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司法試験コラム | 司法試験予備試験に1年で合格する方法

司法試験予備試験(予備試験)とは

 予備試験とは,法科大学院修了者と「同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定する」(司法試験法5条)ための試験です。正式名称は,「司法試験予備試験」ですが,「予備試験」と呼ばれるのが通常です。
 予備試験に合格すれば,法科大学院を修了しなくても司法試験を受験することができるため,予備試験に最短で(=1年で)合格することが,司法試験の最短合格に繋がります。
 以下では,勉強時間をしっかりと確保できる方が,3月~6月頃に学習を開始することを想定して,1年間で予備試験に合格するためのスケジュールをご紹介します。なお,秋から学習を開始して,予備試験の合格を目指す場合のモデルスケジュールはこちらをご覧ください。

1年間で予備試験に合格するための勉強法

 予備試験は,5月に短答式試験,7月に論文式試験,10月に口述試験が行われ,それぞれの試験を順次突破していくという段階式の選抜方法を取っています。それぞれの試験の成績は,その試験の合否の判定のみに用いられます(その後の試験の合否には影響しません)。
 そのため,まずは5月に行われる短答式試験を突破しなければなりません。
短答式試験は,合格率が20%前後と,簡単な試験ではありませんが,そうはいっても中には記念受験的な人もおり,また知識を中心に問う出題傾向にあるため,コツコツと勉強しさえすれば,突破できる試験です。
 これに対して,論文式試験は,予備試験では,短答式試験に合格した受験生のうちの20%前後しか合格しない試験です。この中には当然記念受験的な人は含まれていませんし,また,出題傾向が,基本的な知識をベースとして,高度な思考力・応用力を問うものであるため,相当な難関試験になっています。
 なお,口述試験は,論文式試験を突破した人の中の90%前後が合格する試験になりますので,その対策を考えるのは,論文式試験を突破した後でいいでしょう。
 以上から,1年間の勉強で,翌年度の予備試験に合格するためには,第1に論文式試験をいかにして突破するのかという点がポイントとなります。また,第2に,短答式試験は肢切り点(例年,270点満点で165点か170点)をクリアできればよく,それ以上の点数は必要ないため,その点数をいかにして効率よく稼ぐかという点がポイントになります。
 これらを踏まえて,翌年度の論文式試験までの勉強法を考えていきましょう。
 なお,1年間の学習で予備試験に合格するためには,独学は不可能で,予備校の利用は必須だと考えてください。大学の講義や独学で基本的な法学の知識を身に着けようとする人がいますが,これでは時間がかかりすぎ,効率的ではありません(例えば,大学の講義であれば,予備試験に最低限必要な基本7科目ですら,全て履修するのに2年間ないし3年間の時間を要しますので,そもそも1年間の学習で予備試験に合格することは不可能です)。

予備試験1年合格者のインタビュー

工藤北斗講師の入門講座(現:総合講義300)等を受講し,大学入学前の2014年2月から学習を始め,大学2年時に平成27年度予備試験に合格された方へのインタビューはこちら

 

年内の勉強法

論文式試験対策

入門講座・基礎講座の受講

 論文式試験にせよ,短答式試験にせよ,基本的な法学の知識がなければ,問題を解くことはできません。そのため,予備校の入門講座・基礎講座(アガルートアカデミーでは,総合講義300がこれに相当します)を受講し,基本的な法学の知識を身に着けることからスタートします。
 勉強に費やすことができる時間の量は個人差がありますが,1年での予備試験の合格を目指す場合,基本7法をいかに早く修得することができるかが重要になりますので,1日2時間~3時間は,講義を受講するようにしましょう(総合講義300の場合は,1日3時間ずつ受講した場合,100日=3ヶ月強で受講を終えることができる計算です)。

論文答案の書き方講座の受講

 論文式試験対策の第1歩として,論文式試験問題の解き方・書き方を学ぶ必要があります。そこで,予備校が開講している,論文答案の書き方についての講座(アガルートアカデミーでは,論文答案の「書き方」)を受講しましょう。
 これは,入門講座・基礎講座等のインプット講座と並行して受講するのが効果的です。インプット講座と並行して受講することによって,インプット講座で学んだ知識がどのように論文式試験で問われるのかということを知ることができるからです。

