管工事施工管理技士の資格取得を検討しているけれど、1級と2級の違いが分からず、悩んでいませんか?

管工事施工管理技士1級と2級では、明確な違いがあります。

  1. 扱える工事規模の違い
  2. 配置技術者の区分の違い
  3. 受験資格(実務経験年数)の違い
  4. 試験難易度・合格率の違い
  5. 年収・キャリアの違い

本記事では、管工事施工管理技士1級と2級の違いを5つの比較ポイントで整理し、分かりやすく解説します。

ぜひ、どちらを目指すべきかの判断材料にしてください。

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管工事施工管理技士1級と2級の違いは?【一覧表】

1級は大規模工事を扱える監理技術者として配置可能で、2級は中小規模工事の主任技術者として活躍できる点が最大の違いです。

以下の比較表で、1級と2級の主な違いを確認しましょう。

比較項目1級管工事施工管理技士2級管工事施工管理技士
扱える工事規模請負金額の制限なし(大規模工事含む)中小規模工事が中心
配置できる技術者区分監理技術者
主任技術者
専任技術者
主任技術者
専任技術者
受験資格
(新制度)
第一次検定:満19歳以上
第二次検定:第一次検定合格後5年以上の実務経験
(特定実務経験1年以上含む3年以上でも可)
第一次検定:満17歳以上
第二次検定:第一次検定合格後3年以上の実務経験
一次検定合格率
(令和7年度)
38.7%61.1%
二次検定合格率
(令和6年度)
76.2%62.4%
平均年収約500万円~700万円約400万円~550万円
経営事項審査の加点5点2点
監理技術者講習監理技術者になる場合は受講必須不要

表から分かるとおり、1級は大規模工事を扱える監理技術者になれますが、5年の実務経験が必要です。

一方、2級は比較的短い実務経験で受験可能であり、中小規模工事の主任技術者として活躍できます。

受験資格の違い

1級は第二次検定に3年以上の実務経験が必要で、2級は比較的短期間で受験できることが特徴です。

項目1級2級
第一次検定の受験年齢満19歳以上満17歳以上
第二次検定の実務経験1級第一次検定合格後、特定実務経験1年を含む実務経験3年
※実務経験については複数要件あり
第一次検定合格後、実務経験3年
1級第一次検定合格後、実務経験1年
特定実務経験必要(該当ケースあり)不要
難易度高い中程度

令和6年度の制度改正により、管工事施工管理技士1級の受験資格は大きく変わりました。

最新の受験案内を確認しましょう。

管工事施工管理技士1級の受験資格

第一次検定は満19歳以上であれば誰でも受験できます。

第二次検定の受験には、第一次検定合格後の実務経験が必要です。以下いずれかの要件を満たす必要があります。

  • 第一次検定合格後、5年以上の実務経験年数
  • 第一次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数
  • 第一次検定合格後、監理技術者補佐としての1年以上の実務経験年数
  • 2級第二次検定合格後、5年以上の実務経験年数
  • 2級第二次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数

特定実務経験とは、4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の工事において、監理技術者または主任技術者の指導の下で施工管理を行った経験を指します。※令和7年度試験

令和7年2月1日より金額要件が変更されたため、必ず最新の受験案内を確認しましょう。

管工事施工管理技士2級の受験資格

2級の第一次検定は、受験年度末時点で満17歳以上であれば受験可能です。

1級より2歳若い年齢から受験できます。第二次検定の受験資格は以下のとおりです。

  • 1級第一次検定合格後、1年以上の実務経験年数
  • 2級第一次検定合格後、3年以上の実務経験年数

1級第一次検定に合格していれば、わずか1年の実務経験で2級第二次検定を受験できる点が特徴です。

2級合格者が1級を受験する場合

2級管工事施工管理技士の第二次検定に合格した後、1級第一次検定に合格すれば、1級第二次検定の受験資格が得られます。

2級から1級を受験する場合、以下のステップで進めるのがおすすめです。

  1. 2級第二次検定に合格する
  2. 2級合格後の実務経験を積む(5年 or 特定実務経験込み3年)
  3. 1級第一次検定を受験し合格
  4. 必要実務経験が満たされたら1級第二次検定へ進む
  5. 1級合格で監理技術者として活動可能になる

必要な実務経験年数は、2級第二次検定合格後から5年以上です。特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験がある場合は、より早く1級第二次検定を受験できます。

