医学部受験において大切なことのうちの一つが志望校選択です。

志望校選択に関して、まず最初に考慮するべきなのが倍率でしょう。

このコラムでは医学部の実質倍率（受験者数/合格者数）について国公立大学や私立大学、入試形式で分けて解説します。

※令和7年のデータをもとに作られています。

国公立の医学部倍率ランキング（前期日程）

大学名	志願者数	合格者数	倍率
防衛医科大学校	5627	378	14.9
弘前大学	458	51	9.0
愛媛大学	516	59	8.7
富山大学	562	71	7.9
宮崎大学	382	51	7.5
秋田大学	314	45	7.0
滋賀医科大学	389	61	6.4
鹿児島大学	440	71	6.2
高知大学	360	59	6.1
長崎大学	446	81	5.5
山形大学	375	70	5.4
島根大学	344	67	5.1
熊本大学	467	93	5.0
広島大学	487	98	5.0
群馬大学	374	77	4.9
浜松医科大学	362	75	4.8
鳥取大学	383	81	4.7
琉球大学	328	71	4.6
和歌山県立医科大学	341	77	4.4
佐賀大学	238	54	4.4
大分大学	285	70	4.1
東京大学	388	98	4.0
香川大学	323	82	3.9
札幌医科大学	299	77	3.9
福井大学	210	56	3.8
東京科学大学	302	81	3.7
新潟大学	319	86	3.7
山口大学	204	55	3.7
旭川医科大学	147	40	3.7
横浜市立大学	284	79	3.6
岡山大学	335	95	3.5
徳島大学	224	64	3.5
名古屋市立大学	207	61	3.4
北海道大学	298	90	3.3
三重大学	249	76	3.3
神戸大学	299	94	3.2
筑波大学	198	65	3.0
信州大学	276	92	3.0
千葉大学	317	106	3.0
東北大学	231	81	2.9
岐阜大学	156	55	2.8
金沢大学	238	84	2.8
大阪大学	269	96	2.8
京都大学	301	109	2.8
名古屋大学	265	96	2.8
福島県立医科大学	192	72	2.7
京都府立医科大学	267	101	2.6
大阪公立大学	196	80	2.5
九州大学	252	106	2.4
奈良県立医科大学	48	22	2.2

前期日程においては、倍率が2〜4倍の範囲に多くの医学部が集中していることが特徴的です。

ただし、倍率4倍を大きく超える医学部も多数あり、早めに志望校の倍率の変動を意識しておくことが大切です。

また、一見倍率が低いように見える医学部も、第一段階選抜によって倍率調整が行われている可能性があるため注意しましょう。

今後も国公立大学医学部の入試は非常にハイレベルな競争になることが予想されるでしょう。

国公立の医学部倍率ランキング（後期日程）

大学名	志願者数	合格者数	倍率
佐賀大学	170	4	42.5
山口大学	445	11	40.5
旭川医科大学	232	10	23.2
秋田大学	688	30	22.9
琉球大学	513	26	19.7
千葉大学	357	20	17.9
三重大学	204	12	17.0
名古屋大学	83	5	16.6
鹿児島大学	393	24	16.4
奈良県立医科大学	981	63	15.6
浜松医科大学	214	14	15.3
福井大学	441	29	15.2
東京科学大学	162	11	14.7
宮崎大学	238	18	13.2
山梨大学	1,345	107	12.6
山形大学	186	18	10.3

