1級電気工事施工管理技士の合格率は？難易度や合格ライン・基準点も併せて解説！

2025年11月11日更新

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1級電気工事施工管理技士は、電気工事における施工管理のプロフェッショナルとして認められる国家資格です。この資格を取得すれば、大規模な電気工事現場での監理技術者として活躍できます。しかし、受験を検討している方にとって「実際の合格率はどのくらいなのか」「難易度はどの程度なのか」といった点は非常に気になるところでしょう。

本記事では、1級電気工事施工管理技士の合格率を詳しく分析し、難易度や合格ラインについて徹底的に解説します。資格取得を目指す方が効率的に学習を進められるよう、具体的な対策方法も併せてご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

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1級電気工事施工管理技士の合格率は?
- 第一次検定での合格率
- 第二次検定での合格率
1級電気工事施工管理技士の難易度は?
1級電気工事施工管理技士の合格ライン・基準点は?
1級電気工事施工管理技士の試験に合格するには？

1級電気工事施工管理技士の合格率は?

令和6年度の1級電気工事施工管理技士の合格率は、第一次検定が36.7%、第二次検定が49.6%でした。令和7年度の第一次検定の合格率は41.5%となっており合格率が上昇しています。第二次検定の合格率は未発表です。

第一次検定での合格率

第一次検定の近年の合格率を見ると、おおむね35%前後から50%程度で推移しています。

年度	一次検定（学科試験）
	受験者	合格者	合格率
	受験者	合格者	合格率	2025年	24,821	10,290	41.5%
2024年	23,927	8,784	36.7%
2023年	16,265	6,606	40.6％
2022年	16,883	6,458	38.3％
2021年	15,001	7,993	53.3％
2020年	14,407	5,493	38.1％
2019年	15,048	6,128	40.7％
2018年	16,989	9,532	56.1％
2017年	17,922	8,595	48.0％

_{出典：過去の受検状況・検定問題・合格基準}

第一次検定の合格率が比較的高い理由として、基礎的な知識を問う問題が中心であることが挙げられるでしょう。電気工事に関する法規や施工方法、安全管理など、実務経験を積んでいれば自然と身につく内容が多く出題されます。

ただし、合格率が高いからといって決して簡単な試験ではありません。出題範囲は広く、電気工学の理論から労働安全衛生法まで、幅広い知識が求められます。十分な準備なしに臨むと、不合格になる可能性も十分にあるでしょう。

第二次検定での合格率

第二次検定の合格率はやや高くなる傾向で約55~70%を推移しています。

年度	二次検定（実地試験）
	受験者	合格者	合格率
	受験者	合格者	合格率	2025年	–	–	－％
2024年	8,250	4,093	49.6％
2023年	8,535	4,527	53.0％
2022年	7,685	4,537	59.0％
2021年	7,922	4,655	58.8％
2020年	6,723	4,887	72.7％
2019年	8,114	5,382	66.3％
2018年	12,034	8,875	73.7％
2017年	10,493	6,556	62.5％

_{出典：過去の受検状況・検定問題・合格基準}

第二次検定の特徴は、記述式問題が中心となる点です。単に知識を問うだけでなく、実際の工事現場で直面する問題に対して、どのように対処するかを文章で説明する必要があります。施工計画の立案や品質管理、安全管理に関する具体的な記述が求められるため、実務経験が合否を大きく左右するでしょう。

また、第二次検定では経験記述と呼ばれる問題が出題されます。自身が携わった工事について、施工管理上の課題や対策を具体的に記述しなければなりません。この経験記述は配点が高く、合否を決める重要なポイントとなります。

1級電気工事施工管理技士の難易度は?

