教員採用試験の面接を控え、「最後に何か質問はありますか?」と聞かれたらどうしよう…と不安に感じていませんか?
逆質問に自信がなく、「変なことを聞いてしまったらどうしよう」と悩む方も少なくないでしょう。

逆質問は、単なる疑問解消の時間ではありません。面接官に「この人を採用したい」と思わせるチャンスでもあるのです。

とはいえ、何を聞けば好印象につながるのか、逆にどんな質問がマイナス評価になるのか、事前に知っておくことが大切です。

このコラムでは、教員採用試験の面接を受ける前に知っておきたい「逆質問」のコツをわかりやすく解説します。

  • 面接官が注目する質問のポイント
  • 実際に好評価を得た逆質問の具体例
  • NGとなる質問のパターン
  • アピール力を高めるための質問づくりのコツ

を具体的にご紹介します。

このコラムを読めば、自信をもって面接に臨む準備が整うはずです。

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目次

教採面接の「逆質問」で好印象を残すポイント

逆質問は、自己アピールの最後のチャンスです。

教員採用試験の面接では、逆質問を通して応募者の意欲や理解度、さらには人間性までも評価されています。

うまく活用すれば、「この人に来てほしい」と面接官に思わせることが可能です。

そのためには、逆質問の“意図”を正しく理解し、適切な準備をしておくことが大切です。

なぜ面接で「逆質問」が行われるのか?その意図を理解しよう

逆質問には、複数の目的があります。

まず、応募者の疑問や不安を解消するためです。合格後にギャップを感じて辞退されることを防ぐため、採用側も丁寧に説明したいと考えています。

次に、志望度や教育現場への関心の深さを測るためでもあります。

関心のないことについては、そもそも質問は出てきません。つまり、逆質問の内容を通して、どれだけ学校や教育に真剣に向き合っているかが伝わるのです。

また、逆質問は“コミュニケーション能力”や“積極性”のアピールの場にもなります。

面接では限られた時間で全てを伝えるのは難しいですが、逆質問を使えば補足や挽回も可能です。

逆質問は、受け身の姿勢で答えるだけのものではありません。

自分から動いて魅力を伝える、いわば逆転の一手なのです。

面接官の記憶に残る逆質問の具体例

面接官に「この人と働きたい」と思わせる逆質問には、準備と工夫が欠かせません。

特に、他の受験者と差がつくのは、「調べた上での質問」や「自分の経験と結びつけた質問」です。

ここでは、実際の面接で高評価を得やすい逆質問のパターンを、具体例とともに紹介します。

自治体や学校への理解を深めた上での質問

事前に調べた内容をベースにした質問は、面接官に「この人は本気でうちを志望している」と思わせる大きなポイントです。

具体例

「御校の『地域連携プロジェクト』に強く関心があります。特に小学生と地域の方が一緒に学ぶ取り組みに魅力を感じました。このプロジェクトを始められた背景について、詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?」

ポイントとしては下記3点を押さえておきましょう。

  • ウェブサイトや公開資料の情報をもとにした具体的な質問。
  • 「どこに関心を持ったか」を明確に伝えることで、本気度が伝わる。
  • 自治体の特色や教育理念に共感していることが伝わる。

自己PRにつながる自然な聞き方の工夫

逆質問は、単なる“質問”ではなく、自分の強みを伝える“アピールの場”です。

ただ自己PRをするのではなく、「質問の形」で自然に自分の特性を伝える工夫が有効です。

具体例

「私は図書館司書の資格取得に向けて通信講座を受講中です。読書指導にも興味があるのですが、司書教諭の資格は現場でどのように活かせる機会があるでしょうか?」

ポイントとしては下記3点を押さえておきましょう。

  • 資格取得への意欲と学びへの前向きな姿勢を同時にアピール。
  • 「自分がどう貢献できるか」を自然に伝えている。
  • 面接中に言いそびれた強みも、ここで補足可能。

