「社会人が公認心理師になるためには何が必要?」
「公認心理師資格取得のためのステップは?」
「働きながらでも公認心理師の資格を取得できる?」

これらは、現在働いていて将来的に心理職に転職を考えている方々や、キャリアアップを目指している社会人からよく寄せられる疑問です。

公認心理師としての資格を取得する過程は、通常の大学や大学院での学習が基本とされていますが、通学生の大学・大学院に通うことは、仕事を持つ社会人の方にとって大きな課題となります。

公認心理師を目指す社会人にとっては、受験資格を得るための通信制大学や大学院が非常に限られており、選択肢の少なさがハードルとなることも少なくありません。

本コラムでは、社会人が公認心理師になるための現実的なルート、特に働きながらでもアクセス可能な通信制の教育プログラムに焦点を当て、それぞれの教育機関で必要となる学費について解説します。

公認心理師を目指す際には、学費のみならず、スクーリングや教材費など、その他のコストもしっかりと把握しておくことが重要です。

社会人が公認心理師になるには

公認心理師は、心理学の専門知識と技術を持ち、さまざまな場面で心理的支援を提供する国家資格です。

公認心理師の資格を取得するためには、まず国家試験に合格しなければなりません。

試験合格後には、公認心理師登録簿に自身を登録し、公式に「公認心理師」としての活動が可能になります。

しかし、そもそも公認心理師の国家試験を受験するためには、特定の受験資格を満たさなければなりません。

受験資格を満たすには、複数のルートが存在し、合計7つの区分があります。

社会人が公認心理師の受験資格を得る方法

社会人が公認心理師の受験資格を得る場合、通学をしながら区分Aと区分Bを選択するのはあまり現実的ではありません。

社会人としての生活と学生としての生活を両立させることが難しいからです。特に、公認心理師の受験資格を得るためには、実習があり、長期間にわたって現地での実習が求められます。

心理系の大学を卒業していない場合、社会人の方が公認心理師としてのキャリアを目指すには、一般的には「区分A(大学+大学院の6年)」のルートを取ることになります。

区分Aのルートは、公認心理師に必要なカリキュラムが設定された4年制大学での教育を経て、さらに公認心理師のカリキュラムがある大学院で2年間学ぶ必要があります。

区分Aのルートで公認心理師の受験資格を得る場合、最短で公認心理師になるには、6年間の教育を受けなければなりません。

4年制大学卒業後、指定された実務経験を2年以上積む方法(区分B)でも受験資格は得られるものの、これは現実的な選択肢としては困難が伴うことが多いです。

なぜなら、区分Bでのルートで受験資格を得るために必須となる実務経験を積むための施設が限られており、限られた施設の枠を巡って他の受験生との競争が非常に激しいからです。

したがって、社会人が公認心理師の受験資格を得るうえでは、通学ではなく、通信制の大学・大学院において、受験資格取得を目指すのが一般的です。

編入で学習期間を少なくできる

一方で、すでに大学を卒業している社会人が公認心理師を目指す場合、特定の大学では編入学制度を利用して学習期間を短縮することが可能です。

編入学を実施している大学では、3年次からの進学が認められることがあります。ただし、これには留意点があります。

編入学したからといって、必ずしも公認心理師の受験資格に必要なすべての単位を4年次までに取得できるわけではなく、必要な実習に参加できる保証もありません。

そのため、編入学を検討する際には、該当する大学の具体的なカリキュラムや実習の機会を事前に確認することが重要です。

働きながら公認心理師になるには

社会人が公認心理師を目指す場合、多くは日々の仕事を続けながら資格取得の道を進むことになります。

公認心理師になるためには、大学及び大学院で特定のカリキュラムを修了する必要がありますが、通常の日中に授業が行われる通学制のプログラムでは、フルタイムで働く社会人にとっては参加が難しいことが多いです。

そのため、仕事を続けながら学びたい人にとっては、通信制の大学および大学院が最も現実的な選択肢となります。

通信制の教育機関では、教材の自宅学習やオンライン授業が中心となるため、自分の時間を有効に使いながら学習を進めることが可能です。

通信制大学では一般的に、入学試験が小論文と面接のみであることが多く、物理的な出席要件が少ないため、地理的な制約からも比較的自由です。

また、学習期間についても、個々のライフスタイルや仕事の状況に合わせて柔軟に調整が可能なプログラムが提供されています。

ただし、通信制の大学・大学院に通う場合でも、実習が必須となっているため、一定期間のスクーリングが必要となります。

したがって、通信制の大学・大学院であっても、長期間にわたって休まなければならないことを念頭においておきましょう。

公認心理師受験資格が取得できる通信制の大学4校

公認心理師の資格を取得するための教育プログラムを提供している通信制大学は以下の4校です。

  • 聖徳大学(千葉県) – 公認心理師カリキュラムを提供し、学生に必要な科目と実習を提供。
  • 京都橘大学(京都府) – 心理学の基礎から応用まで幅広いカリキュラムがあり、地元京都での実習機会も豊富。
  • 東京福祉大学(伊勢崎・王子・名古屋) – 多くのキャンパスで心理学関連のプログラムを展開しており、特に福祉と心理の接点に強みを持つ。
  • 放送大学(全国) – 全国どこからでもアクセス可能で、広範な心理学の科目をオンラインで提供。

各大学の詳細プログラムや特色については、通信制大学の詳細記事でさらに掘り下げていますので、ご参照ください。

公認心理師受験資格が取得できる通信制の大学院2校

公認心理師資格を得るための大学院レベルでの教育を提供している通信制の大学院は以下の2校があります。

  • 東京福祉大学大学院 – 心理学研究科があり、特に臨床心理学に特化した教育と実習を提供。
  • 佛教大学大学院 – 通信制コースも用意されており、実習と並行して進めることが可能なプログラムを展開。

これらの大学院に関する具体的なカリキュラムや特色、入学条件などは、通信制大学院の詳細記事をご覧ください。

公認心理師の学費はどれくらい?