学歴に関係なく実務経験を重視する制度となり、現場でキャリアを積んだ方が、1級取得を目指しやすくなりました。

試験内容と難易度の違い

1級は問題数・試験時間ともに多く、出題範囲が広いため2級より難易度が高い構成です。

管工事施工管理技士の試験内容と難易度について、以下3つの比較ポイントを解説します。

  • 試験科目の比較
  • 出題範囲の違い
  • 1級と2級の合格率推移

試験科目の比較

1級は問題数・試験時間ともに2級より多くなっています。

試験区分1級管工事施工管理技士2級管工事施工管理技士
第一次検定の出題形式四肢択一式(マークシート)四肢択一式(マークシート)
第一次検定の出題数73問中60問を選択解答52問中40問を選択解答
第一次検定の試験時間午前:2時間30分
午後:2時間
午前:2時間10分
午後:2時間
第一次検定の合格基準得点が60%以上得点が60%以上
第二次検定の出題形式記述式記述式
第二次検定の試験時間2時間45分2時間
第二次検定の合格基準得点が60%以上得点が60%以上

第一次検定では、1級のほうが問題数が多く、より広範囲の知識が求められます。

第二次検定は両者とも記述式ですが、試験時間が1級のほうが45分長く設定されている点が特徴です。

出題範囲の違い

1級は大規模で複雑な工事が題材となり、2級は中小規模の標準的な工事が中心です。

項目1級管工事施工管理技士2級管工事施工管理技士
工事規模大規模・複雑な設備工事中小規模の設備工事
具体的な工事例高層ビルの空調設備工事
大型病院の給排水衛生設備工事
大規模商業施設の消防設備工事
集合住宅の給排水設備工事
小規模オフィスビルの空調設備工事
店舗の換気設備工事
求められる知識複雑な配管システムの設計・施工管理
大規模工事の工程管理
多数の協力業者の調整
基本的な配管システムの施工管理
標準的な工程管理
少数の協力業者との調整

1級では、より高度な施工管理能力が求められます。

そのため、過去問題の分析や記述練習など、計画的な試験対策が重要です。

1級と2級の合格率推移

過去5年間の合格率推移を見ると、試験の難易度の変化が分かります。

1級と2級それぞれの合格率データをまとめました。

1級管工事施工管理技士の合格率推移

1級の合格率は年度によって大きく変動し、第一次検定が最大の難関となっています。

年度第一次検定
受験者数
第一次検定
合格者数
第一次検定
合格率
第二次検定
受験者数
第二次検定
合格者数
第二次検定
合格率
令和7年度23,826人9,224人38.7%
令和6年度23,240人12,147人52.3%8,736人6,661人76.2%
令和5年度14,990人5,628人37.5%7,194人4,471人62.1%
令和4年度16,839人7,231人42.9%6,618人3,769人57.0%
令和3年度15,827人3,792人24.0%4,540人3,330人73.3%
参照:技術検定試験 合格発表公表資料 | 一般財団法人 全国建設研修センター
※令和7年度第二次検定は令和8年3月4日に合格発表予定

1級の第一次検定合格率は24.0%から52.3%まで変動があり、年度によって難易度が変わる傾向があります。

令和7年度の合格率は38.7%となり、令和6年度の52.3%から13.6ポイント低下。過去5年の平均的な水準に戻りました。

第二次検定の合格率は57.0%から76.2%で推移しており、第一次検定より高い傾向です。

2級管工事施工管理技士の合格率推移

2級は1級よりも合格率が高い傾向にあり、特に第一次検定では受かりやすい水準です。

年度第一次検定
受験者数
第一次検定
合格者数
第一次検定
合格率
第二次検定
受験者数
第二次検定
合格者数
第二次検定
合格率
令和7年度9,409人5,752人61.1%
令和6年度9,413人6,131人65.1%7,550人4,708人62.4%
令和5年度11,068人7,701人69.6%10,385人8,552人82.3%
令和4年度11,051人6,274人56.8%8,316人4,962人59.7%
令和3年度9,070人4,406人48.6%13,099人6,054人46.2%
参照:技術検定試験 合格発表公表資料 | 一般財団法人 全国建設研修センター