1級電気工事施工管理技士の難易度は、中程度～やや難しいと言えます。

これは、第一次検定の合格率が4割前後、第二次検定が5～7割程度と、年度によって変動があるものの、半数以下となる年もあるためです。第二次検定は実務経験者のみが受験するため、受験者のレベルが高く、しっかりとした準備が必要です。

合格率から見た難易度

全体の合格率は約30~35%となっているのでやや難しいと言えるでしょう。

前述の通り、第一次検定の合格率は約35~50%、第二次検定の合格率も約55~70%前後となっています。両方の検定に合格して初めて1級電気工事施工管理技士として認定されるため、最終的な合格率は第一次検定と第二次検定の合格率を掛け合わせた数値に近くなります。

第一次検定の合格率：約35~50%
第二次検定の合格率：約55~70%
全体の合格率：約30〜35%

つまり受験した3人に1人しか合格しない計算になります。国家資格の中では中程度の難易度に位置づけられますが、実務経験と理論の両方が問われる点で、しっかりとした準備が必要な試験といえるでしょう。

他資格から見た難易度

他資格から見た難易度は比較的難しいです。

資格名	合格率	難易度比較
1級電気工事施工管理技士	30〜35%（全体）	基準
1級建築施工管理技士	30〜40%（全体）	ほぼ同等
1級土木施工管理技士	30〜40%（全体）	ほぼ同等
第一種電気工事士	40〜50%（全体）	やや易しい
電験三種	約10%	かなり難しい

まず、同じ施工管理技士の資格と比較すると、1級建築施工管理技士や1級土木施工管理技士とほぼ同等の難易度とされています。いずれも第一次検定と第二次検定の合格率が50〜60%程度で推移しており、試験の構成も類似しているためです。

電気工事士と比較した場合、第一種電気工事士よりも難易度は高いといえます。第一種電気工事士の合格率は学科試験で約60%、技能試験で約70%程度ですが、1級電気工事施工管理技士は施工管理という幅広い知識と経験が求められるため、より高度な資格といえるでしょう。

一方、電験三種（第三種電気主任技術者）と比較すると、電験三種の方が難易度は高いとされています。電験三種の合格率は10%前後と非常に低く、電気工学の深い理論的知識が必要とされるためです。

1級電気工事施工管理技士は、実務的な施工管理能力を証明する資格として、適度な難易度を持つ国家資格といえます。

受験資格から見た難易度

第一次検定の難易度は高くありませんが、第二次検定の難易度は実務経験が問われるため難しいです。

まず1級電気工事施工管理技士の第一次検定の受験資格は下記です。

必要条件
試験実施年度に満19歳以上となる者（令和7年度に申請する場合、生年月日が平成19年4月1日以前）

_{出典：1級電気工事施工管理技術検定のご案内}

また第二次検定の受験資格は下記です。

区分	必要実務経験 (※1)
【区分1】1級第一次検定合格者
1-1	1級電気工事第一次検定合格後、実務経験5年以上
1-2	1級電気工事第一次検定合格後、特定実務経験 (※2) 1年以上を含む実務経験3年以上
1-3	1級電気工事第一次検定合格後、監理技術者補佐 (※3) としての実務経験1年以上
【区分2】1級第一次検定、および2級第二次検定合格者 (※4)
2-1	2級電気工事第二次検定合格後 (※4)、実務経験5年以上
2-2	2級電気工事第二次検定合格後 (※4)、特定実務経験 (※2) 1年以上を含む実務経験3年以上
【区分3】1級第一次検定受検予定、および2級第二次検定合格者 (※4)
3-1	2級電気工事第二次検定合格後 (※4)、実務経験5年以上
3-2	2級電気工事第二次検定合格後 (※4)、特定実務経験 (※2) 1年以上を含む実務経験3年以上
【区分4】1級第一次検定、および第一種電気工事士試験合格または免状交付者
4-1	第一種電気工事士試験合格または免状交付後、実務経験5年以上
4-2	第一種電気工事士試験合格または免状交付後、特定実務経験 (※2) 1年以上を含む実務経験3年以上
【区分5】1級第一次検定受検予定、および第一種電気工事士試験合格または免状交付者
5-1	第一種電気工事士試験合格または免状交付後、実務経験5年以上
5-2	第一種電気工事士試験合格または免状交付後、特定実務経験 (※2) 1年以上を含む実務経験3年以上

_{※1 新旧の受験資格で実務経験の考え方自体が異なります。必ず受検の手引をご確認ください。
※2 建設業法の適用を受ける請負金額4,500万円（建築一式工事については7,000万円）以上の建設工事であって、監理技術者・主任技術者（いずれも実務経験対象となる建設工事の種類に対応した監理技術者資格者証を有する者に限る）の指導の下、または自ら監理技術者若しくは主任技術者として行った施工管理の実務経験を指します。
※3 1級電気工事施工管理技士補の資格を有し、かつ当該工事における主任技術者要件を充足する者が、監理技術者の専任が必要となる工事において、監理技術者の職務を専任として補佐した経験をいいます。単なる監理技術者の補助経験は対象になりません。
※4 旧2級施工管理技術検定実地試験合格者を含みます。
出典：1級電気工事施工管理技術検定のご案内}

