「履歴書に教員免許の正式名称ってどう書けばいいの?」

「そもそも教員免許って何種類あるの?」

こうした疑問を持つ方は少なくありません。

就職・転職活動や教員採用試験の出願など、書類作成の際に「教員免許の正式名称」を正確に書く必要が出てきますが、意外とあいまいなままにしている方も多いのではないでしょうか。

特に普通免許状・特別免許状・臨時免許状といった種類の違いや、履歴書への正しい書き方を知っておかないと、思わぬ減点につながる可能性もあります。

このコラムでは、教員免許の正式名称のルールや種類ごとの違い、履歴書での正しい書き方までを丁寧に解説します。

これを読めば、自信を持って教員免許に関する書類を作成できるようになりますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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教員免許の正式名称は「教育職員免許状」

一般的に「教員免許」と総称されますが、その正式名称は「教育職員免許状」です。

運転免許「証」と混同しやすいですが、正しくは免許「状」と記載します。

この免許状は、大学や短期大学で必要な単位と学位を修得した後、各都道府県の教育委員会に授与申請を行うことで発行されます。

教員採用試験を受ける際など、履歴書に資格を記載する場面では、この正式名称を用いることが必須とされています。

教員免許は、学校の教員として教壇に立つために必須の資格です。

その正式名称や種類、履歴書への正しい記載方法について正確に理解しておくことは、教員採用試験だけでなく、一般企業への就職活動においても重要となります。

教員免許の3つの種類

教員免許状は、大きく分けて「普通免許状」「特別免許状」「臨時免許状」の3種類に分類されます

•普通免許状

最も一般的な教員免許状で、多くの教員が所持しています。

取得には、教職課程を履修した大学や短期大学での学位と単位修得が基礎となります。

かつては取得から10年間の有効期限があり、更新制度が適用されていましたが、2022年7月1日以降、教員免許更新制は廃止され、同日時点で有効な免許状は生涯有効となりました。

•特別免許状

優れた知識や経験、技能を持つ社会人を学校教育に登用し、多様化や活性化を図ることを目的として設けられた免許状です。

教員として任命または雇用しようとする者の推薦に基づき、教育職員検定に合格することで授与されます。

専門的な知識や経験、技能、社会的信望に加え、教員としての熱意や識見が求められます。

この免許状は、授与を受けた都道府県でのみ有効で、発行件数は多くありません。

•臨時免許状

学校が普通免許状を持つ人材を確保できない場合に限り、教職員検定の合格者に授与される免許状です。

助教諭や養護助教諭として勤務できます。

有効期限は3年間と比較的短く、授与を受けた都道府県内でのみ適用されます。

ただし、相当期間にわたり普通免許状を持つ人材を採用できない事情がある場合は、6年間まで有効期限を延長する特例措置が講じられることがあります。

普通免許状の区分別正式名称一覧

普通免許状は、教職課程を履修した学校の課程によって「専修」「一種」「二種」の3つの区分に分類されます。

専修・一種・二種の違いとは?

•専修免許状:大学院の修士課程を修了した者が取得できる免許状です。

•一種免許状:4年制大学を卒業した者(学士の学位を保有)が取得できる免許状です。

•二種免許状:短期大学を卒業した者(短期大学士の学位を保有)が取得できる免許状です。

これら一種・二種・専修の区分による業務上の違いは基本的にありません。

また、教員の採用においては学歴よりも人柄が重視されるケースが多いため、免許状の種類で待遇に大きな差が出ることも少ないとされています。

上位の免許状に切り替えたい場合は、3年以上の勤務経験や、教職課程のある大学・大学院での単位取得などが必須となります。

将来的に上位免許の取得を検討する可能性があるならば、初めから一種や専修の教員免許状を目指す方が効率的といえます。

幼稚園・小学校教員免許の正式名称

幼稚園と小学校の教員免許の正式名称は以下の通りです

•幼稚園教諭一種免許状

•幼稚園教諭二種免許状

•幼稚園教諭専修免許状

•小学校教諭一種免許状

•小学校教諭二種免許状

•小学校教諭専修免許状

履歴書に記載する際は、「第一種」「第二種」のように「第」の字は付けずに、漢数字の「一種」「二種」を使用することが正しい書き方です。

中学校教員免許の正式名称と教科一覧

中学校の教員免許は、教科ごとに細かく分かれています。

履歴書に記載する際は、正式名称の後にカッコ書きで教科名を記載することが必須です。

正式名称は以下のようになります。

•中学校教諭一種免許状(教科)