向上心や貢献意欲をアピールできる質問

面接官は「採用後に成長してくれる人材かどうか」を重視しています。

だからこそ、向上心や成長への意欲が伝わる質問は高評価につながります。

具体例

「もし採用していただけた場合、着任までの間に特に準備しておいた方が良いことがあれば教えていただきたいです」

ポイントは下記2点です。

  • 入職後を見据えた主体的な姿勢が伝わる。
  • 一方的に聞くだけでなく、「事前に準備したい」という積極性が好印象。

複数の目的を一つにまとめた応用的な質問

限られた時間で複数のアピールをしたい場合は、“一問二得”の逆質問が効果的です。

たとえば、理解度の高さと成長意欲を同時に伝えるような内容です。

具体例

「貴自治体の研究授業公開制度に興味があります。実際にそのような授業を実践されている先生方には、どのような特徴があるとお感じでしょうか?私も着任までに模擬授業などを通じて近づきたいと考えています」

ポイントは下記2点を見ておきましょう。

  • 自治体の制度への理解、研究意欲、成長志向を一度に伝えている。
  • 調べてきたことと自分の行動がつながっているので説得力がある。

他の自治体も併願している場合の効果的な伝え方

併願は珍しいことではありませんが、それを“どう伝えるか”で印象は大きく変わります。

その学校への熱意や定着への意欲を具体的に語ることが大切です。

具体例

「他の自治体も併願していますが、貴校の教育方針に最も共感し、本件に骨を埋める覚悟で臨んでいます。地域への理解を深めるため、年内には文化施設や学校周辺の地域を自分の足で見て回ろうと考えております」

ポイントは下記3点です。

  • 併願している事実を正直に伝えつつ、熱意と覚悟をしっかりアピール。
  • 地域への定着意欲を「行動計画」として具体化している。
  • 単なる言葉ではなく“動き”で信頼を得る逆質問の好例。

このように、逆質問は工夫次第で面接官の印象を大きく左右します。

大切なのは「調べた情報+自分の経験や考え=オリジナルな質問」をつくること。

テンプレートだけでは伝わらないあなたらしさが、合格への鍵になります。

逆質問で印象を下げないために避けたい質問とは

逆質問はアピールの場である一方で、内容によっては面接官にマイナスの印象を与えてしまう危険もあります。

準備不足や志望度の低さを疑われるような質問は、「この人は本気ではないかも」と見なされてしまい、評価を下げる原因になりかねません。

ここでは、特に注意すべきNGな質問パターンを3つ紹介します。

面接前にしっかりと確認し、失敗を避けましょう。

事前に調べればわかる内容をそのまま聞いてしまうケース

最もよくあるNG例が、「ホームページに載っている情報」をそのまま質問してしまうパターンです。

これは面接官に、「下調べしていない=志望度が低い」と思われてしまう大きな原因です。

NG例

「貴校の教育方針について教えてください」
「合格発表はいつ頃でしょうか?」

なぜNG?

  • ホームページや募集要項に明記されている内容であるため、調べればすぐにわかる。
  • その場しのぎの質問だと感じられ、「準備不足」と受け取られやすい。
  • 「この人はうちに本気で来たいと思っていないのかも」と評価を下げる。

改善ポイント

同じテーマを聞くにしても、「調べた上でさらに深掘りする」形にすればOKです。

「貴校の教育方針の中でも特に『〇〇』に共感しております。この取り組みを実現する上で、現場で特に意識されていることがあれば伺いたいです」

このように、事前調査+具体的な視点があるだけで、好印象に変わります。

労働条件や待遇などを前面に出す質問の危険性

待遇面が気になるのは当然のことですが、面接の場でそれを前面に出すのはリスクがあります。

給与、勤務時間、異動の有無、部活の顧問可否などを直接聞いてしまうと、「この人は条件だけで職場を選んでいる」と見られてしまう恐れがあります。

NG例

「年収はどれくらいになりますか?」
「残業はどのくらいありますか?」
「〇〇部の顧問は必須ですか?」

なぜNG?

  • 条件面ばかりを気にしている印象を与える。
  • 教育への熱意や学校への貢献意欲が伝わりにくくなる。
  • 「すぐ辞めそう」「トラブルが起きそう」と警戒されることも。

改善ポイント

労働条件に関する疑問は、内定後や説明会などの場で確認するのが基本です。

もしどうしても触れたい場合は、「働き方やサポート体制」に絡める形で、間接的に聞くことをおすすめします。

「新人教員としてスタートする際に、特にサポートが厚い取り組みや体制があれば教えていただけますか?」

こうすれば、“働く環境”への関心を前向きな角度で表現できます。

「特にありません」で終わってしまうのはNG

「逆質問ありますか?」と聞かれたときに、「特にありません」と一言で終わるのは避けましょう。

これでは、面接官に「関心がない」「意欲が感じられない」と受け取られてしまう可能性が高くなります。

NG例

「特にないです」
(一言だけで終わる)

なぜNG?

