2級電気工事施工管理技士の資格取得を目指す方にとって、試験の難易度は最も気になるポイントでしょう。

本記事では、最新の合格率データや他資格との比較を通じて、客観的な難易度を徹底解説します。さらに、第一次検定・第二次検定それぞれの対策法や、効率的な勉強スケジュールの立て方まで、合格に必要な情報を網羅的にお届けします。

2級電気工事施工管理技士の難易度・合格率は?

2級電気工事施工管理技士の第一次検定の合格率は約55%、第二次検定は約50%を推移しています。合格率を見ると難易度は中程度と言えるでしょう。

第一次検定の難易度・合格率

2級電気工事施工管理技士の第一次検定の合格率は約55%です。

年度	受験者数	合格者数	合格率
令和7年度	4,417名	2,663名	60.2%
令和6年度	5,751名	2,730名	47.5%

半数以上が合格するため、難易度はそこまで高くありません。ただ、逆にいえば半数弱が不合格になるため試験日までの継続的な勉強・対策が必須です。

第二次検定の難易度・合格率

2級電気工事施工管理技士の第二次検定の合格率は約50%です。

年度	受験者数	合格者数	合格率
令和7年度	–	–	–
令和6年度	約4,782名	約2,460名	51.4%

第二次検定も第一次検定と同じ程度の合格率を推移しています。ただ第一次検定に合格した中で半数程度しか合格しないため、通してみると4人に1人しか合格しない計算となります。難易度としては中程度と言えるでしょう。

他資格から見た2級電気工事施工管理技士の難易度

2級電気工事施工管理技士の合格難易度は第二種電気工事士よりも難しく、電験三種よりも易しいことが合格率で分かります。

第二種電気工事士との比較

合格率が約25%の2級電気工事施工管理技士と比べると、第二種電気工事士は合格難易度が低い資格だと言えます。

項目	第二種電気工事士	2級電気工事施工管理技士
合格率	約45%	約25%
受験資格	なし（誰でも受験可能）	実務経験または学歴が必要

第二種電気工事士は受験資格がなく、誰でも挑戦できる資格です。一方、2級電気工事施工管理技士の第二次検定は、実務経験を持つ受験者のみが対象となります。

また、第二種電気工事士の技能試験は、候補問題が事前に公表され、実際の作業練習で対策できます。これに対し、2級電気工事施工管理技士の第二次検定は、自身の実務経験を基に文章化する能力が問われるため、対策の幅が限られます。

電験三種との比較

電験三種（第三種電気主任技術者）は電気系資格の中でも合格率が低い資格として知られており、2級電気工事施工管理技士と比べると倍近くの差があります。

項目	電験三種	2級電気工事施工管理技士
合格率	約9〜21%	約25%
試験科目	4科目（理論・電力・機械・法規）	施工管理法・電気工学・法規など
合格基準	各科目60点以上（4科目すべて合格）	各検定60点以上
科目合格制度	あり（最大5回まで免除）	第一次検定合格で技士補取得
勉強時間の目安	約800〜1,000時間	約100〜300時間

電験三種の合格率は、近年でも10〜20%程度と非常に低い水準です。

電験三種は計算問題が中心で、高度な数学的知識と電気理論の深い理解が必要です。4科目すべてに合格する必要があり、1科目でも基準点に達しなければ合格できません。

一方、2級電気工事施工管理技士は、電気工学の基礎知識に加えて、施工管理に関する実務的な知識が中心となります。計算問題の比重は電験三種ほど高くなく、暗記や理解で対応できる問題も多いのが特徴です。

明らかに電験三種の方が難易度は高く、必要な勉強時間も3〜5倍程度の差があります。2級電気工事施工管理技士は、電気系資格の中では比較的取得しやすい部類に入るといえるでしょう。

2級電気工事施工管理技士に合格するためには

2級電気工事施工管理技士に合格するためには、スケジュールを作成し第一次検定に合格。その後、実務経験を積み第二次検定に挑む流れが理想です。

勉強時間を確保しスケジュールを作成する

2級電気工事施工管理技士の合格に必要な勉強時間は、第一次検定と第二次検定を合わせて約150〜250時間が目安です。1日1時間の勉強を継続すれば、約5~8ヶ月で必要な学習時間を確保できます。

ただし、これはあくまで一般的な目安であり、電気工事士の資格保有者や電気工学の知識がある方は、より短い時間で合格を目指せるでしょう。

例えば、平日は仕事終わりに1時間、休日は2〜3時間を学習に充てるなど、自分のライフスタイルに合わせた現実的な計画を立てましょう。

重要なのは、無理な計画を立てて挫折するよりも、少しずつでも継続することです。週5日、1.5時間を3ヶ月継続すれば、約90時間の学習時間を確保できます。

第一次検定の勉強をする

第一次検定は、過去問対策が最も効果的な勉強方法です。出題傾向が比較的安定しており、過去問を繰り返し解くことで合格に必要な知識を身につけられます。

下記の流れで勉強を進めることをおすすめします。

1. 参考書を購入し、全体像を把握する
2. 過去問を解き弱点を把握する
3. 間違えた問題を徹底的に復習する
4. 過去問を3~4回解きなおす

さらに勉強したい場合は問題集を購入しましょう。

実務経験を積む

2級電気工事施工管理技士の第二次検定を受検するためには実務経験を積まなければなりません。

区分	必要実務経験 (※1)
1	2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験3年以上
2	1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定合格後、実務経験1年以上
3	電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後、実務経験1年以上 ※別途、2級 または 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定 の合格が必要

最低でも1年以上の実務経験が必要です。

第二次検定の勉強をする

第二次検定は記述式問題が多くなるため適切に文章を書く対策が必要です。

• 工事名、工期、工事場所、工事内容を具体的に記述する
• 自分が担当した役割を明確にする
• 留意事項は、「なぜその点に注意したのか」理由を含めて記述する
• 実施した対策は、具体的な数値や方法を盛り込む
• 論理的で分かりやすい文章構成を心がける

まとめ

2級電気工事施工管理技士の難易度は、第一次検定・第二次検定ともに合格率50〜60%程度と、国家資格の中では比較的取得しやすいレベルです。

第二種電気工事士よりは難易度が高いものの、電験三種と比較すれば大幅に合格しやすい資格といえます。合格には150〜250時間程度の勉強時間が必要ですが、過去問対策と施工経験記述の準備をしっかり行えば、十分に一発合格を狙えるでしょう。

計画的な学習スケジュールを立て、着実に準備を進めることが合格への近道です。