教師という職業は、多くの人にとって憧れの的です。

しかし、大学で教員免許を取得するための授業を選択しなかった、あるいは社会人になってから教師への道を志すようになったといった理由で、「今から教師になるのは難しいのではないか」と悩んでいる方も少なくありません。

しかし、教員免許がなくても教師になる方法は存在し、社会人になってから教員免許を取得する道も開かれています。

本コラムでは、教員免許がなくても教師になるための具体的な方法、社会人が教員免許を取得するルート、そして教員免許を必須としない学校関連の仕事について詳しく解説します。

このコラムを読めば、あなたが教育業界で活躍するための多様な選択肢を理解し、具体的な一歩を踏み出すきっかけとなるでしょう。

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教員免許がなくても教師になれる?

教師になるためには、一般的に大学などで教員免許を取得するための授業を履修し、その後、採用試験に合格する必要があります。

特に、正規雇用の教師を目指す場合は、基本的に教員免許の取得が必須です。公立学校であれば教育委員会が行う採用試験に、私立学校であれば各学校の採用試験に合格しなければなりません。

ただし、特定の状況下では、教員免許がなくても教師として働くことが可能な場合があります。次項では、その具体的な方法について解説します。

教員免許なしで教師になる3つの方法

教員免許を持たずに教師として働く方法は、主に以下の3つです。

特別免許状を取得する

特別免許状は、教員免許を持たないものの、特定の分野において優れた知識や経験を持つ社会人を、教員として学校に迎え入れるための免許状です。

学校教育の多様化やグローバル化に対応した教育環境を促進するため、その積極的な利用が現在推進されています。

特別免許状を取得して採用された場合、「教諭」として、普通免許状を持つ教諭と同じ待遇を受けることができます。

また、学級担任や生徒指導、進路指導などの校務分掌も一般の教諭と同様に担います。

この免許状は、小学校、中学校、高等学校の全ての教科、および特別支援学校の全ての自立教科および自立活動について授業を行うことを可能にします。

ただし、小学校においては、普通免許状があれば全教科を担当できますが、特別免許状は教科ごとに授与されるため、認められた教科のみを教えることになります。

授与要件と注意点

特別免許状の取得には、いくつかの要件と注意点があります。

まず、個人が自ら申請することはできず、雇用主の推薦状を添えて、各都道府県の教育委員会に申請する必要があります。

申請後、書類審査と、知識や経験などを確認するための面接が行われます。

授与要件としては、以下の点が示されています。

  • 担当する教科の専門的な知識経験または技能があること
  • 社会的信望・熱意と識見があること

また、免許状が授与された都道府県でしか教師として採用されないため、別の都道府県で働く場合には再度取得し直す必要があります。

臨時免許状を取得する

臨時免許状は、普通免許状を持つ教諭をどうしても採用できない場合に限り、例外的に授与される「助教諭」の免許状です。

教員の退職や長期休暇の穴埋め、あるいは採用を予定していた教員が勤務できなくなった場合など、急遽人員を補充する必要がある際に利用されます。

臨時免許状を取得した場合、「助教諭」として採用されます。

規定上は、普通免許状を持つ正規の「教諭」と同等の職務を行うとされていますが、実際の雇用形態は常勤講師や非常勤講師といった非正規の形態が多い傾向にあります。

授与要件と有効期限

臨時免許状の授与要件は、都道府県教育委員会が行う教育職員検定(人物・学力・実務・身体)に合格することです。

この免許状は学校種ごと、科目ごとに授与されるため、複数の科目を教えたり、学校の種類を選んだりすることはできません。

特に、中学校以上の教科では、技術・家庭科や情報といった特定の教科を臨時免許状取得者が教えているケースが多いです。

臨時免許状の有効期限は原則3年間と定められています。場

合によっては6年間に延長することも可能ですが、有効期限を迎えると教師として働くことができなくなるため、今後も教師として活動を続けたいのであれば、この3年間(または6年間)の間に教員免許を取得する必要があるでしょう。

特別非常勤講師として働く

特別非常勤講師は、教員免許状を持たない人が、都道府県教育委員会への届け出を出すことで就くことができる学校の非常勤講師です。

この制度は、専門分野を持つ地域の人材や社会人を学校に迎え入れ、学校教育の多様化を推進することを狙いとしています。

制度ができた当初、特別非常勤講師が担当できる教科は音楽、図画工作、家庭科など特定のものに限られていました。

しかし、1998年に対象教科が拡大され、現在では小学校、中学校、高等学校、特別支援学校において、道徳や総合的な学習の時間の一部を含む全ての教科を担当できます。

書道、ダンス、英会話など、自身のこれまでの経験を活かした幅広い活動が可能です。また、クラブ活動を担当することもできます。

勤務期間には定めがあり、原則として1年以内とされていますが、更新が可能です。

特別非常勤講師は非正規雇用で、特定の分野を教える役割を担います。着任後、通信制課程で免許を取得する方法を選択する人もおり、これを支援する学校も存在します。

特別免許状・臨時免許状・特別非常勤講師の違い

これら3つの方法は、教員免許がなくても教師として働くことを可能にしますが、それぞれ目的や役割、取得要件が異なります。

項目特別免許状臨時免許状特別非常勤講師
目的・対象優れた知識・経験を持つ社会人の登用普通免許状保持者の不足を補う(助教諭)専門分野を持つ地域人材・社会人の活用
身分教諭助教諭非常勤講師
授与・任命主体都道府県教育委員会(雇用主推薦)都道府県教育委員会(検定合格者へ授与)都道府県教育委員会への届け出(雇用主申請)
雇用形態正規雇用が主(普通免許状保持者と同待遇)非正規雇用(常勤講師・非常勤講師)が多い非正規雇用
有効期限期限なし原則3年間(最長6年間)原則1年以内(更新可)
担当教科・範囲小中高全ての教科、特別支援学校の自立活動(小学校は教科別)学校種・科目ごと(例:技術・家庭科、情報など)小中高全ての教科の一部、クラブ活動を含む幅広い分野
主な職務一般の教諭と同様(学級担任、校務分掌など)教諭と同等の職務(補充的役割)教える教科の領域の一部を担任

