理系の総合型選抜(旧AO入試)とは?文系との違いと対策のポイント
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理系の総合型選抜とは、書類選考や面接に加えて、数学・理科の学力や共通テストの成績まで問われる入試方式です。
小論文と面接が中心の文系とは異なり、基礎学力や専門分野への理解の深さも合否に関わる点が特徴です。
そのため、文系と同じような準備を進めると、力を出しきれないこともあります。
本記事では、文系との違いから具体的な対策、理系で総合型選抜を実施する大学の例までを解説します。
目次
理系の総合型選抜が文系と違うポイント

理系の総合型選抜は、文系と同じような準備を進めると思わぬところでつまずきます。
小論文と面接だけを想定していると、二次選抜の学力試験や専門的な質問に対応できないことがあります。
出願校を決める前に、文系の総合型選抜との違いを知っておくことが大切です。
ここでは、理系ならではの3つの特徴を取り上げます。
二次選抜で数学や理科の試験が課されやすい
理系の場合、書類選考を通過した後の二次選抜で、数学や理科の学力をはかる試験を用意する大学が多い傾向にあります。
専門科目の筆記試験を課したり、実際に手を動かす実験課題に取り組ませたりするケースもあります。
文系の総合型選抜が小論文と面接を中心に進むのとは、評価の仕方が大きく違う部分です。
つまり、理系では学習で積み上げてきた基礎学力そのものが、合否の判断材料になります。
学力はいらないという思い込みのまま出願すると、二次選抜で力を出しきれません。
口頭試問で専門分野の理解度を問われる
理系の面接では、志望する分野についての質問をその場で投げかけられることがあります。
あらかじめ用意した答えを話すだけでは対応しきれず、考えながら自分の言葉で説明する力が求められます。
志望理由書や提出した課題の内容を深く掘り下げられ、「なぜそう考えたのか」と重ねて聞かれる場面も少なくありません。
なかには、与えられた問題の解き方の道筋を口頭で説明させる大学もあります。
解答そのものより、結論にたどり着くまでの考え方を重視する大学も多いといえます。
知識を覚えているかどうかより、その知識をどこまで理解し、使いこなせているかを見られていると考えてよいでしょう。
共通テストの受験が必要な大学が多い
理系で総合型選抜を実施する国公立大学では、合否の判定や合格後の条件として共通テストの成績を求める大学が多い傾向にあります。
せっかく書類や面接を通過しても、共通テストで基準に届かなければ合格できない方式もあります。
もちろん、共通テストを課さない大学や学科もあるため、方式は一律ではありません。
国公立大学を志望するなら、一般選抜と同じように共通テスト対策も並行して進める必要があります。
出願先によって扱いが分かれるため、募集要項で共通テストの要否を必ず確認しておきましょう。
理系の総合型選抜に向けた対策の進め方
理系の総合型選抜では、書類づくりから学力試験対策まで、やるべきことが幅広く分かれています。
何から手をつければよいか迷う受験生も多いはずです。
焦って一つに偏るより、出願までの時間から逆算して計画的に進めることが大切です。
ここからは、合格に近づくための準備を4つの段階に分けて紹介します。
志望理由書で研究したいテーマを具体的に示す
どの分野の何を研究したいのか、なぜこの大学のこの学科なのかまで踏み込んで書くことが大切です。
具体的に書けると、入学後の学びと自分の関心が一致していることを示せます。
たとえば「再生可能エネルギーの蓄電効率を高める材料を研究したい」のように、対象を絞ると説得力が増します。
さらに、高校での探究活動や課題研究の経験を、大学で学びたい内容へとつなげる構成にすると効果的です。
自分の歩んできた道のりと将来の目標が一本の線でつながると、読み手に研究への本気度が伝わります。
小論文で理系の知識を論理立ててまとめる
理系の小論文では、文章を書く力だけでなく、データやグラフを正しく読み取る力も問われます。
与えられた図表から何が読み取れるかを整理し、自分なりの考察へとつなげる出題も見られます。
書くときは、まず結論を示し、次にその根拠、最後に具体例を添える順番を意識するとよいでしょう。
結論を先に置くことで、読み手は主張をつかみやすくなります。
普段から新聞や資料のグラフを読み解く習慣をつけておくと、本番でも落ち着いて取り組みやすくなります。