公認心理師の学費は、通信制であれば、大学であれ、大学院であれ、大きく抑えることが可能です。

以下では、公認心理師の受験資格を得るために、通信制の大学・大学院において、どの程度の学費が必要となるかを解説します。

公認心理師受験資格が取得できる大学の学費

すでに説明したように、公認心理師の受験資格が取得できる大学としては、次の大学があります。

  • 聖徳大学(千葉県) 
  • 京都橘大学(京都府) 
  • 東京福祉大学(伊勢崎・王子・名古屋)
  • 放送大学(全国)

公認心理師受験資格が取得できる大学の学費はおよそ以下のとおりです。

大学名学費(4年間)
聖徳大学93万円
※学費等+公認心理師「課程履修費」+スクーリング等の見込みで算出
京都橘大学125万円
※入学金+授業料(4年間)+心理実習料で算出(教科書代・スクーリングの交通費や宿泊費・教材費を除く)
東京福祉大学70万円
※入学選考料+入学金+授業料+卒業証書等諸経費+学生総合保障費で算出
放送大学40万円
※入学金+単位数(@6000×必要単位数52単位)+選考試験選考料+実習費用で算出
参考:聖徳大学 https://seitoku.libra.jpn.com/#/content/3
京都橘大学 https://echool.tachibana-u.ac.jp/expense/
東京福祉大学 https://www.tokyo-fukushi.ac.jp/correspondence/expenses.html
放送大学 https://www.ouj.ac.jp/booklet/2024/kounin_leaflet_2024-11.pdf

公認心理師受験資格が取得できる大学院の学費

公認心理師となるために必要な科目を開講する大学等で通信制の大学院は、2026年9月現在佛教大学大学院と東京福祉大学大学院の2つです。

佛教大学大学院の学費は約60万円。

佛教大学大学院で公認心理師の資格取得を目指す場合、学費は610,000円です。

入学後は、学費以外にも17万円ほどの実習費がかかります。

費用の内訳は以下のとおりです。

  金額 納入時期 備考
入学選考料 35,000円 出願書類提出までに、「入試要項」に同封の専用用紙を利用して、金融機関にて払い込み ー
入学金 53,000円 入学手続書類提出までに、書類に同封の専用用紙を利用して、金融機関にて払い込み 入学手続必要経費合計
454,000円
(臨床心理学専攻以外)
664,000円
(臨床心理学専攻)
学費(年額) 400,000円
(臨床心理学専攻以外)
610,000円
(臨床心理学専攻)
学友会入会金 0円
学友会費 1,000円
実習費
※臨床心理学専攻のみ必要
91,000円
(臨床心理士)
171,000円
(臨床心理士・公認心理師)
臨床心理士受験資格のみ取得の場合、3年目に納入
臨床心理士・公認心理師受験資格取得の場合、2年目に納入
ー
  • スクーリング履修費は学費に含まれます。よって、スクーリング履修科目数にかかわらず納入する学費は一律となります (他専攻聴講登録など、一部別途スクーリング履修費の納入が必要な場合があります)。
  • テキスト履修科目ならびにスクーリング履修科目のテキスト代は別途必要です。
  • 学費には、教育充実費30,000円/年を含んでいます。
  • 2年目以降は学費および学友会費が毎年必要です(修業年限(最短履修期間)を過ぎた場合も同様です)。
  • この他、修士論文審査料が別途必要です。
  • 学友会費は佛教大学通信教育課程学友会の意向により代理徴収しています。
  • 在学中の学費等の納入については「預金口座振替制度」を導入しています。
  • 佛教大学大学院通信教育規程により、次年度以降、入学金・学費等はその額を改定する場合があります。
  • 一旦納入された入学金・学費等は、いかなる理由があっても返還いたしません。

なお、佛教大学大学院通信教育課程には、学部(本科)および課程本科で2年目以降の授業料や、学部(本科)の免許・資格課程の登録料に適用可能な学費ローン制度があります。

引用:https://tsushin.bukkyo-u.ac.jp/expenses/graduate_school/

東京福祉大学大学院の学費は約20万円。

東京福祉大学大学院で公認心理師の資格取得を目指す場合の学費は205,000円です。

学費以外の費用を含めて約58万円の費用がかかります。

費用の内訳は以下のようになります。

項目臨床心理学専攻 (公認心理師コース)
入学金100,000円 (同窓会員: 50,000円)
授業料 (春期分)205,000円
施設設備費 (春期分)85,000円
学友会費 (入会金及び年会費1年分)10,000円
学生総合保障に関する保険料 (2年分)27,300円
施設賠償保険料 (2年分)200円
実習諸経費100,000円
キャリア支援費10,000円
小計 ①537,500円
同窓会費② (入会希望者のみ)40,000円
合計 (①+②)577,500円
※2025年9月時点

・公認心理師受験資格を取得する場合は、記載の実習費に加え、 入学後に別途実習費を納入していただく予定です。詳細は入学後に周知されます。

東京福祉大学大学院には、4つの教育ローンが用意されています。ローンの対象は、入学金・授業料・施設設備費などの学校納付金、毎月の仕送り資金等全般、ご入学に伴う諸費用などです。