特別免許状は、特定の優れた人材を学校に呼び、教諭として正規に教育を行うためのものです。

一方、臨時免許状は、教員が不足した場合の**「穴埋め」として助教諭を任命するもので、期限が限定的です。

そして特別非常勤講師は、免許がなくても特定の専門分野を非常勤で教える**ことを目的としています。

自身の経験や目標に合わせて、最適な道を選ぶことが重要です。

社会人になってから教員免許を取得する方法3つ

教員免許は通常、大学で教職課程を履修して取得するものですが、社会人になってからでも教員免許を取得する道は開かれています。

教員資格認定試験を受ける

教員資格認定試験は、大学で教員免許を取得していなくても、知識と素養があれば教員の資格を与える制度です。

この制度は、深刻な教師不足などを理由に、平成30年(2018年)から開始されました。

試験の概要と取得できる免許

試験は年に一度実施され、指定された日までに必要書類を提出して受験資格を得ます。

合格点を取得することで、教員として活動できるようになります。

この試験を通じて、小学校教員や特別支援学校教員の免許状などが取得可能です。高校卒業者でも教師を目指すことができる方法の一つです。

教職特別課程を受講する

教職特別課程は、大学で教員免許取得に関する授業を履修していなかった方を対象に、教職に必要な科目の単位を修得できるように大学が設置する課程です。

各大学が定める教職特別課程を1年間受講することで、各大学が定める資格を獲得することが可能です。

ただし、大学によって取得できる科目の資格が異なるため、場合によっては遠方の大学に1年間通うために引っ越したり、仕事を変えたりする必要が生じることもあります。

通信制の大学に通う

社会人として働きながら教師を目指したい方には、通信制の大学に通うという選択肢があります。

教職課程を選べる通信制の大学は少ないものの、皆無ではありません。

通信制大学では、各課程で定められたカリキュラムを履修し、卒業要件を満たすことで教員免許を取得できます。

通信制であっても、働きながら教師を目指すのは簡単なことではありませんが、正規雇用の教師を目指すのであれば、有効な手段となるでしょう。

近年は、通信制大学での教員免許取得も可能となり、社会人になってからでは遅いと諦めずに教育現場での仕事を目指せるようになりました。

教員免許がなくても学校で働ける仕事

教師という職種にこだわらず、学校という環境で働きたい場合は、教員免許がなくても就ける仕事がいくつかあります。

教員業務支援員として働く

教員業務支援員は、教員免許がなくても学校で働くことができます。

スクールサポートスタッフとも呼ばれ、教師の負担軽減のために事務作業、資料作成、イベント準備、来客対応など、多岐にわたる業務を行います。

必要な資格はなく、年齢や学歴の条件もありません。しかし、非正規雇用で時給制であることが多く、教師よりも収入が不安定な傾向があります。

また、直接子どもを指導する機会はほとんどないため、あくまで「学校という場所で働きたい」という方に向いています。

各都道府県の人材バンクが募集を開始することがあるため、地道に募集情報を確認することが重要です。

その他の教育関連職

教育に携わりたいのであれば、教師以外の選択肢も検討してみるのが良いでしょう。

学校の事務や放課後児童支援員、家庭教師、さらに塾講師など、教員免許がなくても就ける教育関連の仕事は多数あります。

学校事務

学校事務は、学校の運営に関する事務作業を行うほか、生徒や保護者の対応なども担当します。

教員免許など特別な資格は必要なく、求人サイトから容易に応募できるため、学校で働きたい方にはおすすめの選択肢です。

門戸は広い分倍率は高いですが、一般事務の経験があれば採用されやすい傾向にあります。

放課後児童支援員

放課後児童支援員は、放課後に子どもたちが勉強したり遊んだりする場所を提供する仕事です。

各自治体が行う研修を修了して資格を取得する必要がありますが、教員免許取得よりはハードルが低いとされています。

一般的に放課後からの勤務となるため、日中は別の仕事をするダブルワークを選ぶケースが多いです。

まとめ

教師になるためには教員免許の取得が一般的ですが、近年は教師不足や教育の多様化が進み、さまざまな道が拓かれています。

たとえ教員免許を持っていなくても、特別免許状や臨時免許状を取得したり、特別非常勤講師として働いたりすることで、教育現場に立つことが可能です。

また、社会人になってからでも教員資格認定試験や教職特別課程、通信制大学での履修を通じて教員免許を取得する道も存在します。

さらに、学校事務や放課後児童支援員、家庭教師、塾講師など、教員免許を必要としない教育関連の仕事も多数あります。

あなたがどのような形で教育現場に貢献したいのか、自身の経験や目標、働き方を考慮し、最適な道を選択しましょう。

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