問題集・過去問を解く

 基本的な知識をインプットし,論文答案の書き方を学んだ後は,ひたすら問題演習を繰り返します。数学の勉強において,公式を習得した後は,練習問題で公式を使いこなすことができるように練習したのと同様です。
 学習ツールとしては各予備校が出版している予備試験型の短文~中文の論文問題が掲載された論文式試験の問題集を使うか,多数の問題を潰すことができる予備校の論文講座を受講しましょう(アガルートアカデミーでは,重要問題習得講座)。
 具体的な問題集や講座テキストの潰し方としては,ひとまず答案構成(答案作成のためのメモ書きのこと)レベルで結構ですが,答案を書く訓練を積むために,そのうちの数問については,時間が許す限り,実際に答案を作成してみることをオススメします。
 予備校の問題集やテキストをある程度潰し終わった段階で,予備試験の論文式試験で実際に出題された過去問を解いてみましょう(アガルートアカデミーでは,予備試験論文過去問解析講座をご提供しています)。中にはかなり難易度の高い問題も含まれていますが,現在のところ予備校の問題集やテキストとそこまで難易度に差があるわけではありません。
 この段階でも十分に太刀打ちできるレベルです。
 過去問を潰す場合には,予備校が市販している再現答案集を併せて利用するとよいでしょう。実際に合格者がどのレベルの答案を書いていたのかが分かり到達点を把握することができます。
 また,旧司法試験の論文式試験で出題された過去問を解いてみることも有効です。問題文の長さ・難易度が予備試験に近く,現に旧司法試験で出題された知識・論点が予備試験に出題されています(アガルートアカデミーでは,旧司法試験論文過去問解析講座を開講しています)。

予備試験型答練を受ける

 これと並行して,予備校が主催する予備試験型問題を使った答案練習会を受講しましょう(アガルートアカデミーでは,旧司法試験・予備試験型答練)。ここでは,今までに学んだ知識や問題の解き方等のテクニックを使いこなし,実際に答案を作成することを目的とします。試験本番の厳しい時間制限に慣れるため,できる限り本番に近い環境(あるいはそれより厳しい環境)に身を置いて,制限時間内で答案を仕上げる訓練をしましょう(例えば,予備試験では1問当たり70分の制限時間が与えられることになりますが,答案練習会ではあえて自分で1問当たり60分の時間制限を設けてみるといった方法が有効です。)。

法律実務基礎科目のインプット講座の受講

 予備試験の論文式試験では,民事・刑事の法律実務基礎科目が試験科目となっています。
 そのため,この対策も別途必要になります。
 これについても,独学で学習するより,予備校のインプット講座を受講した方が効率的です(アガルートアカデミーでは,法律実務基礎科目対策講座を開講しています。)。
 法律実務基礎科目の民事は,ごく大雑把にいえば,民法と民事訴訟法の融合問題が出題されるというイメージです(要件事実論といいます)。
 そのため,民法・民事訴訟法の学習にある程度目処がついた段階で,インプット講座を受講すると良いでしょう。
 法律実務基礎科目の刑事は,刑法と刑事訴訟法の融合問題というイメージです。
 こちらも,刑法と刑事訴訟法の学習にある程度目処がついた段階でインプット講座を受講しましょう。
 ただし,民事にせよ,刑事にせよ,法律基本科目(民事では民法・民事訴訟法,刑事では刑法・刑事訴訟法)の知識・理解が相当程度身についていることが前提になります。
 そのため,法律基本科目の知識・理解が不十分なまま,法律実務基礎科目の学習を始めてみてもあまり効果が上がりません。民法・民事訴訟法,刑法・刑事訴訟法の学習がある程度進んだ段階(一つの目安としては,基本的な論文式試験問題が処理できるようになった段階です。)で,インプット講座を受講することをオススメします。