  • 面接官は「逆質問=やる気のバロメーター」として見ている。
  • 何も聞かない=興味がない、と誤解されやすい。
  • アピールの最後のチャンスをみすみす逃してしまう。

改善ポイント

どうしても質問が思い浮かばない場合は、「質問がない理由」を丁寧に説明しましょう。

これだけで、誠実な姿勢が伝わり、印象が一気に良くなります。

「これまでの説明や、採用説明会での情報で十分理解が深まりましたので、現時点で新たな質問はございません。本日は丁寧にご説明いただき、誠にありがとうございました」

「ない」ではなく「理解できているからこそない」と伝えることで、マイナスをプラスに変えることができます。

逆質問は内容も大事ですが、聞き方にも注意が必要です。

たとえ一つでも、「不適切な質問」は大きな減点につながることがあります。

事前にNG例をしっかりと把握し、自信を持って面接に臨めるように準備しておきましょう。

面接官に伝わる逆質問で押さえておきたいポイント

逆質問は、自分の魅力や意欲を“質問という形”で面接官に伝える、極めて重要なチャンスです。

ここでは、特に意識しておきたい3つの観点から、逆質問をより効果的にするための考え方を紹介します。

話しきれなかった強みを逆質問で補足する

面接本番では、想定していた質問が来なかったり、時間の都合でアピールしきれなかったことが出てきたりすることがあります。

んなときに役立つのが、逆質問の場を使って、自分の強みを補足するという方法です。

たとえば、ICT教育に関心があるものの、それに触れる機会がなかった場合、

「私はICTを活用した授業づくりに興味があり、大学でも実践的に学んでいました。貴校ではICT活用においてどのような取り組みをされていますか?」

と尋ねることで、質問を通して自分の関心や学びを自然に伝えることができます。

こうした逆質問は、単なる情報収集ではなく、「自分の強みをどう学校で活かしたいか」という姿勢を伝える手段となります。

教育にかける思いや子どもたちへの熱意を込める

逆質問には、教育への思いや、生徒一人ひとりと向き合いたいという気持ちを込めることも可能です。

学校側は、知識やスキルだけでなく、「この人はどんな思いで子どもと接しようとしているか」を重視して選考を行っています。

たとえば、

「私は子どもの小さな成長にも丁寧に寄り添い、認めていくことが大切だと考えています。貴校では、日々の学級経営の中で、そうした関わりをどのように実践されているか伺いたいです」

といった質問は、教育観を前向きに表現するうえで非常に効果的です。

自分の信念や思いを言葉にするのは簡単ではありませんが、それを“質問の形”にすれば自然に伝えることができます。

熱意のこもった質問は、型通りのやり取りでは出せない「人間的な魅力」として面接官に届きやすくなります。

入職後にどう貢献したいかを具体的に描く

面接官は常に、「この人が採用されたら、どんな形で学校に貢献してくれるだろうか」という視点で応募者を見ています。

そのため、逆質問の中で「入職後のビジョン」や「自分の貢献したい場面」を具体的に描いて伝えることができれば、印象に強く残る可能性が高まります。

たとえばこれまで部活動での経験がある人が

「私は学生時代に〇〇部で活動しており、ぜひ貴校でも部活動の支援を通じて学校に貢献したいと考えています。新人の先生が部活動に関わる機会について伺ってもよろしいでしょうか」

と質問すれば、過去の経験と将来の貢献意欲をうまく結びつけることができます。

このように、逆質問は単なる受け身のやり取りではなく、自分が「どのように活躍したいか」「どのような姿勢で臨むか」を面接官に伝えるための能動的な場です。

採用後のイメージが鮮明になるほど、面接官は「この人と働く姿」を具体的に想像しやすくなります。

印象に残る逆質問を作るためのテクニック

逆質問で面接官の記憶に残るためには、単に「何を聞くか」だけでなく、「どう聞くか」も重要です。

質問の内容に加え、伝え方や構成、さらには質問に込める個性によって、あなた自身の印象は大きく変わります。
ここでは、他の受験者と差がつく逆質問をつくるための実践的なテクニックを紹介します。