•中学校教諭二種免許状(教科)

•中学校教諭専修免許状(教科)

例:中学校教諭一種免許状(社会)

教科名には「科」を付けません。

例えば、「社会科」ではなく「社会」と記載します。

中学校の教員免許で教えられる教科には、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、保健、技術、家庭、職業、職業指導、職業実習、外国語、宗教など15教科があります。

高等学校教員免許の正式名称と教科一覧

高等学校の教員免許も中学校と同様に、教科ごとに細分化されています。

履歴書に記載する際は、正式名称の後にカッコ書きで教科名を記載します。

正式名称は以下のようになります。

•高等学校教諭一種免許状(教科)

•高等学校教諭専修免許状(教科)

例:高等学校教諭一種免許状(英語)

高等学校の教員免許には、二種免許状がありません。

そのため、短期大学卒業では高等学校の教員免許状を取得することはできず、高校の教員になるには大学か大学院の卒業が必須となります。

高等学校の教員免許で教えられる教科には、専修・一種免許で教えられる国語、地理歴史、公民、数学、理科、音楽、美術、工芸、書道、保健体育、保健、看護、看護実習、家庭、家庭実習、情報、情報実習、農業、農業実習、工業、工業実習、商業、商業実習、水産、水産実習、福祉、福祉実習、商船、商船実習、職業指導、外国語、宗教など32教科があります。

また、一種免許のみで教えられる柔道、剣道、情報技術、建築、インテリア、デザイン、情報処理、計算実務の8科目もあります。

特別支援学校・養護教諭・栄養教諭の正式名称

特定の分野に特化した教員免許状の正式名称は以下の通りです。

•特別支援学校

◦特別支援学校一種免許状

◦特別支援学校二種免許状

◦特別支援学校

専修免許状特別支援学校の教員免許を取得している場合、通常は幼稚園、小学校、中学校、高等学校のいずれかの教員免許も併せて所持していますので、忘れずに両方を記載することが重要です。

•養護教諭

◦養護教諭一種免許状

◦養護教諭二種免許状

◦養護教諭

専修免許状養護教諭は「保健室の先生」の正式名称です。

•栄養教諭

◦栄養教諭一種免許状

◦栄養教諭二種免許状

◦栄養教諭

専修免許状栄養教諭になるには、栄養士または管理栄養士の免許も必要です。

履歴書での教員免許の正しい書き方

履歴書に教員免許を記載する際は、正確な情報と形式が求められます。

1.記載箇所:履歴書の「免許・資格」欄に記載します。

2.記載順序:「1.学校の種類、2.教諭、3.区分、4.免許状、5.教科(中高の場合)」の順に記入し、最後に「取得」と書きます。

◦例:平成30年3月幼稚園教諭一種免許状取得

3.取得年月日:教員免許状に記載されている「授与年月日」を正確に記入します。

4.漢数字:「一種」「二種」と書き、「第」の字はつけません。

5.中学校・高等学校:必ず教科名をカッコ書きで記載します。教科名に「科」は付けません。

◦例:平成30年3月中学校教諭一種免許状(社会)取得

6.複数所持:複数の免許を所持している場合は、1行に1つずつ記載します。取得年月日が古いものから時系列順に並べて書くのが基本です。他の資格も同様に時系列順に記載します。

