エネルギー管理士には、熱分野のほかに電気設備や電力についての知識を問われる電気分野の資格も存在します。

市販の教材が少なく、数学や物理など高度な理系の知識が必要な分野のため、「どうやって勉強したらいい？」とお悩みの方も少なくないでしょう。

当コラムでは、エネルギー管理士電気分野の概要や有効な勉強法などについて詳しく解説します。

受験を検討している方はぜひ参考にしてください。

エネルギー管理士の電気分野の概要　

ここでは、エネルギー管理士の電気分野の概要について以下の内容で解説します。

• エネルギー管理士電気分野の特徴
• エネルギー管理士電気分野の試験課目

エネルギー管理士電気分野の特徴

エネルギー管理士には試験区分として熱分野と電気分野があり、電気分野では電気設備や電力に関連した問題が出題されます。

電気分野の問題は熱分野と比較して計算問題が多いという特徴があり、理系の人や数学が得意な人におすすめです。

電験三種など他の電気系資格との親和性も高く、有資格者であれば学習しやすいというメリットもあります。

ダブルライセンスを取得すれば、電気工作物の管理者として活躍できるでしょう。

エネルギー管理士電気分野の試験課目

エネルギー管理士電気分野の試験課目・試験範囲は以下の通りです。

試験課目	試験範囲
エネルギー総合管理及び法規（共通課目）	・エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律及び命令・エネルギー総合管理
電気の基礎	・電気及び電子理論・自動制御及び情報処理・電気計測
電気設備及び機器	・工場配電・電子機器
電力応用	・電動力応用

4課目のうち、「エネルギー総合管理及び法規」は熱分野との共通課目です。

エネルギーを適切に管理するための総合的な知識が問われます。

「電気の基礎」は4課目の中でもっとも数学的な知識が求められ、ベクトル図や複素数計算などのスキルが必要です。

「電気設備及び機器」は設備や原理の名前など、暗記対策が必要な課目。

耳慣れない単語などは繰り返し学習して身につけるとよいでしょう。

「電力応用」は電気の使われ方に関する知識をメインとする課目で、どちらかというと実務寄りの内容です。

参考：一般財団法人省エネルギーセンター

エネルギー管理士電気分野の勉強法6選　

エネルギー管理士電気分野の勉強法としては、以下の6つが挙げられます。

• 過去問をメインに学習を進める
• 数学・物理を復習する
• 別試験の参考書を活用する
• スキマ時間を活用する
• 無理のないスケジュールを立てる
• 通信講座を利用する

過去問をメインに学習を進める

学習は過去問をメインに進めるとよいでしょう。

エネルギー管理士試験は過去問と似た問題が多く出題される傾向があるため、過去問を重点的に演習することは非常に有効な試験対策となります。

まず、一年分の問題を解いて学習開始段階での自分の実力を把握しましょう。

本試験までに5年分を目安に過去問に挑戦し、出題傾向や自分の苦手分野を把握しながら頻出ポイントを確実に押さえましょう。

本試験と同様の制限時間を設定して取り組めば、模擬試験としても活用できます。

数学・物理を復習する

試験対策の一環として、数学・物理の知識を復習しましょう。

エネルギー管理士の電気分野は、熱分野と比較すると数学や物理といった理系の知識が求められます。

ベクトル図や複素数など高校数学レベル以上の知識も問われるため、理系科目に苦手意識があると挫折してしまう恐れも。

少なくとも、高校レベルの数学や物理は理解できるよう、段階的に学習するとよいでしょう。

別試験の参考書を活用する

手元の教材が物足りない場合は、別試験の参考書の活用も検討してみてください。

現段階で、エネルギー管理士の試験対策に特化した市販の参考書や問題集は多くありません。

専門書だけで理解しにくい部分があった場合は、別試験・別分野向けの参考書を確認すれば答えが見つかる可能性があります。

例えば、電験三種など同じ電気系の資格の参考書であれば似たようなトピックが扱われている可能性大。

数学や物理が理解しにくい場合は高校数学や高校物理の参考書を選んでみるなど、ジャンルにこだわらずに自分に合ったものを探すとよいでしょう。

スキマ時間を活用する

スキマ時間は積極的に活用しましょう。

通勤時間や昼休み、家事の合間など、短時間でも毎日学習を積み重ねて習慣的に知識をつける意識が大切です。

スキマ時間で学習する内容としては、暗記や一問一答を使った復習などインプット系のものをメインにするとよいでしょう。

5分ほどの空き時間でも、一問一答であればそれなりに数をこなすことができます。

無理のないスケジュールを立てる

学習スケジュールは現実的で無理のないものにしましょう。

どれだけやる気があっても、実現不可能なスケジューリングでは意味がありません。

試験日から学習猶予を逆算しつつ、「続けられる」計画を組むよう心がけてください。

特に、休息を考慮に入れない「詰め込みすぎ」の計画になっていないかは要チェックです。

「休日だから一日勉強しよう」と計画段階で思っていても、実行はなかなか難しいもの。

予定通り進まなかった場合の調整日も設けるなど、余裕をもたせたスケジュールを立てましょう。

本試験までに十分な勉強時間の確保が難しい場合は課目合格制度を利用すれば、複数年の長期計画で合格を目指すことも可能です。

通信講座を利用する

独学でなかなか成果が上がらないようであれば、通信講座の利用も検討してみてください。

エネルギー管理士は市販のテキストが少ないという課題がありますが、通信講座であれば優秀な教材が簡単に手に入ります。

さらに、質問制度やスケジューリングなどの学習サポートが充実している点も通信講座ならではのメリットです。

疑問点はすぐに質問できる・効率のよい勉強順を教えてもらえるといったサポートによって、勉強に集中できるでしょう。

エネルギー管理士に最短合格するならアガルート！　

当コラムでは、エネルギー管理士の電気分野について以下の内容で解説しました。

• エネルギー管理士電気分野は、電気設備や電力に関する知識が問われる資格。熱分野と比べて数学や物理の知識が必要な問題が多く含まれる。
• エネルギー管理士電気分野は、電験三種など他の電気系資格と親和性が高い。エネルギー管理士の専用テキストで満足できない場合、別資格のテキストなどを参考にしてもよい。
• おすすめの勉強法としては、過去問メインの学習やスキマ時間の活用、数学・物理の復習など。数学や物理は少なくとも高校レベルの内容には対処できる知識をつけておくとよい。

エネルギー管理士電気分野は電気設備や電力に関する知識が問われる資格で、他の電気系資格との相性もよいためダブルライセンスにもおすすめです。

市販では専門の教材が少ないため、独学での学習に限界を感じるようであればアガルートのエネルギー管理士講座の受講を検討してみてください。

質問制度など学習フォローが万全で、疑問点の解消も簡単。

初学者でも効率よく合格を目指せるでしょう。