【教員採用】奨学金免除制度とは?条件・対象・手続き方法をわかりやすく解説
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教員を目指す学生にとって、経済的な不安は避けて通れない課題のひとつです。
そうした中、一定の条件を満たせば奨学金の返還が免除される可能性がある「教員採用による奨学金免除制度」が大きな助けとなることも。
とくに教員不足が深刻な一部の地方自治体では、免除の対象や条件を広げているケースもみられます。
本コラムでは、教員採用による奨学金免除制度の概要をはじめ、対象者や申請時の注意点までを詳しく解説します。
経済的な負担を軽減するために役立つ情報をお届けしていますので、ぜひ参考にしてください。
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教員採用による奨学金免除制度とは?
教員採用による奨学金免除制度とは、日本学生支援機構(JASSO)が実施している制度のひとつです。
なお、教員採用による奨学金免除制度は、深刻化する教員不足の解消を目的に文部科学省が令和6年度(2024年度)から新たに導入した政策の一環でもあります。
教員として正規採用になった方を対象に、大学院で貸与を受けた奨学金の返還を免除する仕組みです。
大学院在籍中に第一種奨学金を借りたうえで、小学校や中学校、高校や特別支援学校などの教員に正規採用された場合が対象になります。
加えて、「特に優れた業績を挙げたと認められる人」が対象となるため、日本学生支援機構の定める評価基準に基づき、各大学が設定した具体的な項目から総合的に評価されます。
参考:「教員になった者に対する奨学金の返還免除制度(教員免除)」日本学生支援機構
教員採用による奨学金免除の対象者と条件
教員採用による奨学金免除の対象者と条件
- 免除対象者
- 申請要件
免除対象者
教員採用による奨学金免除の対象者は、大学院(修士課程や博士前期課程、専門職学位課程)在籍中に第一種奨学金の貸与を受け、当該年度中に貸与が終了する方です。
なお、博士後期課程、一貫制博士課程に在籍する方は対象外となります。
申請要件
教員採用による奨学金免除を受けるには、教職大学院に在籍しているか否かにかかわらず、大学院在学中にとくに優れた業績を挙げたと認められる必要があります。
ただし、申請要件は教職大学院在籍者と教職大学院以外の大学院在籍者により異なるため、ここからは各項目ごとにそれぞれの条件を解説します。
教職大学院在籍者の条件
教職大学院在籍者の場合は、教員採用選考試験に合格し、教職大学院修了の翌年度から正規教員として採用される予定の方が申請対象となります。
教員採用による奨学金免除制度は、将来的に教育現場での継続的な勤務が期待される人材を対象としており、安定的な雇用形態での就業が前提となっています。
あくまでも任期の定めのない常勤の教員が対象となるため、臨時的任用教員や非常勤講師は対象者に含まれません。
なお、対象となる教員採用選考試験の校種は次の通りです。
| 対象となる教員採用選考試験の校種 | 備考 |
|---|---|
| ・小学校 ・中学校 ・義務教育学校 ・高等学校 ・中等教育学校 ・特別支援学校 ・幼稚園 ・幼保連携認定こども園 | ・国立や公立、私立は問わない ・株式会社等立も含む ・「幼稚園」「幼保連携認定こども園」については次の要件を満たす場合のみ対象 ※保育⼠と幼稚園教諭の採⽤試験がまとめておこなわれる ※試験合格後、異動によって将来幼稚園や認定こども園で働く可能性がある |
教職大学院以外の大学院在籍者の条件
教職大学院ではない大学院に通っている方も、教員採用試験に合格し、大学院卒業の翌年度から正規の教員として働く予定であれば、教職大学院の方と同じく対象になります。
なお、対象となる教員採用選考試験の校種は次の通りです。
| 対象となる教員採用選考試験の校種 | 備考 |
|---|---|
