行政試験対策の定番といえば、過去問です。

今まで受験してきた高校入試や大学入試等の試験の中でも、学校や学習塾の先生が、過去問を検討することの重要性を語っていたかもしれません。

確かに、過去問で対策、本試験の傾向が分かり、本番に向けて対策すべき点や時間配分等を掴むことができます。

もっとも、過去問は、その勉強法を誤ってしまうと、効用がかなり薄まってしまうこともあります。

そうすると、時間の無駄ということにもなりかねません。

そこで、当コラムでは,独学で行政書士試験の学習を進める方が過去問で勉強する重要性、過去問を上手に活用した勉強法、過去問は10年分解いた方がいいのか?何周すべき?といった気になる疑問について解説します。

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行政試験における過去問の重要性

どの試験においても,過去問の学習や研究というのは重要であり,それは行政書士試験でも例外ではありません。

近年試験の難化を受けて、過去問の学習だけでは、なかなか点数に結びつかないことを理由に、過去問の学習はあまり意味がないと論ずる方が、少なからずおります。

しかし、それは大きな誤りといえます。

確かに過去問の文をほとんど変えずにそのまま出題されるというケースは、それほど多くはありませんが、過去問で問われた趣旨や論点を理解していれば解ける問題というのは、非常に多くあります。

択一式問題にしても記述式問題にしても、しっかり過去問を学習し、理解しておけば、高得点を得ることが可能です。

ただし、過去問をやった上で、更に知識の上積みしなければいけません。

過去問に限らず問題を解くにあたっては、「正解選択肢だけ理解していた」、「偶然」、「2周目以降で正解肢を位置的に記憶していた」というときにも正解へたどりつくことはありますが、単に正解しただけで良しとして次へ進めてしまうと浅い学習となり、その結果、既に学習した問題であるにもかかわらず、初めて見る問題に映り、対応できないという事態へ陥ることに繋がります。

学習として問題を解いているのですから、単に正解するだけで満足せずに全ての選択肢の正誤の根拠までつきつめることで、本当の意味でその問題を理解したと言えるでしょう。

今後はこういった点も注意して、学習に取り組めば過去問の重要性も見えてくるでしょうし、より意義のある勉強になるかと思います。

過去問からの出題例

過去問をそのまま出題するというケースは、それほど多くありませんが、過去問で問われた趣旨や論点を理解していれば解ける問題は非常に多くあります。

平成20年度の試験から例に上げるてみます。

【平成20年度問44】

Xは,Y県内に産業廃棄物処理施設の設置を計画し,「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき,Y県知事に対して設置許可を申請した。しかし,Y県知事は,同法所定の要件を満たさないとして,申請に対し拒否処分をした。これを不服としたXは,施設の設置を可能とするため,これに対する訴訟の提起を検討している。Xは,誰を被告として,いかなる種類の訴訟を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。

【解答例】

「Y県を被告として,拒否処分の取消訴訟と設置許可の義務付け訴訟とを併合して提起する。 」(41字)

類似する記述式問題は,過去問にはありませんので,一見すると過去問からは解けないようにも映ります。しかし,論点自体は以下の過去の5肢択一式問題で問われています。

【平成17年度 問16肢1】

従来,抗告訴訟における被告は行政庁とされていたが,改正後は,国家賠償法と同様に,国または公共団体を被告とすることになった。

【解答】正しい。

【平成19年度 問17肢3】

Xが市立保育園に長女Aの入園を申込んだところ拒否された場合において,Xが入園承諾の義務付け訴訟を提起する場合には,同時に拒否処分の取消訴訟または無効確認訴訟も併合して提起しなければならない。