国公立大学医学部の後期入試は、前期入試を実施しない山梨大学を除き、定員数が非常に少ないことが特徴的です。

近年は後期試験を縮小・廃止する医学部も増えてきています。

その一方、受験者数もそれほど多くないため倍率もある程度低い傾向がみられます。

前期入試で合格したり私立大学への進学を決めたりした受験者が受験しないのが後期日程のため、少ない定員数のわりに倍率が低く収まっていると考えられます。

私立の医学部倍率ランキング（一般入試）

大学名	受験者数	合格者数	実質倍率
金沢医科大学（後期）	1101	10	110.1
近畿大学（後期）	671	7	95.9
久留米大学（後期）	568	7	81.1
藤田医科大学（後期）	586	8	73.3
日本大学（Ｎ方式第2期）	1,282	20	64.1
埼玉医科大学（後期）	1,564	25	62.6
昭和医科大学（Ⅱ期）	1,063	19	55.9
帝京大学	8,104	182	44.5
大阪医科薬科大学（後期）	726	17	42.7
獨協医科大学（後期）	840	20	42.0
関西医科大学（後期）	303	11	27.5
獨協医科大学（前期）	3,474	130	26.7
東海大学	3,711	161	23.0
兵庫医科大学（一般B）	387	17	22.8
順天堂大学（B方式）	267	13	20.5
埼玉医科大学（前期）	2,248	112	20.1
産業医科大学（A・B）	1,681	85	19.8
昭和医科大学（地域枠選抜）	359	20	18.0
近畿大学（地域枠入試）	292	17	17.2
金沢医科大学（前期）	3,855	226	17.1
福岡大学	2,468	170	14.5
順天堂大学（地域枠選抜）	447	32	14.0
順天堂大学（A方式）	2,039	169	12.1
東京医科大学	2,461	211	11.7
近畿大学（前期）	1,479	131	11.3
昭和医科大学（Ⅰ期）	2,435	221	11.0
兵庫医科大学（一般A）	1,874	176	10.6
岩手医科大学	2,314	227	10.2
日本大学（Ｎ方式第1期）	1,960	200	9.8
関西医科大学（前期）	1,816	198	9.2
久留米大学（前期）	1,406	155	9.1
大阪医科薬科大学（前期）	1,786	203	8.8
愛知医科大学	2,117	243	8.7
東京女子医科大学	1,013	120	8.4
東京慈恵会医科大学	1,730	227	7.6
国際医療福祉大学	2,879	388	7.4
慶應義塾大学	1,284	177	7.3
北里大学	1,573	232	6.8
藤田医科大学（前期）	1,495	265	5.6
東北医科薬科大学	1,661	301	5.5
聖マリアンナ医科大学（前期）	2,678	非公表
杏林大学	2,240	非公表
東邦大学	2,060	非公表
自治医科大学	1,818	非公表
日本医科大学（前期）	1,612	非公表
聖マリアンナ医科大学（後期）	1,490	非公表
川崎医科大学	1,276	非公表
日本医科大学（後期）	1,151	非公表

私立大学医学部の一般入試は、数ある入試日程で最も受験者数が多い日程といえるでしょう。

ほぼすべての医学部で1,000名以上の受験者数となっており、結果として半数以上の医学部の倍率が10倍以上となっています。

国公立大学医学部に比べ、試験科目数が少なく、偏差値が低い私立大学医学部の受験者数が特に多くなっています。

私立の医学部倍率ランキング（センター利用）

大学名	受験者数	合格者数	実質倍率
帝京大学	1084	17	63.8
埼玉医科大学	801	16	50.1
愛知医科大学（地域特別枠B方式）	76	3	25.3
順天堂大学（後期）	257	12	21.4
関西医科大学（後期）	96	5	19.2
愛知医科大学	979	51	19.2
順天堂大学（前期）	605	33	18.3
産業医科大学（A・C）	148	68	17.9
国際医療福祉大学	831	53	15.7
順天堂大学（共テ・一般独自併用）	512	34	15.1
東海大学	812	64	12.7
大阪医科薬科大学	619	51	12.1
福岡大学	579	56	10.3
東京医科大学	809	79	10.2
関西医科大学（前期）	887	94	9.4
東海大学（神奈川県・静岡県地域枠）	181	23	7.9
関西医科大学（共テ・一般併用）	810	122	6.6
藤田医科大学	687	116	5.9
東北医科薬科大学	153	26	5.9
杏林大学	907	非公表
日本医科大学（グローバル特別選抜）	178	非公表
近畿大学（前期）	非公表	32
近畿大学（中期）	非公表	23
近畿大学（後期）	非公表	2

共通テスト利用入試を実施する私立大学医学部は限られており、また定員もそれほど多くない傾向にあります。

また、国公立大学志望者が併願して受験しやすいため、おのずと倍率が高くなりやすいのが共通テスト利用入試の特徴です。

率直に言えば、最も合格しづらい入試日程のひとつと考えられます。

私立大学志望者は一般選抜などでの合格を本命にして、共通テスト利用入試は「本命対策の範囲で受験できる」と判断できた場合に受験するのがおすすめです。

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