結論ファーストで簡潔に伝える工夫

面接の現場では、限られた時間の中で効率的に情報をやり取りする必要があります。

特に面接終盤の逆質問の場面では、面接官もすでに多くの情報を聞いた後であるため、話が冗長になると集中力が途切れてしまう可能性があります。

だからこそ、質問をする際は「結論から伝える」ことがとても大切です。

たとえば、「〜についてお聞きしたいのですが」と回りくどく前置きするのではなく、「〇〇について、具体的な取り組みを伺いたいです」といった形で、最初に要点を提示します。

そのうえで、なぜその質問をしたのか、背景や自身の関心を簡潔に添えると、面接官にとっても理解しやすく、回答もしやすくなります。

話の構成としては、「結論→理由→補足」の順にまとめることで、質問全体が整理され、印象に残りやすくなります。

言いたいことが多くなりすぎないように、一つの質問に盛り込む情報量は必要最低限にとどめるのがコツです。

自分の体験を交えてオリジナルな質問にする

インターネットで調べれば、逆質問の「例文」はいくらでも見つかります。

しかし、面接官は多くの受験者と接しているため、どこかで見たような質問にはすぐに気づきます。

だからこそ、印象に残るためには、テンプレートではなく“自分の言葉”で質問をすることが欠かせません。

そのためには、自身の体験や考えと結びつけて質問を組み立てることが有効です。

たとえば、教育実習で印象に残った出来事や、部活動・ボランティア・アルバイトなど、教育につながるエピソードを思い出し、それに基づいて学校の方針や取り組みに質問を投げかけてみましょう。

こうした質問は、「なぜこの質問をしたのか」という背景が明確なため、聞く側にも納得感があります。

さらに、「この人は自分の経験を振り返って言語化できる人だ」といった評価にもつながり、将来の教員としての成長可能性を感じさせることができます。

質問が思い浮かばないときのスマートな対応方法

どれだけ準備をしていても、緊張やその場の空気にのまれて、突然質問が思い浮かばなくなることは珍しくありません。

しかし、そこで黙り込んだり、「ありません」と一言で終わってしまうと、面接官に「関心が薄い」と誤解されかねません。

そんなときは、まず「少し考える時間をいただけますか」と冷静に伝えることで、落ち着いた姿勢を見せることができます。

無理にひねり出そうとせず、考えてから発言する姿勢は、むしろポジティブな印象を与えることもあります。

また、本当に質問が思い浮かばない場合は、「質問がない理由」を具体的に伝えることで、意欲や誠実さを示すことができます。

たとえば、これまでに学校の説明会に参加し十分に情報を得られている場合は、

「説明会で伺ったお話と、本日の面接を通して、貴校への理解が深まりました。現時点で新たに伺いたいことはありません」

と伝えることで、前向きな姿勢を印象づけられます。

逆質問は、内容が完璧でなくても、「どのように取り組んだか」が評価される場面でもあります。

焦らず、誠実に対応することが、何よりも大切です。

以上が、印象に残る逆質問を作るための基本テクニックです。

内容を工夫するだけでなく、自分の考えを整理して伝える力そのものが、将来の教員としての資質として評価されます。

準備段階から「自分らしさ」を意識して、あなたならではの逆質問を作り上げましょう。

まとめ

教員採用試験の面接における逆質問は、単なる形式的なやり取りではなく、志望度や教育への姿勢、人柄、入職後のビジョンまでを伝えるための大切なアピールの場です。

学校や自治体の情報を事前にしっかりと調べたうえで、自分自身の経験や思いと結びつけた質問ができれば、面接官に「この人と一緒に働きたい」と思わせることも十分可能です。

反対に、調べればわかる内容や、待遇ばかりに目が向いた質問、「特にありません」で終わるような対応は、評価を下げる原因になりかねません。

逆質問は、あなたの強みや熱意を“質問という形”で表現できる貴重なチャンスです。

自分の言葉で、自分らしい思いを込めた質問を準備しておくことが、面接成功の鍵となるでしょう。

そして、より確実に合格を目指すなら、面接対策のプロにサポートを受けるのも有効です。

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自信を持って本番に臨みたい方は、ぜひ活用を検討してみてください。

あなたの想いが面接官にしっかりと届きますように。合格への一歩を、着実に踏み出しましょう。

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