【解答】正しい

このように、択一式問題と記述式問題という違いがあるとはいえ、しっかり過去問を学習し、理解しておけば、高得点を得ることが可能でしょう。

過去問は、アウトプットの為に行う

行政書士試験に効率的に合格できるだけの知識を固めたら、あとは、その知識を本試験で使える知識にする必要があります。

行政書士試験の近時の過去問を見ると、具体的な事例問題が頻出しています。

したがって、条文や判例知識をそのままの形で頭に記憶しても、具体的な事例で問われたときに、どの条文・どの判例を使って処理すればよいかが分からなければ、法律知識も「宝の持ち腐れ」となってしまいます。

そこで、基本的知識を固めた(=インプット)後は、どんどん「知識を使う=問題を解くこと(=アウトプット)」が必要になります。

そのためのアイテムとして挙げられるのが、過去問です。

過去問に勝る良問はありません。

過去問をおろそかにすることは、基本となる知識、土台となる知識を骨抜きにしてしまいます。

まずは、この「トレーニング」を徹底的に繰り返し解いて知識の土台を作ってください。

過去問は肢別で解いて、解説を理解する

過去問を解くにあたっては、「正解選択肢だけ理解していた」、「偶然」、「2周目以降で正解肢を位置的に記憶していた」というときにも正解へたどりつくことはありますが、単に正解しただけで良しとして次へ進めてしまうと浅い学習となり、その結果、既に学習した問題であるにもかかわらず、初めて見る問題に映り、対応できないという事態へ陥ることに繋がります。

学習として問題を解いているのですから、単に正解するだけで満足せずに全ての選択肢の正誤の根拠までつきつめることで、本当の意味でその問題を理解したと言えるでしょう。

そこで、過去問分析の際には、肢別で問題を解いた後に、しっかりと解説を読んで理解を深めることが肝要です。

過去問は、10年分解いた方がいいのか?

では、何年分の過去問をやればいいのか?

過去問は、現行の試験制度になった2006年度から、もしくは直近10年分を解くのがベストです。

そうは言っても、社会人の場合は時間も限られているため、10年分は難しいケースもあると思います。

その場合は、憲法、民法、商法・会社法、一般知識は5年分を目指しましょう。

ただし、行政法は最低でも10年分解きましょう。

文章理解も10年分解いた方がいいです。

行政書士試験においては色々な問題に触れておくことも大事です。

初学者にとっては、5年分を解くだけでも相当負担が大きいことだと思います。

しかし、過去問を解いて自分の力で分析しておくと,より合格に近づくでしょう。

過去問は何周回すべきか

過去問は、何周回すべきでしょうか。

行政書士試験の経験者はわかると思いますが、過去問では正解できても本試験では歯が立たないということもあり得ます。

では、過去問は繰り返し解かなくていいのかというと、そうとも言い切れません。

その理由は、確かに過去問からそのままの出題は多くないですが、趣旨や論点が似た問題は出題されているからです。

択一で出題された問題が記述で出題されていたり、択一の選択肢に掲載されていたりということもあります。

これらの意見を要約すると、過去問は頻出問題や重要な箇所を中心に勉強し、ある程度繰り返し勉強するということになります。

繰り返す回数は3回程度で十分だと思います。3回目でも間違えた問題は、その後も繰り返し勉強しましょう。

過去問が終わったら、予想問題を解く

過去問が終わったら、予想問題を解くことをおすすめします。

行政書士試験は難関試験であり、過去問だけでは演習量が足りず、合格することは難しいです。

関連コラム:行政書士試験は過去問だけで合格できる?効率的に実力をつける活用法

ですので、市販の演習書や予備校の予想問題集を使って、演習量を補充する必要があるのです。

予想問題は、過去問の出題傾向を踏まえて出題されていますので、試験本番の役に立つ可能性が高いといえるでしょう。

行政書士試験における科目別の過去問の重要度

行政書士試験における過去問の重要度を科目別に確認していきます。

各科目の配点も記載しておりますので、学習時の参考にもしてください。

憲法

憲法は、国家の基本法。人権の保障や国家統治の仕組みについて定めた法です。

配点は、5肢択一式5問+多肢選択式1問(28点)です。

条文数は少なく、学習範囲が限定されていますが、全体の1割の配点があります。得点効率が良いところですので、人権は条文+判例を、統治は条文を押さえていきます。

行政法

行政法は、行政に関する法律から出題されます。細かく分けると、「行政法の一般的法理論」「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」「国家賠償法」「地方地自法」になります。