専門用語は雰囲気で使わず、意味を正確に理解したうえで用いることも欠かせません。
面接やプレゼンで自分の言葉で説明できるようにする
面接やプレゼンテーションでは、覚えた原稿をそのまま読み上げるような受け答えは評価されにくくなります。
想定していなかった質問が飛んでくることもあり、その場で考えて応じる姿勢が見られています。
そのためには、自分の研究テーマや志望動機を、人に説明できるほど深く理解しておくことが欠かせません。
言語化できていれば、質問の角度が変わっても落ち着いて答えられます。
頭のなかでわかっているつもりでも、声に出すとうまく言葉にできない場合があります。
家族や先生など第三者を相手に模擬面接を重ね、説明の流れを体に覚えさせておきましょう。
数学・理科の二次試験の過去問に取り組む
二次選抜で数学や理科の学力試験を課す大学を志望するなら、過去問への取り組みが欠かせません。
出題の傾向は大学ごとに特色があり、志望校の過去問や類似問題を解くことで対策の方向性が見えてきます。
本番に近い形で時間をはかって解いておくと、当日の進め方もつかみやすくなります。
こうした学力試験の準備は、一般選抜に向けた勉強と重なる部分が少なくありません。
総合型選抜の対策をしながら一般選抜の力も同時に伸ばせるため、早く始めるほど有利です。
出願の時期から逆算し、いつまでに何を仕上げるかを決めて計画的に進めましょう。
理系で総合型選抜を実施している大学の例
理系で総合型選抜を行う大学は、選考の方法や共通テストの扱いがそれぞれ異なります。
自分の得意分野や準備できる内容と照らし合わせると、志望校選びの参考になります。
それぞれの違いを知ると、必要な対策の理由も見えてくるはずです。
ここでは、特色ある入試を実施している3つの国立大学を取り上げます。
東京農工大学(工学部・農学部)
東京農工大学では、学部ごとに名前の異なる総合型選抜を実施しています。
工学部の「SAIL入試」は、大学入学共通テストと個別学力検査を免除する方式です。
一次選考は、志望理由書や特別活動レポートなどの書類でじっくり評価されます。
二次選考では、活動内容のプレゼンテーションや質疑応答、数学に関する口述試験などが課されます。
一方、農学部の環境資源科学科で実施されるのが「ゼミナール入試」です。
書類選考を通過すると、実験に取り組むゼミナールと面接が課されます。
そして最終的には、大学入学共通テストの成績も合否の判定に使われます。
同じ大学でも、共通テストの要否が学部によって分かれている点に気をつけたいところです。
お茶の水女子大学(理学部)
お茶の水女子大学では、「新フンボルト入試」と呼ばれる総合型選抜を行っており、理学部もその対象です。
理系学科の一次選考は、提出した出願書類をもとに進められます。
特徴的なのは二次選考の「実験室入試」で、学科ごとに用意された課題に取り組む形式です。
理学部では数学科・物理学科・化学科・生物学科などが対象で、それぞれ選考の内容が変わります。
実際に実験を行って結果をまとめ、考察をレポートにする学科や、自主研究の成果をポスターで発表する学科もあります。
知識を覚えているかではなく、その知識を研究の場でどう応用できるかが問われる入試といえるでしょう。
横浜国立大学(理工学部)
横浜国立大学の理工学部でも、総合型選抜が用意されています。
機械・材料・海洋系学科の材料工学教育プログラムと海洋空間のシステムデザイン教育プログラムが対象で、提出書類と面接、大学入学共通テストの成績をあわせて合否を決めます。
受験する教科や科目は学科やプログラムごとに定められているため、募集要項での確認が欠かせません。
面接では、学びたい分野への関心の深さや意欲の強さ、適性などが見られます。
最終的な合格には共通テストの得点が関わるため、一般選抜と同じ水準の学力も求められます。
書類と面接だけで決まる方式とは異なり、学力と意欲の両面をそろえて準備する姿勢が大切です。
まとめ
理系の総合型選抜は、文系と同じ準備では通用しない場面が少なくありません。
二次選抜で数学や理科の学力が問われ、口頭試問で理解度を試され、共通テストの成績まで必要になることがあるからです。
だからこそ、志望理由書や小論文、面接、過去問対策をバランスよく進めることが合格につながります。
まずは志望校の募集要項を読み込み、選考の方法と共通テストの要否を確かめるところから始めてみてください。
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