今回は城西大学の総合政策学部で教授を務めておられる庭田文近先生へインタビューを行いました。

研究者・教育者を志したきっかけや学生に向けてどのようなことを大切にしてほしいかをお話しいただいています。

先生が現在の専門分野・研究テーマを選ばれたのは、どのようなきっかけがありましたか?

幼いころから鉄道と旅行が好きでした。小学生のころから1人旅をはじめ、大学生になってからは鈍行列車やオートバイで全国各地を巡るなか、各地の魅力に惹かれる一方で、地方の疲弊している状況を目の当たりにしたことが、いまの交通・観光まちづくりの研究につながっています。

研究者・教育者を志されたのはいつ頃でしょうか?そのきっかけとなった出来事や人物がいれば教えてください。

もともと交通論のゼミ(小淵洋一ゼミ)に入りたくて、城西大学に進学しました。その交通論のゼミの恒例行事として他大学との討論会があり、そこで自分の勉強不足に悔しい思いをしたことが大学院進学のきっかけとなりました。

修士課程のときに、交通に関する論文を集めているなかで出会ったのが關哲雄先生が主宰する研究会(日本交通政策研究会の基礎理論研究会)でした。経済学のツールを使って交通問題を分析するという研究に魅力を感じ、博士後期課程に入って研究者を目指そうと、立正大学大学院の關哲雄研究室に入りました。そこでは、交通経済学の研究のほかに、学部ゼミ生の指導のお手伝いをさせていただき、研究・教育をとおして学生とともに成長できる大学教育の素晴らしさに魅了されました。また、日本交通政策研究会にも参加させて頂き、そこで東京大学名誉教授の大石泰彦先生に出会い、基礎理論から地道に勉強した上で現実問題に応用していく研究の大切さを学び、本格的に大学教員を志すことにしました。

 現在取り組まれている研究テーマについて、高校生にもわかりやすくご説明いただけますか?

地域活性化政策の研究を行っています。

とくに、地域に固有の資源をいかして観光的魅力を高めるプロモーションや、脆弱な地方公共交通を改善するための経済分析を通じて、交通・観光まちづくりをテーマに研究しています。研究活動では、実際に現地を訪れて、観光活用できそうな有形・無形の地域資源を探したり、鉄道やバス、道路・街路などの交通の実態を調査しています。

その研究は、私たちの社会や日常生活とどのようにつながっていますか?

いま人口減少・経済衰退に直面している多くの地方に対して、産業集積地や有名観光地でなくても、その地域の個性をいかして魅力を高め、交通を改善することで、地域の経済・人口が持続的になる可能性がでてきます。

研究を進める中で、最もやりがいを感じる瞬間はどのような時ですか?

決して画一的ではない多様性にあふれた日本各地の文化・経済・自然・地理・歴史等を実際に体感できるのがこの研究活動の魅力です。審議会等で関わった自治体の計画・施策に、自分の考察が反映されたときに、研究のやりがいを感じています。

貴学部では、どのような学びができますか?他大学にはない独自の強みや特色もあわせてお聞かせください。

城西大学総合政策学部では、政策学を中心に政治・法律・福祉・経済・地域・情報・文化・国際の各分野を横断的に学ぶことができます。

学問分野を組み合わせて自由に学ぶことができるため、自分の興味・関心を追及することも、幅広く知識を得ることも、やりたいことを見つけることも、学生自身のスタイルにあわせて学べます。2年次では自分の目標に合わせた3つの分野(公共政策コース・地域創生コース・多文化社会コース)からコースを選択し、学びを深めることができます。また、まちづくりプログラムや共生福祉プログラムなど、将来の進路を見据えた7つの修学プログラムでは、指定された科目の単位を修得することで、終了証が授与されます。

本学部の授業は、教員による知識や理論の講義だけでなく、各界で活躍する外部の方々の講演や学生主体のグループワーク、フィールドワークや実習等の学外での実践的な活動など、多彩な学び方ができるのが特色です。また、城西大学は文系・理系あわせて5学部9学科を擁する総合大学であるため、他学部とのコラボ授業があることも本学部の強みです。なお、全学生が1年次から4年次まで少人数のセミナー・ゼミナールに所属するため、学生同士や教員とのコミュニケーションがしっかりと取れるようになっています。

先生の授業やゼミでは、学生にどのようなことを大切にしてほしいと考えていますか?

ゼミでは、ゼミ生が自ら選定した地域において、地域課題の分析および地域活性化プロジェクトの企画・実践を行っています。

学生の主体的な行動と強み・得意を生かす活動を重視しており、ゼミ生は自分たちで現地に赴き、住民・事業者・自治体等を巻き込みながら、毎年さまざまな地域活性化活動を行っています。最近のプロジェクトの例としては、地域ドラマやご当地ソングを制作・配信したり、地場産品をいかした商品開発を行ったりしています。政策学系の学部のため、授業やゼミ全体をとおして、学生には「温かい心と冷静な頭(cool head but warm heart)」で社会問題・地域問題を見る目を養ってもらいたいと考えています。また、地域学関連の科目(地域政策・観光政策・交通政策・地域活性化論・まちづくり論)では、世界的視野で考え地域で活躍できる(think globally, act locally)学生を育てたいと考えています。

貴学部に在籍する学生の特徴や雰囲気を教えてください。どのような学生が多いですか?

総合政策学部の学生は、1年次からインターンシップやボランティアに参加したり、委員会やクラブ活動を行うなど、活動的な学生が多い印象です。

また、出身地の地方公務員を目指している学生も多く、図書館などで早くから公務員採用試験の勉強をしている真面目な学生も見られます。全体的に、人懐っこく素直な学生が多く、教員との関係が近い雰囲気なため、教員の研究室には頻繁に学生が訪ねてきます(相談だけでなく、雑談やお菓子を食べに)。

貴学部への進学を考えている高校生に対して、今のうちに経験・学習しておくとよいことはありますか?

政策学系の学部のため、入学前から政治・経済・文化などさまざまなニュースに日々接し、関心を持ったニュースは深く調べて、自分の考えを論理的にまとめられるようにできるとよいでしょう。問題意識を持ったり、深く追求したいテーマを持っていると、総合政策学部の勉強はとても楽しいものになります。

進路選択に迷っている高校生へ、メッセージをお願いします。

本学の総合政策学部には、多種多様な研究分野の教員が所属しているため、多くの分野・多彩な学びができます。自分の趣味や好きなことが、実は大学での勉強・研究になったりもします。

私もそうでした。鉄道と旅行が好きで、それが実は学問になるというのは大学で知りました。自分の好きなことを追求したい人、逆にやりたいことが見つからない人、そのどちらの人も城西大学総合政策学部は全力で応援します。