総合型選抜と指定校推薦は、推薦書の有無や合格率、出願時期、専願ルールに違いがある入試方式です。

結論、個性や活動実績をアピールしたい人には総合型選抜、評定平均が安定し志望校の指定校枠がある人には指定校推薦が向いています。

また、この2つの方式を併願することは原則として認められていません。

本記事では、両者の5つの違いや自分に合う入試方式の選び方を詳しく解説します。

総合型選抜と指定校推薦の5つの違い

総合型選抜と指定校推薦は、どちらも一般選抜よりも早い時期に合否が決まる入試方式ですが、選考の仕組みには明確な違いがあります。

両者を混同したまま準備を進めると、自分に向いていない方式を選んでしまうリスクがあります。

とくに指定校推薦には特有の制約があり、出願前に正しく理解しておくことが欠かせません。

ここからは、押さえておきたい5つの違いを順番に解説していきます。

推薦書の有無

両者を区別する最も大きな違いは、出願に推薦書が必要かどうかです。

総合型選抜は推薦書を提出する必要がなく、大学の出願条件を満たしていれば自分の意志で応募できます。

一方、指定校推薦は学校長の推薦書が必須となるうえ、大学から指定校枠を与えられた高校の在校生だけが対象となります。

自分の高校に志望大学の指定校枠があるかどうかは、進路指導の先生に早めに確認しておきましょう

指定校枠は大学と高校の信頼関係に基づいて毎年設定されるため、前年あった枠が翌年になくなる場合もあります。

校内選考を経て選ばれた生徒だけが出願できる仕組みのため、出願までのハードルそのものが総合型選抜より高いといえます。

選考内容

選考の中身を見ると、面接と書類審査が中心となる点では共通しています。

ただし、評価されるポイントや問われる力には大きな違いがあります。

総合型選抜では志望理由書や活動報告書、プレゼンテーション、口頭試問などを通じて、自分の考えや経験を言語化する力が試されます。

大学によってはディベートや集団討論を取り入れる形式もあり、コミュニケーション能力がしっかり評価される試験設計です。

指定校推薦は小論文と面接を軸とする選考が中心で、総合型選抜と比べると問われる範囲が絞られている傾向があります。

国公立大学の学校推薦型選抜では、大学入学共通テストの受験を条件としているケースもあり、学力試験を完全に避けたい受験生は事前にチェックが必要です。

志望校がどのような選考方法を採用しているか、必ず最新の募集要項で確認しておくと安心です。

合格率

合格率の傾向には、両者で圧倒的な差があります。

指定校推薦は、高校と大学の信頼関係に基づく入試方式のため、合格率の高い試験です。

面接や小論文も形式的な内容が中心で、よほどの問題がない限り不合格となるケースは稀です。

ただし、合格率の高さはあくまで校内選考を突破した後の話であり、ここに到達するまでには評定平均や生活態度など厳しい校内基準をクリアする必要があります。

一方の総合型選抜は、大学・学部によって倍率の幅が大きく、難関大学や人気学部では高倍率となるケースも多く、決して「受かりやすい入試」ではありません。

「総合型選抜は楽な入試」というイメージで判断せず、志望校の過去の倍率や合格者数を必ず確認したうえで戦略を立てることが大切です。

出願時期

出願スケジュールにも明確な違いがあります。

文部科学省の大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜は出願受付が9月1日以降、合格発表は11月1日以降と定められています。

指定校推薦を含む学校推薦型選抜は、出願受付が11月1日以降、合格発表は12月1日以降と規定されており、総合型選抜より2か月ほど遅いスケジュールです。

指定校推薦の場合は、大学への出願よりも前に校内選考を通過することが必要となり、その校内選考は夏休み明けから10月にかけて行われるのが一般的です。

総合型選抜のエントリーについては、大学によっては6〜8月頃から受付を開始するケースもあります。

すべての大学で同じ仕組みが採用されているわけではないため、志望校の最新スケジュールは必ず公式サイトで確認しましょう

専願・併願ルール

併願できるかどうかも、両者で扱いが大きく異なります。

指定校推薦は、校内選考を通過した時点で他の入試方式との併願は原則として認められません。

高校と大学の信頼関係に基づく制度であるうえに、調査書の発行も高校側の判断となるため、複数方式同時出願には対応してもらえないケースがほとんどです。

一方、総合型選抜の場合は、国公立大学ではほぼすべての大学が専願を条件としていますが、私立大学では出願段階での他大学併願を認める大学もあります

ここで混同しやすいのは、「合格後の入学を確定させる専願」と「出願時点で他大学と併願できるかどうか」が別の概念であるという点です。

専願は合格後の入学を約束する制度を指し、出願段階での他大学受験の可否とは別問題のため、募集要項で必ず確認しましょう。

総合型選抜と指定校推薦を両方受けることはできるか

結論、総合型選抜と指定校推薦を併願することは原則として不可能です。

指定校推薦の制度上の縛りと高校側の対応が、その理由として挙げられます。

指定校推薦の併願が原則として認められない最大の理由は、指定校推薦そのものが「合格後に必ず入学する」ことを前提とした制度だからです。

募集要項には「専願」「単願」が明記されている大学が大半で、合格した段階で他大学への進学は事実上できなくなります。

仮に合格後に辞退すると、翌年以降に後輩へ与えられる指定校枠が縮小されたり、廃止されたりする恐れがあるため、現実的には辞退できない制度として運用されています。

もう一つの理由は、高校側のルールにある点です。

多くの高校では「指定校推薦を受ける場合は他の入試と掛け持ちしない」という独自の方針を設けており、進路指導の段階で併願を断られるケースがほとんどです。

総合型選抜への出願に必要な調査書も高校が発行するため、調査書を出してもらえなければ物理的に出願できません

指定校推薦への応募を考えているなら、必ず担任の先生や進路指導の先生に事前確認をとっておきましょう。

ただし、校内選考の段階で選ばれなかった場合は、他大学の総合型選抜や公募推薦に再チャレンジすることが可能です。

ここで注意したいのは、総合型選抜の出願は9月1日以降と早めに設定されているため、校内選考の結果が出るタイミングによってはスケジュール的に間に合わないケースもある点です。

そうした場合は、出願受付が11月1日以降から始まる公募推薦に切り替えるという選択肢を検討するとよいでしょう。

まとめ

総合型選抜と指定校推薦は、推薦書の有無や選考内容、合格率、出願時期、専願ルールに大きな違いがあります。

校内選考を通過すればほぼ合格できる指定校推薦は、評定平均が安定している人に向いている方式です。

総合型選抜は出願時の評定平均が大学によって様々であり、多くの受験生にとって挑戦しやすい受験方式です。

この2つの方式を併願することは原則できないため、指定校推薦を選ぶなら専願となる前提で出願先を決めましょう。

校内選考で選ばれなかった場合は、公募推薦や総合型選抜への切り替えを検討してみてください。

早めに進路指導の先生や家族と相談し、納得のいく進路選択につなげていきましょう。