短答式試験対策

 論文式試験対策がある程度進んだ科目について,短答式試験の学習を開始しましょう。
 短答式試験対策の講座で,短答プロパー知識と呼ばれる短答式試験のみで問われる知識をインプットします(アガルートアカデミーでは,短答知識完成講座Ⅰ短答知識完成講座Ⅱ)。
 インプット講座が終了後(あるいは並行して),市販の問題集や予備校の講座を利用して,司法試験・予備試験の短答式試験過去問を解きましょう(アガルートアカデミーでは,憲法・民法・刑法について,短答過去問解析講座を開講しています。なお,短答知識完成講座Ⅱでは,教材としてオリジナル過去問集を利用しますので,過去問集を別途用意する必要はありません)。
 短答式試験過去問については,最終的には95%程度正解できるようになるのが目標ですが,年内は,論文式試験対策に比重を置くべきなので,各科目1回(1周)ずつ解くことができれば上出来です。
 なお,短答式試験対策は,論文式試験対策がある程度進んだことを前提としていることに注意してください。
 知識の面でいえば,短答式試験が論文式試験を包含する関係にありますので,論文式試験対策用の知識が確立していない段階で,短答式試験の問題を解いてみてもあまり効果が上がりません。また,短答式試験でもある程度の思考力・応用力が問われる問題があります。そこで求められるのは,論文的な論理的思考力です。そのような問題は,純粋に知識だけで挑んでみても解けないように作られているので,論文式試験対策をこなし,論文的な思考力を身に着けた後に学習するのが効率的です。

年明け~3月までの勉強法

 この時期は,短答式試験が数ヶ月後に迫っていますので,短答式試験対策の比重を上げていきます。一方で,論文式試験対策は,最低限度のものに留めざるを得ません。

論文式試験対策

予備試験・旧司法試験論文過去問を解く,予備試験論文答練を受ける

 短答式試験対策の合間を見て,年内に消化しきれなかった予備試験論文過去問・旧司法試験論文過去問,予備試験論文答練を解きましょう。一度解いたことがある問題で,間違えてしまった問題をもう一度解きなおしてみることも有効です。

司法試験型答練を受講する

 現在の予備試験は,法科大学院に進学することができない受験生に対して法曹への途を開くという本来の制度趣旨と異なり,合格者の大半を法科大学院在学生又は修了生が占めているという状況です。
 そのため,予備試験の論文式試験に合格するためには,彼らと同様のレベルの素材で学習しなければなりません。
 法科大学院生又は修了生は,司法試験の合格を目指していますので,当然司法試験型の長文事例問題を解いています。そうだとすると,(法科大学院在卒生ではない)予備試験受験生も,司法試験型の長文事例問題を解いておかなければ合格はおぼつかないということになります。
 確実な合格を期す場合には,年内に予備試験型の短文~中文事例問題の処理に慣れておき,年明けからは司法試験型の答練を受講することが望ましいといえます(アガルートアカデミーでは,司法試験型答練を開講しています)。
 ちなみに,この段階で予備試験の難易度を上回る司法試験型の問題を解いておくことで,負荷をかけた学習をすることができますので,予備試験型の問題に戻った時にかなり簡単に感じるという副次的な効果が得られます。ちょうどバットに重りをつけて素振りをしていると,重りを外した時に,バットが軽く感じるような感覚です。
 ただし,短答式試験に合格しなければ論文式試験を受けることすらできませんので,短答式試験対策の進捗状況(例えば,短答過去問を年内に1科目も1周させていない場合)によっては割愛してしまっても仕方がありません。

司法試験過去問へのチャレンジ

 上記と同じ理由で,司法試験の過去問を解くことも有用です(アガルートアカデミーでは,司法試験論文過去問解析講座を開講しています。)。
 ただし,これも司法試験型答練と同様,短答式試験対策の進捗状況によっては割愛してしまってください。
また,司法試験の過去問は,問題そのものとしてかなり難易度が高いので,この段階で解いてみても太刀打ち出来ないということがあるかもしれません(予備試験と司法試験の問題の難易度の乖離が大きい科目として,行政法,商法,民事訴訟法,刑事訴訟法が挙げられます。)。その場合は,チャレンジしてみても時間の無駄になってしまいますので,短答式試験後に再度チャレンジしてみるということでも結構です。
 なお,短答式試験後でも構いませんので,最低限憲法は解いておくことをオススメします。憲法は,予備試験と司法試験の出題形式がほぼ同様で,難易度もそこまで変わらない(予備試験の問題がかなり難しい)ので,予備試験対策としてかなり効果的です。

短答式試験対策

司法試験・予備試験の短答式試験過去問を解く

 年内にこなすことができなかった短答式試験過去問をこなしましょう。年内に全科目を1周回すことができている場合には,できなかった問題をピックアップしてこなしていきます。
 2周目でもできなかった問題は,さらにもう一度解きます。過去問は,できるまで何度でも解きましょう。