2級の第一次検定合格率は48.6%から69.6%で推移し、高い水準を維持しています。

第二次検定の合格率は43.5%から82.3%と年度によって大きく変動しており、令和5年度は82.3%と過去5年で最も高い合格率となりました。

実務上できる仕事・役割の違い

管工事施工管理技士の最大の違いは、監理技術者になれるか否かです。

配置できる技術者区分の違い

1級と2級では、建設現場で配置できる技術者の区分が異なります。

項目1級管工事施工管理技士2級管工事施工管理技士
配置できる工事規模請負金額の制限なし(特定建設業の大規模工事含む)請負金額5,000万円未満(建築一式工事は8,000万円未満)の一般建設業
下請契約金額の制限5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)の場合は監理技術者として配置が必須下請契約金額が5,000万円未満(建築一式工事は8,000万円未満)の場合に主任技術者として配置可能
専任配置の要否請負金額4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)の公共工事では専任の監理技術者配置が必須請負金額4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)の公共工事では専任の主任技術者配置が必須
令和7年2月1日より金額要件が変更

1級管工事施工管理技士は監理技術者になれるため、下請契約金額が5,000万円以上の大規模工事を扱えます。

2級管工事施工管理技士は主任技術者としての配置に限られ、中小規模工事が主な活動領域です。

扱える工事規模の具体例

1級は請負金額に上限がない工事を扱えるのに対し、2級は一般建設業の範囲に限定されます。

1級と2級それぞれが扱える工事の具体例を見てみましょう。

工事種類1級管工事施工管理技士が
扱える工事例
2級管工事施工管理技士が
扱える工事例
空調設備工事・高層オフィスビル(30階建て)の全館空調設備工事
・大型ショッピングモール(延床面積50,000㎡)の空調設備工事
・大学病院の手術室空調設備工事
・小規模オフィスビル(5階建て)の空調設備工事
・飲食店舗(延床面積500㎡)の空調設備工事
・集合住宅(20戸)の空調設備工事
給排水衛生設備工事・タワーマンション(40階建て)の給排水衛生設備工事
・総合病院(500床)の給排水衛生設備工事
・工場(延床面積30,000㎡)の給排水設備工事
・低層マンション(4階建て・30戸)の給排水設備工事
・商業ビル(延床面積2,000㎡)の給排水設備工事
・一戸建て住宅の給排水設備工事
消防設備工事・地下街の大規模消防設備工事
・高層ホテル(20階建て)の消防設備工事
・大型工場の消防設備工事
・小規模事務所ビルのスプリンクラー設備工事
・店舗の消火設備工事
・小規模倉庫の消防設備工事

建設業法では、下請契約金額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる工事には監理技術者の配置が義務付けられています。

1級管工事施工管理技士は、この基準を満たす大規模工事を扱えるため、活躍の場が大きく広がります。

資格取得後のキャリア・年収の違い

管工事施工管理技士1級は企業評価・工事規模の面で優位性が高く、2級より年収が100〜150万円ほど高い傾向があります。

平均年収の比較

管工事施工管理技士の平均年収は、1級が約500万円~700万円、2級が約400万円~550万円とされています。

経験年数や企業規模により大きく異なりますが、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査による日本人の平均年収478万円を上回る水準です。

1級管工事施工管理技士の保有者は、大規模工事を扱える監理技術者として配置できるため、企業からの評価が高く、高年収を得やすい傾向があります。

2級管工事施工管理技士の平均年収は400万円~550万円であり、日本人の平均年収とほぼ同水準か若干高い程度といえるでしょう。

中小規模工事の主任技術者として活躍できますが、1級と比較すると年収は100万円~150万円程度低くなります。

1級と2級で年収の差が生じる理由は、扱える工事規模の違いと経営事項審査での加点差です。

1級は経営事項審査で5点加点されるのに対し、2級は2点の加点にとどまります。このため、企業側も1級保有者をより高く評価し、待遇面で優遇する傾向があります。

また、多くの企業では資格手当が支給されます。

企業によって異なりますが、一般的に1級は月額5,000円~30,000円程度、2級は月額3,000円~15,000円程度の資格手当が支給される場合があります。

資格手当は基本給に上乗せされるため、年収アップに直結するでしょう。

キャリアパスの違い

1級と2級では、キャリアの到達点に違いがあります。

1級管工事施工管理技士のキャリアパス

  • 大規模工事の現場代理人や所長として活躍できる
  • 工事部長や設備部門の責任者などの管理職に就きやすい
  • スーパーゼネコンや大手設備工事会社への転職が有利になる
  • 独立して設備工事会社を経営する際に有利

2級管工事施工管理技士のキャリアパス

  • 中小規模工事の現場代理人として経験を積める
  • 主任技術者として現場をまとめる役割を担える
  • 中小規模の設備工事会社で活躍できる
  • 1級取得を目指すための実務経験を積める段階

1級を取得すると、現場所長や工事部長といった管理職への道が目指せます。企業の中核を担う人材として評価され、昇進のスピードも速くなる傾向です。

管工事施工管理技士1級と2級どちらから取得すべき?