配点は、5肢択一式19問+多肢選択式2問+記述式1問(112点)です。

本試験全体に占める配点割合が4割近くになる、行政書士試験では最重要科目です。

問題演習量に比例して得点は伸びますので、問題演習を丁寧にこなします。「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」は、条文からの中心となりますので、過去問の演習が有効です。

民法

民法は、一般市民同士の法律関係(財産関係・家族関係)について広く適用される法律です。

配点は、5肢択一式9問+記述式2問(76点)です。

行政法に次いて配点割合が大きい科目です。法律実務で必須の法律ですから、十分な理解が必要です。

事例問題が中心となります。条文、判例を理解するときには、それが具体的にどのような場面で適用されるのかをイメージしながら学習を進めます。

問題を解くときにも、事案を図に書きながら、事案を読み、分析することが必要です。

商法・会社法

商法・会社法は、商人の法律関係(商人の活動、会社組織・運営など)について適用される法律です。

配点は、5肢択一式5問(20点)です。

基礎法学と同じく、求められる学習量の割には、配点が小さく、得点効率の悪いところです。5問中2問程度の正解を目標とします。

頻出する「株式」「機関」で過去出題されたところは絶対に間違えないように、知識を固めておきます。それ以外のところは余裕があればやっておくくらいでよいでしょう。

基礎法学

基礎法学は、法律関係・法令用語の基礎知識や、裁判制度などが問われます。

配点は、5肢択一式2問(8点)です。

配点は小さく、範囲は広いため、得点効率は悪いところです。試験直前期の答練などで出題されるものを中心に押さえておくようにします。深入りは禁物です。

一般知識(政治・経済・社会)

政治・経済などの国際問題・国内情勢、経済、財政、環境、労働、社会保障など、幅広く出題されます。

配点は、5肢択一式7問(28点)です。

学習法:出題範囲が広く、学習すべきところを絞りきれないところです。学習効率もよくありません。

行政書士試験用に勉強するというよりも、他の行政書士試験科目の勉強時間を圧迫しない程度に、新聞やニュースなどに目を通します。

そこで、分からない用語が出てきたら、インターネットで検索をかけて、出てきたページを上から1つ2つ見ておくことも有効です。

あとは、直前期の答練やヤマ当て講義的なもので、フォローします。7問中3問程度取れれば良しとします。

一般知識(情報通信・個人情報保護)

インターネットに関連する法律や知識、また、個人情報保護法などから出題されます。

配点は、5肢択一式4問(20点)です。

情報通信関連法、個人情報保護関連法は、法律からの出題ですから、法律科目と同じような学習が有効です。

過去問を中心に問題演習を丁寧にこなすことで、比較的容易に得点を伸ばすことができます。

一般知識(文章理解)

いわゆる現代文の問題になります。本文内容全体把握問題、空欄補充問題、並べ替え問題などが出題されます。1つの文章に1問の問題がつきます。

配点は、5肢択一式3問(12点)です。

文章理解は、比較的長文を読ませますので、解答時間がかかるのが特徴です。文章の論理性を把握できるかが問われます。

論理性を磨く対策としては、問題の数をこなすというより、問題文を段落ごとに要約しながら、それぞれの段落の関係性を把握するようにすれば、論理的に文章を読む力がついていきます。

他の科目の学習時間を圧迫しない程度に、1、2週間に1、2問程度、解いておくとよいでしょう。

関連コラム:行政書士は独学でも合格可能!勉強時間&効果的な勉強法とは?

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