◦例:平成30年3月中学校教諭一種免許状(英語)取得平成30年3月高等学校教諭一種免許状(英語)取得

7.取得見込み:新卒者など、卒業と同時に免許取得が見込まれる場合は、正式名称の後に「取得見込み」と記入します。取得年月は卒業見込みの年月を記入するのが一般的です。

◦例:令和5年3月中学校教諭一種免許状(社会)3月31日取得見込み

8.更新制度廃止後の記載:教員免許更新制は2022年7月1日をもって廃止されました。

同日時点で有効な免許状は生涯有効となりました。

2022年6月30日以前に失効した免許状については、都道府県教育委員会に再授与申請手続きを行うことで、有効期限のない免許状の授与を受けることが可能です。

もし更新講習を受けずに失効した期限切れ免許状を履歴書に記載する場合は、「(更新講習未受講)」と併記することで資格として記載できます。

◦例:2016年3月小学校教諭一種免許状(国語)(更新講習未受講)

教科別教員免許の正式名称

中学校と高等学校の教員免許は教科によって正式名称が異なります。

ここでは、具体的な教科ごとの正式名称と特徴を解説します。

人気教科の正式名称

•社会科(中学)・地理歴史・公民(高校)の正式名称

◦中学校教諭一種免許状(社会)

◦高等学校教諭一種免許状(地理歴史)

◦高等学校教諭一種免許状(公民)

社会科という教科名は中学校にのみ存在し、高校では地理歴史と公民に分かれます。

いずれも教科名の後に「科」は付きません。

•保健体育の正式名称と注意点

◦中学校教諭一種免許状(保健体育)

◦高等学校教諭一種免許状(保健体育)

保健と体育は中学校、高等学校ともに一つの教科名として扱われます。

こちらも「科」は付きません。

•国語・書道の正式名称

◦中学校教諭一種免許状(国語)

◦高等学校教諭一種免許状(国語)

◦高等学校教諭一種免許状(書道)

書道は一部の大学で高等学校教諭一種免許状として取得可能です。

•数学・理科の正式名称

◦中学校教諭一種免許状(数学)

◦高等学校教諭一種免許状(数学)

◦中学校教諭一種免許状(理科)

◦高等学校教諭一種免許状(理科)

これらの教科も「科」を付けずに記載します。

•英語・外国語の正式名称

◦中学校教諭一種免許状(英語)

◦高等学校教諭一種免許状(英語)

英語の他にも、中国語、フランス語、ドイツ語などの外国語の教員免許が存在します。

形式は「中学校教諭一種免許状(中国語)」のようになります。

専門教科の正式名称

高校では、普通教科以外にも専門的な教科の教員免許が存在します。

•工業・商業・農業などの専門教科

◦高等学校教諭一種免許状(工業)

◦高等学校教諭一種免許状(商業)

◦高等学校教諭一種免許状(農業)

その他に工芸、看護、水産、福祉、商船などがあります。

•情報・福祉などの新しい教科

◦高等学校教諭一種免許状(情報)

◦高等学校教諭一種免許状(福祉)

これらの教科は比較的新しい分野の教科ですが、正式名称は他の教科と同様の形式をとります。

•実習教科の正式名称

◦中学校教諭一種免許状(職業実習)

◦高等学校教諭一種免許状(看護実習)

◦高等学校教諭一種免許状(家庭実習)

その他、情報実習、農業実習、工業実習、商業実習、水産実習、福祉実習、商船実習などがあります。これらも同様にカッコ書きで教科名を記載します。

教員免許の正式名称【英語表記】

英文履歴書(Resume/CV)では、日本の教員免許を直訳するのではなく、その内容を理解してもらえるように記載することが一般的です。

通常、”TeachingLicense”や”Teacher’sCertificate”といった表現が用いられます。

各免許状の英語表記一覧

各免許状の英語表記には公式な統一基準がない場合が多いですが、一般的には以下のように表現されます。

•幼稚園教諭一種免許状:KindergartenTeacher’sLicense,FirstClass

•小学校教諭一種免許状:ElementarySchoolTeacher’sLicense,FirstClass

•中学校教諭一種免許状(英語):JuniorHighSchoolTeacher’sLicense(English),FirstClass

•高等学校教諭一種免許状(数学):HighSchoolTeacher’sLicense(Mathematics),FirstClass

•専修免許状:AdvancedTeacher’sLicense(またはMaster’s-levelTeacher’sLicense)