| ・小学校 ・中学校 ・義務教育学校 ・高等学校 ・中等教育学校 ・特別支援学校 ・幼稚園 ・幼保連携認定こども園 | ・国立や公立、私立は問わない ・株式会社等立も含む ・「幼稚園」「幼保連携認定こども園」については次の要件を満たす場合のみ対象 ※保育⼠と幼稚園教諭の採⽤試験がまとめておこなわれる ※試験合格後、異動によって将来幼稚園や認定こども園で働く可能性がある |
ただし、教職大学院以外の場合は、教職過程の履修や免許状の取得、実習経験などを示す必要があります。
そのため、教員採用試験の合格に加えて、次の2つの条件も満たさなくてはなりません。
- 大学院において、教職課程を履修し専修免許状を取得していること(特別免許状の授与を含む)
- 大学院において、学校等での実習を必須とする科目を1単位以上取得し、おおむね30時間以上の学校等での実習経験があること
参考:「教員になった者に対する奨学金の返還免除制度(教員免除)」日本学生支援機構
教員採用による奨学金免除を受けるための手続きの流れ
教員採用による奨学金免除を受けるための手続きの流れ
- 貸与終了年度内に大学へ申請
- 大学の推薦からJASSOによる審査・認定
- 必要書類(合格通知書・在職証明書など)を提出
貸与終了年度内に大学へ申請
教員採用による奨学金免除の申請は、奨学金の貸与が終了する年度内におこなわなくてはなりません。
そのため、自身が借りている奨学金の貸与終了年度をあらかじめ確認しておきましょう。
大学の推薦からJASSOによる審査・認定
教員採用による奨学金免除の申請をおこなったあとは、大学からJASSOに推薦された方を対象に審査がおこなわれます。
なお、審査は独立行政法人日本学生支援機構に関する省令に定める業績の種類と、JASSOの定める評価基準に基づき、各大学が具体的な評価項目を設定して総合的に評価されます。
必要書類(合格通知書・在職証明書など)を提出
審査に通過して認定が下りると、必要書類の提出が必要となります。
教員採用による奨学金免除を申請する場合は、特に優れた業績による返還免除制度の申請の必要書類(業績優秀者返還免除申請書、業績証明書類など)に加えて次の書類も必要です。
なお、特に優れた業績による返還免除制度の申請に必要な書類は大学により異なる場合があるため、必ず自身の大学の申請要項を確認してください。
- 教員採用選考の合格通知書の写し
- 4月1日時点で正規教員として勤務することを証明する在職証明書の写し
- 採用猶予等通知(採用延期制度の対象者のみ)
ただし、在職証明書は申請時にまだ用意できないため、まずは申請書と業績を証明する書類、合格通知書の写し(対象者は採用猶予等通知も)を提出しましょう。
そして、在職証明書は4月以降、学校の定める期限までに必ず提出しましょう。
なお、 4⽉1⽇現在の在職証明書の写しが提出できなかった場合や、後から申請要件を満たしていないと判明した場合は、免除の認定を受けられなくなります。
また、その後に返還免除の候補者としての再推薦も受けられなくなるため、必要書類や要件は事前に十分確認しておきましょう。
参考:「特に優れた業績による返還免除の概要」日本学生支援機構
参考:「特に優れた業績による返還免除制度(大学院第一種奨学金)」早稲田大学
申請にあたっての注意点
申請時の4つの注意点
- 在職証明書提出が必要
- 要件不適合時の再推薦不可
- 正規教員であることの確認
- 博士課程は対象外
在職証明書提出が必要
教員採用による奨学金免除の申請には在職証明書の提出が必須となります。
在職証明書は、申請者が「正規教員として採用されているかどうか」を確認するための重要な書類です。
提出が遅れたり不備があったりすると審査が進められない可能性があるため、必ず期限までに準備しておきましょう。
要件不適合時の再推薦不可
教員採用による奨学金免除の要件を満たしていないと判明した場合、再度の推薦は受けられないという点にも注意が必要です。
たとえば、推薦後に実際の勤務形態が非常勤であるとわかったり、在職証明書を提出できなかったりした場合、その時点で「教員免除を除く返還免除」の対象にもなりません。
そのため、要件を完全に満たせるかどうか不透明な場合は、推薦を受ける前に制度の条件や自身の状況を改めて確認しておきましょう。
正規教員であることの確認
