Microsoft Office Specialist）は、WordやExcel、PowerPointといったMicrosoft Office製品のスキルを証明する国際資格です。

ITパスポートがIT全般の基礎知識を問うのに対し、MOSはオフィスソフトの実務スキルに特化しています。

主に事務系や営業職で役立つPCスキルを証明します。

CCNA (Cisco Certified Network Associate)

CCNAは、ネットワーク機器ベンダーであるCisco社が認定する資格です。

ネットワークの基礎から応用までを学び、ネットワークエンジニアを目指す方に適しています。

ネットワークはITインフラの根幹であり、CCNAの資格を持つことで専門性の高い知識をアピールできます。

Linux技術者認定 LinuC（リナック）

LinuCは、サーバーOSとして広く使われているLinuxの技術力を証明する資格です。

特に「LinuCレベル1」は、Linuxの基本的な操作やシステム管理の知識を問う内容で、未経験者向けの入門資格と位置づけられています。

ITパスポートがIT全般の知識を問うのに対し、LinuCはサーバーやネットワークなど、より技術者向けの専門分野に特化しています。

しかし、上記で紹介した資格はITパスポートよりも専門性が高く、難易度も上がります。特に実務経験がない場合、合格にはかなりの学習時間が必要です。

そのため、まずはITパスポートから始めるのがおすすめです。

ITパスポートでIT全般の基礎知識を固めてから、興味のある分野の専門資格へとステップアップしていくと、スムーズに学習を進められます。

ITパスポートは、未経験者がIT業界への第一歩を踏み出すのに最適な資格と言えるでしょう。

ITパスポート資格を転職に活かす方法

転職でITパスポート資格を活かすためには、転職時期から逆算して計画的に学習スケジュールを組むことが重要です。

ITパスポート試験の難易度は高くなく、初心者でも短期間で取得を目指せます。

試験は全国47都道府県の試験会場で随時開催されており、いつでも受験可能です。合格発表は受験月の翌月中旬、合格証書は翌々月中旬に送付されます。

しかし、ITパスポートは難易度が低いとは言え、確実に合格するには幅広い試験範囲を網羅的に学ばなくてはなりません。

そのため、教材の選び方や学習スケジュールの立て方が難しいことがあります。

最短合格を目指すなら、オンライン講座や通信講座の利用がおすすめです。

特に社会人、学生の方には隙間時間に学べるオンライン講座が適しているでしょう。

オンライン講座を利用することで、以下のメリットがあります。

• 通勤・通学時間を活用して学べる
• 質の高い教材で学べる
• 専任のプロ講師による講義が受けられる
• 効率的な学習カリキュラムの提供
• 充実した学習サポート体制によりモチベーションが保てる

希望する転職時期に合わせて、確実に合格したいなら、計画的に学べるオンライン講座の利用は非常に有効です。

まとめ

ITパスポートは、IT基礎知識だけではなく、経営全般やプロジェクトマネジメントなど幅広い分野の総合的な知識が身につく資格です。

取得することで、転職先の選択肢が広がり、履歴書でのアピール力が高まります。

また、ITパスポートは他のIT資格の基礎となるため、上位のIT資格取得の基盤となるでしょう。

試験は全国各地で随時開催され、難易度が高くないので、転職に合わせて資格取得のスケジュールが立てやすいと言えます。

ただし、試験範囲が広いので、最短合格を目指すならオンライン講座で効率的に勉強するのがおすすめです。

数あるオンライン講座の中でも、アガルートのITパスポート講座は講師と教材の質の高さに定評があります。

オンライン学習に特化した隙間時間で学習効果が得られる教材なので、社会人、学生の方に最適です。

現在、アガルートでは講座選びに迷ってる方向けに無料の受講相談、講座の無料体験を実施しています。

ITパスポート試験の勉強方法でお悩みのある方、最短で合格したい方は、ぜひ活用してみてください。