•二種免許状:AssistantTeacher’sLicense(またはAssociate’s-levelTeacher’sLicense)

•特別支援学校教諭免許状:SpecialNeedsEducationTeacher’sLicense

•養護教諭免許状:SchoolNurseTeacher’sLicense

•栄養教諭免許状:NutritionTeacher’sLicense

海外での活用方法

日本の教員免許が海外で直接通用することは稀です。

通常、海外で教員として働くためには、その国の教員免許や資格を取得する必要があります。

ただし、日本の教員免許の取得で培った知識や経験は、海外の教育現場や関連職種で評価される可能性があります。

教員免許の正式名称に関するよくある疑問

教員免許の記載について、よくある疑問とその回答をまとめました。

「第一種」「第二種」と書いてはダメ?

「第一種」「第二種」のように「第」の字を付けて記載するのは誤りです。

正しくは、漢数字で「一種」「二種」「専修」と書きます。

教科名は()内に書くの?

中学校と高等学校の教員免許の場合は、正式名称の後にカッコ書きで教科名を記載することが必須です。

例えば、「中学校教諭一種免許状(社会)」のように記述します。教科名には「科」を付けません。

更新していない場合はどう書く?

教員免許更新制は2022年7月1日をもって廃止されたため、同日時点で有効な免許状は生涯有効となりました。

しかし、もし2022年6月30日以前に有効期限が切れ、更新講習を受けていない場合は、履歴書にその旨を併記することが推奨されます。

記載例としては、「2008年3月小学校教諭一種免許状取得(更新講習未受講)」となります。

失効した免許状も、再授与申請手続きを行うことで有効期限のない免許状として再取得が可能です。

複数教科の免許がある場合の書き方は?

複数の教員免許を所持している場合でも、1行に1つずつ記載するのが履歴書作成の基本ルールです。

科目が同じであっても、中学校と高等学校の免許は別々に記載します。

記載する順番は、取得年月日が古いものから順に時系列で並べるのが一般的です。

教員免許以外の保有資格も同様に時系列で記載します。

取得年月日が分からない場合は?

教員免許状に「授与年月日」が記載されていますので、まず手元にある免許状を確認しましょう。

もし免許状が見当たらない場合は、免許状を授与した都道府県の教育委員会に「教育職員免許状授与証明書」の発行を申請することで、取得年月日を確認できます。

失効した免許はどう書く?

2022年7月1日以降、教員免許更新制が廃止され、同日時点で有効な免許状は生涯有効となりました。

もし2022年6月30日以前に失効していた免許状であっても、都道府県教育委員会に再授与申請手続きを行うことで、有効期限のない免許状の授与を受けることが基本的に可能です。

履歴書に記載する際は、「(更新講習未受講)」と補記することで、資格として記載できます。

まとめ

教員免許の正式名称は「教育職員免許状」であり、その種類は「普通免許状」「特別免許状」「臨時免許状」の3つに大別されます。

特に普通免許状は学位に応じて「専修」「一種」「二種」に分かれ、中学校や高等学校の免許では教科名をカッコ書きで記載する必要があります。

履歴書に教員免許を記載する際は、取得年月日と正式名称を正確に記入し、複数の免許がある場合は1行に1つずつ時系列順に記載することが重要です。

新卒の場合は「取得見込み」、更新講習を受けていない場合は「(更新講習未受講)」と併記します。

教員免許は、あなたが努力を重ねて培った経験とスキルの証です。

正しい記載方法を守り、その価値を最大限にアピールすることで、あなたのキャリアパスを広げる一助となるでしょう。

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