教員採用による奨学金免除の対象は任期の定めのない常勤の教員、つまりは正規職員です。
臨時的任用や非常勤講師は対象外となるため、採用先の雇用形態を十分に確認しておきましょう。
博士課程は対象外
教員採用による奨学金免除は奨学金を借りている大学院生すべてが対象となるわけではなく、博士課程は対象外となります。
教員採用による奨学金免除の対象者は、大学院在籍中に第一種奨学金の貸与を受け、当該年度中に貸与終了する人です。
なお、大学院の課程は修士課程と博士前期課程、専門職学位課程に限定されています。
博士後期課程や一貫制博士課程に在籍する方は対象外となるため注意しておきましょう。
制度を正しく活用するには、こうした要件や注意点を事前に理解しておく必要があります。
後から「実は適用されなかった」といったトラブルを避けるためにも、募集要項や申請方法を十分に確認し、不明点は早めにJASSOや大学の奨学金担当窓口に相談しましょう。
都道府県の奨学金返還支援制度との違い
教員採用による奨学金返還免除制度と各都道府県が独自に実施している奨学金返還支援制度は、一見似ているように思えますが内容や適用条件には大きな違いがあります。
二つの制度について、制度の目的や概要、対象などを次の表にまとめました。
| 制度の種類 | 教員採用による奨学金返還免除制度 | 奨学金返還支援制度 |
| 運営元 | 日本学生支援機構(JASSO) | 都道府県 |
| 目的 | 深刻化する教員不足の解消 | 地域の教員確保や定着 |
| 概要 | 大学院で貸与を受けた奨学金の返還を教員として正規採用された場合に限って免除 | 自治体により異なる(奨学金の一部補助、特定の地域や校種の勤務を条件に全額返還など) |
| 範囲 | 全国共通 | 該当する地方自治体限定 |
| 対象 | 主に大学院修士課程の学生 | 自治体により異なる(任期付き教員や臨時的任用教員が対象となる場合も) |
まず、日本学生支援機構(JASSO)による免除制度は、大学院で貸与を受けた奨学金を教員として正規採用された場合に限って免除するという全国共通の制度です。
対象は主に大学院修士課程の学生で、採用先の地域にかかわらず制度上の条件を満たしていれば利用できます。
一方、都道府県の奨学金返還支援制度は、地域の教員確保や定着を目的に地方自治体が独自に設けている制度です。
そのため、支援の内容も自治体により異なり、奨学金の一部を補助するものから特定の地域や校種に勤務することを条件に全額返還支援をおこなうものまであります。
また、大学独自や民間団体などのJASSO以外の奨学金が支援対象となるケースもあります。
加えて、都道府県の制度は任期付き教員や臨時的任用教員であっても対象となる場合があるため、JASSOの制度よりも柔軟な運用がされている点も特徴です。
ただし、支援を受けられる代わりに数年間の勤務継続を義務づけている制度も多く、途中で辞めると返還義務が生じるケースもあります。
このように、JASSOの免除制度は全国一律かつ大学院生向けであるのに対し、都道府県の支援制度は地域限定で対象の幅が広く、運用も自治体ごとに異なるなどの違いがあります。
中には制度を併用できるケースもあるため、進路や勤務予定地に応じて二つの制度を比較しながら最適な選択をしましょう。
まとめ
教員採用による奨学金免除制度は、教員を目指す大学院生にとって経済的な負担を大きく軽減できる有益な制度です。
とくに修士課程在籍中に第一種奨学金を借りた方で、正規教員として採用される予定がある場合は、その返還が免除される可能性があります。
ただし、申請には優れた業績の証明や在職証明書の提出など、複数の条件を満たす必要があるため、事前の情報収集と準備が欠かせません。
また、各都道府県の支援制度との違いを理解し、自身の進路や勤務予定地に応じて最適な制度を選ぶことも大切です。
そのため、制度の趣旨や申請の流れを十分に把握したうえで活用してみてください。
また、不明な点があれば、大学や日本学生支援機構(JASSO)の窓口に早めに相談しておきましょう。
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