一般教養科目の過去問を解いてみる

 予備試験の短答式試験において,一般教養科目の配点は高いのですが,幅広い分野から出題されるため,対策を施しても,点数に結びつきにくいという特徴があります(要するに,コストパフォマンスが悪いということです。)。そのため,最低限度の学習で平均点程度(例年60点満点中24点~30点程度)を狙うという対策が一般的です。
 予備試験の過去問を解いてみて,平均点程度の点数が取れていれば,特別の対策は不要でしょう。
 過去問を解いてみて,どの年度も平均点を下回るということであれば,特定の分野(社会科学の分野は,他の分野に比べて前提とする知識が少なく,取り組みやすいため,お勧めです。社会科学の分野に特化した講座として,一般教養科目対策講座をご用意しております。)に絞って対策を講じましょう。

旧司法試験短答式試験過去問を解く

 これは余裕があれば,ということになりますが,旧司法試験の短答式試験過去問を解くことも有用です。旧司法試験時代は,憲法・民法・刑法の3科目しか出題されていませんでしたが,その3科目についてはかなりの過去問の蓄積があります。これらまでこなすことで,その3科目については,知識や理解の精度をかなりのレベルにまで高めることができるとともに,さらに網羅性を上げることができます。

短答式試験直前期(4月)~短答式試験受験までの勉強法

 この時期は,短答式試験直前期に当たります。短答式試験対策に集中しましょう。
 論文式試験対策は,余裕がある場合や気分転換といった程度の位置づけです。

論文式試験対策

 この時期は,短答式試験の直前期になりますので,論文式試験対策はひとまず措いておいてください。気分転換に,論文の勘を鈍らせないように,問題集や過去問を解き直してみるといった程度で結構です。

短答式試験対策

短答式試験の模擬試験の受験

 各予備校では,この時期に短答式試験の模擬試験が実施されます。
 短答式試験は,論文式試験ほど時間制限は厳しくありませんが,試験本番の環境に慣れるために,できるだけ短答式試験の模擬試験を受験するようにしてください。1回か2回程度受験しておけば十分です。

短答式試験過去問の総復習

 今まで解いてきた,短答式試験過去問(第1順位は当然司法試験・予備試験の過去問です。旧司法試験の過去問は余裕がある場合に復習しましょう。)で,できなかった問題を総復習しましょう。
 知識が定着しているかどうかを確認すると共に,短答式試験問題の処理に必要なテクニックや思考フローが身についているかどうかも確認しましょう。  

短答式試験受験後~論文式試験受験までの勉強法

 この時期は,論文式試験の直前期になります。論文式試験突破に向けて最後の追い込みをします。

予備校の直前答練,模擬試験の受講

 この時期には,各予備校が予備試験型問題を使った直前答練や模擬試験を実施します。予備試験本番を見据え,これらの答練や模擬試験は必ず受講するようにしてください。

論文問題の総復習,基本的な知識・理解の確認

 今まで解いてきた論文問題でできなかった問題を総復習します。論文問題で最も優先順位が高いのは過去問です。前述のように,過去問では,本試特有の「ひねり」が入っていますので,それに対する免疫を培う(回復させる)必要があります。予備試験過去問はもちろんのこと,旧司法試験過去問もしっかりと復習してください。特に,論文問題処理のための思考方法がしっかりと身に着いていたのかどうかという点を確認して下さい。
 それと同時に,問題の復習を通じて,基本的な知識や理解に抜けがないか確認して下さい。基本的な知識や理解に抜けがある場合には,講座のテキスト等に戻って確認しましょう。

法律実務基礎科目の総まくり

 法律実務基礎科目は,どうしても学習の開始時期が遅くなりますので,知識や理解の定着度が低いという場合が多いです。基本科目以上に,知識や理解の確認を徹底するようにしましょう。その際には,実務基礎科目答練を受講するのも効果的です。

司法試験過去問へのチャレンジ

 短答式試験前に解くことができなかった問題や科目にチャレンジしてみてください。ただ,上記のように司法試験過去問は非常に難易度が高いので,太刀打ちできない問題も出てくると思います。その場合は,時間の浪費を避けるため,その問題はバッサリと忘れてしまいましょう(ちなみに,そのレベルの問題は,法科大学院生や修了生であっても,正解がわからないという場合も往々にしてあります)。

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