実務経験が少ない人は2級から、十分な経験がある人は1級を直接目指すのが最適です。

自身の実務経験年数と目指すキャリアで判断するとよいでしょう。

管工事施工管理技士2級から取得すべきケース

以下に該当する方は、2級から取得することをおすすめします。

  • 実務経験が3年未満で、まず資格を取得して現場経験を積みたい方
  • 管工事施工管理の基礎から学びたい初学者の方
  • 中小規模工事の主任技術者として早く現場をまとめる経験を積みたい方
  • 学歴による実務経験年数の制約があり、1級の受験資格をまだ満たしていない方(旧受験資格の場合)
  • 試験勉強の負担を分散させたい方

2級は1級より受験のハードルが低く、早い段階で資格を取得できます。資格取得後は主任技術者として現場での実績を積み、将来的に1級を目指すキャリアパスが描けます。

管工事施工管理技士1級を直接目指すべきケース

以下に該当する方は、1級を直接目指すことをおすすめします。

  • すでに5年以上の十分な実務経験があり、1級第二次検定の受験資格を満たしている方
  • 大規模工事の監理技術者として早くキャリアアップしたい方
  • 高年収を目指して、早期に1級を取得したい方
  • 転職市場で有利な立場を確立したい方
  • 経営事項審査で5点の加点を得て、企業に大きく貢献したい方

令和6年度の制度改正により、1級第一次検定は満19歳以上であれば誰でも受験できるようになりました。

実務経験が豊富で早くステップアップしたい方は、2級を経由せずに直接1級を目指す選択も検討しましょう。

よくある質問(FAQ)

管工事施工管理技士について、以下の質問に回答します。

  • 2級を持っていれば1級の受験資格が短縮されますか?
  • 1級と2級を同時に受験できますか?
  • 実務経験として認められる業務の範囲は?

2級を持っていれば1級の受験資格が短縮されますか?

2級管工事施工管理技士の第二次検定に合格していれば、1級の受験資格で優遇されます。

新受験資格では、2級第二次検定合格後に5年以上の実務経験があれば1級第二次検定を受験できます。(特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験がある場合は、より早く受験可能)

旧受験資格では、2級合格後5年以上の実務経験で1級を受験できます。2級合格後5年未満の場合でも、学歴に応じた実務経験年数を満たせば受験可能です。

1級と2級を同時に受験できますか?

同一年度内に1級と2級を同時に受験することは可能です。

ただし、試験日程が重ならない場合に限ります。

令和8年度の試験日程では、1級第一次検定は9月6日、2級第一次検定(前期)は6月7日、2級第一次検定(後期)は11月15日に実施されます。試験日が異なるため、同一年度内に1級と2級の両方を受験することは制度上可能です。

両方の試験対策を同時に進めるには相当の学習時間が必要となるため、計画的な準備が求められるでしょう。

実務経験として認められる業務の範囲は?

建設業法に基づく建設工事における施工管理業務が実務経験として認められます。


具体的には、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理などの施工管理業務です。単なる現場作業員としての作業や、設計のみの業務、積算のみの業務は実務経験として認められません。

また、建設業の許可を受けていない事業者での業務も実務経験として認められない場合があります。

国外での建設工事における実務経験は、建設業法に基づき建設業の許可を受けた者が請け負う工事であれば、国内の実務経験と同様に認められます。

まとめ

管工事施工管理技士の1級と2級には、以下の主な違いがあります。

  • 1級は監理技術者として大規模工事を扱えるが、2級は主任技術者として中小規模工事に限られる
  • 1級の平均年収は500万円~700万円、2級は400万円~550万円で、年収差は100万円~150万円程度
  • 1級第一次検定は満19歳以上、2級第一次検定は満17歳以上で受験可能だが、第二次検定には実務経験が必要

資格取得を目指す方は、まず自身の実務経験年数とキャリアプランを確認しましょう。

実務経験が浅い方は2級から取得し、十分な経験がある方は1級を直接目指す選択肢があります。

通信講座や参考書を活用して、計画的に試験対策を進めることが合格への近道です。

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