第一次検定は試験実施年度に満19歳以上になる者であればだれでも受験できますが、第二次検定の受験資格は上記のように実務経験が求められます。

実務経験が豊富であっても、体系的な知識や記述能力がなければ合格は困難です。現場経験だけでなく、しっかりとした学習が必要な資格といえます。

1級電気工事施工管理技士の合格ライン・基準点は?

1級電気工事施工管理技士の合格ライン・基準点は下記のとおりで、得点が50~60%以上必要です。

電気工事施工管理 1級	第一次検定	全体	得点が60%以上
		施工管理法	得点が50%以上
	第二次検定		得点が60%以上

_{出典：過去の受検状況・検定問題・合格基準}

上記が目安となりますが試験の実施状況を踏まえて変更される可能性があることを覚えておきましょう。

1級電気工事施工管理技士の試験に合格するには？

1級電気工事施工管理技士の試験合格には通信講座・講習会の活用、過去問の復習が欠かせません。

通信講座・講習会を活用する

1級電気工事施工管理技士の試験対策として多くの人が活用しているのが通信講座・講習会です。通信講座・講習会を活用することで合格率が引きあがります。

通信講座のメリット

通信講座のメリットは下記が挙げられます。

体系的なカリキュラム：出題範囲が広い試験でも、重要度の高い項目から順序立てて学習できる
添削指導：第二次検定の記述式問題や経験記述について、プロの講師による添削を受けられる
自分のペースで学習：仕事で忙しい方でも、自分の都合に合わせて学習を進められる
質問サポート：わからない点を質問できる環境が整っている

講習会のメリット

講習会のメリットは下記が挙げられます。

短期集中学習：数日間の集中講座で効率的に試験対策ができる
直接質問可能：講師に直接質問できる環境で、理解を深めやすい
モチベーション維持：同じ目標を持つ受験者と一緒に学習することで、やる気が持続する
最新情報の入手：法改正や出題傾向など、最新の情報を得られる

近年では、オンライン形式の講座も充実しています。自宅にいながら質の高い講義を受けられるため、地方在住の方や移動時間を節約したい方にもおすすめです。

過去問を復習する

過去問を復習することで1級電気工事施工管理技士の出題傾向が掴めます。そのため、通信講座・講習会を活用しながら過去問の復習も欠かさないようにしましょう。

過去問を復習する際は下記の手順を意識しましょう。

最低5年分、できれば10年分を解く
過去に出題された問題と類似した内容が繰り返し出題される傾向があるため、多くの年度の過去問に触れることが重要です。
時間を計って本番と同じ条件で取り組む
制限時間内にすべての問題を解き終える練習をしておくことで、本番での時間不足を防げます。
間違えた問題は必ずチェック
なぜ間違えたのかを分析し、同じミスを繰り返さないようにしましょう。
最低3周は繰り返す
1回解いただけでは定着しません。完璧に解答できる状態を目指して、繰り返し演習しましょう。
記述式問題は実際に書く
第二次検定の経験記述は、実際に手を動かして書くことで、記述のスピードや表現力が向上します。

また、過去問だけでなく予想問題集にも取り組むことをおすすめします。新しい法改正や最新の施工技術に関する問題が出題される可能性もあるため、幅広い問題に触れておくことが大切です。

過去問演習を通じて自分の弱点を把握し、重点的に学習することで、確実に合格率を上げられます。

まとめ

1級電気工事施工管理技士は、電気工事業界でキャリアアップを目指す上で非常に価値の高い資格です。合格率は決して低くありませんが、幅広い知識と実務経験に基づく応用力が求められます。

最後に合格率と合格ラインをまとめておきますので参考にしてください。

項目	内容
第一次検定の合格率	約35〜50%
第二次検定の合格率	約55~70%
全体の合格率	約30〜35%
合格ライン（第一次・全体）	60%以上
合格ライン（第一次・応用能力）	50%以上
合格ライン（第二次）	60%以上